
サポートする人もされる人も、みんな一緒に楽しむサーフィン
(一社)サーファーズケアコミュニティNami-nications
- 分野 障害 /
- エリア鎌倉市 /
- 推進主体 民間団体(NPO等) /
認知症になってもサーフィンをしたい、障害があるけど一度でいいからサーフィンをしてみたい。そんな人たちと一緒に海に入り、サーフィンを楽しむ活動をサポートしているのが(一社)サーファーズケアコミュニティNami-nicationsです。
代表理事の柴田さんにお話をお聞きしました。
「もともとは、医療や福祉に従事するサーフィン好きが7〜8人集まって作った、ナミニケーションズというサークルでした」。そんな仲間が毎月集まってサーフィンを楽しんでいたところ、認知症当事者の川名賢次さんと出会いました。川名さんは大会に出るほどサーフィンが好きでしたが、若年性認知症になってからはサーフィンはやめていたそうです。そんな話を川名さんの奥様の裕美さんから聞いた柴田さんたちは、川名さんをサーフィンに誘いました。
発足当時からのメンバーで理事の嘉山さんは「ここからナミニケーションズは第2章に入りました」と言います。川名さんのサーフィンを、医療や福祉の専門家でもあるサーファーの仲間がサポートしながら、皆で楽しむサーフィンが始まったのです。裕美さんも「まさか主人がもう一度サーフィンができるとは思っていませんでした。でも、ここなら安心して任せられます」と嬉しそうに言います。
それからは、さまざまな障害のある方々やその仲間が集まるようになり、今では会員が100名を超える団体へと成長しました。神奈川周辺だけではなく、京都や群馬からも毎月集まって来る会員もいます。メンバーの熊谷さんは「ナミニケーションズの強みである医療従事者のサポートを訴求して、これからも活動を広げたい」と言います。

さらに、デザイナーとして活躍している熊谷さんが編集長となり、社会にとって、よりよい取り組み、ヒト、モノを発掘し特集するお洒落なフリーペーパー「Nami+(ナミプラス)」を湘南エリアを中心に発行するようになりました。ダイバーシティ&インクルージョンなお店や、障害があってもサーフィンを楽しんでいる人やその家族が紹介されています。海のつながりを、街の中に広げて共生社会の実現を目指しています。
最後に活動の魅力について柴田さんにお聞きしました。「海にいることの気持ちよさ、波に乗ることの楽しさ。それは、障害の有無に関係ありません。みんな同じ仲間として一緒にサーフィンを楽しんでいるだけです」。ここには、沢山の笑顔が集まるサーフィンの新しい楽しみ方がありました。(企画課)

後列左から、嘉山さん、熊谷さん、柴田さん、前列左から川名賢次さん、裕美さん(撮影:菊地信夫)