
「不自由」がないこと、「不自由」であっても解消できること
第45回神奈川県福祉作文コンクール県知事賞
- 分野 地域 /
- エリア平塚市 /
- 推進主体 学生 /
- キーワード福祉教育 /
12月10日、本会および県共同募金会の共催で「第45回神奈川県福祉作文コンクール」(後援:神奈川新聞社など)の表彰式を開催しました。県内の小・中学校合わせて177校、寄せられた5611編の作文の中から選考された、最優秀賞16編、優秀賞20編、準優秀賞20編、合計56編が表彰されました。
表彰された作文は、どれもこのコンクールの「子どもたちに『ともに生きる福祉社会』について考え、関心を深めてもらうことを願うとともに、更なる福祉意識の醸成を図る」という趣旨に対し、それを自分たちの言葉で表現された秀逸なものとなっています。
審査委員長で神奈川新聞社クロスメディア営業局の土岐邦彦さんからは「『福祉』に対する率直な想い、気付き、使命感など、皆さんからの力強いメッセージに、われわれも心を動かされた。多くの方に作文に触れてほしいと強く感じました」と講評をいただきました。
この度、県知事賞を受賞した大和慶剛さん(平塚市立大原小学校4年生)は、病気の治療のために入院した病院での生活を細かく表現し、車いすでの生活ではあったけれども、環境的な配慮や工夫、先生の助けにより「不自由なく楽しい毎日」だったとつづっています。

表彰式のようす
一方で、退院後に戻った地元の小学校ではエレベーターがないなど、車いすでは「不自由なこと」があったとしていますが、実はそれは物理的な面であって、鉛筆を拾ってくれる友達や、後ろの棚に入っているファイルを棚に近い人から順番につなぎ、いちばん前に座る自分に届けてくれたことなど、本人いわく「みんなが代わる代わる助けてくれた」ことで、不自由な問題は解消されていったと振り返ります。
次は自分が手をさしのべる番だと話す大和さんは、今では車いすも必要なくなり、最近の楽しみは、友達との昼休みのドッジボールだと教えてくれました。
「将来の夢は?」の問いには「2つある」と微笑んで、ひとつは車を造る人になること、もうひとつは、ウーパールーパーを研究する人になりたいと真っすぐに話をしてくれました。その夢に向かう過程で、自身が経験した多くの人の助けを思い出し、もしも助けが必要な人がいたら、そっと手を差し伸べている姿が浮かびます。ぜひ、夢を叶えてほしいと思います。(地域課)

毎日が楽しいと話す大和さん