
行政、社協、民生委員の連携で取り組む、寄り添いの活動
川崎市民生委員児童委員協議会 会長
川崎市麻生区民生委員児童委員協議会 会長 今富子さん
- 分野 地域 /
- エリア川崎市麻生区 /
- 推進主体 民生委員・児童委員 /
- キーワード地域での支えあい活動 /
川崎市麻生区で民生委員・児童委員(以下、民生委員)として活動する今富子さんと、同じ麻生区内の各地区で民生委員児童委員協議会(以下、民児協)の会長を務めるみなさんにお話を伺いました。
今さんは、小学校PTAの副会長として学校創設に携わり、現在も学校の協力委員として関わっています。また、その間、警察署から委嘱を受け、少年補導員としても活動していました。そうした中、義母が認知症になり、施設でお世話になる代わりに、自分は地域に貢献しようとの思いから、平成16年に民生委員の委嘱を受け、活動を始めました。
平成25年には麻生東第二地区民児協の会長となり、平成30年に麻生区民児協の会長、そして令和5年に、川崎市民児協の会長になりました。
民生委員のやりがい
みなさんに民生委員のやりがいについて伺いました。「研修会で学んだことを実際に活動の場面で生かせたとき」「相談を受けて、適切な関係機関につなげ、寄り添った支援ができたときにいわれた『ありがとう』の一言が力になった」「『私には民生委員は必要ない』と言っていた方にも積極的に声を掛け続け、最終的には入院時に頼ってもらえることになった。お役に立てて良かった」と、みなさんはその時々を思い出し、笑みを浮かべます。

会長として取り組みたい内容を話す今さん
関係者一体となった活動
各地区民児協の会長のみなさんは、世間一般に「民生委員は大変」という固定観念があることを残念に感じています。実際に経験してみると、地域の方から相談されることにやりがいと喜びを感じ、人とのつながりも増えたといいます。また、研修等での学びが自分や自分の親のためにもなるなど、多くの魅力があると語られました。
そして「民生委員は一人でやるわけではなく、分からないことは仲間と支え合い、活動することができるので、まずは一歩踏み出してほしい」とこれから民生委員になる人に向けて、伝えたいことを話してくれました。
また、今さんは「民生委員活動は決して一人ではできない。民生委員は地域の住民を支えているが、偉いわけではなく、地区民生委員や役所、社協、全員で一体となって行っている」と話します。
「民生委員・児童委員の日」活動の一コマ
これからも地域のために
今さんは、今後の目標に「福祉教育」と「災害」の2つを挙げます。
福祉教育については「学校と連携した福祉教育に取り組んでいきたい。今は直接学校から連絡がないと児童委員なのに学校内に入りづらい。今後は学校と顔の見える関係づくりのために、社協と連携して福祉教育に協力していきたい」と現状を交え、伝えてくれました。
災害対応については、平成28年度に麻生区民児協で作成した「災害時民生委員児童委員活動マニュアル」を更新し、昨今増えている災害への対応方針などの周知を図ることが大切と語ります。
各地区民児協の会長のみなさんの、地域をより良くしたいという思いや、民生委員活動への意気込みを感じる取材でした。(企画課)
5月12日は民生委員・児童委員の日
民生委員制度は、第一次世界大戦末期、大正6(1917)年5月12日に防貧対策として岡山県で創設された済世顧問制度が源になっています。
全国民生委員児童委員連合会では、制度創設の5月12日を「民生委員・児童委員の日」と定めました。