
“ミドリバ”大学生が「団地活性サポーター」として活躍
神奈川県住宅供給公社×東京工芸大学による団地活性化プロジェクト
- 分野 地域 /
- エリア緑ヶ丘団地(厚木市) /
- 推進主体 学生 /
「ミドラボ」の立ち上げ
神奈川県住宅供給公社(以下、公社)と東京工芸大学は、2018年1月に厚木市緑ヶ丘団地及びその周辺の活性化に向けた連携協定を締結し「ミドラボ」という教育・研究プロジェクトを立ち上げました。 このプロジェクトを推進してきた公社の茶屋道京佑さんにお話を伺いました。「2015年頃には、緑ヶ丘団地の入居率は大きく低下しており、高齢化等によって自治会活動も下火になっていましたが、公社としては何とか活気を取り戻したいと思っていました。一方、大学は、このプロジェクトを、学生にとっての“第2のキャンパス”として、住空間のリアルを学ぶ場と位置付けています」と話してくれました。大学の専門知識を活用し、双方にとって価値ある取り組みとなっています。
「団地活性サポーター制度」をスタート
連携協定に基づき、東京工芸大学の学生を対象に、緑ヶ丘団地に入居して地域活動などに参加することで家賃が半額になる「団地活性サポーター制度」を開始しました。
団地に居住し、学生の専門分野を活かしながら、地域住民とともに地域コミュニティの活性化を目指す活動を行っています。
緑ヶ丘団地では現在5人のサポーターが活動しています。今回は2人のサポーターにお話を伺いました。
木村太洋さんは工学部情報コース4年生で、高校生の頃からボランティアに興味があり、入学と同時に団地に入居しました。この4年間の間に、スマホ相談会、茶道体験、モルック体験、小学生向けクリスマス会などの活動を行ってきました。「地域には交流の場が必要だということを再認識しました。孤独を感じている方々に寄り添える活動が必要」と活動を通して感じたことを話してくれました。
髙橋凜さんは工学部建築コース3年生で、工学部の先生からミドラボを紹介されました。人とのコミュニケーションが好きで、チームで何かを成し遂げる活動に興味を持って入居しました。
「活動を通して自分がつながるだけでなく、住民の間にも広がってきたことが感じられて嬉しいです」とにこやかに話しました。

左から木村さん、髙橋さん、茶屋道さん
地域の居場所「ミドリバ」
団地活性サポーターは、それまであまり使われていなかった団地の集会所を“みんなの居場所”として定期的に地域に開くイベント「ミドリバ」を開催してきました。これまでの活動が地域に浸透し、緑ヶ丘四丁目と言えば「ミドリバ」と認識され、学区の小学校の先生方や福祉関係者が見学に来るような居場所となりました。
今春卒業していく木村さんは、今後の目標について「ひきこもりがちな単身高齢者の方々が、気楽に足を運んでくれるような活動を進めて欲しい」と後輩に託します。それを受けて、髙橋さんからは「“食”をテーマにしたあらたな活動に挑戦をしたい」と展望を語りました。
取材の日、ミドラボの学生が設計したリノベーションプランで集会所がリニューアルオープンしました。ここには、ミドラボを支える多くの方々や、団地の住民と携わった学生の笑顔が溢れていました。(企画課)