テキストデータ作成に当たって  このデータは、『福祉タイムズ』 vol.850 2022年9月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。  二重山カッコは作成者注記です。 P1 福祉タイムズふくしTIMES 2022.9 vol.850 編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 特集…P2~3 神奈川の福祉・介護の仕事の魅力を伝えたい-現場から発信する“かながわらしさ”- NEWS&TOPICS…P4 介護の魅力、想いを「付け句」に込めて~(公社)神奈川県介護福祉士会「付け句大会」~ …P5 つながりをたやさない社会づくり~(福)神奈川県共同募金会~ 県社協のひろば… P10 高齢者福祉の明るい未来を目指して 第20回かながわ高齢者福祉研究大会オンライン開催 →今月の表紙 安心してご飯が食べられる世の中に ~フードリボンプロジェクト~ -居酒屋 地鶏焼・味くり家 店長 横溝博さん【詳しくは12面へ】撮影:菊地信夫 P2 特集 神奈川の福祉・介護の仕事の魅力を伝えたい -現場から発信する“かながわらしさ”-  私たちが働いている神奈川の福祉・介護現場には、どんな魅力があるでしょうか。例えば、入職後も学び続けられる環境づくりや労務・福利厚生の充実など、受け入れた後の人材を大切にする法人・事業所の取り組み、あるいは風光明媚な自然や歴史、都市・観光といった地域特性、外国籍県民が多く多様性を大切にする視点など、さまざまなものが魅力になると考えられます。  今回は、それらの魅力を“かながわらしさ”として広く発信し、関係者が一体となって人材を神奈川に呼び込んでいくために、福祉・介護現場からの声を通して、自分たちの働く職場の魅力を改めて考えていきます。  県内の福祉・介護の法人・事業所で実施している専門性向上にむけた取り組みや関係者同士のネットワーク等は、職場選びの視点になるなど、神奈川に人を呼び込むための好材料になるのではないでしょうか。今回は高齢・障害・児童の各分野の事例を通して、神奈川の魅力の発信の仕方を考えていきます。 専門性向上に向けた職員育成の工夫  県社協の「スーパーバイザー研修」に長年職員を受講生として派遣している(福)進和学園では、法人内のスーパーバイザー制度を活用するとともに、階層別研修、自己研修を、法人内の人材育成の柱にすえています。人事考課制度では、単に職員の評価のみが目的ではなく、評価によって各職員の目標やモチベーションを高め、職場定着を図り、人材育成を推し進めることを大切にしています。 〈囲み〉 (福)進和学園は平塚市に所在し、昭和33年に設立。「本人中心」「一人には、一人のひかり」を法人理念とし、利用者ご本人を中心に地域はじめ社会、ボランティア、家族、行政、職員、法人役員、この七つの輪のチームワークを福祉の原点として掲げている 〈囲み終わり〉 〈囲み〉 (福)一廣会が経営する特別養護老人ホームかないばら苑は、平成7年に川崎市麻生区で開所。よりそう心で、その人らしさを支えるサービスを提供することを苑の理念として掲げている 〈囲み終わり〉  今年で設立65年を迎え、20事業所を経営する進和学園は各事業所で横断的に構成する職員養成委員会も設置し、委員会が主催する研修のほか、資格取得研修、新人研修等も行うほか、研修への参加を奨励する参加費用補助制度も行っています。  川崎市にある(福)一廣会は、個々の職員のキャリアに合わせた育成方針のもと様々な研修等に取り組んでいます。また、他の施設の業務内容や工夫を知ることで、自分の施設の業務を振り返ること等を目的に、県内の法人と連携し、人事交流や職員交流会などにも取り組みました。 関係者のネットワークによる取り組み  高齢分野の取り組みとして、今年度、20回目を迎えたかながわ高齢者福祉研究大会。全国に先駆け、高齢者福祉の魅力を発信し、研究・実践活動や介護技術等を共に学び合い、研さんすることを目的に開催されています。  ここで発表を行うことは、実践を理論化し、もって職員の力量向上を行うことにつながっています。(福)一廣会のかないばら苑においても、毎年、職員がエントリーし、発表しています。今年度は「音楽療法」をテーマに介護技術発表に出場。サポートした人材育成担当者は「自分たちが音楽療法に取り組んでいる意義を改めて見直す機会となり、その過程で職員は大きな達成感と自信を得ることができた。オンライン形式となったことで、施設内での共有もしやすくなった」と振り返ります。  外国人の介護職員の受入れや研修の工夫等を取り上げた研究発表が毎年行われているのも、この大会の特徴の一つです。今大会でもEPAや特定技能等の外国人をテーマにした発表が複数行われ、多くの外国人が活躍している神奈川の特徴を見ることができます。【関連記事10面】  児童分野でも、県内の児童養護施設間で〝ヨコ〟につながり、相互に連携したさまざまな取り組みを行っています。  その一つが、各施設の職員が集い、学び合う場となっている神奈川県児童福祉施設職員研究会です。「課題や取り組み事例を共有し、職員同士の絆を築くための大切な場となっている」と(福)みその・聖園子供の家施設長の野際さんは話します。  学びの場だけでなく、入所した子どもたちが文化活動、スポーツ等を通じて学び、成長する場として行われている活動として、児童福祉施設文化体育協会もあります。これも県内の児童養護施設が深い信頼関係を構築し、連携できているからこそ。このような業界を挙げての取り組みは神奈川の魅力と言えます。 P3 働きやすい環境の整備  進和学園には、福利厚生の仕組みとして「職員互助会」があります。法人に所属する職員全員が加入できる制度で、加入によって傷害保険、ボランティア保険等への加入や休業補償が受けられるようになります。  職員がより良いコンディションで勤務することがサービスの質の向上につながると考え、健診費用の助成や誕生日休暇、柔軟な時短制度も設けており、神奈川県から「子育て支援応援団」にも認定されています。  聖園子供の家では、例えば産前・産後休業では法令上定められた日数より早めに取得できるよう、法人の就業規則を柔軟に改定しながら対応しています。野際さんは「単に職員の定着という観点だけではなく、子どもたちとの関係性という点でもできる限り長く働いてほしい」と思いを話してくださいました。 地元・地域との関わり  進和学園では、利用者への支援を通して、湘南ひらつか七夕まつりへの参加や、「湘南みかんぱん」「湘南トマトのとまとジュース」をはじめとする地産地消で付加価値のある製品づくりに取り組み、湘南ひらつか名産品、ふるさと納税返礼品に登録しているなど、市のPRやイメージ向上に直接的に参画しています。  かないばら苑では「地域に介護の教室をつくりたい」という思いから、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修を7年前から毎年度開講しています。「介護に関わるきっかけづくり、従事者のキャリアアップ支援に貢献しようと、コロナ禍でも研修は止めていない」と施設長の吉野さんは話します。 〈囲み〉 (福)みそのが運営する児童養護施設聖園子供の家は、藤沢に所在し、昭和21年2月に開設。カトリックの精神に基づき、子どもが社会の健全な一員となるよう、家庭に代わる環境の中で、のびのびと、明るく、たくましく、健やかに育つために誠心誠意子どもの支援に尽くすことに取り組んでいる 〈囲み終わり〉  研修修了者が法人に入職することも多く、現場の雰囲気も感じながら学ぶことができる強みと、講師を務めるかないばら苑の職員の人柄などにも魅かれて入職した方もいるそうです。研修には、かないばら苑の職員も受講することができ、入職してから学べる環境づくり、キャリアアップ支援のためのサポートを法人・施設として取り組んでいます。 神奈川ならではを活かして  実はJリーグの拠点数が全国一の神奈川。川崎フロンターレを含むサッカーJリーグの複数のクラブと連携し、展開している企業プロジェクト「Beサポーターズ」にかないばら苑も協賛しています。高齢者など普段は周囲に「支えられる」機会の多い方がサッカークラブのサポーターとなることで、クラブや地域を「支える」存在になっていくことを目指す取り組みで、地元に、身近なところにプロスポーツチームがある強みを活かしています。  聖園子供の家は、湘南エリアへのアクセスが良い立地。職員の中には「湘南の海でサーフィンできる生活」と仕事との両立を実現したいと、県外から藤沢市内に移住して就職した方などがおり、地域の魅力が就職のきっかけの一つとなっています。 かながわらしさを発信し、人材をかながわに呼び込む  今回の3法人・事業所へのヒアリングを通して、福祉・介護の法人・事業所の魅力には実にさまざまなものがあり、法人・事業所ごとの職員育成・専門性向上の取り組みもさることながら、県内の関係者がネットワークを形成しての学びの場が多くあることがわかりました。労務環境の整備や福利厚生の充実、さらには湘南や江の島といった神奈川の土地・観光資源も、県内で働くきっかけの一つになりえます。  これらの情報は、法人・事業所のPRに加えて、神奈川で就労してみたいという人たちに大いに発信すべき魅力と言えます。  かながわ福祉人材センターでは、人材を県内外から呼び込むために、今後も福祉・介護現場の現場とともに現場の魅力を〝かながわらしさ〟として発信していきます。 (福祉人材センター) P4 NEWS&TOPICS 介護の魅力、想いを「付け句」に込めて~(公社)神奈川県介護福祉士会「付け句大会」~ 介護の付け句 募集中  県介護福祉士会では、11月11日の介護の日にあわせて、昨年度から付け句大会を行っています。  「付け句」とは、あらかじめ示した下の句にふさわしい、上の句(5・7・5)を考える遊戯のこと。介護の仕事から体験できる喜び、介護に期待すること、ちょっとしたエピソードなどを盛り込んだ作品を募集しています。  コッシュ石井会長は「これまでも介護の魅力を伝えようとしてきましたが、なかなか良い方法が浮かばず伝えきれずにいました」と話します。  そんな時、会の広報委員会から提案がありました。担当理事の小野さんは言います。「介護・福祉の気持ちを歌に込めた『付け句』を募集することを提案しました。福祉の分野では、これまでも川柳や俳句といったものはありましたが『付け句』は聞きません。初めは手探りです。応募作品をどう審査するのかもわかりませんでしたが、特別養護老人ホームの利用者で俳句が趣味の方に審査の基準を考えていただきました。その方には審査員にも加わっていただきたかったのですが、直前にご逝去されたので、残念ながらそれは叶いませんでした」。  今年の付け句大会、お題は、下の句が「これが私の三大介護」となっています。 〈例〉 ほほえみに 寄り添う心 優しい手 これが私の三大介護  一般的には三大介護というと、食事、入浴、排泄の3つを指しますが、会では新たな切り口を表現した歌を期待しています。  なお、審査については、次の3つの観点で行われます。 ①介護者の想いが表現されているか ②付け句にリズム感があるか ③独創性があるか  どなたでも応募でき、優勝作品・入選者には賞品があります。募集は10月20日(木)まで。(企画課) 〈写真〉 コッシュ石井会長(左)と小野理事(右) 〈写真終わり〉  昨年度(第1回)の付け句大会のお題は、下の句が「これもひとつの介護あるある」でした。受賞作品と審査員によるコメントをご紹介します。(応募総数86句) 最優秀賞 「妻になり ときに娘に 孫になり これもひとつの介護あるある」 〈コメント〉 その瞬間、瞬間にある認知症の人の世界に見事に寄り添って(演じて)いる様子が感じられます。共感してクスっとしてしまいました。  認知症の利用者に対し、介護する人は変幻自在に対応する事で安心感につながっている様子が伺えます。 優秀賞 「ワイパーの リズムに合わせ出る唱歌 これもひとつの介護あるある」 〈コメント〉 日々の介護が日常生活にも溶け込んで、(支援の現場で歌っている歌を)ついつい歌ってしまっている情景が浮かびます。 優秀賞 「待ってます あなたが一歩 動くまで これもひとつの介護あるある」 〈コメント〉 相手のペースに合わせている情景が浮かびます。根気よく対応をされている介護者の想いが感じ取れます。 会長賞 「信頼は 自分のケアで つかむもの これもひとつの介護あるある」 〈コメント〉 信頼関係を築くことはたやすいことではなく、専門職として自分のケアに責任をもっている覚悟が表現されています。 いずれも、介護現場での気づき、ぬくもりを感じることができる応募作品だと感じています。 〈囲み〉 問合せ先・申込先 (公社)神奈川県介護福祉士会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3-17-2 県社会福祉センター内5階 TEL 045-319-6687 FAX 045-322-6678 URL:http://kanagawa-accw.org/ 〈囲み終わり〉 P5 NEWS&TOPICS つながりをたやさない社会づくり 「赤い羽根共同募金」にご協力をお願いします!  今年も10月1日から全国一斉に「赤い羽根・共同募金運動」が始まります。  昭和22年、「国民たすけあい運動」として始まった共同募金運動は、県内の地域福祉活動の一環として、コロナ禍での緊急支援事業を始め、近年多発する大規模災害時の被災者支援活動など、その時々の社会情勢に応じた配分事業を展開しています。  県共同募金会では、企業や社会福祉協議会、NPO等と連携してコロナ禍で緊急的に支援を求めている方々への支援事業等を、令和2年3月から継続的に展開しています。 〈円グラフ〉 令和4年度の募金目標額は12億円です。 〈円グラフ終わり〉  新型ウイルスによるパンデミックが長期化する中、経済的に困窮される方々や社会的に孤立される方々への緊急的な支援を継続的に展開していくとともに、県内の福祉施設等で集団生活をしている子どもたちや障がい者、高齢者への地域福祉を推進していくために、県民の皆さまからご理解をいただき、運動を展開してまいります。 「つながりをたやさない」 コロナ禍での緊急支援活動  人と人とが接する機会を制限されたことで、生活に困窮される方や居場所を失い孤立している方、生活や教育環境の変化を余儀なくされる子どもたちなど、多くの方々への支援が新たに求められています。  共同募金会では、一昨年から引き続き「つながりをたやさない社会づくり」を全国共通テーマに掲げて、パンデミックの早期収束を願い、次のとおり緊急支援事業に取り組んでまいります。 ●「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援事業」の展開! ●「食」を中心とした物資による緊急支援事業の展開! ●児童養護施設や母子生活支援施設等への生活支援事業の展開! ●福祉医療病院等で医療に従事されている方々を応援! 企業との協働の推進  企業がCSR活動の一環として共同募金との協働拡大を進める中で、各企業に対して共同募金仕様自動販売機の設置や商品による寄付、寄付金付き商品の開発などを企画・提案していきます。  また、多くの県民が利用する鉄道各社との協働推進を図り、地元意識を喚起した各沿線の地域福祉の向上に努めます。全国に先駆けて始まった鉄道会社との協働事業により、今年度もコラボ缶バッジを製作しました。 〈写真2点〉 江ノ電&湘南モノレール 相模鉄道「そうにゃん」 〈写真2点終わり〉 共同募金PR大使に〝オハナ〟が就任!  令和4年度の共同募金PR大使に、野毛山動物園(横浜市西区)のオグロワラビー「オハナ」が就任することになりました。同園との協働事業は平成24年度から始まり、今回で11代目の大使となります。 〈写真〉 令和4年度 動物シリーズバッジ 〈写真終わり〉 県内プロスポーツチームとの協働  県共同募金会では、平成20年度から県内プロスポーツチームとの協働を開始しました。サッカーJリーグの横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ、女子サッカーのノジマステラ神奈川相模原が協働パートナーとして赤い羽根募金を応援しています。  各チームの公式戦会場では、赤い羽根とコラボグッズ(ピンバッジ等)を使用したイベント募金を実施します。 〈写真3点〉 各スポーツチームとのコラボバッジ(①横浜F・マリノス②川崎フロンターレ③湘南ベルマーレ) 〈写真3点終わり〉 交通系IC等による非接触型の新たな募金方法の実施!  近年、キャッシュレス化が進む中で、本会では令和3年度よりSuicaやPASMO等の「交通系IC」を試行的に導入して、街頭やイベント会場で募金活動を実施しました。  本年度も引き続き交通系ICを始め、電子マネー等の非接触型の新たな募金方法を取り入れてまいります。  令和4年度共同募金もコロナ過での運動実施となりますが、引き続きご理解とご支援をお願いいたします。 (県共同募金会) P6 福祉のうごき 7月26日~8月25日※新聞等掲載時点 ●厚労省「子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会」を開始  厚生労働省は、7月28日に「子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会」の初会合を開いた。ワーキンググループを設け、研修課程や試験内容について議論する。 ●自治体でのヤングケアラー支援強化 ケアラー情報を自治体の一部門に集約する枠組みを検討  厚生労働省が、大人に代わり日常的に家事や家族の世話をするヤングケアラーの支援対策強化として、学校などで把握したケアラーの情報を各自治体の一部門に集約する新たな枠組み作りに取り組むことが明らかになった。新たな枠組みづくりの検討チームを設置し、複数の市区町村で試験運用する方針。窓口が異なる行政支援の一元化を行い、生活改善までフォローを続けることがねらい。 ●全社協 災害福祉支援ネットワーク中央センター事業を受託  全国社会福祉協議会は、「災害福祉支援ネットワーク中央センター事業」を厚生労働省より受託した。平時の広域的な派遣体制の構築等を進めるとともに、災害時には各都道府県のDWAT(災害派遣福祉チーム)の活動状況の集約や、都道府県間の派遣調整のための体制構築を図る。 ●厚労省「障害児通所支援に関する検討会」を開始  厚生労働省は、8月4日に「障害児通所支援に関する検討会」を開催し、障害児が通う事業の再編等について検討を始めた。福祉型、医療型に分かれている児童発達支援センターの一元化や、放課後等デイサービスの類型化、支援の質の向上に向けた取り組みを議論する。 ●東北、北陸地方で大雨、41施設で被害  8月3日からの東北や北陸地方を中心に降り続いた大雨等により、北海道、青森、山形、福島、石川、新潟の児童施設、高齢者施設、障害者施設の合計41施設に床上浸水、停電、断水などの被害があった(8月25日・厚生労働省情報)。災害発生を受け、8県20ヵ所で社会福祉協議会を中心に災害ボランティアセンターが開設され、被災家屋などの片付けを行った(8月24日・全国社会福祉協議会情報)。 P7 私のおすすめ ◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。 私の朝ごはん  今朝は、何を召し上がりましたか?  「食べることは生きること」  私たちも病気を得て、食べることへの意識が変わりました。  今回は、ピアサポートよこはまのサポーターの朝ごはん、それぞれの食への思いをお届けします。 今月は→ ピアサポートよこはまがお伝えします! がん体験者が、がん患者と家族の相談支援活動をする団体です。県との協働事業からスタートし、その後も自主運営として継続、11年間で約1600件の相談を受けてきました。主に電話相談、面談、サロンなどを行っています(現在はオンライン)。 〈連絡先〉 URL:https://peer-support.wixsite.com/yokohama URL:https://ameblo.jp/peer-yokohama/ ◇サポーターA 〈休日はお粥〉  私の朝ごはんは、基本はトーストと紅茶とヨーグルト。そこに日替わりの野菜と果物、卵が加わります。紅茶は、レモンティならぬシークワーサーティ。香りと酸味が、優しく爽やかに私を目覚めさせてくれます。予定の無い日曜日の朝は、ゆっくりお粥を頂きます。これは数年前に永平寺を訪れてからの習慣。米から炊いたお粥と梅干、沢庵、いりごま。シンプルですが、心がホッとする朝ごはんは、心の栄養にもなっています。 ◇サポーターB 〈子どもの頃からバタトースト〉  私の朝ごはんは子どもの頃からずっとミルク紅茶とバタトーストでした。しかし、ご飯におみおつけの純日本式朝ごはんを何より美味しいと思って食べていた時期がありました。乳がんを告知されてからの時期です。ガイドライン始め色々読んで溜め込んだ知識に影響されたのかもしれません。  バタトーストをやめてからは体重が少しずつ減り始め、首のしわしわが目立つほどになったのです。すると、その頃からまた、朝ご飯のバタトーストが美味しく感じられるようになりました。  朝食は、私の場合身体の欲するものを逆らわずに摂る。それが結局、体に良いということのようです。 ◇サポーターC 〈夫が用意するコーヒーとパン〉  頭痛持ち家系の3代目の私、毎朝頭痛に悩まされます。見かねた夫がコーヒーを淹れてくれるようになり、いつしか朝ごはんは夫の担当となりました(しめしめ)。毎朝、コーヒー(頭痛にカフェインが効くとか)に小さな甘いパン(同じく糖分が効くとか)を添えて、「はい、お薬」と出してくれます。  最近は、パンの用意も自分の担当と思っているようで(これもしめしめ)、おいしい(=お高い)パンを買ってきます。家計的には痛いのですが、「家事分担への投資!」と、ぐっと我慢です。  手ぐすね引く妻の思いを、夫は知る由もなく、今日もコーヒーを淹れてくれます。 ◇サポーターD 〈とろり目玉焼き〉  朝食は生活や年齢に合わせて変化していきます。がんを発症した当時は、玄米の和定食にこだわっていた時もありましたが、今はパン食です。ほうれん草炒めに半熟のとろり目玉焼き、フルーツにヨーグルトが標準の朝食です。半熟状の目玉焼き作りは結構難しいのですが、ほうれん草に黄身をからめて食べると美味です。  ある時、生涯現役で執筆活動をされ、101歳で天寿を全うされた家事評論家のS女史の朝食を知りビックリ。同じ献立の朝食を召し上がっていたそうです。「えぇ~長寿の朝食!」と嬉しくなりました。栄養のバランスが一番大事だと納得しました。 ◇サポーターE 〈我が家の味噌汁〉  物心ついた時から我が家の味噌汁は“日本海味噌”。甘さと麹の味わいが丁度良く、添加物も一切入っていません。素朴な味わいが体に優しく入ってくるこの味噌。関東で生まれた母が、何故日本海味噌に出会ったのか、今では聞くことはできませんが、この味噌のCMソング“雪ちゃん”は、冬→春→夏→秋の順に4番で構成されており、母と縦走した黒部渓谷、立山、剣と、本社のある富山県の山岳名や「母さん」が登場します。母が亡くなった一年後にがんを発症し、当時80歳を過ぎた父が、横浜から東京の病院へ毎日見舞いに来てくれました。妻を亡くし娘まで取られては…という父の思いを感じ、何としても生きる…と治療と向きあい、今年で15年を迎えました。自然の恵み、多くの人の支え、家族の愛によって今ある自分です。今朝も、味噌汁を美味しく頂きました。 P8 あなたの職場 時代の変化に合わせた誰もが働きやすい職場環境づくり―(福)尚栄福祉会 すこやか溝口保育園(川崎市高津区)  保育園の整備が進む一方で、保育士の確保・定着が課題としてあり続ける現場では、様々な工夫が行われています。  川崎市で二つの社会福祉法人の理事長を担いながらも、長年保育分野の政策などにもご尽力されている奥村尚三理事長と、経営されているすこやか溝口保育園の職員に、保育現場の働きやすい職場づくりについてお話を伺いました。 ●時代の変化とともに  長い間、保育分野で仕事をしてきた奥村理事長(尚栄福祉会・神奈川民間保育園協会)は、今の時代は、以前と全く違うと感じています。  「若い人の意識、親の意識、子育て環境、労働市場、すべてが激変しています。変化は悪いことではなく、制度・施策が充実してきたことは間違いない。また、コロナ禍ではオンラインの会議が増えていますが、そういったツールをどう活用するのか、省力化できた時間をどう使うかが問われています」と語ります。「その一方で、子育ての大切さは全く変わっていません。すべてが子育ての充実、保育園と家庭とが一体となった子育てにつなげなくてはいけないと考えています」と言います。 ●ICTの効果  職員の労力、とりわけ事務負担を軽減するために、保育園内全エリアに無線Wi-Fiを導入し、事務のICT化を図っています。このICT導入の利点は、子どもと過ごせる時間が増えたことですが、それに加え「同僚と会話をする時間が増えたことが意外に良かった」と言います。コミュニケーションが増えたことで仕事上の迷い事があった場合に気軽にアドバイスを受けられ、働きやすくなったそうです。  保育士の安部さんは、「ICTの導入は操作が不慣れなベテラン職員にとっては少し苦労があったかもしれません。そこは、私たち若い職員がカバーし、操作方法が分からなくなっても、何度でも気軽に聞いてもらえるような雰囲気づくりに努めました。経験や年齢が違っても、お互いに質問しやすい職場環境はこの園の働きやすさの特徴かもしれません」と言います。 ●職員が感じる魅力  「以前、園では〝仕事に一生懸命取り組むおとなしい人〟を人材として求める傾向にありました。しかし、子どもたちの個性や親の生活スタイルは多様化し、それに合わせられる職員が必要になっています。また、法人には、柔軟な企画力、広報力、そして営業的な感覚を持つ人が必要となっています。そういったスキルがあれば、地域の幅広いニーズにも応えられ、また、法人の発展にも寄与できると感じます」とすこやか溝口保育園の奥村もと子園長は言います。  さて、保育士の大家さんは、就職するまで、実に20カ所以上の施設を訪問見学したそうです。「最初に見学したこの保育園に就職しようと思ってはいましたが、結果的に20カ所以上の保育園を見学しました。トイレがきれいだったのも印象的でしたが、最終的には、働きやすさ、労働環境を重視して、この園に決めました。本当に残業がないのか、また、働きやすい職場なのか、2カ月間、週1回のアルバイトをして、この園の様子を偵察に来ていました(笑)」と振り返ります。しかし、「若い職員では対応困難な局面を一手に引き受けて対応されている園長の姿に感動しました。園長と職員の役割が明確で働きやすいと感じました」と語り、奥村園長の仕事への姿勢、人柄が最後の決め手になったと言います。 ●職員への「投資」の効果  奥村理事長は、以前から職員が快適な環境で仕事ができるよう、気持ちを切り替えてさっぱりして帰宅できるような設備が大事だと考えていました。そのため、施設整備の補助金の対象にはなりませんが、独自にシャワー室を設置しました。また、更衣室とは別に、男女別の休憩室も整備。職員のアメニティを重視しています。  「利用者第一、職員が我慢をすればいい、という時代ではありません」と奥村理事長は語ります。 〈写真〉 すこやか溝口保育園のスタッフ左から安部さん、奥村園長、大家さん 〈写真終わり〉 P9  なお、制度・施策の要望活動もあり、現在、保育士への家賃補助制度が設けられました。  「約8万円の家賃補助は故郷を離れて求職する多くの人にとって就職を決断する決め手になりました。地方出身の優秀な職員も採用することができ、非常に良かったと考えています。職員への投資は、園児への質の高い支援に還元されると実感しています。時代に合わせて働きやすい環境づくりを進めることは、職員の定着や、産休・育休明けの安定した復職にもつながります」と奥村理事長は語ります。 ●積極的な中途採用  これまで、園では、30代・40代の他業種経験者を何人も採用してきました。「誰でも良いというわけではなく、学習していく力、柔軟な発想を持つことができる人というのが前提です。また、仕事を一から学ぶ姿勢が必要です。社会人経験が長い職員も採用していますが、いかに育てていくかが法人に問われる時代だと受け止めています。様々な職歴、年齢層の職員と一緒に仕事をしていくことをメリットにしていかなくては、と思います」と奥村理事長は続けます。 〈写真〉 保育の様子 〈写真終わり〉 ●働きやすさを重視して  今は、現場職員として、就職相談会等で説明する立場である大家さんと安部さん。就職希望者を見て感じることがあると言います。  「保育内容ももちろん大切ですが、働きやすさにもこだわりをもって確認し、就職先を決めたほうがいいのではないか。企業求職者は当然のように会社の給料、休暇の取りやすさを確認しますが、福祉分野では触れてはいけないかのようになっているのではないかと感じます。十分に確認せずあいまいにして就職すると、結果として早期離職となってしまっているのではと感じています」と語ります。  こだわりをもって働きやすさを求めて求職活動をした安部さんと大家さん。今は、園の職員として更なる働きやすい改革に向けて努力を続ける日々が続きます。 (企画課) P10 県社協のひろば 高齢者福祉の明るい未来を目指して 第20回かながわ高齢者福祉研究大会オンライン開催  かながわ高齢者福祉研究大会は、高齢者福祉に携わる方々が実践を共に学び合い、県内の高齢者福祉の最前線を発信することを目的として、本会老人福祉施設協議会会員施設の主体的な参加により開催しています。  平成14年に始まった本大会は、今年で第20回目を迎えました。当時、「発信することが不得手で、福祉の現場での素晴らしい取り組みを上手く伝えられていない」という課題に対し、現場の研究成果や施設の魅力を発信することを目指して始まり、これまでに発表された演題は2552題にのぼります。  今回は、6月30日から7月31日までオンラインで開催しました。オンライン開催としては、前回大会に続き2回目となり、コロナ禍にも関わらず、研究発表60題、介護技術発表7題の計67題を動画配信しました。  第20回大会を記念して、集合形式での開催において多くの施設・企業に出展をいただいている「施設紹介コーナー」「協賛企業出展」をオンライン版で実施し、46施設、18社の皆様のご協力により、広く視聴いただくことができました。  県内外の参加者、学生を含め総勢5百名を超える参加があり、「いつでも、繰り返し視聴できてよかった」「他の施設も試行錯誤されている事がわかり、励みになった」など好評をいただいたほか、県内の介護福祉士養成校では授業等に有効活用いただくなど、コロナ禍における情報共有・学びの場としての貴重な機会となりました。  本大会で得た経験と成果を基に、会員施設をはじめ関係機関・団体と連携し、高齢分野における現場の実践がより充実するよう、今後も取り組んでまいります。 (福祉サービス推進課) 〈表〉 第20回かながわ高齢者福祉研究大会研究発表優秀賞 受賞施設・演題一覧 (研究発表21題※発表会場・発表順) 演題名→施設名 噛む力が弱くなっても食べられるパン作り→特別養護老人ホーム栗原ホーム 嚥下ショートって何? 浦舟発!ショートは泊まるだけじゃない!→横浜市浦舟ホーム 経口摂取困難者に対するチームアプローチ 可能性を信じた家族の想い→横浜市霧が丘地域ケアプラザ 諦めない!!介護の力でやる気を引き出す 最期まで歩行・立位保持で認知症進行を予防→特別養護老人ホーム柴胡苑 さよなら褥瘡 ~新たな人生を歩き出す~→横浜市西金沢地域ケアプラザ 「心残りゼロケア」への挑戦 寄り添い、共に紡ぐACP→ケアプラザさがみはら 現場発!記録アプリ導入記 記録はお手軽に。そして介護の充実を!→わかたけ青葉 「mission:in「ICT」」 ~愛するのは人だけではない~→特別養護老人ホームかわいの家 クラスター発生施設に対する総合支援事業→社会福祉法人若竹大寿会法人本部 移乗介助方法改善に対する取り組み 利用者・介助者双方の負担軽減を目指して→特別養護老人ホームしらゆり園 霧が丘まちともはつらつ体操 ケアプラザだからできること→横浜市霧が丘地域ケアプラザ コロナ禍におけるレクリエーションの在り方→ハートフルガーデン川和 特定技能介護職員の受け入れ ~外国人財育成にチャレンジ!~→横浜敬寿園 職員同士のコミュニケーション お互いを「気にかける」ことの重要性→えびな南高齢者施設 職員定着率における人間関係の良好性とは 「人間関係が良い」を可視化する→特別養護老人ホームさつき 町内会発!お買い物支援が始まるまで… ~協議体を活用した地域支援~→横浜市六角橋地域ケアプラザ こども食堂でつながる「縁と円と援」 食を通じての地域支援地域資源の活用と提案→横浜市不老町地域ケアプラザ 送迎サービスの向上に向けて ご利用者様目線に立った送迎サービス提供→特別養護老人ホーム天王森の郷 新型コロナからお客様とスタッフを守る ゼロコロナ!!→特別養護老人ホーム弥生苑 高齢者入所施設でのクラスター対策決定版 10以上の入所施設の対応から学ぶ→わかたけ南 コロナ禍における施設での対応 コロナ陽性者発生時の対応とその後の対策→新横浜パークサイドホーム 〈表終わり〉 P11 Information 役員会のうごき ◇理事会=8月25日(木)①正会員の入会②評議員候補者の推薦③評議員選任・解任委員会委員の選任④令和4年度県社協会長顕彰候補者の審査⑤育児介護規程の一部を改正する規程(案)⑥再雇用規程の一部を改正する規程(案) ◇評議員選任・解任委員会=8月25日(木)評議員の選任 新会員紹介 【経営者部会】(福)アピエ 本会主催の催し 協働モデル事業 多文化高齢社会ネットかながわ 県民講座:話す言葉は違っても、命の重さはみな同じ~神奈川で生まれた医療通訳派遣~ ◇日時=令和4年10月29日(土)14時~16時 ◇開催方法=オンラインもしくは会場参加(かながわ県民センター12階 第二会議室) ◇参加費=無料 ◇申込方法=Googleフォームもしくはメールで申込み Mail:https://forms.gle/HbY8mNSnQdEXo7M27 HP:講座の詳細はHPで確認 http://knsyk.jp/s/shiru/r4tknk_kenminkouza1.html 他機関・団体の催し カナガワ・デフ・ウェイ2022in茅ヶ崎 ろう者・聴覚障害・手話とのふれあい&理解を広めるイベント ◇日時=令和4年10月16日(日)10時~16時 ◇場所=茅ヶ崎市民文化会館 ◇参加費=前売り2,000円(高校生以下無料)、当日2,500円 ◇問合せ=(公社)神奈川県聴覚障害者協会 TEL  0466-26-5467 FAX 0466-26-5454 URL:https://kanagawa-a-deaf.org/ivent/kdw2022/ AA(アルコホーリクス・アノニマス)広報フォーラム 「アルコール依存症からの回復」AAの活動についてご理解を深めていただくためのイベント ◇日時=令和4年11月2日(水)13時30分~16時30分 ◇場所=横浜市保土ヶ谷公会堂1号会議室(オンライン参加可能) ◇参加費=無料(申込不要) ◇問合せ=AA関東甲信越セントラルオフィス TEL  03-5957-3506 URL:http://aa-kkse.net/ “共生の街”青葉バリアフリー・コンサート ◇日時=令和4年11月12日(土)13時30分~16時 ◇場所=横浜市緑区民文化センターみどりアートパーク ◇参加費=前売り700円、当日1,000円 ◇問合せ=青葉ふれあいの会 TEL  045-901-1756(鈴木) HP:https://plaza.rakuten.co.jp/aobafureai/ 寄附金品ありがとうございました 【県社協への寄附】福田勝樹 【交通遺児援護基金】茅ケ崎警察署、(株)松田自動車学校、(株)エスホケン 【子ども福祉基金】脇隆志、藤尾はるみ、(株)エスホケン 【ともしび基金】(福)日本医療伝道会総合病院衣笠病院 (匿名含め、合計10件 374,952円) 【寄附物品】湘南弦楽合奏団、(一社)神奈川県養豚協会、(公財)報知社会福祉事業団、横浜幸銀信用組合 【ライフサポート事業】 〈寄附物品〉(N)セカンド・ハーベストジャパン (いずれも順不同、敬称略) P12 かながわほっと情報 安心してご飯が食べられる世の中に~フードリボンプロジェクト~ 居酒屋 地鶏焼・味くり家(横浜市港北区)  フードリボンプロジェクト(旧夢食堂プロジェクト)は、「子どもたちが、いつでも安心してご飯を食べられる世の中にしたい」という思いから、(一社)ロングスプーン協会が始めた「飲食店×子ども食堂」のプロジェクトで、全国の飲食店に参加を呼びかけています。  2021年9月、このプロジェクトに共感したよつやグループ(横浜市)の坂田代表は、運営する居酒屋「味くり家」で子ども食堂の開催を決めました。坂田代表の思いを受け、取り組んだのは、店長の横溝博さんです。「初めに子ども食堂の話を聞いたときはびっくりしましたが、坂田代表の強い思いが伝わってきて、やってみたくなった」と横溝さんは言います。 〈写真〉 毎月第3日曜日に店頭で行われる「おむすびの会」 〈写真終わり〉  子ども食堂は、毎日午後4時~5時半(日曜定休日)に開店します。  子どもたちは、店の入り口に掲示されている1枚200円の「夢チケット」を提示して、ご飯を食べることができます。この夢チケットは居酒屋のお客様の寄付で発行されています。  しかし、開催当初3カ月は、ほとんど来店する子どもはいなかったそうです。そこで考えたのが、「おむすびの会」。毎月、第三日曜日におむすび400個(200パック)を無償で配布しながら、子ども食堂をPRしました。その結果、週あたり2~3組の子どもたちが来店するようになったそうです。  「一般的な子ども食堂は、開催する曜日や時間が決まっていることが多い。ここは、毎日開いている。困っている人が、困った時にいつでも来てもらえることが大切」と横溝さんは言います。そして、「子ども達がお腹一杯になって、喜んでいる笑顔をみるのがやりがいです」と笑って話してくれました。  わが国では、およそ7人に1人の子どもが、貧困状態にあり十分な食事が与えられていないと言われています。その実態を、横溝さんはこの一年で実感し、ますますこのプロジェクトの意義を肌で感じています。  また、横溝さんは子どもたちの気持ちを考え、夢チケットの置き場所を、人目に付く店の外から中に変えたり、入りやすい雰囲気を作ったりと、試行錯誤を続けています。食べ終わった食器は子ども自身が片づけるよう食育マナーにも心がけます。  そして、そんな「味くり家」に野菜を持ってきてくれる近所の農家の方、年金支給日に寄付をしてくれるお年寄りの方、居酒屋のお客様など、多くの人が手を差し伸べています。  まさに地域で子どもたちを支える活動が展開されています。 (企画課) 〈写真〉 寄付で発行される「夢チケット」 〈写真終わり〉 地鶏焼 味くり家 横浜市港北区新羽町1637 TEL045-533-0398 「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています ご意見・ご感想をお待ちしています!→ バックナンバーはHPから 【発行日】2022(令和4)年9月15日(毎月1回15日発行) 【編集発行人】新井隆 【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2 TEL 045-534-3866 FAX 045-312-6302 【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所