
車いすで風を切る
車いすマラソン金メダル 岩本 希心(のぞみ)さん
- 分野 障害 /
- エリア横浜市鶴見区 /
- 推進主体 学生 /
昨年12月に「第23回全国車椅子マラソン『日産カップ追浜チャンピオンシップ2022』」が開催されました。この大会は、日産追浜工場と地域住民等との協働運営により開催されています。この大会でジュニアクラス(小学生)の大会新記録で優勝した岩本希心さんにお話を伺いました。
希心さんは鶴見区内の小学校に通う6年生です(取材時)。小学3年生の時に日産カップのことを知り、チャレンジしたところ初めて参加したにも関わらず、3位に入賞を果たしました。

日産カップでの疾走
その後、優勝を目指して練習を続けてきましたが、コロナ禍で大会は2年間中止になりました。しかし、そんなブランクをものともせず3年ぶりに開催された今大会で見事に優勝を獲得しました。レースの終盤は「やめたくなった」と言うほどつらかったそうですが、最後まで頑張って2・5kmを14分21秒というジュニアクラスの大会新記録までも樹立しました。
車いすマラソンの楽しいところは「競争するのが楽しいです。また勝った時にメダルをもらえるのが最高に嬉しいです」とにこやかに言います。また難しいところは「どうやったらタイムを縮められるかが難しいです。今回は肩甲骨の使い方を意識して練習しました。つらいところは、ずっとこいでいると前傾しているので腰が痛くなり、とても疲れます」と教えてくれました。
そんな希心さんの活躍を支えているのがお母さま。普段練習をしているスポーツセンター(横浜ラポール)への送迎、トラックを何周走るか、何分で走るかといった計画の作成、練習では走行中のタイムの測定をしてくれています。また、学校には希心さんのことを親身に相談にのってくれる先生がいます。希心さんはこの先生にとても感謝しており、いつか先生の首に金メダルを掛けてあげたい、と思って頑張ってきたそうです。
さらに、一昨年から車いすテニスを始めた希心さん。車いすテニスのパラリンピック選手から、一こぎで大きく進める肩甲骨を意識した練習方法を教えてもらった、と嬉しそうに話してくれました。このように、希心さんは周りの多くの人たちのあたたかい支援も受けながら、持ち前のガッツで目標を達成しました。
これからも風を切って疾走する希心さんの活躍を期待したいと思います。(企画課)

金メダルを掛けた希心さん