テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.849 2022年8月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
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福祉タイムズふくしTIMES
2022.8 vol.849
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
特集…P2~4 包括的支援体制の構築に向けて~重層的支援体制整備事業の実施を通して~
NEWS&TOPICS…P5 あしがら成年後見センター開所 権利擁護支援ネットワークの中核機関を足柄上1市5町共同で設置
県社協のひろば… P10 神奈川県社会福祉センター整備事業協賛のお礼
→今月の表紙 一人で悩まないで 「生きづらさ」を相談するカフェ―就労支援施設 カフェおからさん―
左から、武藤さん、陸(りく)さん、瑚都(こと)さん、三ツ橋さん【詳しくは12面へ】撮影:菊地信夫
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特集
包括的支援体制の構築に向けて~重層的支援体制整備事業の実施を通して~
地域共生社会の実現に向け、「相談支援」「参加支援」「地域づくり」を一体的に行う包括的支援体制の構築が市町村行政の責務として位置づけられるとともに、これを推進するための重層的支援体制整備事業が創設され、県内でもいくつかの市で取り組みが進められています。
包括的支援体制および重層的支援体制整備事業は、従来からある取り組みや資源を生かしながら、分野・領域を超えた連携・協働、あるいは地域での見守りや予防的取り組みの推進にむけて「再構築」していくことが主眼となっており、各市町村でそれぞれの実情にそった展開イメージをどのように描き、関係者との合意形成のもと、すすめていくかがカギとなっています。
今回の特集では、従来からある地区単位の取り組みを包括的支援体制の一部に位置づけて展開している事例を取り上げながら、県内の状況や本会の取り組みを紹介します。
「包括的支援体制の構築」が必要とされる背景
近年、8050問題やダブルケア、ヤングケアラーの問題など、制度の狭間となりがちな問題が顕在化しています。相談支援機関では、以前からこのような課題を把握していましたが、世帯の中で複合的な課題を抱えるなど、一つの相談支援機関で介入、対応、継続的な支援が難しい事例が増加しています。
また、こういった状況にある人々には社会的孤立の問題もあります。制度やサービスにつなぐだけでは解決できないことも多く、地域での「気にかけ合う関係」など、住民の協力を得ながら、地域とのつながりをつくることが大切です。
こうした複雑化・複合化する地域生活課題を抱えている方に対応していくためには、分野を超えた多職種連携・多機関協働や、地域によるインフォーマルな支援など、本人中心の「丸ごと」の支援により課題解決していくことができる包括的な支援体制が必要となります。
包括的支援体制における機能
この包括的支援体制の構築には「断らない相談」、「参加支援」、「地域づくり」の一体的展開(図1参照)が必要とされ、市町村域における取り組みの推進に向けて、令和2年の社会福祉法改正により、重層的支援体制整備事業が創設されました。また、3つの支援を支えるものとして、アウトリーチ等を通じた継続的支援、多機関協働、支援プランの作成が規定されました。
これらの機能を持つ、重層的支援体制整備事業が推進されることにより、困りごとを抱える人たちが制度に合わせるのではなく、一人ひとりの困りごとや状況にあわせ、課題解決をめざす支援と、つながり続ける支援を組み合わせることで、その人が自分らしく暮らすことができる支援が可能となります。また、専門職と住民の協働が進むことにより、支援が必要な人を早期に発見して、課題の深刻化を防ぐとともに、支援を必要とする人が、支えられるだけではなく支える側にもなるような参加支援、地域づくりに向けた支援が進められることとなります。
県内の重層的支援体制整備事業の実施状況について
県内では表1のように、現在、3市が重層的支援体制整備事業、4市が移行準備事業に取り組んでいます。
市町村ごとに地域性や特色をいかした包括的な支援体制の整備に取り組まれていますが、重層的支援体制整備事業の実施については課題も多く(表2参照)、事業の着手には時間を要する状況です。
〈図1〉
出典:「第6回地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」(令和元年10月15日)資料より抜粋
〈図1終わり〉
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〈表1〉
県内の重層的支援体制整備事業及び移行準備事業の取り組み状況
[令和3年度]
・重層事業実施市町村:1市(逗子市)
・移行準備事業実施市町村:5市(鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市)
[令和4年度]
・重層事業実施市町村:3市(鎌倉市、茅ヶ崎市、逗子市)
・移行準備事業実施市町村:4市(藤沢市、小田原市、秦野市、厚木市)
〈表1終わり〉
〈表2〉
重層的支援体制整備事業の実施における主な課題
・事業内容に対する理解が十分に進んでいない
・メリットを十分に感じられない
・事業に関係する各課の連携が進まない
・各分野の関係者が感じている事業に対する期待やニーズの大きさに違いがある
・属性を問わない相談支援、参加支援及び地域づくりの事業を一体的に実施することはハードルが高い
・庁内、庁外における準備に時間を要する
・事業に必要な新たな人員を配置することが難しい
・交付金のしくみが複雑で分かりにくい
・新たな予算措置をすることが難しい
(※令和3年度市町村行政への調査結果から)
〈表2終わり〉
包括的支援体制の構築に向けた茅ヶ崎市の取り組み
●重層的支援体制整備事業の開始
茅ヶ崎市では、今年度より重層的支援体制整備事業を開始しました。既存のサービスや制度に当てはまらない課題や複合的な課題の解決のため、各関係機関の役割分担や支援の方向性の整理、事例全体の調整を行う仕組みとして、市福祉政策課に「福祉総合相談担当」を設置しています。
しかし、ここですべての相談を受けるわけではなく、住民からの一次的な相談は、従来どおり茅ヶ崎市役所の各相談窓口や地域包括支援センター、相談支援事業所など、既存の窓口を活用して行います。
新たに設置した市福祉総合相談担当は、特に制度の狭間の課題や複合的な課題を抱えた世帯への支援について、市の各部署や専門機関と連携して対応していくための多機関協働の取りまとめを行います(図2中央部分)。
また、問題が深刻化する前に早期に発見し、予防的な取り組みにつなげる仕組みとして、従来から各地区に設置していたネットワーク会議が位置づけられています。
●住民活動と専門職をつなぐ取り組み
このネットワーク会議では、地区社協や地区ボランティアセンター(以下、地区ボラセン)ほか、地区民児協等の地域団体、茅ヶ崎市社協(以下、市社協)のコミュニティソーシャルワーカー兼地区担当者、市福祉総合相談担当など関係者が参加し、「地区支援チーム」をつくっています(図3)。これにより、地区社協エリアで専門職と住民活動の連携・協働の相談体制を構築してきました。茅ヶ崎市では包括的支援体制の構築にあたり、この仕組みを体制の中に組み込み、市福祉政策課の地区担当職員も参加してバックアップしています。
各地区では、民生委員児童委員や地区社協の会長のほか、必要に応じて地域における総合相談窓口である地域包括支援センターやケアマネジャーなど、関係団体等の協力を得て、定期的にネットワーク会議が開催されています。会議では、情報共有のほかに、事例検討や新たな取り組みの検討なども行われます。
会議に参加している地区ボラセンでは「どんな相談も、まず受け止めること」を大切にしていますが、そこには、深刻な問題はすぐに専門職と共有できる地区支援チームの存在が背景にあると言えます。
これらにより、地域と専門職がそれぞれの得意分野を生かした支援ができるようになり、住民の安心感へとつながっています。
すべての地区にある地区支援チームを核に、関係機関・団体との連携の輪を広げて、網の目の細かい相談支援体制の構築を目指すとともに、地区ボラセンへの支援により地域活動の活性化を図り、住民の主体的参加による福祉課題への解決力の向上を目指しています。
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●地区ボラセンが果たす役割
市社協では、従来から地域支援の重点を地区社協においてきました。13カ所ある地区社協には、2003年から地区ボラセンの設置が推進され、ゴミ出しや草取りなどの生活の困りごとに、住民同士で助け合いを行っています。
市社協では、地区担当者が継続的に地区ボラセンを支援しています。活動の継続や展開に向けて、運営や拠点の維持等にかかる費用の助成のほか、定例会などに参加し住民からの困りごとへの対応方法を一緒に考えるなど協力をしています。また、周知活動や担い手の確保、学習の場の企画など、さまざまな場面でも支援を行っています。
〈囲み〉
【地区ボラセンの概要】
・開所日:週2~3日
・運営主体:地区社協
・活動者:スタッフは地区の住民
*コーディネーター(地区により3~10名前後)
当番制で拠点に駐在
支援の依頼や相談を受付け、現地の確認、調整を行う
*サポーター(地区により30~90名前後)
コーディネーターからの調整を受け、支援を行う
〈囲み終わり〉
地区ボラセンは、困りごとを抱える住民の近くに拠点があり、予防的な動きや生活上の問題を発見できます。また、それぞれの地区の状況に合った情報提供や困りごとへの素早い手助けなど、柔軟な動きが可能なことが強みであり、このことからネットワーク会議のメンバーとしても期待されています。
〈写真〉
会議では、子どもたちから高齢者まで気になる人たちのことや、地域における困りごとを中心に話が進む
〈写真終わり〉
包括的支援体制の構築に向けた本会の動き
本会では、昨年度に引き続き重層的支援体制整備事業等に関わる後方支援事業を県から受託しています。市町村が行う包括的支援体制の構築や重層的支援体制整備事業の推進に向けて、市町村職員等を対象とした研修や連絡会を行うことにより、情報共有や連携等を図るとともに、アドバイザー派遣により事業の取り組みを支援します。
●アドバイザー派遣事業とは
市町村が実施する包括的な支援体制に関する検討会等にアドバイザーを派遣し、体制整備や事業取り組み等における課題解決のための技術的助言や支援を行う事業です。
令和3年度に実施したアンケートやヒアリング等から把握した課題をもとに次の内容の支援を予定しています。
(1)体制整備等に向けた勉強会及び円滑に庁内連携が進むための助言等
(2)相談支援の体制構築にかかる具体的手法の助言等
(3)参加支援や地域づくりにおける具体的手法の助言等
アドバイザーは、学識経験者や先行自治体職員、先行事例実践者などです。どの支援内容の場合も、アドバイザーと本会職員が市町村の状況を聞き取りした上で、具体的な方法を検討していく予定です。
〈囲み〉
令和4年度包括的な支援体制及び重層的支援体制構築支援事業の内容
(1)市町村間の交流・ネットワーク構築
ア重層的支援体制等に関する連絡会(全体会)(8月末予定)
イ重層的支援体制担当者等連絡会(重層事業・移行事業 実施地域連絡会)(7月・2月予定)
(2)市町村職員等に向けた研修
ア包括的支援体制構築・重層的支援体制整備事業担当者研修会(全体研修)(7月・2月予定)
イ包括的支援体制構築・重層的支援体制整備事業担当者研修会(課題別研修)(9月・12月予定)
(3)市町村へのアドバイザー派遣(通年)
〈囲み終わり〉
去る7月20日、市町村行政・社協を対象に「包括的支援体制構築・重層的支援体制整備事業担当者研修会・連絡会」を開催し、同志社大学教授の永田祐さんの基調講演「地域共生社会における包括的支援体制の構築」とグループでの情報交換を実施し、51名の参加がありました。
情報交換では、「相談事例をもとに保健福祉部や年金課、介護課などと今後重層事業の実施を意識しながら検討している」「実施に向けて関係各課とやり取りの中で関係ができてきた」などのほか、相談支援包括化推進員を担う人材や個人情報の取り扱いなどについて、担当者間での情報交換が行われました。
包括的支援体制の構築にあたっては、「相談支援」「参加支援」「地域づくり」のそれぞれの局面で福祉にかかる機関や団体はもちろん、分野や領域を超えた人びとや活動の連携・協働が不可欠です。先行地域の取り組みに学びながら、それぞれの地域の実情にあった体制を、関係者との合意形成のもと構築していくことが求められています。(地域課)
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NEWS&TOPICS
あしがら成年後見センター開所
権利擁護支援ネットワークの中核機関を足柄上1市5町共同で設置
県内初・広域の中核機関
認知症や障害などにより、各種の契約や預貯金等の財産管理などが難しい人を法的に支援し、本人の権利を守る成年後見制度。この制度の利用促進を図るため、市町村では、制度に関する相談や普及啓発、権利擁護支援の地域連携ネットワークの中核となる「中核機関」の設置が進んでいます。
令和4年7月に、足柄上地区の1市5町(南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)が共同で、南足柄市のりんどう会館内に、「あしがら成年後見センター」(以下、センター)を開設し、14日に開所式が行われました。自治体が共同設置するのは県内初の取り組みで、運営は南足柄市社協に委託されています。
〈写真〉
開所式の様子
〈写真終わり〉
足柄上地域では、平成27年度より、地域自立支援協議会に組織化されている権利擁護部会にて、「足柄の地域に権利擁護センターを設立しよう」という声があったことから、当事者や支援関係者らと共に協議を重ねてきました。平成30年度には「足柄上地域における成年後見センター設置に関する報告書」がまとめられ、行政に提言されたことが、センターを設置するきっかけになりました。
委託を受けた南足柄市社協は、従来から法人後見事業をはじめとし、成年後見制度と関連の深い日常生活自立支援事業、権利擁護関係者との連携を目的とした「足柄上地区権利擁護ネットワーク連絡会の開催」などに取り組んでいました。これらの活動の経験を中核機関の運営にも生かしていきます。
各市町の強みを生かした相談
センターでは、中核機関の機能の中でも、制度利用の促進に向けた相談に力をいれています。足柄上地区は面積が広いため、まずは、身近な市町で、それぞれの特色、強みを生かした権利擁護支援の取り組みを進めていきます。
具体的には、各市町の行政や社協、地域包括支援センター、相談支援事業所を一次相談窓口とし、それぞれが権利擁護相談に取り組みます。そしてセンターを二次相談窓口とし、弁護士等の専門職を配置し、より専門的な相談に対応します(図参照)。
〈図〉
あしがら成年後見センターにおける相談業務
〈図終わり〉
相談以外にも、センターにおいて、一次相談窓口で対応する職員研修を行うほか、足柄上地区全体でケース検討を行う支援検討会議を開催します。さらに、各市町において権利擁護の課題解決を図る権利擁護協議会を開催するとともに、足柄上地区全体の状況や課題を共有する全体協議会「地域連携ネットワーク協議会」を設置します。
センターでは、各市町をバックアップしながら重層的な相談体制の整備を進めるとともに、1市5町の関係機関で課題解決や情報共有を行う仕組みをつくることで、足柄上地区全体の成年後見制度を始めとする権利擁護支援のシステムを構築していくことを目指します。
権利擁護と地域共生社会に向けて
センターでは、権利擁護と地域共生の道しるべとなるよう、シンボルマークを作成しました。6つの「A」の文字をモチーフにした人型は足柄上地区の6つの市町を表しています。6つの市町が協力連携して、権利擁護支援の輪を広げたいという想いが込められています。
◆ ◆ ◆
現在、県内の中核機関は、足柄上地区含め、16ヵ所に広がっています。本人・家族が安心して暮らすためには、その地域ならではの権利擁護の支援体制づくりが期待されています。(企画課)
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福祉のうごき 6月26日~7月25日※新聞等掲載時点
●障害者基本計画でヤングケアラーを支援
内閣府は、2023年度からの第5次障害者基本計画にヤングケアラーを含む家族支援策を盛り込む考えを示した。障害者のケアを担う家族の負担を軽減するため、障害者の家事援助、短期入所といったサービスの提供体制を確保する。
●老人ホームの給与改善進む
厚生労働省は、養護老人ホームと軽費老人ホームの給与改善に向けた支弁額の改定について、自治体の対応を調査した。養護老人ホームは85%、軽費老人ホームは97%の自治体が改定を実施または実施見込みであることが分かった。
●コロナ濃厚接触待機 緩和へ
政府は、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者の待機時間を、従来の7日間から5日間に短縮すると発表した。また、接触日を0日として2、3日目の検査で陰性なら待機を終えることとした。人手不足で社会経済活動に影響が出る事態を防ぐねらいがある。
●相模原市「高次脳機能障害」への理解を深めるパンフレット作成
相模原市は、脳卒中や交通事故による脳外傷などで生じる、高次脳機能障害について理解を求めるパンフレットを作成した。パンフレットでは、同障害の症状に加え、市内の相談所や、当事者や周囲の対応例を挿絵付きで紹介している。
●座間市の生活困窮者支援事業を紹介する本が出版
座間市が独自に実施する生活困窮者支援事業を紹介した「誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課」が出版された。2015年に施行された、生活困窮者自立支援法に対応するために効果的な支援体制としてつくり上げた「座間モデル」の経緯や、奮闘する職員らの姿を現場目線で描いている。
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私のおすすめ
◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。
親子で大きい乗り物を見に行こう!
家族でおでかけすることが多くなる夏。
子どもたちと乗り物を楽しむ機会も増えますよね。
そこで、今回は乗り物の中でも大きい船やロケットを見に行ってみました。実物に触れ、なぜこんなに大きいのかなと一緒に考えると、子どもたちの興味の幅も広がるかもしれません。
横浜市の「帆船日本丸・横浜みなと博物館」と相模原市の「JAXA宇宙科学探査交流棟」をご紹介しましょう。
今月は→NPO法人 ままとんきっず がお伝えします!
今年で子育て支援活動29年目。お母さんたちが主体となって、親子が集うサロン、グループ保育、一時保育、各種講座、産後サポート、子育て支援センター、小学校での寺子屋事業、中学校での赤ちゃんふれあい体験事業などを運営。情報誌・単行本の発行物は45冊を超え、一部は海外でも翻訳出版。乳幼児から小中学生まで幅広い子育て支援により、地域の活性化を目指し、活動の場を広げている。
〈連絡先〉〒214-0011 川崎市多摩区布田24-26
TEL 044-945-8662 FAX 044-944-3009 URL:http://www.mamaton.jpn.org/
◇どんな仕事をしている船?
みなとみらい21地区の第一号ドックに係留保存されている「帆船日本丸」は、昭和5年に船員を養成するために造られた練習帆船。昭和59年の引退までに地球約45周分の距離を航海し、1万1500人が乗船実習を受けました。船内では実習生や船長の部屋、教室、調理室などを見て回ることができ、実習や共同生活の様子を思い描くと、船員として働く人々のたくましさを感じます。
併設の「横浜みなと博物館」は6月にリニューアル。横浜港の歴史や仕組みと役割を最新映像や模型で知ることができます。その中でも子どもたちに人気なのは、「ガントリークレーンシミュレーター」。大きいコンテナ船から積みおろされるコンテナに私たちの暮らしに必要なものがいろいろ入っていることもわかり、船と港がぐっと身近な存在になります。
〈写真2点〉
「帆船日本丸」は国指定重要文化財。帆を広げる「展帆」を年間約12回実施
「ガントリークレーンシミュレーター」ではコンテナの積みおろしの操作を体験
〈写真2点終わり〉
◇夢が広がるリアルな宇宙
宇宙のさまざまな謎を研究する「JAXA宇宙科学研究所/相模原キャンパス」にある「宇宙科学探査交流棟」では、昭和30年の日本初の発射実験で使われた長さ23cmのペンシルロケットを原点に、宇宙への飛行や探査機器の搭載で徐々に大型化したロケット開発のあゆみを展示。挑戦を繰り返し、失敗から学んだ発見を積み重ねると宇宙へも行けるという研究者の思いが胸に響きます。
打ち上げ用ロケットの実機に触れ、小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星の粒子を拡大して見ると、宇宙をリアルなものとして感じることができ、子どもたちの夢も大きく広がりそう。スタンプラリーや展示解説ツアーも実施され、売店では宇宙食も販売されています。隣のプラネタリウムがある「相模原市立博物館」とあわせて訪れるのもおすすめです。
〈写真2点〉
天文衛星や惑星探査機の打ち上げ用ロケット「M-V」(実機)
「M-V」の構造を間近で見て、触ることも
〈写真2点終わり〉
・帆船日本丸・横浜みなと博物館
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい2-1-1
TEL 045-221-0280 開館時間10:00~17:00(最終入館16:30)、月曜休(祝日の場合は翌平日休)
・JAXA宇宙科学研究所/相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟
〒252-5210 相模原市中央区由野台3-1-1
TEL 050-3362-3540 ※応答は10:00~17:15(休館日を除く)、開館時間10:00~16:00 休館日はHPを確認
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あなたの職場
職員が自信をもって仕事をするために~良い部分を引き出し、評価する大切さ~
―(公財)鉄道弘済会・総合福祉センター 弘済学園(秦野市)
重度の知的障害・自閉症の子どもを対象に、それぞれの自立の形に向けた療育支援を行っている弘済学園(秦野市)を訪ね、子どもたちを支える職場についてお伺いしました。
●小さな進歩を大切に
弘済学園は、社会的養護だけでなく、福祉的な支援(生活習慣を身につける、心や身体的な支援を行う等)や、日々の行動障害、精神面のリハビリを必要とする子どもたちの入所施設です。
施設の方針として、他者との比較ではない小さな進歩を大切にしているとのこと。
「『我が子があまり成長していていないのではないか』と不安に感じているご家族に『一人で上履きがはけるようになりましたよ』『トイレが一人でできるようになりましたよ』と、どんなに小さなことでも具体的に伝えるようにしています。職員だから気づく小さな進歩を、家族に伝えていくことの大切さや成長を喜ぶ親の姿、これらを通した現場の支援とはどういうものなのか、時間をかけて職員にしっかり理解してもらっています。まずは、職員自身が子どもたちの小さな進歩を他との比較ではなく心から喜ぶ姿勢が大切なんです」と高橋園長は語ります。
〈写真〉
音感プログラム中の様子
〈写真終わり〉
●コロナ禍もプラス思考で
コロナ禍という、施設を運営する上で困難な状況もプラス思考で乗り切っています。原田福祉研究員は「マスクを着用する練習に、職員が一丸となって取り組み、子どもたちも見事に達成できた。マスクがつけられるよう成長できたのはコロナ禍のおかげです。外出はできなかったけれど、代わりに室内の遊びを考え、そこで子どもの成長を見ることができた。そんなふうに小さな進歩を大切にして、プラス思考で困難を乗り越えることは、私たち弘済学園の伝統と言えるかもしれません」と言います。この、小さな進歩を大切にし、良い部分を引き出すことは、仕事をする職員の育成に際しても必要なことだと考えているそうです。
●職員へのサポート
弘済学園の家族支援は、個別面談だけではなく、親が数人参加する親教室というものがあります。
長らく弘済学園の園長職を担っていた飯田雅子さんは、現在、法人の顧問を務められていますが、毎回この親教室に出席しています。親教室ではご挨拶をされる程度ですが、親教室の後、親教室で説明を行った職員に、振り返りだけではなく、励ましのエールを送る役割を担っています。「職員が親に対して説明をする場面で、うまくいかなかったことを厳しく指導するようなことはしません。小さなことでも、良かったところを中心に振り返るようにしています。そうすることで、職員は育っていくものです」と、飯田さんは言います。
また、高橋園長は「職員は家族と接する際に、相当な緊張を強いられています。この世界で長年仕事をしてきた飯田さんのような大先輩に励まされることは、若手職員自身が勇気づけられるし、私も元気をもらっています」と言います。さらに「お金をもらって働いているプロなのだから、若手職員でも苦労するのが当然、という考え方もあるでしょう。でもその考えは、今の若い世代には受け入れられにくく、厳しい苦労ばかりさせても育ちません。励ますこと、そして、注意する場合に、誰がどのように伝えるか、タイミングを見計らって行う必要があります」と語ります。
●個々の支援のスタイル・仲間同士のつながり
現場では、子どもたちの障害の程度や個別性等があり、支援の方法もそれぞれ。また、個々の職員自身に合っている支援方法かどうかも大事なことと言われています。
ある職員は言います。「支援が難しい子どもに対応する方法に悩んでいた時、ある先輩から『こうするといい』と聞き、その先輩の言う通りにやってみましたが見事に失敗。やはり自分にあった支援の方法は、自分で見つけなくてはならないんですよね」。
支援に際しては困難な場面も多いようですが、同期の仲間同士で受け止めあうことも、明日の仕事の英気につながっているようです。それぞれの職員が担当する子どもの年齢や障害の程度は様々ですが、「うちも大変、あなたも大変、みんな大変。頑張ろう!」と、励ましあうことで、お互いに元気をもらっているというお話でした。
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●卒園というバトンタッチ
児童福祉施設では、子どもの年齢が18歳に達すると園を卒園することになります。
クラス別の担任制としているため、職員一人ひとりの関わりは短い期間になりますが、一人のこどもが卒園するまでに、計数十人の職員が関わることになります。
また、同施設では、入園以来の一人一人の写真をたくさん保存しています。全職員が卒園者のお祝いのメッセージを寄せ、撮りためた写真を一冊のアルバムにまとめ、また、10分ほどのスライド動画にして上映しています。
「送別会は寂しさだけではありません。将来が決まったことを嬉しく感じるひとときでもあります。動画を見ると、一人のこどもに数多くの職員が関わっていることを実感します。日々の忙しさの余り、自分がどのポジションで支援していたか分かりにくいのですが、このアルバムやスライド動画づくりは職員にとって自分の仕事や立ち位置を再確認できる貴重な場です。児童の入所施設は、様々な職員によるいわば『バトンリレー』で支援しているわけですが、卒園は次のステップへのバトンタッチかも知れません」と三好課長は語ります。
〈写真〉
弘済学園のスタッフ 左から高橋園長、花枝さん、高橋さん、三好課長
〈写真終わり〉
なお、弘済学園では、毎年同窓会を開催していますが、例年100人以上の卒園生が参加するそうです。ここで、更に成長した卒園生に会うことは、職員にとっても大いに励みになっているそうです。
◆ ◆ ◆
今も毎日のように全国から在宅の障害児の支援を求める声が届く弘済学園。蓄積された支援の伝授に向けて施設内、県内、そして全国の関係者へのバトンリレーは今日も続きます。(企画課)
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県社協のひろば
神奈川県社会福祉センター整備事業へのご協賛ありがとうございました
令和3年8月に開所した「神奈川県社会福祉センター」の整備にあたり、コロナ禍にもかかわらず、累計277件、17,597,600円のご協賛を賜りました。あわせて「世界経済が不安定で福祉課題が山積する中、県社協としての情報発信を期待します」といった励ましも多数、頂戴しました。皆様のご支援、ご協力に改めて厚く御礼を申し上げます。
本会ではセンターの機能を十分に発揮し、引き続き本県の地域福祉の推進に取り組んでまいります。
神奈川県社会福祉センター整備事業 協賛者御芳名(敬称略、順不同。公表に同意をいただいた団体・個人のみ掲載しています。)
(福)恩賜財団済生会支部神奈川県済生会、(福)白百合会、(福)孝楽会、(福)あおぞら、(特非)神奈川県ホームヘルプ協会、(公社)認知症の人と家族の会神奈川県支部、(一社)やまゆり知的障害児者生活サポート協会、(特非)神奈川県腎友会、(一財)言語交流研究所、(株)ねずらむ、(福)恩賜財団神奈川県同胞援護会、(株)トシダ、(福)神奈川県社会福祉事業団、(公社)かながわ福祉サービス振興会、神奈川県農業協同組合中央会、(株)三光ビルサービス社、(株)トミヤ、(福)横浜社会福祉協会、(福)久良岐母子福祉会、(福)伸こう福祉会、(株)石井商事、(福)同塵会、(福)白峰会、中川緑、(学)白峰学園横浜女子短期大学、神奈川県社会福祉婦人懇話会、御薗生和彦、(株)あんざい、(福)育生会、(福)同愛会、(福)恵和、(福)ほどがや、(福)幸済会、(医)伊純会、高田淳子、(福)白根学園、(福)藤嶺会、(福)ル・プリ、(福)偕恵園、(福)恵愛会、徳久和彦、齋藤功人、(福)電機神奈川福祉センター、(福)すみなす会、(福)しののめ会、(福)近代老人福祉協会、(福)横浜共生会、(福)みどり福祉会、(福)シャローム会、浅野真巳、(一社)神奈川県自動車会議所、(福)和みの会、(公財)十愛会、(福)松緑会、(福)イクソス会、(福)孝徳会、(福)豊笑会、(福)真愛、(福)横浜長寿会、(福)公正会、(福)雄飛会、(福)たちばな会、(福)愛成会、(福)川崎聖風福祉会、(医)正慶会、オール・レンタル(株)、(福)川崎市社会福祉協議会、(福)長寿福祉会、(福)育桜福祉会、(福)新日本学園、鈴木寛、(福)尚栄福祉会、(福)セイワ、(福)高津百春会、(福)子の神福祉会、(福)川崎愛児園、(福)長尾福祉会、(福)みのり会、(福)大慈会、(福)照陽会、(福)厚生館福祉会、(福)弥生会、(福)藤英会、(福)慈正会、(福)たちばな福祉会、(福)さがみ愛育会、(福)相模福祉村、(福)悠朋会、(福)喜楽会、(福)すずらんの会、(福)晴翔会、(福)たけのうち福祉会、(福)報徳会、(福)青芳会、八木時雄税理士事務所、(福)富士美、(福)横須賀乳幼児保護会、(福)慈恵会、藤沼直美、(福)みなと舎、(福)日本医療伝道会、(福)興寿会、(福)三育福祉会、(福)海風会、(福)結いの会、(福)栗山会、栗田敏彦、(福)あまね、(福)長岡児童福祉園会、(福)長井婦人会、(福)湘南福祉協会、(福)横須賀市社会福祉協議会、佐野美智子、飯島信彦、鈴木秀雄、かながわ信用金庫、(福)至泉会、(福)つちや社会福祉会、(福)貴峯、(福)進和学園、(福)平塚市社会福祉協議会、(株)エコス、(福)聖音会、(福)こばと会、(福)鎌倉静養館、(福)ラファエル会、(福)鎌倉市社会福祉協議会、(福)永寿会、(福)竹生会、飛鳥田一朗、捧恵一、前田卓哉、(福)ひばり、(福)葵福祉会、(福)みその、(福)めぐみ福祉会、(福)藤沢市社会福祉協議会、藤沢市民生委員児童委員協議会、藤沢障害福祉法人協議会、(福)小田原福祉会、(福)ゆりかご園、(福)宝安寺社会事業部、更生保護法人報徳更生寮、(福)久野保育園、近藤正浩、(福)国府津保育園会、(福)よるべ会、(福)積善会、(公財)積善会、石川邦雄、(福)松が丘保育園、(福)白十字会林間学校、(福)福光会、(福)松宝苑、(福)茅ヶ崎市社会福祉協議会、木下操、篠原德守、井出康夫、(福)逗子市社会福祉協議会、冨田邦衛、石黒敬史、三浦市民生委員児童委員協議会、(福)こひつじ愛児会、(福)むつみ福祉会、(福)常成福祉会、(福)かながわ共同会、(福)かしの木会、(公財)鉄道弘済会、(福)秦野市社会福祉協議会、(福)三田福祉園、(福)神奈川県総合リハビリテーション事業団、(福)厚木慈光会、(福)すぎな会、(福)敬和会、(福)清琉会、(福)県央いずみ会、(福)野百合会、(福)紅梅会、(福)大和清風会、(福)徳寿会、(福)県央福祉会、金子直勝、(福)緑友会、(福)松友会、(福)大六福祉会、(福)こまや社会福祉事業会、(福)泉心会、(福)伊勢原福祉会、萩原敬三、(株)鈴木油脂、(福)星谷会、(福)中心会、海老名市民生委員児童委員協議会、(福)成光福祉会、矢部雅文、(福)互恵会、(福)敬心会、座間市民生委員児童委員協議会、(福)足柄緑の会、(福)県西福祉会、(福)南足柄市社会福祉協議会、(福)泉正会、(福)道志会、川邊渓子、(福)誠心福祉協会、綾瀬市民生委員児童委員協議会、(福)愛川舜寿会、(福)愛伸会、(福)愛川町社会福祉協議会、石井康弘、(福)清川村社会福祉協議会、(福)幸保園、(福)葉山町社会福祉協議会、(福)湘南広域社会福祉協会、(福)吉祥会、(福)素心会、(福)心泉学園、(福)育秀会、(福)大井町社会福祉協議会、鈴木和夫、(福)松田町社会福祉協議会、(福)はぐくみ福祉会、(福)開成町社会福祉協議会、(福)箱根恵明学園、(福)箱根町社会福祉協議会、富士屋ホテル(株)、(福)真鶴町社会福祉協議会、(福)城山学園、(一財)生活保健協会、(福)湯河原町社会福祉協議会、(株)安江設計研究所
〈令和4年3月31日時点〉
P11
Information
本会主催の催し
協働モデル事業 多文化高齢社会ネットかながわ
1 みんなで育てる やさしい日本語
◇日時=A.入門編 令和4年9月16日(金)20時~22時 令和4年10月2日(日)8時30分~10時30分
B.書く編 令和4年10月14日(金)20時~22時 令和4年10月23日(日)8時30分~10時30分
C.話す編 令和4年11月18日(金)20時~22時 令和4年11月20日(日)8時30分~10時30分
◇開催方法=オンライン(web会議システム「Zoom」使用)
◇申込方法=Googleフォームにて申込み
URL:A.入門編 https://forms.gle/Y5pkoYVAQ8boEppo8
B.書く編 https:///forms.gle/W4Foj3jQazUNAxKy8
C.話す編 https://forms.gle/dma1d5TSdY1h5eMn7
2 県民講座:外国人も年をとります!~外国につながる高齢者が安心して日本でくらすために~
◇日時=令和4年9月25日(日)14時~16時
◇開催方法=オンラインもしくは会場参加(かながわ県民センター12階 第二会議室)
◇申込方法=Googleフォームもしくはメールにて申込み
URL:https://forms.gle/LjCLXPa3safubtgX9
HP:講座の詳細は「ユッカの会」HPで確認 http://yukkanokai2014.web.fc2.com
他機関・団体の催し
手話入門講座のご案内
◇日時=令和4年10月7日~11月18日(毎週金曜日) 10時~12時
◇受講対象=手話を初めて学ぶ人
◇定員=15名
◇受講費=無料 ※但しテキスト代(DVD付き)3,300円(税込)
◇申込期間=令和4年9月21日(水)
◇申込方法=メールかFAXにて申込み 結果は9月22日以降にお知らせ
◇問合せ=(福)セイワ川崎授産学園市民交流事業
TEL 044-954-5011 FAX 044-954-6463
かながわコミュニテイカレッジ9月開講講座
共助の地域づくりを推進する講座
◇日時=令和4年9月21日~11月16日(毎週水曜日)13時30分~16時30分(全5回)
◇受講費=6,000円
◇定員=30名
URL:http://www.pref.kanagawa.jp/docs/u3x/komikare/r4kouza/kyoujo_suishin.html
◇申込方法=ホームページもしくは電話、FAX にて講座名・氏名・住所・区分(個人・団体)・電話番号をご連絡ください
TEL 045-620-0743
寄附金品ありがとうございました
【交通遺児援護基金】(株)エスホケン、ダイセーロジスティクス(株)横浜ハブセンター
【子ども福祉基金】(株)エスホケン
【ともしび基金】神奈川県立藤沢養護学校
(匿名含め7件、合計71,328円)
【寄附物品】(公財)報知社会福祉事業団、(株)ソロモン商事
【ライフサポート事業】
〈寄付物品〉(N)セカンド・ハーベストジャパン
(いずれも順不同、敬称略)
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かながわほっと情報
一人で悩まないで 「生きづらさ」を相談するカフェ
就労支援事業所(N)フラットハート カフェおからさん(横浜市港北区)
不登校や人間関係のトラブル、子育て等の悩みに対する相談会「生きづらさを抱える子ども・若者・保護者のよろず相談会」が定期的に開催されています。場所は東横線菊名駅から徒歩2分の就労支援B型事業所のカフェおからさんです。
運営している(N)フラットハートの理事長 三ツ橋健さんと、相談を受けている理事の武藤啓司さんにお話をお聞きしました。
三ツ橋さんは、横浜市社協で地域支援の仕事をしながら、多文化共生や児童養護施設とも関わるようになりました。その中で、障害のある子どものお母さん達から、子どもが安心して楽しく働ける場所が欲しいという声を聞き、退職して就労支援事業所を立ち上げました。
〈写真〉
「必要な人に情報を届けたい」と語る三ツ橋さん
〈写真終わり〉
現在利用者は20名、カフェやアトリエで楽しく仕事をしています。この他にも、(N)フラットハートでは、横浜市介護予防・生活支援サービス補助事業(サービスB)や青少年の支援事業を行っており、その一環として、相談会を開催しています。
武藤さんは、小学校の教師を退職後、不登校や発達障害をもつ子どもたちが通うフリースクール楠の木学園の園長、理事長を務められました。「常に子どもと同じ目線で」をモットーに子どもたちに向き合ってきました。
相談会は、毎月第3木曜日午後に、対面もしくはZoomで行われています。相談の内容は、ひきこもり、人間関係のトラブルから、障害がある人の就職のことなど様々ですが、おからさんでは、自信のない人のいいところを見つけたり、悩んでいる人を励ましたり、その人に合った居場所を紹介したりします。また、時には一緒に行政へ出向き、自立に向けた手続きも支援します。
「相談をしたからと言って、急に元気になる人はいないけど、のどかに生活し、元気になるまで見守り、寄り添うことが大事」と武藤さんは言います。
武藤さんの適切で丁寧な回答に「生きづらさ」を抱えて来た相談者は、安心して帰られるそうです。
三ツ橋さんは、「孤立すると人は弱くなる。どこに相談したらいいか分からない人も、武藤先生に相談すれば、アドバイスがもらえてほっとすることが出来る。ぜひ、ふらっとカフェに来て下さい。」と呼びかけます。
相談会は、カフェおからさんのホームページから申込みできます。
(企画課)
〈写真2点〉
優しく相談に答えてくれる武藤さん
カフェで販売しているおからサブレとドリンクのセット
〈写真2点終わり〉
〈囲み〉
カフェおからさん
住所:横浜市港北区篠原1-2-24
問合せ先:https://www.flatheart.or.jp/
〈囲み終わり〉
「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
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【発行日】2022(令和4)年8月15日(毎月1回15日発行)
【編集発行人】新井隆
【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2
TEL 045-534-3866
FAX 045-312-6302
【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所