
子育て中のお母さんに絵本の言葉を届けたい~大丈夫だよ
「みんなの絵本のおうち」代表 森川美代子さん
- 分野 こども /
- エリア横浜市泉区 /
- 推進主体 ボランティア /
相鉄いずみ野線いずみ中央駅近くに「みんなの絵本のおうち」はあります。
春の日差しが溢れる日の午前十時半、5組の親子が集まりました。開催されたのは、音楽を流しながら絵本の読み聞かせをする「コンサートリーディング」。始まるまでは気ままに遊んでいた3歳までの子どもたちでしたが、代表の森川美代子さんの朗読が始まると一斉に黙り、絵本に集中しました。しかし、何冊か読み30分ほどすると、子どもたちは飽きて勝手に遊びだしますが、その頃になるとお母さんたちが集中して聞いていました。森川さんはお母さんたちに届く本を選び、言葉を掛けていました。参加したお母さんたちは、「子どものために来たけれど、自分が楽しかった」、「感動して涙が出そうだった」、「音楽を流して聞くと味わいがあった」などと感想を言われていました。

コンサートリーディングの様子
森川さんが「みんなの絵本のおうち」をオープンしたのは令和2年。それまでは子ども向けに英語で絵本の読み聞かせをする活動に参加していましたが、ある日運命的な一冊の絵本に出会います。
「今日Today 」(伊藤比呂美訳)です。たまたま書店でこの本を読んだ時、森川さんは心を奪われ涙が溢れて来たそうです。
「もっと早くこの本に出会っていたら、子育て中に出会っていたらあんなに不安にならなかった。楽になれたのに」。そう思った森川さんは、子育てでさまざまな不安を抱えるお母さんたちのために、絵本の言葉を届ける活動を始めようと決心しました。楽しい絵本、季節の絵本、自分を見つめる絵本を中心に読み伝えていくチームを作ろうと決心し、「おはなしの風」というグループが結成されました。その後、各地でコンサートリ―ディングを開催する活動が認められ、「みんなの絵本のおうち」のオープンにつながりました。今では50人以上のボランティアに支えられて活動を続けています。
「お母さんが笑えば子どもも幸せになる。それを見てお父さんもうれしくなり幸せな家庭になる。幸せな家庭が広がれば地域も幸せになる」と森川さんは言われました。
絵本の魅力についてお聞きすると、少し考えられたあと「心に寄り添ってくれる、元気をくれる、自分を認めてくれる、未来を見せてくれる」と言われました。そんな絵本の力で産後うつだった方が元気になったり、おとなしかった子どもが、しっかり本読みができるようになったのを見てきました。
今では、「みんなの絵本のおうち」には赤ちゃんからシニアまで集まるようになりました。そこに触れ合いや助け合いの関係が生まれ、太極拳やシニアデーなどの活動も開催されるようになりました。
「絵本はすごいなぁ」と言われる森川さん。その絵本の魅力を多くの人に伝えている森川さんたちの力もすごいなぁと感じました。(企画課)