
どうやって食うか?を考える
障害福祉サービス studio COOCA
- 分野 障害 /
- エリア平塚市 /
- 推進主体 社会福祉法人・事業所 /
スタジオクーカ(以下、クーカ)は、2009年に平塚市に設立された生活介護・就労支援B型事業所です。障害のある人が40名ほど登録しており、日常的に20名ほどが利用し、絵画、陶芸の制作や、音楽活動など好きなことを行い、就労につなげています。そしてその作品の絵はTシャツやマグカップ、商品の包装紙のデザインとして使用されています。

䑓さん(左)と熊谷さん(右)の作品
クーカを立ち上げた株式会社愉快の社長 関根幹司さん(以下、関根さん)にお話をお聞きしました。縁あって就労支援施設の運営に関わることになった関根さんは、利用者さんにどんな仕事がしたいか聞いたところ、答えが出てこなかったそうです。
「青春真っ只中の若者が、これから生きるための選択肢がない。それなら時間をかけて彼らが仕事のイメージを作っていく猶予期間、モラトリアムの時期があってもいい」と考えました。そして、「一番楽しいことをやろう、絵を描いても、何もしなくてもいい」というクーカの活動が始まりました。
そして、利用者さんの描いた絵を初めて見たとき、関根さんは「面白い」と直感しました。ですが、展覧会に出展しても絵は評価されず、くやしい思いをしました。それでもあきらめず、関根さんは東京の画廊や雑貨店等を回り続けたところ、ようやく作品が認められ、「カッコいい」と評価を高めていきました。そしてそれが、作家としての利用者さんの自信と喜びにつながっていきました。クーカの施設長で関根さんのご子息でもある関根祥平さん(以下、祥平さん)にもお話をお聞きしました。祥平さんは美術大学を卒業して関根さんの後を継ぎました。「クーカにいて好きなこと、得意なことをいろいろやってみて、自分に何が合うか、人それぞれの可能性を見つけてほしい。クーカの由来『どうやって食うか』は、どうやって生きるかということ」と言います。そして、今後は地域との関係を築くための様々な活動の場を展開していきたいという思いから、畑、陶芸、ヨガなど活動を広げています。

関根さん(左)と熊谷さん(中)と祥平さん(右)
取材の帰り道、バス停でクーカの利用者さんに会いました。「クーカに通って6年です。清掃の仕事だけで人生が終わるのは嫌だと思っていましたが、今は毎日好きな絵を描けて楽しいです」と語ってくれました。
この紙面ではとても伝えきれないクーカの素晴らしい作品はぜひホームページでご覧ください。(企画課)
studio COOCA
- 住所:平塚市平塚4-15-16
- 問合せ先:0463-73-5303
- Email:info@studio-cooca.com