福祉タイムズ
Vol.895(2026年6月号)
このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.895(2026年6月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。
テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.895 2026年6月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
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福祉タイムズふくしTIMES
2026.6 vol.895
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
今月の表紙
多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)が制作した「やさしいにほんご」版の「認知症456(すごろく)」を体験する皆さん(撮影後藤京子)
詳細は次のページから
Contents
特集 福祉サービス事業者の苦情対応と事業者支援の取り組み
NEWS&TOPICS 循環型セーフティネットとしての救護施設の役割-救護施設横浜市浦舟園
県社協のひろば 自分らしい暮らしを支えるために〜障害者グループホーム第三者評価の活用〜
連載/企業の社会貢献活動 技術と想いを未来へつなぐ 塗装ボランティア活動-神奈川昭和会
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かながわ ふくしのギャラリー
「やさしいにほんご」のすごろくでつながる輪
多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)
言葉や文化の違いを超え、すべての人が自分らしく歳を重ねられる地域づくりを目指す「多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)」。
本会との協働モデル助成事業の中で日本で暮らす外国人高齢者に対して行った調査からは、多くの人が老後の生活に強い不安を抱きながらも、具体的な支援制度やサービスの利用に結びついていない実態が明らかになりました。その背景には「老後のことを話すのは縁起が悪い」「親は子が看取るべき」といった母国の文化的価値観や、言語の違いによる情報の遮断など、さまざまな要因が複合的な壁となって立ちはだかっています。
老後の不安を自然に共有
そこでTKNKは、水戸市が作成した「認知症456(すごろく)」に注目し、全国で広く活用できる「やさしいにほんご」版の制作に取り掛かり、令和7年9月に完成しました。
TKNKの代表で立教大学特任准教授の門さんは「普段の生活ではなかなか口にしづらい老後の悩みや不安も、すごろくをやりながらだと、ゲーム内の会話として自然に共有できるんです」と、認知症456の魅力を語ります。
各マスには、認知症の初期から日常的な介護が必要になるまでのようすや周囲の対応などが描かれており、時間軸を追って加齢による変化や認知症への理解を深められます。プレイする際は、認知症の進行段階に応じた社会資源がまとまった資料「資源編」を併用することで、具体的なサポートの仕組みも同時に学べるのが特長です。
つながりを重ね、育てた表現
制作の過程には、団体のネットワークを生かした豊かなつながりがありました。国際交流や福祉、日本語教育の専門家や、在日コリアン、中国帰国者、日系ブラジル人といった多文化の背景を持つ方々など、分野を超えた多様なメンバーが参加しました。
〈写真〉
左から、村上さん、門さん、中さん
〈写真終わり〉
日本語教育の専門家で、制作の中心に携わった村上さんは「特定の地域の情報に偏らないよう汎用性を持たせつつ、誤解やネガティブな印象を与えない言葉を選ぶのは非常に難しかったです。しかし、各メンバーの強みを生かして丁寧に表現を育てられたおかげで、文化や言語、年代を問わず、誰もが参加しやすい形にできたと感じています」と振り返ります。
地域を結ぶきっかけに
完成後、県内の地域包括支援センターや福祉関係者を中心に反響があり、今後は実際に体験できるワークショップを開き、イベントなどに参加したいということです。
前代表の中さんは「民生委員の方や地域のサロンなどでも活用してもらい、外国につながる方との接点になれば嬉しいです」と、すごろくを通じた地域の輪の広がりについて想いを話してくださいました。
認知症456の「やさしいにほんご」版は、認知症についての理解を深めることにとどまらず、さまざまな壁を越えて人と人とがつながるきっかけとして、温かい地域づくりの未来をそっと照らし出しています。
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〈すごろくイラスト〉
〈写真複数〉
みんなでやってみよう! 認知症456「やさしいにほんご」版ダウンロードはこちらから
認知症になった人の変化や、みんなで気軽にできる体操などが、ひらがなとカタカナで書かれている
数字が書かれているコマに止まったら、「資源編」で対応する数字をチェック!
コマには参加者同士で話し合う場面もある。それぞれの経験や地域の社会資源などについて、自然に情報交換ができる
〈写真終わり〉
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特集
福祉サービス事業者の苦情対応と事業者支援の取り組み
社会福祉法第82条の規定により、「社会福祉事業の経営者は利用者からの苦情に対して適切な解決に努めなければならない」とされています。
苦情への対応を検討することは、職員の専門性とチームワークを高め、事業者のサービスの質の向上につながります。福祉サービス事業者に求められる苦情解決の体制づくりと、かながわ福祉サービス運営適正化委員会による事業者支援に向けた取り組みを紹介します。
福祉サービス事業者における苦情解決の意義
厚労省「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針」では、苦情解決の仕組みの目的について「苦情への適切な対応は、自ら提供する福祉サービスの検証・改善や利用者の満足感の向上、虐待防止・権利擁護の取組の強化など、福祉サービスの質の向上に寄与するものであり、こうした対応の積み重ねが社会福祉事業を経営する者の社会的信頼性の向上にもつながる」とされています。
苦情解決の仕組みを整備し、適切な対応を図ることは、利用者にとってはサービスに対する満足感を高めることになり、事業者にとってはニーズの把握や提供するサービスの検証を可能とし、結果として双方にとってサービスの向上につながる効果が期待できます。
苦情解決体制の仕組み
福祉サービス事業者(以下、事業者)は、苦情対応の要綱やマニュアルを作成し、苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員を定めて利用者に周知します。
また、苦情を受けた際は事前に定めた流れに沿って組織として対応を検討し、利用者に改善策等を説明することが基本となります。 苦情内容や対応経過について記録しておくこと、可能な範囲で苦情内容や改善結果について他の利用者に公表することも必要です。
〈図〉
事業者における苦情解決の流れ
利用者(苦情申出人)
↓
苦情受付担当者
↓
苦情解決責任者
↓
第三者委員
↓
話し合い
↓
改善事項・改善結果の報告・公表
〈図終わり〉
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苦情対応に求められる視点
かながわ福祉サービス運営適正化委員会(以下、委員会)では、定期的に県内の事業者に対し苦情解決体制整備状況についてアンケート調査を行っています。課題や苦情の傾向を分析し、その結果を公表することにより事業者での取り組みに役立ててもらうことを目的としています。
令和3年度の調査では、苦情解決について事業者が認識する課題として、利用者・家族とのコミュニケーション、苦情の考え方の共有化などが多く聞かれました。
〈横棒グラフ〉
苦情解決事業の課題として認識されていること(複数回答)
苦情の考え方の共有化(苦情のとらえ方) 47.0%
苦情内容の複雑・多様化 29.5%
苦情に対する法人や事業所の体制整備 16.0%
利用者・家族との信頼関係、コミュニケーション 56.1%
苦情への迅速・丁寧な対応 43.1%
苦情をサービスに活かしていくための工夫 28.3%
特にない 12.1%
その他 3.2%
令和3年度「福祉サービス事業者における苦情解決体制整備状況に関するアンケート調査 報告書」より
〈横棒グラフ〉
これらの調査結果や委員会の日頃の相談対応から、苦情対応には次のような視点が必要であると考えます。
◆利用者や家族への丁寧な説明
委員会には、利用者から「期待した支援が受けられない」「事前に聞いた内容と違う」等の苦情が寄せられます。提供するサービスについてあらかじめ丁寧に説明することで、こうした行き違いを防ぐことができます。利用者や家族とコミュニケーションを重ね、信頼関係を構築することが苦情を生まないことにもつながります。
◆関係機関との連携の必要性
事業者がサービスを提供する中で、利用者の状況の変化等からそれまで通りの支援が難しくなる場合があります。その際、ケアマネジャーや相談支援専門員などの関係者と情報を共有し、必要な支援を検討することが求められます。
また、利用者や家族から過度な要求等が寄せられ、事業者が対応に苦慮する例も見られます。事業者内で抱え込まず、関係機関・専門機関との連携が必要な場合もあります。
事業者の体制整備に向けた支援
委員会では、事業者に向けて次のような取り組みを行っています。
◆苦情解決研修会
苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員など苦情対応に携わる職員を対象に年3回実施しています。
昨年度は、苦情解決の意義や苦情対応の基本を学ぶための基礎編、事例検討を行う実践編を開催しました。延べ399人の参加があり、苦情対応の留意点や苦情を支援にフィードバックしていくために必要なプロセスを学びました。
◆事業者訪問調査
事業者を訪問し、苦情解決体制や苦情対応状況等を聞き取り、事業者が抱える課題や困りごとに対して助言します。
昨年度は特別養護老人ホーム、就労継続支援B型、認定こども園など8カ所を訪問し、分かりやすい苦情相談窓口の周知の工夫や、苦情をきっかけに職場内研修を行った事例等を把握しました。
委員会では、これらの事例や事業者の方々の声を参考としながら、今後も事業者支援に向けた取り組みを継続してまいります。(かながわ福祉サービス運営適正化委員会)
本年度、福祉サービス事業者における苦情解決体制整備状況に関するアンケート調査を実施します。8月頃、無作為に抽出した県内の3,500カ所の事業者等に調査票を郵送します。回答にご協力をお願いいたします。
〈QR〉
福祉サービス事業者の苦情解決体制整備への支援
●事業者訪問調査
●苦情解決研修会
● マニュアル、ポスター等
ぜひご活用ください。
〈QR終わり〉
〈囲み〉
苦情解決研修会
参加者の声(令和7年度苦情解決研修会より)
受講前
●苦情の初期対応を学びたい
●要望なのか苦情なのか、判断に迷う
●過度な要求にどこまで対応する必要があるのかわからない
●職員によって対応にばらつきがあることが課題
受講後
●苦情を聞く姿勢、基本的な姿勢を学ぶことができた
●職員個人の対応の問題とせず、組織として考える必要がある
●苦情とハラスメントを分けて考えるという話が参考になった
令和8年度 開催予定(予定変更の場合があります)
第1回
【基 礎 編】令和8年7月28日(火)13:30~16:30〈Zoomによるオンライン研修〉
講義「苦情解決の意義と事業者に求められる法的責任」
「苦情対応の基本を学ぶ」
「苦情対応の実際・留意点を学ぶ」
第2回
【実践編Ⅰ】令和8年12月4日(金)13:30~16:30〈集合研修〉
講義と演習 ※模擬事例を使って演習を行います
第3回
【実践編Ⅱ】令和9年2月3日(水)9:30~12:30/13:30~16:30〈集合研修〉
講義と演習 ※ 事例を持ち寄り、事例検討を行います。
高齢・障害・児童の分野ごとに、午前または午後いずれかにご参加いただきます。
※県社協HPにて、おおむね開催2カ月前より募集開始
〈囲み終わり〉
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NEWS&TOPICS
循環型セーフティネットとしての救護施設の役割
制度のはざまを埋める「セーフティネット」
救護施設は、生活保護法第38条に規定された施設です。県内には5カ所(横浜3・川崎1・県域1)あります。利用者を地域の住民として尊重し、ご本人の意向に沿った自立支援を行い、その人らしい豊かな生活の実現に最大限努めることを目的としています。施設の利用者は、生活保護を受けているという点が特徴の一つで、原則として、実施行政機関による「措置」として入所が決まります。
障がいの種別(身体・知的・精神)や年齢、背景を問わず、支援を必要とする人を幅広く受け入れることができる「地域におけるセーフティネット」として、命と生活そのものを支える存在となっています。
各施設は居住支援を基礎として、一人ひとりの課題を受け止めて、生活や利用者自身のことを共に考え、誰もがその人らしく生きがいを持ち人生を送ることができるように支援をしています。
サービスの提供にあたっては、利用者の希望・要望を聞きながら「個別支援計画」を策定し、自立に向けた支援を行っています。
施設の職員は、施設長、事務員、指導員、介護職員、栄養士、看護師等で構成され、入所定員に応じてその職員数の基準が定められています。
横浜市浦舟園の概要
救護施設横浜市浦舟園は、2006年4月1日に開所した定員100名の施設です。
利用者の約8割は精神疾患を抱えており、身体障害者手帳や愛の手帳(療育手帳)を所持する方も生活しています。
入所に至るまでの生活背景を見ると、就労されていた方、ご病気や障がいがある方などさまざまな方がおり、また入院治療を終え病状が落ち着いた後に地域生活に戻れない方もいます。
このように多様な背景があり、生活のしづらさを抱えた方が入所されますが、地域での孤独・孤立の状況をうかがい知ることができ、そのような状況に至った一人ひとりの背景を深く理解することが求められます。
〈写真2点〉
横浜市浦舟園は、浦舟複合福祉施設の6階・7階のフロアで運営
利用者の方へのリハビリや職員ミーティングで使われる集会室
〈写真2点終わり〉
支援に大切な職場環境づくり
朝と夕方に全ての職種が事務所に集まって申し送りの場面をつくり、利用者の生活情報の共有と、支援で困ったことを話し合い、より良い支援につなげるように努めています。
当園では、「その人らしさを認め合い、語り合える環境を意識し、笑顔あふれる浦舟園を創る」というパーパスがあります。職員が働きやすく、話し合いのしやすい職場環境であることが、利用者への良い支援につながるものと思っています。
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地域移行を支える「循環型施設」
地域共生社会の実現に向け、地域のセーフティネットの役割を果たすため、全国救護施設協議会では、生活困窮者支援の行動指針の策定や、救護施設の「見える化」を進めています。
かつての「終身施設」というイメージから脱却し、利用者が再び地域社会での自立生活を目指すための「通過型・循環型セーフティネット」としての役割が次のように強化されています。
居宅生活訓練事業 施設外に確保したアパートなどで実際に一人暮らしを体験し、金銭管理のため出納帳を使用、服薬や栄養管理等、単身生活に向けて社会での生活力を習得するための訓練を行います。
保護施設通所事業(アフターフォロー) 地域で安定した生活を続けるために、継続した支援が必要なことがあります。具体的には体調管理をはじめ、栄養・整容・金銭、服薬管理等の生活に必要な自己管理面や、ネットゲーム等利用者の趣味に付随する課題への支援、社会とつながるための居場所等が上げられます。通所や訪問を通じて相談支援を行い、地域生活の定着と孤立の防止を図ります。
精神科病院との連携 長期入院の方も含め、退院の受け皿となり、医療と地域生活をつなぐ中間的な機能を果たしています。
当園では、2013年6月に居宅生活訓練事業、2018年7月に保護施設通所事業を開始しています。そして2017年7月には自主事業として、生活困窮者自立支援制度の生活困窮者就労訓練事業にも取り組んでいます。
就労訓練事業は、支援のノウハウを生かし、地域貢献活動を行う目的で開始しました。いわゆる8050問題の状態にあり〝働きたいが自信を持てない〟という方から、実際に行政を通じて利用相談がありました。それに対して、施設内の清掃活動やその方がしたい活動を応援し、訓練を行ったことで、ご本人が働くことに前向きになるきっかけへとつながりました。
共生社会づくりに向けて
利用者が地域での暮らしを実感し、そして共生社会をつくるためにも、地域の協力が欠かせないものとなっています。社協と連携し、利用者の公園清掃や貸出用の車イス清掃等、今後も地域とのつながりを大切にしていきたいと思います。地域の皆様のご理解・ご協力を得ながら、施設運営に携わってまいります。(救護施設横浜市浦舟園)
〈囲み〉
運営法人 (福)神奈川県匡済会
(福)神奈川県匡済会は1918年に設立され、100年以上の歴史がある社会福祉法人です。生活苦にあえぐ人々を助ける目的で、横浜財界人らを中心とした寄付金を元手に創設され、「あらゆる人の尊厳を守り、常に人が人として文化的生活を営めるよう、その自立に向けた支援に努める」という理念を掲げています。事業は老人福祉・児童福祉、自立支援、生活保護の4本柱で、横浜市内に展開中です。
現在は「KKF(カナガワケン キョウサイカイ フューチャー)2030」を推進し、法人のパーパスである「その人らしさをつなげる」を強化しています。
〈囲み終わり〉
福祉のうごき 2026年4月26日〜5月25日
県 ともいきコンセプトブック『みんなってだれのこと?』発表
県は4月28日、「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及と誰もがその人らしく暮らすことのできる社会の実現に向け、ともいきコンセプトブック『みんなってだれのこと?』を発表した。県内の子どもたちからのアイデアと言葉をもとに、日常でよく使う「『みんな』という言葉はだれか」を問いかけるストーリーを掲載。完成した冊子は県内の小学校に約2万部を配布し、各学校の授業等での活用も進める。
藤沢市 終活情報の登録事業開始
藤沢市は5月18日から、終活支援事業の一環として、市内に住民登録地がある65歳以上の方等を対象に、本人の意向や個人情報を市に事前登録しておく「情報登録事業」を開始した。登録後は、本人の希望を確認し、定期的な見守りと社会参加や支援につながる情報提供等を行う。
防災庁法案が衆院通過 今秋発足を目標
防災に関する施策の円滑かつ迅速な推進を図る「防災庁」の設置法案が5月19日、衆議院本会議で可決された。同庁は首相を長とし、専任の「防災大臣」を設置。防災に関する基本方針策定や、大規模災害に対処するための企画立案・総合調整を担当するほか、関係行政機関への勧告権を持つ。
県 「かながわちょこっと雇用プラットフォーム」開設
県は5月20日、(株)ミライロが運営するデジタル障害者手帳「ミライロID」内に、週10時間未満で「働きたい障がい者」と「雇用したい企業」をつなぐ「かながわちょこっと雇用プラットフォーム」を開設した。
フォームは、今年2月に同社と締結した「週10時間未満の短時間雇用に関する連携協定」に基づいており、障がいのある方の働き方の選択肢を広げることを目的としている。
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県社協のひろば
自分らしい暮らしを支えるために〜障害者グループホーム第三者評価の活用〜
障害者グループホーム(以下、グループホーム)は、障がいのある人が地域で少人数で共同生活を営み、生活支援を受けながら自分らしい生活を送る「暮らしの場」です。
本県では、国の制度が整う前から、当事者や家族の「地域で暮らしたい」「親亡きあとが不安」といった声を受け、当事者団体や親の会などの小規模な団体によるグループホームの実践が始まりました。それから約40年が経過し、グループホームの運営主体は、社会福祉法人やNPO法人、企業などにも広がっています。
グループホームは、利用者と職員が密接な関わりができる反面、職員にとっては、一人職場になりやすく、密室性も高くなることから、利用者支援の内容や事業所運営について組織的な自己点検や外部者による評価の必要性・重要性が提起されています。本県では、平成22年ごろから福祉サービス第三者評価(以下、第三者評価)を検討し、実施を進めてきました。
地域連携推進会議の義務化と第三者評価
令和7年度から、グループホーム等に対し、利用者支援の質の向上と地域に開かれた事業所運営を図る目的で、関係機関や地域住民が参加する「地域連携推進会議」の開催や施設見学を概ね年一回以上実施することが義務化されました。
しかし、関係者との調整が一朝一夕に進むとは限らないため、第三者評価の受審と評価結果の公表で代替できるとされています。実際に令和7年度のグループホームの受審件数は、前年度比の約2倍となっており、関心が高まっている状況がうかがえます。
かながわ福祉サービス第三者評価推進機構(以下、推進機構)では、第三者評価の受審がグループホームの強みや良いところを伸ばし、課題の改善・解消につながる機会となるよう、関係者が集まり、利用者支援の在り方について情報交換を行い、さらに自己点検や第三者評価の効果や重要性を共有する場が必要だと考えました。そこで、県内のグループホームに広く呼びかけ、令和8年4月30日、「サービスの質の向上に関する情報交換会」を初めて開催しました。当日は、20名の管理者や職員が参加しました。
障害者グループホーム
質の向上に関する情報交換会~神奈川県版・第三者評価の活用~
令和7年1月に第三者評価を受審したグループホーム「慧」センター長の米村拡明さんによる実践報告では、気づきや効果として「課題だけでなく強みも知ることができ、職員の自己肯定感が高まった」という話があり、評価結果の生かし方が報告されました。
続いて、「日頃のグループホーム運営の課題や取り組みの工夫」について情報交換・共有を行い、人材確保や職員間の情報共有、地域との関わり方などさまざまな話題があがりました。参加者からは「共感できることが多く、一緒に課題を共有できたことで意欲につながった」「閉ざされた空間だからこそ第三者の視点が入ることが大切だと思った」といった感想が寄せられました。
ファシリテーターを担った推進機構運営委員会委員の(福)あまね理事長の海原泰江さんと地域活動支援センターファミール所長の山口明美さんからは「活発な意見交換を行うことができた。もっと職員同士が話せる場が必要だと感じた。それが利用者への支援・サービスの質の向上につながっていく」といった話がありました。
〈写真〉
グループに分かれ、抱えている課題や日頃の工夫を積極的に出し合い、共有を深めた
〈写真終わり〉
推進機構では、利用者一人ひとりの望む暮らしの実現や権利擁護など、グループホームのサービスの質の向上に向けて、引き続き評価機関とともに、自己点検・自己評価の支援や第三者評価の受審を推進していきます。(かながわ福祉サービス第三者評価推進機構)
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〈全面広告〉
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連載
企業の社会貢献活動
技術と想いを未来へつなぐ塗装ボランティア活動―神奈川昭和会
県内の塗装工事や塗料販売店、塗料メーカーが加盟する神奈川昭和会では、長年にわたり、県内の児童福祉施設等において塗装ボランティア活動を継続してきました。自らの専門性を生かしながら施設の環境整備に取り組み、地域に貢献してきたその歩みと想いをご紹介します。
― 社会貢献活動を始めたきっかけや経緯を教えてください
活動の起源は、昭和54年に横浜外国人墓地の鉄柵塗装を行ったことでした。個々の研さんと英知を集結して塗装業界全体の発展を目指し、自分たちの技術を地域のために役立てられないかという声が上がったことが出発点でした。
初めての活動となった外国人墓地では、老朽化した鉄柵を塗り直したことで、地域の方や観光客から感謝や喜びの声が寄せられました。その反響が活動を継続する大きな原動力となり、それ以降は、児童福祉施設をはじめ高齢者施設や病院など、県内のさまざまな福祉施設へ活動の場を広げてきました。
当会には、塗装業者だけでなく、塗料メーカーや塗料販売店も参加しているという他にはない大きな特徴があります。メーカーは新しい塗料や商品を持ち込み商品発表を行い、販売店は材料選定などのアドバイス、施工業者は塗装技術を披露する場にもなっています。
― これまでの活動による影響はどのようなものがありましたか
塗装によって施設が明るく生まれ変わることで、活動後には児童福祉施設の子どもたちから「きれいにしてくれてありがとう」と手紙をもらうこともあり、参加した職人たちの励みになっています。
また、こうした活動は、塗装業に携わる人たちにとっても大きな経験の場となっています。現場では、長年経験を積んだベテラン職人が若手に声をかけながら技術や段取りを伝え、若手もそれぞれに応えながら作業を進めている姿が見られます。普段は4人から5人ほどの少人数で仕事をすることが多い職人たちが、ボランティア活動を通じてそれぞれの会社や世代を超え、共に汗を流します。単なる技術の継承にとどまらず、世代を超えたコミュニケーションの場、普段とは異なる環境の中で刺激を受け合う貴重な学びの場にもなっています。
参加した若手職人からは「ボランティア活動に参加できて楽しかった」「もっといろいろな現場を経験したい」といった前向きな反応が多く、参加者自身の成長や仕事への意識向上にもつながっています。
さらに、自分たちのなりわいである塗装技術を社会貢献に生かしていることにも大きな意義を感じています。活動を通じて「働くこと」や「技術を地域に役立てること」の価値を改めて実感する機会になっています。
〈写真〉
「人と人とのつながりもこの活動の大きな価値」と話す永田宜久会長
〈写真終わり〉
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―今後の展望を教えてください
当会は、令和8年度で設立50年を迎えます。塗装ボランティア活動を長年継続し、地域に根差した社会貢献活動として県内各地で取り組んできました。今後も、塗装という専門技術を生かしながら、地域とのつながりを大切にした活動を継続していきます。
一方で、ボランティア活動そのものだけでなく、建設業や塗装業に対する社会の見方や価値観を少しずつ変えていくことも重要だと考えています。かつてこの業界は、危険さや肉体労働といったイメージで語られることも多く、塗装業は、建設業の中でも表に見えにくい仕事とされてきました。しかし、建築を守り、美しく保ち、安心して暮らせる環境を支えている大切な役割を果たしています。長年にわたり先輩たちが積み重ねてきた技術や活動によって、業界の価値や待遇も向上してきました。こうした歩みを次の世代へつないでいくことが今後の大きなテーマになっています。
近年は、若手職人や女性職人のボランティア活動への参加も増えており、業界全体にも少しずつ変化が生まれています。また、県立高校と連携した職業体験型ボランティアなどを通じて、子どもたちや若い世代に「働く意義」や「ものづくり」の魅力を伝える取り組みも進めています。会員からは「すぐに就職につながらなくても、記憶に残る経験になればうれしい」との声も聞かれました。
さらに、今後は活動の幅を広げていくことを検討しています。業界としてのPR力向上も課題として挙げられており「良い活動をしていても、まだまだ発信が足りない」との声もあります。塗装を通じた社会貢献活動を続けながら、建設業や塗装業の価値を社会に伝えていくこと、その積み重ねによって働く人たちが誇りを持てる業界へとつなげていきたいと考えています。
〈写真3点〉
ただ塗装を施すだけでなく、長く安心して使ってもらえるよう、耐久性や仕上がりにもこだわりながら作業を進める
塗装後のきれいになった壁面
高圧洗浄機を用いたプール壁面の洗浄なども行い、持ち寄った機材を活用しながら施設環境の整備にも取り組む
〈写真3点終わり〉
〈QR〉
Info
神奈川昭和会
設立:1976年4月3日
住所: 横浜市磯子区中原1-2-31 神奈川県塗装会館内
神奈川昭和会 制作動画はこちら
紹介動画
世界を明るく彩る塗装業界
〈QR終わり〉
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ありがとうございました!
寄附御礼
寄附の受付はこちら→かながわボランティアセンターHP
匿名含め、合計10件1,150,972円
●県社協への寄附/乗富俊輔、古積英太郎
●ともしび基金/湘南農業協同組合、古口玲斗、ACAかながわ、かまぶろ温泉
●交通遺児等援護基金/(株)エスホケン、(一社)神奈川県指定自動車教習所協会
●子ども福祉基金/脇隆志
●寄附物品/(株)MTN、関東アイスクリーム協会、(公財)報知社会福祉事業団
●ライフサポート事業〈寄附物品〉/(N)セカンドハーベスト・ジャパン
(敬称省略)
〈写真〉
関東アイスクリーム協会より児童福祉施設等にアイスクリームを寄贈いただき、令和8年5月25日、山田健太郎理事長(左)に感謝状を贈呈
〈写真終わり〉
Info
社会福祉法人の経営相談事業のご案内
社会福祉事業の経営・運営を支援することを目的に、県内の社会福祉法人や福祉施設、市町村社協からの経営や運営に関する相談をWEBやメール等でお受けしています。
カスハラ対策やBCPへの助言等の一般相談のほか、必要に応じて弁護士・公認会計士・社会保険労務士等からの専門相談にも対応しています。
日々の問題・課題に関して、お気軽にご相談ください。
News
三澤京子本会副会長、瑞宝双光章を受章
令和8年度春の叙勲において、三澤京子本会副会長が「瑞宝双光章」を受章されました。今回の受章は、地域福祉の推進における永年の功績を讃えられたもので、心よりお慶びを申し上げます。
地域共生社会の実現に向けて、今後もご指導とご尽力を賜りますとともに、益々のご健勝とご活躍を祈念申し上げ、お祝いの言葉に代えさせていただきます。
社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
会長 小泉隆一郎
HP
ようこそ~訪問介護の世界へ
神奈川県介護人材確保対策推進会議「介護福祉・社会福祉のポータルサイト」で、訪問介護員などからのメッセージや「語り」を掲載し、介護福祉の専門性と魅力を発信しています。
ぜひご覧ください。
福祉タイムズNo.895(2026.6.15発行)
「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
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