
同じ目線に立つこと ―保護司として立ち直りを支える
都筑保護司会 保護司 村田輝雄さん
- 分野 地域 /
- エリア横浜市都築区 /
- 推進主体 その他の活動主体 /
保護司は、罪を犯した人や非行をした少年が再び過ちを繰り返すことのないよう、地域で立ち直りを支える民間のボランティアです。その活動は立ち直りの支援にとどまらず、犯罪や再犯を未然に防ぐための地域住民に向けた取り組みなど様々なものが含まれます。今回は横浜市都筑区で20年以上保護司の活動をされている村田輝雄さんにお話を伺いました。
村田さんは農家の長男として生まれ、両親の後を継ぎ、ほうれん草やトマト等の野菜を栽培しています。仕事の傍ら、地元の体育指導員や消防団の班長として活動していましたが、町内会の知人から「保護司にならないか」と誘いを受けたことがきっかけとなって保護司に任命されました。
保護司の活動をする上で大切にしていることは「相手の立場や気持ちを尊重し、同じ目線に立つこと」と言います。この言葉には奥様のある一言がきっかけとなりました。
ある時、担当する少年が約束の時間になっても面接に来ないことが重なり、やり場のない気持ちを感じました。そんな時に奥様から「約束を守れないことも、犯罪を起こしてしまった背景にあるのかもしれない。そういう気持ちで見てみたら」というアドバイスがありました。それから相手の立場になって考えるようにしたところ見え方が変わってきたそうです。色々な人に接してきて感じるのは、「大人も子どもも本当に悪い人はいない」ということ。話を聞き、相手の環境や気持ちに寄り添うからこそ見えることです。
永年の保護司としての活動と横浜市保護司会会長等としての取り組みが評価され、令和4年秋には瑞宝双光章を受章されました。

初めて担当した時のことを語る村田さん。今でもゆるやかな交流が続いている
近年、保護司の高齢化や担い手の確保が課題となっていますが、その要因の一つには職務の困難さが挙げられています。また、人材確保と共に、立ち直りの支援には、地域の理解と協力は欠かせません。コロナ禍により、この数年は保護司会としての活動やお祭り等の地域の行事を行うことができませんでしたが「これから少しずつ再開し、今一度、地域とつながり、顔の見える関係づくりにも力を入れていきたい」と言います。地道なつながりから「人材確保や新任保護司の負担軽減のためにも相談しやすい環境づくりを行っていきたい」とこれからの抱負を語ってくださいました。
村田さんの温かいまなざしと優しい笑顔は、これからも色々な人を支えていきます。 (企画課)
7月は“社会を明るくする運動” “社会を明るくする運動”の強調月間です
この運動は、すべての国民が犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動です。