[思い出サロン回想のわ」を通じて目指す 「特別な場所」
回想のわ 代表 嶋村 真由美さん(座間市)
- 分野 高齢 / 地域 /
- エリア座間市 /
- 推進主体 民生委員・児童委員 /
好きなことを生かした地域への恩返し
回想法とは、懐かしい思い出の品などを活用し、高齢の方が過去の経験を語り合う心理療法です。記憶を思い起こすことで脳が活性化し、認知症や介護予防に効果的と言われています。
嶋村さんは、“郷土愛”を原動力に、生まれ育った座間市で民生委員・児童委員(以下、民生委員)として活動して今年で25年目を迎えました。民生委員を始めた当時を振り返り「自分と地域の関わりを見直すきっかけになった。地域に貢献したいという気持ちは委嘱された当時から変わっていない」と話されます。
嶋村さん自身、人と話すことが好きで、自分の好きなことが高齢の方々の役に立つかもしれないと考えたことが、回想法を学ぶきっかけとなったそうです。5年ほど前から回想法を学び始め、高齢者サロンや認知症カフェで実践を重ね、多くの高齢の方々と触れ合う中で「高齢の方は自分が安心できる場所、心の拠りどころとなる場所を求めている」という気づきを得ました。そこで、自身が学び、実践してきた回想法を生かせるサロンを地元で開きたいという想いから、令和7年5月に「回想法のわ」を立ち上げ、サロン名は「思い出サロン回想法のわ」(以下、サロン)としました。
サロンスタッフは、嶋村さんと同じ地区の民生委員3名のほか、回想法を学んだ2名の総勢6名です。スタッフ全員がおもてなしの心を大事にしていて、季節に合った花やお菓子を毎回用意し、参加者をお迎えしています。
道具が映し出すあの頃の自分
外に出る機会が少ないながらも、歩いて会場まで来ることができ、民生委員と日頃関わりのある方を中心に声かけを行いました。現在は6名ほどが毎月サロンへ足を運んでいます。
月ごとにテーマを決め、そのテーマに沿った道具を用い、実際に五感で感じながら、それぞれが少しずつ昔のことを思い出し、言葉にします。

鰹節削り器に触れながら、各々の「朝ごはんの思い出」を語ります
参加者にとって少しずつ変化する居場所
回を重ねるごとに参加者の笑顔が増え、時には涙を流し、次第にお互いが“単に毎月会う人”ではなく、“想いを共有し、励まし合い、お互いに補い合う人”となり、サロンが特別な場所へと変わってきていることを実感しているという嶋村さん。
サロンの今後について「まだ始めたばかりなので、私自身も勉強しながら参加者と共に歩んでいきたい。また、回想法は大人数で行うことが難しいため、当面は会をまとめ、進行するリーダーを増やしていくことが目標。将来的にはサロンの開催場所を増やし、一人でも多くの高齢の方に『特別な場所』を提供したい」と明るい笑顔で語る中にも、強い決意を感じました。
また、嶋村さんは、座間市の生活支援の中の一つである学習支援にも関わっています。「同じ地域住民として、さらには一人の人間として、隠れて苦しんでいる方のちからになりたい」―嶋村さんの地域への恩返しはこれからも続いていきます。(地域課)
