
地域に開かれたお寺の「暮らしの保健室 安あん養よう」 ~不安な気持ちや話を聞いてもらいたい時、気軽に足を運べる場所~
東光院
- 分野 地域 /
- エリア大磯町 /
- 推進主体 その他の活動主体 /
- キーワード居場所づくり /
大磯町の住宅地にある東光院では、毎月2回「暮らしの保健室 安養」を開催しています。
予約も利用料もいりません。本を読む、おしゃべりするなど過ごし方は自由。落ち着いた雰囲気の中で、生活の困りごとや介護のこと、不安なことなどの話をゆったりと聞いてもらい、相談ができる町のお寺の保健室です。
大磯の人々に合わせて生まれる活動
会場である東光院のフリースペースは、葬儀などで貸し切りにならない限り年中無休。夕方には子どもたちが宿題をしたり遊んだり。
東光院の隣の空き家を活用した多世代食堂「おむすび」では「みんなでつくってみんなで食べる!」をコンセプトに一人暮らしで食事を簡単に済ませてしまう高齢者や子どもたちが参加して、多世代の賑やかな交流が生まれています。
「社会課題の解決を目指したわけではなく、ここに来る人の困りごとに焦点を当てる中で、活動が生まれてきました」と副住職の古井昇しょうくう空さん。 例えば「家族がうつと診断されたときに、相談できる場がなかった」という地域の人の相談をきっかけに、うつ病の人の家族会が始まりました。「家族会をやってみたら?」との古井さんの投げかけに、その人が中心になり話が進んでいきました。
縁づくりの一環として
住職の大澤曉空(ぎょうくう)さんは「人口が少なくなる中で、地域での結びつきを強くしていくことが大事。縁づくりの一環です」と話します。地域の人からは「二人には代わりがいないから体を大事にしてね」、高齢の方からも「俺より先に死ぬなよ」と声をかけられます。寄せられる信頼が活動の原動力になっています。

住職の大澤さん(左)と副住職の古井さん
「場」の大事さ
保健室を共同で運営している合同会社地域包括ケアステーション代表の木内健太郎さんと統括管理者の岩本朋子さんは「行けば誰かがいる場、気軽に相談できる場」であることを大事にしています。
また、お二人が参加しているもう一つの場である「夜の保健室」は、医療・福祉スタッフや地域の人がグラスを片手に気軽に語り合う場です。20代の若者はこれからの生き方の悩みを打ち明けて、みんなに話を聞いてもらう中ですっきりして帰っていきました。悩みや夢、理想も飛び交う中で、地域を支え合う関係も生まれています。

保健室では、僧侶や医療・福祉のスタッフが相談に応じている
地域の中でともに生きること
大澤さんと古井さんは、高齢者が亡くなるまで町の中で地域の人々と一緒に過ごせる方法を模索しています。その様な地域であるためには「生きる」ことに地域の人を巻き込んでいく必要があると考え実践しています。 「暮らしの保健室」でのつながりから、これからも人と人がつながる場が生まれ、続いていきます。(地域課)
暮らしの保健室 安養(あんよう)
- 会場:東光院(大磯町大磯1525)
- 第2火曜日第4土曜日 10:00~17:00