
特殊詐欺撲滅をテーマに防犯寸劇 横浜市防犯功労者表彰受賞
市民団体「お笑いジーバー劇団」
- 分野 地域 /
- エリア横浜市鶴見区 /
- 推進主体 ボランティア /
- キーワード地域での支えあい活動 /
寸劇で詐欺撲滅を啓発
警察庁によると、電話などで嘘をつき、お金をだまし取る特殊詐欺は、令和5年の被害が1万9,033件と、過去15年で最多でした。被害額は441億2千万円と2年連続で増えています。このような特殊詐欺から被害を防止するために、寸劇を通して楽しみながら詐欺手口を学べる活動をしているのが「お笑いジーバー劇団」です。
座長の梶朋広さんは高校時代から演劇を始め演劇の楽しさを知りました。その後、鮨職人の道へ進みましたが、演劇への熱意は冷めず、自ら社会人サークルを作ったり、子ども劇団を立ち上げたりして演劇を楽しんでいました。
そんな時に、お店の常連客から、高齢者福祉施設に入居する家族を演劇で楽しませて欲しい、と頼まれました。そこでコントや楽器演奏などで、周りを笑顔にしていく楽しみを感じながらの慰問活動が始まりました。その後、メンバーが入れ替わり、現在の「お笑いジーバー劇団」が誕生しました。

座長の梶朋広さん
そして令和2年2月、県警が主催した「防犯寸劇」コンテストで見事に優勝しました。詐欺の被害に遭わないためのポイントを、寸劇でユーモアを交えて紹介し、県警幹部らによる審査員票、一般の方の票ともに最多得票を獲得しました。これをきっかけに、その後の高齢者施設慰問の際にも防犯寸劇を交えるようになりました。また、コンビニ店長会議で披露したことがきっかけで、実際に特殊詐欺を防ぐことができた店もあり、鶴見警察署から感謝状が贈呈されました。
詐欺に引っ掛からないポイントをお聞きすると「電話でお金の話が出たら、ちょっと待つ、話を遮る、そして電話を切って誰かに相談することが大事」と話してくれました。「しかし、詐欺師も俳優と同じで話がうまい、頭がいい」。だからこそ、一層注意が必要、と教えてくれました。
梶さん自身は詐欺師の手口を警察のホームページや動画などで日々学びながら寸劇で伝えています。このような活動が評価され、令和5年12月、横浜市防犯功労者表彰を劇団が受賞をしました。
笑い溢れる高齢者施設の慰問
お笑いジーバー劇団は団員が8名、平均年齢は約75歳。取材をした日は、翌週の高齢者施設慰問に向けた最後の練習日でした。全員で発声練習から始まり、高齢者向けの昭和歌謡、三味線、ギター演奏、そしてコントと演目ごとに通して練習が進められました。途中、周りから「かっこいい!」「もっとしぶく」と掛け声があり、梶さんからの台詞の間合いなどのアドバイスも交じりながら、真剣な練習が続きました。
今後の目標については「演劇を通じて得られる表現力、会話力、社会性などを多くの子どもや若者にも経験して欲しい。演劇は学びの場です」と言い「若い人もぜひメンバーになって欲しい」と呼びかけました。
「お笑いジーバー劇団」の活動は多くの高齢者の笑いを生み、楽しみながら特殊詐欺を防ぐという社会貢献にもつながっていくことでしょう。実際の演技をぜひSNSでご覧ください。(企画課)

練習風景
お笑いジーバー劇団
- ホームページ:お笑いジーバー劇団(Facebook)