
ケアラー(家族介護者)が悩みを分かち合いほっと できる心の癒しの場 ~介護うつ病にならないために~
ケアラーズカフェ モンステラ 山田 由美子さん
- 分野 地域 /
- エリア相模原市南区 /
- 推進主体 ボランティア /
- キーワード居場所づくり /
ケアラーに癒しの場を
介護に疲れ、誰にも相談することができず、孤立しているケアラー(家族介護者)がちょっと一息つける場所、愚痴を話せる場所がケアラーズカフェです。自宅を地域に開放して「ケアラーズカフェ モンステラ」を営んでいる山田由美子さんにお話を伺いました。
カフェを始めたきっかけは、山田さん自身の長い介護体験と、その後発症したうつ病でした。その頃の山田さんは一人で介護を抱え、誰にも相談できずに悩んだり苦しんだりしていました。そのような自分自身を振り返って、気楽に悩みを打ち明けられる場所があれば「介護うつ病は予防できるのではないか」と気づき「ケアラーの方には心身ともに大切にして、自身の人生を生きて欲しい」との思いから、平成30年にカフェをスタートしました。
モンステラの花言葉は「希望の光を導く」です。ここを訪れた多くのケアラーの方々に、山田さんは希望と癒しを与えてきました。今では、県内外から多くの人が集まるようになり、1歳から100歳までの多世代が交流する場所になりました。
その他にも山田さんはヤングケアラーの支援にも力を入れて啓発冊子を発行したり、セミナーでケアラーについての講演を行うなど積極的な活動を行ってきました。そのような活動が認められ、令和6年3月に県の「ボランタリー活動奨励賞」を受賞しました。

ケアラーに寄り添う山田由美子さん
多くのケアラーと向き合って
多くのケアラーと向き合って山田さんが気づいたことは、
- ケアラーは人の命を預かっている
- 自分の事が後回しになってしまう
- 気づかぬうちに疲弊してしまう
- 孤立、孤独化しやすい
ということです。そしてヤングケアラーの場合は、子どもらしい感情をしまいこんで成長することで、大人になってからも生きづらさに苦しむことがあると言います。「手伝って、助けて」と声を出すのは簡単ではないけれど「ひとりで抱え込まないで!」と山田さんはさまざまな機会で発信をしています。
どなたでもどうぞ
モンステラは自宅の1階を「住み開き」という形式で「どなたでもどうぞ」といった思いで地域に開放しています。取材当日は、カフェのオープンとともに多くの方が訪ねてきました。近所の「働くデイサービス・就労継続支援B型事業所」のパンの販売やボランティアによる無料のマッサージ・フットケアが行われており、居間では軽食を摂りながら、皆様とても賑やかに談笑をされていました。

家族で訪れていたお客様と
ケアラーは、毎日が精一杯で自分のことを振り返られません。だからこそ「気付かないうちに介護うつにならないために、こういう場所があることを1人でも多くのケアラーの方知ってほしい」と山田さんは優しく言います。(企画課)
ケアラーズカフェ モンステラ
- OPEN:10:00~16:00 毎週火曜日・土曜日
- 住所:相模原市南区相模台2-20-8
- TEL:042-749-8527
- ホームページ