福祉タイムズ
Vol.886(2025年9月号)
このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.886(2025年9月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。
テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.886 2025年9月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
P1
福祉タイムズふくしTIMES
2025.9 vol.886
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
Contents
特集 P2 地域における法人間のネットワーク作りによる連携強化 地域ネットワーク強化事業への期待
NEWS&TOPICS P4 つながりをたやさない社会づくり 「赤い羽根共同募金」にご協力をお願いします! 神奈川県共同募金会
みんなの防災ノート P7 災害時における赤十字ボランティアの活動等について 日本赤十字社神奈川県支部
子ども・若者の居場所 P9 多様な人々が出会い、つながる場づくり NPO法人だぁれ
県社協のひろば P10 救護施設として果たすべく役割を再確認―第58回関東地区救護施設研究協議会
今月の表紙
東京2025デフリンピックに向けて、ライフル射撃の練習に励む日本ろう者ライフル射撃協会 会長の桂玲子さん。
デフリンピックでは選手として日本初となる射撃競技に出場するとともに、デフ射撃選手の発掘・育成をけん引している。詳しくは12面へ→(撮影:菊地史)
P2
特集
地域における法人間のネットワーク作りによる連携強化
地域ネットワーク強化事業への期待
「これまでは施設と施設、施設と社協の関係性が中心だったが、これからは分野・種別を横断して、法人同士、法人と社協が一堂に会し、地域の福祉課題について話し合い、顔の見える関係となっていく必要がある」との本会経営者部会の声を受けて、令和5年度から「地域ネットワーク強化事業」を行っています。
本事業は、経営者部会と市町村社協部会が連携し、地域の実情に応じて福祉課題に取り組むきっかけをつくることを目的としています。
より多くの地域で本事業を活用していただくよう、今回は座間市での取り組みとともに、本事業についてご紹介します。
地域ネットワーク強化事業の概要
本会では、令和5年度より市区町村を基盤として、経営者部会会員法人や市町村社協が中心となり、関係機関・団体と連携・協働を図りながら、地域の福祉課題に対応し、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制の構築等を推進するための助成事業を実施しています。
この事業では、地域ネットワーク組織の運営および事業実施に必要な事務費や、具体的な取り組みに必要な事業費を助成しています(最大20万円・2カ年)[図1、図2]。令和7年8月1日時点では、これまで、14地域に助成しています[図3]。
この助成事業を活用し、法人・施設・社協単独では解決が難しい地域の福祉課題について分野や種別を横断して対応することが期待されています。
社会福祉法人の地域への貢献
社会福祉施設を経営する法人で構成される経営者部会では、自身が運営する社会福祉施設の利用者のみでなく、地域で困りごとを抱えている生活困窮者に対する総合相談や経済的な支援を行う「かながわライフサポート事業」を平成25年度に開始しました。
また、同部会では、地域における公益的な取り組みを進めており、経営者部会会員法人の取り組み状況について、ホームページで情報を発信しています(下図参照)。
法人経営は、近年の物価高騰や人材不足といった問題の影響を強く受けています。このような状況下でも、同部会では解決が難しい地域の福祉課題に対して、分野や種別を横断して複数の法人が連携し、それぞれの強みを生かしながら目標を共有し、一体的かつ継続的に取り組んでいくことを目指しています。
〈図1〉
【助成金額】年間上限20万円(事務費+事業費)
事務費 地域ネットワーク組織の運営および事業の実施に向けた取り組み
+
事業費 地域ネットワーク組織の構成メンバーが連携・協働を図り、地域の福祉課題や福祉ニーズに対応した具体的な取り組み
〈図1終わり〉
〈図2〉
【地域ネットワーク強化事業取り組みのイメージ】
ステップ① •地域ネットワークの組織化に向けた準備(社会福祉協議会と社会福祉法人による取り組み)
ステップ② •地域ネットワーク組織の運営(会議の開催) •意見交換および課題の共有
ステップ③ •地域ネットワーク組織におけるニーズ調査や研修会の実施 •地域ネットワーク組織における地域公益活動の実施
継続的な活動への発展
〈図2終わり〉
〈図3〉
令和5・6年度の助成地域(14地域)
横浜市磯子区、戸塚区、旭区、栄区、泉区、川崎市、平塚市、鎌倉市、逗子市、厚木市、海老名市、座間市、南足柄市、寒川町
助成地域からの報告から見える効果
● 法人相互の連携を意識することで、地域全体の福祉課題に視野を広げ、分野・種別を横断する地域の福祉課題に取り組むきっかけをつくることができた。
● 社協の声かけで顔の見える関係性をつくるところから始めることができ、十分な意見交換を行いながら、目標を共有して一体的な取り組みを進めることができた。
●法人・社協の強みや経験を生かしながら、単体では解決が難しい地域の福祉課題について、集合体の力で取り組む基盤をつくることができた。
〈図3終わり〉
P3
〈コラム〉
座間市における地域ネットワーク強化事業の活用事例
本事業の活用のきっかけ
座間市では、高齢、障害、保育分野などの分野別・事業別の情報交換の機会はありましたが、「社会福祉法人」という枠組みでの意見交換の場はありませんでした。分野・種別を横断する社会福祉法人のネットワーク化を目指し、意見交換や課題の共有を行う場として連絡会を開催するため、本事業の活用にいたりました。
ネットワーク化の下地作り(令和6年度の動き)
座間市社協では、連絡会の開催に向けて令和6年12月より、座間市内に本部を置く法人および座間市に事業所を置く市外の法人計19法人へ向け、強みや課題、公益的な取り組み、今後築きたい関係や活動内容について調査・ヒアリングを実施しました。
第1回連絡会は令和7年1月に開催され、基調講演として、日本福祉大学客員教授の渋谷篤男さんに「地域公益活動の意義・内容を考える」と題して登壇いただきました。続けて、各法人の地域公益活動の取り組みを共有し、地域への貢献を深める方策を探るための情報交換会を開催しました。
座間市社協では「各分野の垣根を超えた協力体制の構築に向けた第一歩を踏み出すことができた」と振り返っています。
令和7年度の連絡会
年度が変わり、同年7月24日には第2回連絡会が開催され、市内に本部を置く法人ならびに市内に施設がある14法人が参加しました。
前半は、前年度に続き渋谷さんが登壇し「近年の地域公益活動の動向」をテーマに、その意義や社会福祉法人の役割、連携の可能性について基調講演があり、事例等の紹介を通して参加者の学びが深まりました。
〈写真〉
座間市社協での連絡会の様子
〈写真終わり〉
渋谷さんは「地域における公益的な取り組みにおいて、ボランティアだから気づけること、専門職である法人職員だからこそ気づけることがあり、そこで協働して課題解決に向け取り組むことができる。社会福祉法人としては、地域における公益的な活動を積極的に発信することが重要である」と強調されました。
後半では「各法人の近況報告、地域公益活動の事例共有」として、当日参加したすべての法人・施設の取り組みについて参加者間で共有しました。
参加法人・施設からは、施設のホール等を近隣住民に開放し、NPO法人と協力した子ども食堂の取り組みや、高齢者eスポーツの会場提供等について発表がありました。
連絡会では、さまざまな事例の共有により、他の法人の取り組みを参考にすることや、地域の共通課題を見つけ、各法人が連携して対応する必要性が認識されました。
同市内に法人を置き、本会経営者部会副部会長を務める(福)成光福祉会理事長の矢部雅文さんからは「座間市には、どのような社会福祉法人があり、何をしているのかを知る場がなかった。だからこそ市内の法人が集まった地域ネットワークが重要になる。市内の社会福祉法人が連携を強め、福祉を支えてきた社会福祉法人が原点に立ち返り、今できる取り組みからネットワーク構築を進めていきたい」と総括しました。
座間市では、今年度で2年間の助成が終了しますが、次年度以降の仕組みづくりやネットワーク組織の具体化に向けて検討を進めています。本事業の活用により、発足したネットワークが継続され、円滑な運営ができるよう、さらなる強化・発展が期待されます。
〈コラム終わり〉
本事業の広がりに向けて
社会福祉法人としての公益的な取り組みにおいて、法人・施設が単独で実施することは継続しながらも、地域の法人がネットワークとしてつながることで、さらに幅広い課題に対応できるよう、長期的な視点で事業を展開する必要があります。本会では、県内のより多くの市区町村で法人間の連携が図れるよう、地域ネットワーク強化事業の裾野を広げていきたいと考えています。
経営者部会会員ならびに市区町村社協の皆様には、本事業の活用に向けてぜひ各地域でご検討いただき、まずはお気軽にお問合せください。
〈囲み〉
【本事業の問合せ先】
地域ネットワーク強化事業は市区町村社協からの申請となります。また、事業の概要や相談を希望される経営者部会会員の皆様は福祉サービス推進部までご連絡ください。
《経営者部会会員》 福祉サービス推進部 TEL 045-534-5662
《市区町村社協》 地域福祉部地域課 TEL 045-312-4813
〈囲み終わり〉
(福祉サービス推進課)
P4
NEWS&TOPICS
つながりをたやさない社会づくり
「赤い羽根共同募金」にご協力をお願いします!
今年も10月1日から全国一斉に「赤い羽根・共同募金運動」が始まります。
令和2年から続いた新型コロナウイルスの流行による生活への影響は少なくなりつつありますが、今なお、外出を控えて地域で孤立されている方々や、コロナ禍での離職等により経済的に困窮されている方々、さらに昨今の物価高騰により日常生活に困難をきたしている方々や、ウクライナから県内へ避難されている方々など、さまざまな社会的な課題が顕在化しています。また、近年多発する大規模災害によって被災された方々は、これまでの当たり前の環境が奪われ、避難生活を余儀なくされています。
昭和22年、「国民たすけあい運動」の一環として開始された共同募金運動は、戦後間もない混乱期の中で支援を必要とする方々への民間福祉活動を財政面で支えるために、募金・配分事業を通じて一定の成果を収めてきました。
地域の中で提起されている課題が多様化、複雑化している今だからこそ、住民一人ひとりが地域社会とつながって安心して生活できるように、地域を共に創っていく「地域共生社会」を実現していく必要があります。そのために、草創期から提唱してきた〝たすけあいの心の普及〟のもと、地域福祉の中核を担う社会福祉協議会(以下、社協)をはじめ、福祉分野に留まらずさまざまな業界と連携しながら組織活動を展開していくことが求められています。
今年で79回目となる共同募金運動は、引き続き全国共通テーマである「つながりをたやさない社会づくり」に向けて、県内の地域福祉の推進とともに、緊急的な対応が求められる社会的課題への支援事業、国内大規模災害時の被災者支援事業に積極的に取り組んでまいります。
〈円グラフ〉
令和7年度の募金目標額は12億円です
〈円グラフ終わり〉
▼ 地域福祉を推進するさまざまな活動を支援
共同募金会では、私たちが暮らす地域の中で、高齢者や障がい者への支援活動に加え、生活に困窮されている方々や未来を担う子どもたちを支援するため、企業や社協、NPO等の関係団体と連携した地域福祉を推進するさまざまな活動を支援しています。
障がい者施設の送迎用福祉車両の整備をはじめ、子ども食堂やフードパントリー等による「食」支援など、昨今の社会情勢下において、経済的困窮や社会的孤立といった生活課題を抱える子どもや家族等を支援する民間の非営利団体を対象として、緊急性の高い支援活動に対して積極的に配分を行っています。
住み慣れた町で誰もが安心して暮らしていけるよう、令和7年度も引き続き、さまざまな緊急支援事業を展開してまいります。
〈写真2点〉
子ども食堂/須賀の寺子屋(平塚市)
福祉車両の整備/(N)KOMNY・やまなみ工芸(山北町)
〈写真2点終わり〉
▼企業との協働の推進
県共同募金会では、県内の企業や法人との継続的な協働体制を築くため、共同募金仕様の自動販売機の設置や商品による寄付、寄付金付き商品の開発などを企画・提案することで、企業との協働を推進するための「協働パートナー」の拡大に努めてきました。
令和5年度からは、東洋羽毛首都圏販売株式会社(横浜市旭区)との協働事業として「赤い羽根が結ぶ絆プロジェクト」が開始され、回収された羽毛ふとん1枚につき100円が共同募金を通じて地域福祉の財源に還元されるという、環境と福祉の分野が協働で取り組む社会貢献活動が展開されています。
また、多くの県民が利用する鉄道各社との協働推進を図り「沿線のまちを良くするしくみ」をコンセプトに、地元意識を喚起した各沿線の地域福祉の向上に努めます。全国に先駆けて始まった鉄道会社との協働事業により、令和7年度もコラボ缶バッジを製作しました。
〈写真2点〉
相模鉄道
江ノ電&湘南モノレール
〈写真2点終わり〉
P5
▼ 共同募金PR大使に〝ムム〟が就任!
令和7年度の共同募金PR大使に、野毛山動物園(横浜市西区)のミナミコアリクイ「ムム」が就任します。ミナミコアリクイは樹上で過ごし、くまなく周囲を見渡す習性があるため、地域の小さな声も聞き逃さずに支援の輪を広げられるということから、共同募金の全国共通テーマ「つながりをたやさない社会づくり」の実現に願いを込めて共同募金PR大使に選定されました。
〈写真〉
令和7年度動物シリーズバッジ
〈写真終わり〉
同園との協働事業は平成24年度から始まり、今回で14代目の大使となります。
▼ 県内プロスポーツチームとの協働
県共同募金会では、平成20年度から県内プロスポーツチームとの協働を開始しました。現在、サッカーJリーグの横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ、女子サッカーのノジマステラ神奈川相模原が協働パートナーとなり、赤い羽根募金を応援しています。
各チームの公式戦会場では、赤い羽根とのコラボグッズ(ピンバッジ等)を使用したイベント募金を実施します。
〈写真3点〉
スポーツチームとのコラボバッジ
①横浜F・マリノス
②川崎フロンターレ
③湘南ベルマーレ
〈写真3点終わり〉
令和7年度共同募金に、引き続きのご理解とご支援をお願いいたします。(県共同募金会)
〈囲み〉
令和7年度共同募金 詳細
県共同募金会HP
QR
〈囲み終わり〉
〈囲み〉
赤い羽根共同募金のつかいみち 詳細
赤い羽根データベース「はねっと」
QR
〈囲み終わり〉
P6
福祉のうごき 2025.7.26〜8.25
介護労働安定センター調査 「職員不足」の介護事業者が約7割
介護労働安定センターは7月28日、令和6年度「介護労働実態調査」結果を公表した。事業所の従業員の過不足感で、不足とする事業所は65.2%となった。採用において最も効果がある方策は「賃金水準の向上」、職場定着において最も効果がある方策は「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更しやすい環境づくり」だった。
県 女性支援のための通所型事業を開始
県は8月5日、生活上で困難な問題を抱えた女性が地域で自分らしく暮らすことができるよう、新たに通所型支援を開始した。令和7年度中に3カ所の実施を予定しており、2カ所の準備が整った。逗子市内(運営事業者:(公社)アマヤドリ)は9月1日、藤沢市内(運営事業者:(福)神奈川県民生福祉協会)は9月30日に開設される。
社会保障審議会 地域共生社会の在り方検討会議の中間とりまとめ等を受け議論
厚労省は8月18日、社会保障審議会(福祉部会)を開催し、「地域共生社会の在り方検討会議」中間とりまとめ、「2040年に向けたサービス提供体制等の在り方」検討会とりまとめの報告等が行われた。今後、地域共生社会の更なる展開や、身寄りのない高齢者等への支援などについて、同部会での議論が開始される。
一方、身寄りのない高齢者等の支援の制度化に向けては、検討会から日常生活自立支援事業の拡充・発展の方向性が示されていることを受けて、関東甲信越静ブロック1都10県の都県・政令指定都市社協は8月22日、厚労省に対して連名で「『身寄りのない高齢者等への対応』についての要望」を提出した。
P7
みんなの防災ノート
災害時における赤十字ボランティアの活動等について-日本赤十字社神奈川県支部
日本赤十字社は、「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの基本原則のもとに、世界最大のネットワークをもって活動をする人道機関であり、その活動の基本となるのは、人間のいのちと健康、尊厳を守る「人道」です。
また、「奉仕」の意味する「利益を求めず、人を救うため、自発的に行動する」姿勢にあるとおり、赤十字活動の多くは、ボランティアによって支えられています。
そして、県内における赤十字のボランティア活動は、地域社会のニーズに応えて市区町村単位でさまざまな活動を展開する「地域赤十字奉仕団」、地域を超えて、災害救護や救急法等に関する技術、福祉等に関するさまざまな専門知識を持った人々や、職域単位で組織されている「特殊赤十字奉仕団」、その他、県内全域で地域における自助・共助の強化等の活動を推進する「防災ボランティア」に分類することができ、その登録者数は、県内全域で2万人を超えています。この活動は、多くの県民、市民の皆さま方から寄せられる活動資金を原資に展開しており、その意味では、「皆さま方からお預かりした活動資金を地域のための活動に形を変えて還元する」ことを使命としています。
さまざまな活動を展開する中でも、神奈川県支部では、特に、災害救護活動に力を注いでおり、平時には、地域社会の防災力向上のための「赤十字防災セミナー」の実施協力、災害時には、日本赤十字社の医療救護班に帯同し、主に医療救護班の衣食住にかかるサポート等を行う活動をボランティアが行っています。
〈写真2点〉
医師会防災訓練への参加(平塚)
赤十字防災セミナー「ひなんじょたいけん」の様子
〈写真2点終わり〉
過去には、東日本大震災の復興支援としてバスをチャーターして現地でのニーズに応えたほか、令和6年に発生した台風第10号による被害に対しては、被害があった市町村の社会福祉協議会(以下、社協)が設置した災害ボランティアセンターに登録し、床上浸水など被害のあった家屋の片づけ等、地域住民等のニーズに応じた活動を展開いたしました。
皆さまご存じの通り、現在の災害救護活動は日々進化し、その指揮命令系統はしっかりと組織化されるとともに複雑化してきていることも事実です。
そのような中、当支部としては、いち早く現地でのニーズに対し、赤十字の持つ人的、物的コンテンツを提供するため、災害時に県内の社協に設置される災害ボランティアセンターに登録し、その指揮下での効率的なボランティア活動の展開を考えています。
今後は、神奈川県社協とも協議を重ね、各市区町村の地域事情等も考慮しつつ連携を強化してまいりますので、引き続き赤十字活動へのご理解、ご協力くださるようお願いいたします。(日本赤十字社神奈川県支部)
〈写真〉
令和元年台風第19号におけるボランティアセンターへの協力(相模原)
〈写真終わり〉
〈囲み〉
日本赤十字社 神奈川県支部
QR 赤十字ボランティア詳細
QR 日本赤十字社神奈川県支部HP
〈囲み終わり〉
P8
私のおすすめCHECK!
◎ このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。
ヤングケアラー「精神疾患のある親をもつ子どもの支援」がわかる、必携本☆
最近、巷でよく聞かれるようになったヤングケアラーの社会課題。その対象のひとつに「精神疾患のある親をもつ子ども」が含まれます。家事やケア負担、自分の時間が取れないことで子どもらしい生活を送ることが困難な、ヤングケアラー共通の課題に加え、精神疾患のある親をもつ子どもには、特有の生きづらさがあります。
今回は、その子どもたちへの具体的な支援方法について解説された書籍をご紹介します。
今月は→統合失調症の親と向き合う子向け家族会「ひとりやないで!」がお伝えします!
活動12年目を迎える、統合失調症の親をもつ子どもの立場を対象とした家族会。子どもの立場に限定した集まりを設けることで、子の立場の疲弊/社会的孤立を防ぐ。ヤング・若者ケアラー向けの居場所にもなっており「悩んでいるのは自分だけではない」まさに“ひとりやないで”を実感できる。
〈連絡先〉
Mail:hitoriyanaide@gmail.com HP:https://hitoriyanaide2525.amebaownd.com/ Instagram:https://www.instagram.com/hitoriyanaide
「精神疾患」ってなあに?
精神疾患は、身体障害・知的障害・精神障害の3障害のうち、“精神障害”に該当します。
精神障害の患者数は、年々右肩上がりで上昇しつづけており、家族や友人・職場や近所の方が実は精神疾患だったという現状は、身近なこととして考えられます。
同じ精神疾患でも、うつ病や統合失調症、双極性障害(双極症)、不安障害、PTSD、アルコール依存症など、病気の種類は多岐にわたります。精神疾患は、風邪のように目に見える病気ではなく、日によって体調が変化する、外からは気付かれにくい疾病です。
「精神疾患のある親がいる子ども」の生きづらさとは
精神疾患のある親と暮らす家庭の事情は、なかなか表に出てきません。その背景には、精神疾患に対する世の中の偏見などがあります。
そのため、子どもたちは、親の病気のことを「話してはいけない」「知られたくない」と思いながら、静かに苦しみを抱えていることがあります。
一般的に取り上げられるヤングケアラーの中でも、より現状を把握しにくいと言われています。
私たち「ひとりやないで!」が定期に開く家族会には、成人した元ヤングケアラーも参加します。そのような家庭で育った若者たちは、過去の自分を振り返り、経験を語っています。
─「いつ親の機嫌や体調が悪くなるか分からなくて、毎日“今日の親はどんな様子かな?”と、ひやひやしながら過ごしていた」
─「親が“普通じゃない”と周りに知られたら、自分まで変な目で見られるような気がした」
─「周りの目を気にしながら過ごしてきたため、自分の感情への気づきや表現・自分を大切にすることが苦手だ」
〈写真〉
ひとりやないで! 家族会のようす
〈写真終わり〉
具体的な支援方法がわかる一冊
こうした子どもたちの支援方法が分かるおすすめの本が、佛教大学准教授の田野中恭子さんによる『子どもの語りからわかる 精神疾患のある親をもつ子どもの支援』です。
精神疾患のある親をもつ子どもたちの声をもとに、年代に応じた親子への支援方法やそのポイントが、専門用語を頼らず、身近な例を交えて丁寧に解説されています。そのため、専門職でなくとも、自然と理解が深まる一冊だと感じます。読んでいくうちに、自分の中の当たり前がそっと書き換えられ、新しい視点もくれる、そんな一冊です。
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『子どもの語りからわかる 精神疾患のある親をもつ子どもの支援』
著:田野中恭子 中央法規出版
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また、ドイツの児童専門書『悲しいけど、青空の日~親がこころの病気になった子どもたちへ~』(文・絵:シュリン・ホーマイヤー、訳:田野中恭子)もおすすめ。精神疾患に対する偏見や、社会のバリアを超えていく絵本で、親の状態がよくない「悲しい日」でも子ども自身は元気に過ごす「青空の日」を持ってもよい、という大切なメッセージが込められています。
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『悲しいけど、青空の日~親がこころの病気になった子どもたちへ~』
文・絵:シュリン・ホーマイヤー 訳:田野中恭子 サウザンブックス社
この機会に、精神疾患のある親をもつ子どもたちへの支援について考えてみてはいかがでしょうか。
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子ども・若者の居場所
多様な人々が出会い、つながる場づくり -(N)だぁれ
二宮町を拠点に活動する(N)だぁれは、年齢や立場を問わず、一人ひとりの「やってみたい」を形にしていく場づくりを行っています。活動の中心となる拠点「だれんち」では、誰もが気軽に立ち寄り、遊び、学び、食事などさまざまな活動を行っています。今回は、代表理事の橋本由恵さんと理事の石井文さんにお話を伺いました。
「面白そうだからやってみよう」という気持ちを原点に、だぁれの活動は文具店として使っていた空き家の再生から始まりました。「だれんち」と名付けた空き家を拠点として、令和5年5月に活動をスタート。翌年1月に「多世代交流と自己実現による町づくり事業」を掲げ、NPO法人となりました。
〈写真〉
お話を伺った橋本さん(左)と石井さん(右)
〈写真終わり〉
だぁれは、一人ひとりの持つ「やってみたい」という思いを応援し、その実現を支えることを大切にしながら、活動しています。
活動の柱の一つの地域連携プロジェクトでは、二宮町の魅力を届けるマップ作りを位置づけ、その第一弾として「にのみやこどもまんなかマップ」を作成しました。きっかけは、周りの子育て世代から寄せられた「町内で子どもと過ごせる場所をすぐに探せるものがあればいいのに」という声でした。アプリやインターネット情報ではなく、手に取って見ることができる形で〝二宮町らしさ〟を大切にした点も、このマップのこだわりの一つです。
メンバー内で掲載基準や取材項目を検討。子育て世代へのヒアリングを重ね、模造紙を使用した試作版を作成。情報を貼り付けながらメンバーと語り合い、新たな地域資源を再発見し、地域の魅力を「見える化」していきました。
こうした生の声から、子どもと過ごす場所で欠かせない、安心して利用できる場所の目印として「トイレ・ベンチ・水場」を必須情報として掲載。また、町の公共施設はもとより、行政機関のマップには載らないカフェやフリースクールの情報なども積極的に取り入れ、手に取った人に知ってほしい場所を盛り込みました。
〈写真〉
各スポットの推しポイントを短いコメントにまとめ、詳細は二次元コードから確認できるようにし、町内約100カ所の情報を掲載
〈写真終わり〉
完成した「にのみやこどもまんなかマップ」は、夏休み前に町内の保育園、幼稚園、小中学校全てに配布されました。また、町内の店舗や公共施設にも置かれ、多くの方へと広がります。マップを手にした保護者からは「行ってみたい場所が増えた」「知らなかった場所を知ることができた」といった多くの反響が聞かれました。子どもたち自身も「ここに行ってみたい」と家族を誘うきっかけになっているそうです。「こども食堂やフリースクールといった情報が必要な子どもに届いてくれると嬉しい」と石井さんは語ります。
学校や地域からの評価も高く、観光協会や商工会など、これまで関わりの少なかった団体とのつながりが生まれるきっかけにもなりました。「大好きな二宮町の魅力をもっと活かし、この町に住んでいる人、住みたいと考えている人たちに届くものを創りたい」と語る橋本さん。これからも地域を巻き込み、「やりたいこと」を具体化し、取り組んでいく活動が期待されます。(企画課)
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県社協のひろば
救護施設として果たすべく役割を再確認-第58回関東地区救護施設研究協議会
令和7年7月10日・11日に「第58回関東地区救護施設研究協議会」を新横浜グレイスホテルで開催しました。
救護施設は、身体や精神の障害、何らかの課題(生きづらさ)を抱えていて、日常生活を営むことが困難な方たちが利用する福祉施設です。
近年、救護施設のもつ専門性を広く地域社会に活用することが求められ、救護施設の「見える化」を重点目標にしていることから、各救護施設の実践を共有し研究・協議することを目的に開催され、164名の施設職員が参加しました。
一日目は、全国救護施設協議会による中央情勢報告と4つの分科会が行われました。中央情勢報告では、直近の制度動向に関する報告がされました。
二日目は、(一社)減災ラボ代表理事の鈴木光さんによる「能登半島地震から学ぶ 福祉と防災」の特別講演が行われました。講演に加え、グループトークも行われ「避難者の受け入れ検討」や「避難施設の運営での備え」をテーマに意見を交わし、自施設の利用者特性を踏まえた訓練の必要性など、災害時の対応について改めて考え、振り返る機会となりました。
今回は、一日目の第4分科会で発表した茨城県にある救護施設慈翠舘(以下、慈翠舘)の取り組みや、グループワークの様子について報告します。
〈囲み〉
分科会~実践の共有~
【第1分科会】施設における職員の定着と育成
【第2分科会】 個別支援計画の制度化と利用者支援
【第3分科会】災害対策と課題
【第4分科会】地域とのつながり
〈囲み終わり〉
【発表】「地域とのつながり~地域共生社会から見る今までとこれから~」
慈翠舘の〝地域とのつながり〟に大きな変化が起きたのは、新型コロナウイルスの流行でした。それまで地域交流事業の基盤となっていた行事の中止や縮小、利用者の外出制限を余儀なくされ、地域との交流がなくなり、施設が孤立していきました。そこで、慈翠舘では新たな生活様式とともに地域との新たなつながりづくりを目指すこととなりました。
一方で、入所者の減少、利用者や地域住民の高齢化から、以前のような活動が難しいなどの問題が浮き彫りとなりました。しかし、地域との新たなつながりを持つ第一歩とするため、今年、5年ぶりに利用者のご家族、地域住民、関係者等をお招きし、創立記念式典を開催しました。さらに、県内の救護施設との交流事業への参加、民生委員・児童委員の見学会の実施、実習生の積極的な受け入れ等もスタートさせました。
発表の最後に、副施設長の萱場さんは「私たちの一番の目標は、施設が孤立することなく、社会の一部として機能すること。それは、生活困窮者をサポートする体制の構築になるのではないでしょうか」と参加者に語りかけました。
【グループワーク】
SNSの活用をはじめ、お祭りの開催やキッチンカーによる出店、地域の畑で収穫した野菜を施設の食事で提供するなど、救護施設の「見える化」に向けた各施設のさまざまな工夫について共有されました。
また、グループワークの発表の中で「いろいろな工夫はあるが、そもそも救護施設のことを地域に知ってもらいたいという強い思いがある」と話された方がおり、参加者の皆さんが深く共感されている様子が印象的でした。
〈写真〉
グループワークの様子
〈写真終わり〉
地域における施設の役割
本会更生福祉施設協議会では、地域における施設の役割等の共通認識を持ち、施設運営の質を高めていくための協議やネットワークづくりなどを行っています。引き続き、地域共生社会に必要不可欠な〝地域とのつながり〟に向けて取り組んでまいります。(福祉サービス推進課)
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information
本会主催の催し
令和7年度 第2回「福祉のしごとフェア」
① 働き方や魅力がわかる!「福祉のしごと就職支援ガイダンス」(事前申込制)
② 直接聞ける、話せる!「福祉施設等就職相談会」(入退場自由)
◇日時=令和7年10月24日(金)①11時30分~13時②13時~16時(入場は15時30分まで)
◇会場=横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ4階
◇対象=福祉の仕事に就きたい方、福祉の仕事に興味・関心がある方
◇参加費=無料
◇申込方法=①専用フォームより事前申込み(HPから確認)②事前申込の必要なし
詳細はHPを確認
HP: https://www.kfjc.jp/event/list.asp
◇問合せ=かながわ福祉人材センター
TEL 045-312-4816 Mail:jinzai@knsyk.jp
寄附金品ありがとうございました
【県社協への寄附】古積英太郎
【交通遺児等援護基金】(株)エスホケン
【子ども福祉基金】(株)エスホケン、脇隆志
【ともしび基金】KDDI(株)、神奈川県立藤沢支援学校、栗田航伎、古口玲斗
以上、合計11件(匿名含む)161,614円
【寄附物品】(株)丸昌
【ライフサポート事業】〈寄附物品〉
(N)セカンドハーベスト・ジャパン
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ともしび基金に寄附いただき、令和7年8月21日、KDDI株式会社 首都圏総支社 大可昌明総支社長(左)に感謝状を贈呈
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訃報 福祉タイムズを支えたカメラマン逝去
1991年から34年間(本紙468号~884号)にわたり、本誌の写真撮影を担当してくださった菊地信夫さんがご逝去されました。
菊地さんが撮る写真は、菊地さんご自身の温かなお人柄と、モデルとなった方々の生き生きとした表情にあふれていました。その一枚一枚が、本誌にとってかけがえのない記録であり宝物です。
長年のご尽力に心より感謝申し上げますとともに、安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。
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本会協働モデル助成事業【認知症 家族介護の支援】
本会と(公社)認知症の人と家族の会神奈川県支部は「認知症の人と家族と共に暮らす地域づくり」をテーマに、3年間の協働事業に取り組んでいます。
1年目である今年度は「認知症の介護者がどのような課題を抱えているのか」「認知症介護者の家族支援とはなにか」を知る糸口を見つけるため、①家族支援プログラム②認知症介護の実態調査アンケートを行います。
①家族支援プログラム
令和7年8月~令和8年1月の6カ月間、月1回ずつ開催。医師やケアマネジャーなど専門職からの話と質疑応答や認知症介護の悩みを話せる「仲間づくり」ができるプログラムです。終了後はOB会である「忘れな草の会」に参加することもできます。
②認知症介護の実態調査アンケート
令和7年9月~11月(予定)にて県内社協、地域包括支援センター、家族の会のつどい・認知症カフェ等にてアンケートにご協力いただき「身体的、精神的な負担を感じているか」「行政・介護保険サービスに結びついているか」など、介護家族の実態を把握します。
認知症の人とその家族が住み慣れた地域で、希望をもって自分らしく暮らすために、この協働事業が、認知症本人と家族の『ともしび(光・希望)』になるように向き合っていきます。
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かながわほっと情報
羽ばたく日本のデフ射撃 未来を撃ち抜く挑戦
日本ろう者ライフル射撃協会 会長 桂玲子さん
2025年11月15日から26日まで、聴覚障害のある選手たちによるオリンピック「デフリンピック」が初めて日本(東京)で開催されます。今回は射撃競技日本代表に内定している桂玲子さんに、大会にかける想いを聞きました。
小さな原点から大きな挑戦へ
桂さんは子育てが一段落した頃、ママ友に誘われてビームライフル射撃の体験をしたことがきっかけでその面白さに引き込まれ、本格的に射撃競技を始めました。60歳の時、ろう学校時代の友人からデフリンピックの存在を知り「東京で開催されるなら挑戦してみたい」と思うようになったそうです。
「当時国内には聴覚障害のあるライフル射撃選手も、射撃のデフスポーツ団体もありませんでした。『東京でのデフリンピックをきっかけにデフスポーツの魅力を広め、聴覚障害のある方の心のバリアを少しでも減らしたい』と思い、射撃仲間や友人に呼びかけ、2023年4月に『日本ろう者ライフル射撃協会』を設立しました」と桂さんは言います。12名の会員でスタートした協会は、現在53名まで増え、東京大会には桂さんを含め5名の選手の出場内定が決まっています。(2025年7月時点)
視覚で支える勝負の瞬間
射撃は体幹やバランスが重要なスポーツであるため、人によっては左右の耳の聞こえ具合の差や平衡感覚のずれが競技に影響するそうです。
デフリンピックでのルールはオリンピックと同じですが、アナウンスが聞こえない選手のために、今回の東京大会では、選手の目の前にあるモニターに競技開始・終了の合図や弾を撃つ残り時間などを示す画面が表示されるそうです。
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デフリンピックなどの国際大会で選手へ「競技ストップ」を知らせるモニター画面
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“初出場”から始まる未来
デフリンピックは今年で開催100周年を迎えますが、日本の選手が射撃競技に出場するのは、今回が初めてです。「日本のデフ射撃を一過性で終わらせたくない」という想いから、他の選手の指導・育成にも積極的に取り組んでいる桂さん。「一言に聴覚障害と言っても、手話やスマホの文字起こしアプリなど、その人に合ったコミュニケーション方法があり、知っている言葉や文章力も人それぞれなので、指導の際は相手に合わせた伝え方を心がけています。当協会は設立まもなく、東京大会の出場内定選手には競技経験が半年や1年足らずの方もいます。メダル獲得は難しいかもしれませんが、今回の出場を機に、日本のデフ射撃の選手たちを世界へ羽ばたかせたいと思っています。ぜひ応援をよろしくお願いします!」と、デフリンピックに向けた想いを語ってくださいました。
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「一人でも多くのデフ射撃選手を発掘し、育成したい」と語る桂さん
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デフリンピックとは
デフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味です。
4年に1度開催され、国際手話のほか、スタートランプや旗などを使った視覚による情報保障が特徴です。
東京2025デフリンピック詳細 QR
日本ろう者ライフル射撃協会HP QR
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