地域に根差し、未来を育む金融機関の取り組み
横浜幸銀信用組合
- 分野 社会貢献 /
- エリア横浜市 /
- 推進主体 民間企業 /
本会児童福祉施設協議会を通じた子どもたちへの支援をはじめ、さまざまな社会課題に対し、金融機関としてできる社会貢献活動に取り組む横浜幸銀信用組合の皆様にお話を伺いました。
社会貢献活動をはじめたきっかけを教えてください
当組合では、2020年の本店新築移転を機に「新しい場所で何か地域の役に立てることができないか」という思いから検討を重ねました。その結果、「こどもの未来を応援する」というテーマにたどり着きました。きっかけは、職員が地域貢献の一環として、寄付型自動販売機をランチルームに設置することを役員に提案したことでした。これに対し、理事長から「お客様向けの飲み物についても1本10円の寄付を募ってはどうか」との助言があり、内閣府(現こども家庭庁)の「こどもの未来応援基金」への寄付の仕組みを導入しました。
その際、児童養護施設の現状についてお話を聞く機会がありました。中でも「夏休みのイベントに参加したことで初めて夏休みの絵日記が書けた」という子どもの話に、私たちにとっては当たり前の体験がそうではないという現実を目の当たりにして衝撃を受けました。日本でも子どもの貧困が深刻であることを知り、個人ではなく組織として支援する必要があると感じ、継続的に取り組む「こどもの未来プロジェクト」として進めることを決意しました。
活動で印象的だったことはありますか。
「こどもたちの未来のために私たちができること」をコンセプトに掲げ、地域社会への貢献と次世代育成を目的として、プロスポーツクラブとのスポンサー契約を通じた活動をしています。
当組合では、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」のスポンサーとして、毎年夏に「冠試合」を開催していますが、この試合では、県内の児童養護施設の子どもたちやその関係者を招待し、プロ野球の観戦体験を通して感動や夢を届けています。また、同球団OBがコーチとなった「野球教室」も開催しており、参加する子どもたちは選手とふれあいながらキャッチボール等を体験することができます。性別を問わずスポーツの楽しさや協力することの大切さを学べる貴重な場となっています。
実際に観戦した子どもたちから「初めてプロの試合を観られた」「将来はプロ野球選手になりたい」といった感想が書かれたお礼のお手紙をいただき、招待して本当に良かったと感じています。同時に、どのような環境や状況の子どもたちにも夢や希望を持ってもらえるよう、今後もそのお手伝いを続けていきたいと強く思っています。こうした活動を通じて、多くの方々との出会いが生まれ、地域とのつながりも広がっています。

野球教室に参加した子どもたちから寄せられたメッセージから楽しんでいた様子が伝わりました
今後の展望を教えてください
これまで展開してきた社会貢献活動を単発で終わらせず、継続し、広げていくことが大切だと感じています。今後は、活動をより体系的に推進するため、プロジェクト化をさらに強化し、職員一人ひとりが「こどもたちの未来のために私たちができること」を自主的に考え〝これならできる〟を見つけ、実践していけるような体制を整えていきたいです。そして、活動のきっかけとなった言葉やそのとき感じた思いを大切に、当組合にしかできない社会貢献活動を続けてまいります。
お話を伺った横浜幸銀信用組合の皆さん