
子どものために付添犬(つきそいけん)が活躍しています
子どものためのワンストップセンター(N)子ども支援センターつなっぐ
- 分野 こども /
- エリア横浜市中区 /
- 推進主体 民間団体(NPO等) /
虐待や性被害を受けた子どもに寄り添い、警察や検察、児童相談所、民間団体が行う「司法面接」の心理的負担を和らげる付添犬。アメリカで始まったこの活動を日本に導入したのが、(N)子ども支援センターつなっぐ(以下「つなっぐ」)です。
「つなっぐ」は、子どものための権利擁護の手続きやサポート、身体的・精神的ケアなど一連の対応が受けられるワンストップセンターです。被害を受けた子どもに対して、多機関、多職種と連携して、一人ひとりに必要な支援ニーズに応えられるよう、被害直後から自立するまでサポートすることを目的としています。その支援の一つが付添犬です。

事務局長の新井さん
付添犬の活動内容について「つなっぐ」事務局長の新井香奈さんにお話を伺いました。「裁判で、子どもが被害体験を語ることはとても大変です。そこで付添犬がサポートをします。児童相談所では、子どもと接する前後に付添犬に触れ合ってもらっています」。そして「付添犬の効果としては、一緒にいるだけで勇気を与えてくれ、気持ちを癒してくれる支え」だと言います。
取材は40分以上に渡りましたが、その間、付添犬のアンジェロ君(ボロニーズ)は、ハンドラー(付添犬と行動を共にする人)の畔柳さんの膝の上で、ずっと大人しくしていました。子どもと接する時もじっと大人しくしているそうですが、遊ぶ時は元気に遊ぶそうです。
付添犬には、落ち着きのある性格、子どもとのふれあいをポジティブに受け入れる素質が求められるそうです。また、ハンドラーには、犬との信頼関係を築けることや、子どもとの素直な関わりができる人柄が求められ、虐待を受けた子への支援に関する研修も受けます。
現在活動している付添犬は14頭で、主に首都圏と東海圏で活躍しています。徐々に付添犬の存在が認められており、各地の児童相談所から支援の依頼が来ています。
全国の令和3年度児童虐待の相談対応件数は20万件を超え、過去最多を更新しました。「どうすれば虐待は減るのか。例え親でも、暴力は駄目だという意識を啓発し続けること、何かあった時に助けてもらえる仕組みが必要で、地域では早期発見と見守りが大事です。身近な所で虐待に気付いたら、児童相談所虐待対応ダイヤル『189』(いちはやく)への連絡や、『つなっぐ』など支援団体に相談して欲しい」と新井さんは言われました。
「つなっぐ」と付添犬は、支援を必要とする全ての子どもたちとともに、明るい未来に向かって歩んでいます。(企画課)

アンジェロ君の飼い主でハンドラーの畔柳さん
(N)子ども支援センターつなっぐ
- TEL:045-232-4121
- ホームページ:NPO法人 子ども支援センター つなっぐ