テキストデータ作成に当たって  このデータは、『福祉タイムズ』 vol.854 2023年1月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。  二重山カッコは作成者注記です。 P1 福祉タイムズふくしTIMES 2023.01 vol.854 編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 感謝…基金をもとにした住民主体の支え合いの活動~ともに生きる福祉社会づくりに向けて~ NEWS&TOPICS…P6~7 2022年 福祉のうごき 県社協のひろば……P10 3年に一度の民生委員児童委員一斉改選―地域の「つなぎ役」としての期待の高まり ロコ発掘調査隊の取り組み―地域活動の担い手発掘に向けて →今月の表紙 「不自由」がないこと、「不自由」であっても解消できること 第45回神奈川県福祉作文コンクール県知事賞 大和慶剛さん(平塚市立大原小学校4年生)【詳しくは12面へ】撮影:菊地信夫 P2 謹んで新年のお慶びを申し上げます 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会 会長 篠原正治  あけましておめでとうございます。  旧年中は本会の活動に対して、温かいご支援とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。また、平素より地域共生社会の実現にむけて、また、超少子高齢社会の中、様々な福祉課題の解決にむけて、それぞれの現場においてご尽力いただいている皆さまに敬意を表すとともに、心から感謝申し上げます。  さて、新たな仕組みづくりでもある地域での重層的な体制整備や、高齢、障害、児童、生活困窮者支援など、あらゆる社会福祉分野で支援の強化がなされる中、地域包括ケアシステムの更なる深化、子どもの健やかな成長を後押しするこども家庭庁のスタートなど、地域共生社会の実現という大きな流れに加え、本年は社会福祉を支える各柱の施策強化が行われる年でもあると見込まれています。  一方、引き続き大きな課題となっている福祉人材の不足への対応、福祉サービスの質の向上にむけた研修、権利擁護関連事業、災害時支援等の強化、ヤングケアラー等の潜在化・複合化している課題への取り組みなど、より一層、会員の皆様とともに英知を絞り、連携・協働を図ることが問われる年でもあると思われます。  本年は、目まぐるしく変化する地域での状況に対応すべく、令和6年度からの神奈川県社協活動推進計画の改定に向けて始動する年となります。本会といたしましては、これまでの流れに対応するだけではなく、新たな流れを皆様と共に創り出すことにチャレンジし、取り組みたいと考えています。  また、本会では、政策提言委員によるメッセージ、オンラインシンポジウムや研修など、各種の動画コンテンツの発信を行っております。DX(デジタルトランスフォーメーション)化(※)の時代に対応し、今まで以上に県民一人ひとりの心に届くよう、社会福祉の取り組みを、よりわかりやすい形で受発信できるよう、心がけていきたいと考えております。  引き続き、社会福祉法人、社会福祉施設、民生委員児童委員、社会福祉協議会、福祉関連団体、地域で福祉活動を行っている皆さま方のご支援とご協力、ご参加をいただきますようお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。 (※)ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること。ビジネス分野だけでなく、広く産業構造や社会基盤にまで影響が及ぶとされる P3 感謝 基金をもとにした住民主体の支え合いの活動~ともに生きる福祉社会づくりに向けて~  ともしび基金は、だれもがともに生きる福祉社会づくりをめざし、セルフヘルプグループ・当事者団体やボランティアグループ等の住民が主体となる地域の課題解決や、活き活きとした地域づくりの取り組みを支援しています。  今号では、ともしび基金をもとに助成金を交付した2つのグループに焦点を当て、活動への思いや実践、課題等を紹介しながら住民主体の活動の広がりをお伝えするとともに、ともしび基金を含む3つの基金による各種事業の報告と寄附・寄贈によるあたたかいご支援をいただいた皆様への感謝の気持ちをお伝えします。 ともしび基金を活用した住民主体の支え合いの活動から  ともしび基金を活用した地域福祉活動支援事業の一般助成では、地域福祉ニーズ(課題)に対応した取り組みや広域的かつ公益性の高い活動に対し助成を通して支援をしています。ここでは、今年度新たに助成を行った2つの団体の活動をお伝えします。 かまくらっぷ(鎌倉市)・「恩送り」を理念に次世代を支援  鎌倉に住む母親達が、子育て中の若い世代を応援しようと平成27年11月に立ち上げたかまくらっぷ。自分たちが子育てや親の介護にあたり、多くの人に支えられながら壁を乗り越えてきたという想いがありました。その中で得た知識や経験を次世代に伝えたいとの思いを込めた「恩送り」を理念に、「つくる」「伝える・みせる」「つなげる・広げる」取り組みを進めています。  「つむぐ・つながるマンション自治会・町内会運営のためのハンドブック」は、かまくらっぷと鎌倉市が協働で作成しました。マンションでは居住者同士も地域コミュニティとも関係が希薄になりがちで、子育て中の母親や高齢者等が孤立しやすい状況にあります。関係者へのヒアリングをもとに、管理組合と自治会・町内会の違いや、自治会とマンションの連携事例等をまとめています。なお、これに先立ち「つながる・ひろがる自治会・町内会運営のためのハンドブック」も作成しており、この2つを並べると表紙に描かれた紐がつながる等、デザイン面にも楽しい工夫が見られます。 〈書籍表紙〉 鎌倉市HPからダウンロード 〈書籍表紙終わり〉  かまくらっぷが今、取り組んでいるのは、代表の中井美緒さんの家族介護の経験をもとにした「福祉カルテ」(福祉ダイアリー)です。中井さん自身が遠方に住む家族の介護を急にしなくてはならない状況になり、自分が困った体験を他の人にはしてほしくないとの思いで作成しました。介護されている人も、介護している家族にも、もしものことが起きた時、これを見ればすべてわかるよう、情報整理ができる工夫をされています。中井さんは「これをツールに日頃から家族の生活状況を把握してほしい」と言い、現在は助成金を活用して「福祉カルテ」の改訂版となる「福祉ダイアリー」の作成に向け、調査やヒアリング等に取り組んでいます。 P4 寄合所・オレンジカフェもりや亭(厚木市)・食を通した高齢者の居場所づくり  厚木市鳶尾に拠点を置く寄合所・オレンジカフェもりや亭(以下、もりや亭)は地域食堂を兼ねた高齢者の居場所です。そこでは食を通した交流や勉強会等の取り組みが行われ、高齢者それぞれが楽しい時間を過ごしています。  東京都在住のもりや亭代表・森屋由美さんと夫の利夫さん。鳶尾で進む高齢化の現状に「地域のために役立てたい」と空き家になっていた実家を自費で改修、高齢者の居場所を目指し、近隣にある交流拠点の代表者への運営相談等を経て、令和元年4月、もりや亭がオープンしました。 〈写真2点〉 もりや亭の外観と内観 〈写真2点〉終わり  もりや亭は毎週金曜日の正午から午後4時まで開所し、一日10~15名ほどの高齢者が、利用料200円でお茶と手づくりお菓子をとりながら自由に過ごしています。また、手作り弁当の販売等、「食」をテーマとした様々な活動もあり、特に一人暮らし高齢者から喜ばれています。  年12回開催する勉強会には助成金を充て、養蜂家によるハチミツの話や寄席文字、動画の撮影・編集等、テーマを幅広く設定し、個々の関心によりテーマを選択できるようきめ細かな配慮をしています。 〈写真2点〉 ハンドベル、寄席文字の勉強会 〈写真2点〉終わり  なお、もりや亭では、活動を通して把握した心配な人に、地域包括支援センターとの連携により対応しており、一人暮らし高齢者などの困りごとを聞き、橋渡しをしたことで、介護や訪問看護サービスの利用につながったこともあります。つなぎ役としての期待も大きくなる中、由美さんは「世代の違う人達がふれあえる居場所づくりを目指して、今後は食のカラーを強め、若者にも来てもらえるようにしたい」と今後の展望を話してくれました。  ここに紹介した2つの活動をはじめ、基金をもとにした各種事業は、皆さまからのあたたかいご支援に支えられています。本会では、今後も寄附者の皆さまのご意向を大切に地域の課題への対応や、福祉施設、支援の必要な方々のために各基金・寄附金品を有効に活用し、その成果も様々な機会でお伝えしていきたいと考えています。  今後もご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。 (地域課) 〈囲み〉 「令和5年度地域福祉活動支援事業」のご案内 ●一般助成:対象経費総額の5分の4以内、20万円を上限 ●協働モデル助成:対象経費総額の5分の4以内、年間200万円を上限、本会との協働により実施 ※令和5年2月22日締切  詳細は本会HPで確認 http://www.knsyk.jp/c/sanka/jyoseikin/bdff4bd924b6a240ea05ee320b5d3d5b 〈囲み終わり〉 〈囲み〉 ともしび基金、萬谷子ども福祉基金、かながわ交通遺児等援護基金の主な支援実績等 《ともしび基金》 昭和52年創設。「ともに生きる福祉社会づくり」の推進が目的。 令和3年度末 基金保有相当額23億3,860万円余。 ○令和4年度地域福祉活動支援事業 [一般助成]24団体 計410万円助成 [協働モデル助成]3団体 計403万円余助成 (協働モデル助成テーマ) ①「外国にルーツをもつ住民の高齢化にともなう生活課題への対応」(ユッカの会) ②「地域のおひとり様の暮らしを支える身元保証と終活支援」(南足柄市社協) ③「人との関係づくりやコミュニケーションが苦手な人の『参加支援』~多様な形でのボランティア参加の可能性について」(あではで神奈川) 〈表〉 令和4年度 地域福祉活動支援事業(一般助成) 交付団体の属性→→数 セルフヘルプ・グループ・当事者団体→→12 ボランティアグループ→→10 市町村社協→→2 計→→24 支援内容→→数 セルフヘルプ・当事者→→8 困窮支援→学習支援→1 →食糧支援→5 障がい者の参加支援→→5 子育て支援→→1 高齢者支援→→3 その他→→1 計→→24 〈表終わり〉 《萬谷子ども福祉基金》 さまざまな理由で親と生活できず、児童福祉施設や里親のもとで生活している児童の支援が目的。 〈表〉 令和3年度 支援実績 支援内容→件数→金額 自立支援金(施設や里親の元を離れ自立する際に交付)※→50件→750万円 入学支度金→14件→280万円 ※令和4年度は12月21日現在17件 計255万円 〈表終わり〉 《かながわ交通遺児等援護基金》 交通事故により保護者が死亡または重度の障害となった世帯の児童の支援が目的。 〈表〉 令和3年度 支援実績 支援内容→→件数→金額 遺児等への激励金(小中高入学・卒業時、20歳)→→29件→205万円 登録時の見舞金→→2件→20万円 大学等入学仕度金等→受験に係る経費→4件→33万円余 →入学に係る経費→4件→120万円 交通遺児援護団体への活動助成→→1件→100万円 〈表終わり〉 〈囲み終わり〉 P5 **ご寄附いただいた皆様(11月~12月) あたたかいご支援に感謝します**(いずれも順不同、敬称略) 【ともしび基金】▽県立桜陽高等学校▽県警本部公安第一課▽相模原南警察署▽(福)湘南福祉協会総合病院湘南病院理事長松藤静明▽戸部警察署▽県立大和南高等学校校長土佐明美▽金沢警察署▽一隅を照らす運動神奈川教区本部榎本昇道▽県警察機動捜査隊▽県警察本部総務部会計課▽県警察本部生活安全部少年育成課▽県自動車税管理事務所▽県立保土ヶ谷養護学校校長藤聡志▽いなり湯▽鎌倉三浦地域児童相談所▽都築警察署▽ともしびショップゆめ散歩▽ともしびショップにじ散歩▽大船警察署▽(一社)神奈川健康生きがいづくりアドバイザー協議会▽大磯警察署▽川崎警察署▽(公財)積善会曽我病院▽(福)恩賜財団済生会支部神奈川県立済生会若草病院▽県警察サイバーセキュリティ対策本部▽青葉警察署▽小田原警察署▽茅ヶ崎警察署▽横須賀警察署▽県警本部総務部留置管理課▽(有)日栄浴場代表取締役宮川雅光▽かまぶろ温泉▽西区浴場組合▽中村浴場▽県警察第二機動隊▽よねの湯関上和男▽神奈川県高齢福祉施設協議会▽認知症の人と家族の会神奈川県支部▽神奈川県老人クラブ連合会▽統合事務局(手をつなぐ育成会・知的障害者施設団体連合会・やまゆり知的障害児者サポート協会)▽神奈川県身体障害者連合会▽フュージョンコムかながわ・県肢体不自由児協会▽神奈川県ホームヘルプ協会▽神奈川県障害者地域作業所連絡協議会▽神奈川県交通遺児家庭の会▽神奈川県医療福祉施設協同組合▽神奈川県介護福祉士会▽神奈川県共同募金会▽神奈川県社会福祉士会▽ともしびショップすまいる▽ともしびショップマリン▽県庁職員一同▽県社協職員一同 【萬谷子ども福祉基金】▽脇隆志▽(株)エスホケン 【かながわ交通遺児等援護基金】▽azbilみつばち倶楽部▽アズビル(株)▽(株)エスホケン▽ダイセーロジスティックス(株)横浜ハブセンター (寄附金合計:778,489円) 【寄附物品】▽(株)カレンズ▽新日本カレンダー(株)▽(株)杉本カレンダー▽関東アイスクリーム協会▽(一社)生命保険協会神奈川県協会▽(N)日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」▽神奈川トヨタ自動車㈱▽県庁職員一同 〈写真3点〉 関東アイスクリーム協会より県内児童福祉施設等へアイスクリームを寄贈いただき、本会から小栗理事長(右)に感謝状を贈呈 (一社)生命保険協会神奈川県協会より南足柄市社協へ福祉巡回車を寄贈いただき、本会から井上聡会長(左)へ感謝状を贈呈 (N)日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」より障害児者団体等へミュージカル公演への招待をいただき、本会から高橋慎吾本部長(右)へ感謝状を贈呈 〈写真3点終わり〉 11面「information」では、ライフサポート事業への寄附者を紹介しています P6-P7 NEWS&TOPICS 2022年(令和4年)福祉のうごき ○全国の動き ◇県内の動き ★本会の動き 福祉関連の動き(〇数字は本紙での関連記事掲載月) 1月 〇厚労省は、児童養護施設や里親のもとで暮らすこどもの自立支援について、年齢制限を撤廃する方針を固めた③ ◇県、災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわが「災害時の連携を考えるかながわフォーラム」を開催② 2月 〇政府は「介護職員処遇改善支援補助金」を開始。介護職や保育士、幼稚園教諭らの賃金を9千円~1万2千円程度引き上げた 〇子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」を創設する法案が閣議決定 〇厚労省は、保護された子どもや貧困などで子育てが難しい家庭を支援するための専門資格を創設する方針を固めた ◇横浜市は、発達障害児やその家族への支援強化に向けて、塩野義製薬と「子どもの未来支援」に係る事業連携協定を締結 3月 〇第二期成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定⑤ 〇全社協は「第三者評価事業のあり方に関する検討会」の報告書を国に提出⑤ ◇「神奈川県障がい福祉計画」が第6期計画へ改定される⑥ ◇横須賀市は、子どもの権利を尊重し、子どもを取り巻く大人や社会の責務を定めた「子どもの権利を守る条例」を制定 ◇伊勢原市と市保育協議会が、保育施設が地震や風水害などで被災した場合、子どもたちをほかの施設で受け入れることを定めた相互協定を締結 ★〝ありがとうの声がつながる〟民生委員児童委員PR動画を作成⑤ 4月 〇社会福祉連携推進法人制度が開始 〇人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」が保険適用となる 〇厚労省は「ヤングケアラー」に関する調査で、小学6年生の6・5%が「世話をしている家族がいる」と回答があったことを発表 〇全社協は、令和時代の共生社会を創造するトップリーダーを育成する「ふくし未来塾」を開講 ★次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定 ★「生活困窮者支援体制プラットフォーム整備事業」を開始 ★「ヤングケアラー支援専門員設置事業」を開始 5月 〇DVや性被害、生活困窮に苦しむ女性への支援を推進する新法「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が成立 〇障害者の「情報格差」の解消を目指し「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が成立 ◇県は「かながわ医療的ケア児支援・情報センター」を開設 ◇横浜市は、ひきこもり状態にある当事者やその家族への支援を強化するため、相談専用ダイヤルを設置 6月 〇「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」に基づくこども家庭庁設置法案が成立 〇社会的養護の年齢上限撤廃を含んだ改正児童福祉法が成立 ◇県は、令和3年度の児童虐待相談件数が6742件で、過去最多だったことを発表 ◇県は「かながわケアラー電話相談」を開設 ◇県は、4月1日時点の県内の保育施設の待機児童数が220人で2002年以降最少だったことを発表 ◇横浜市は、障害福祉の制度やサービスを利用する際、より手軽で簡単に入手できるようにするため「横浜市障害福祉のあんないアプリ」をリリース ◇川崎市は「依存症地域活動支援センター」を開設 ★第20回かながわ高齢者福祉研究大会開催⑨ 7月 ○厚労省は、災害時の要援護者らを支援する災害派遣福祉チーム(DWAT)の取り組みを集約する「災害福祉支援ネットワーク中央センター」を創設 〇厚労省は「子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会」を開催 ◇相模原市は犯罪被害者等の支援に特化した条例の制定に向けて検討を行うため、有識者会議を開催 ◇足柄上地区1市5町は共同で「あしがら成年後見センター」を開設⑧ 8月 〇厚労省は、障害児が通う事業の再編をめぐり「障害児通所支援に関する検討会」を発足 〇厚労省は、全国の待機児童について、都道府県別の定員充足率を初公表 9月 〇厚労省は、21年度の児童虐待対応件数20万7659件で過去最大となったことを発表 〇国連障害者権利委員会は、障害者権利条約の取り組みに対して政府に総括所見・改善勧告を出した 〇生活福祉資金のコロナ特例貸付が終了 〇厚労省と法務省は、妊婦が病院のみに身元を明かして出産する「内密出産」のガイドラインを公表 ◇「神奈川県自立援助ホーム協議会」が発足⑩ ◇横浜市は、認可保育所になどに入れなかった「隠れ待機児童」の分析結果を公表 10月 〇介護事業所と自治体間の「電子申請・届出システム」の運用を開始 〇厚労省は、7月の生活保護申請が2万2016件で前年同月と比べ6・1%増えたことを発表 〇厚労省は「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」を発足 〇政府は、送迎バスに置き去りを防止するため、安全装置の設置を義務付ける緊急対策をまとめた 〇環境省は「ごみ屋敷」について、全国の市区町村を対象とした初めての件数調査を始めた ◇県議会は「県当事者目線の障害福祉推進条例案」を全会一致で可決 ◇県は「みんなで読める 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~」を作成 ★関ブロ協定に基づく静岡市災害ボランティアセンターへ職員派遣を開始[関連記事8・9面] ★「令和4年度 社会福祉制度・施策に関する提言」を発行⑫ ★「自分らしく、人とつながろう。人との関係づくりが苦手な人のボランティア活動推進事業《まとめ集》」を発行⑪ 11月 〇厚労省は、訪問介護、通所介護など複数の在宅サービスを組み合わせた新たな複合型サービスの類型を創設する方針を示した ◇横浜市は、依存症の支援者向けガイドライン「入門・イチから学ぶ依存症支援」を作成 ★第69回神奈川県社会福祉大会を開催⑫ 12月 〇民生委員児童委員一斉改選⑤[関連記事10面] 〇親権者による子どもへの懲戒権の規定を削除するなどの民法改正案が成立 〇参議院本会議で、障害者の住まいや働き方の幅を広げることを柱とした障害者総合支援法などの改正法案が成立 〇厚労省は「生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関するこれまでの議論の整理(中間まとめ)」を公表 ★第45回神奈川県福祉作文コンクールの表彰式を開催[関連記事12面] ★政策提言メッセージ動画を配信⑫ 社会の動き 1月 ・体操男子の内村航平選手が現役引退を発表 ・第166回芥川賞を砂川文次さん、直木賞を今村翔吾さんが受賞 2月 ・「北京2022オリンピック冬季競技大会」が開幕 ・将棋の藤井聡太四冠が10代初の五冠となる ・ロシアによるウクライナへの侵攻が始まる ・新型コロナウイルスの国内感染者が累計500万人に達する 3月 ・「北京2022パラリンピック冬季競技大会」が開幕 ・ウクライナ避難民の受け入れを開始 ・米アカデミー賞で「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞 ・トルコでウクライナ停戦交渉が行われた 4月 ・野球の佐々木朗希選手が28年ぶりに完全試合を達成 ・アジア・太平洋水サミットが熊本市で開催 5月 ・米国主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」が発足 ・沖縄の日本本土への復帰から50年を迎える 6月 ・侮辱罪の法定刑の上限を引き上げる改正刑法が成立 ・ドイツでG7首脳会議が開催。声明でロシア産石油に価格上限を設けることが発表 ・東京電力管内で、電力逼迫初の注意報が発令 7月 ・全国でKDDIの大規模な通信障害が発生 ・参院選期間中に安倍元総理が銃撃される ・車いすテニスの国枝慎吾選手が、ウィンブルドン選手権で初優勝。「生涯ゴールデンスラム」を車いす男子で初めて達成 ・フィギュアスケートの羽生結弦選手が現役引退 8月 ・第2次岸田改造内閣が発足 ・全国高校野球で、仙台育英が東北勢で初優勝 9月 ・台風14号、15号により九州、静岡などに被害発生 ・イギリスのエリザベス女王の国葬が行われる ・安倍晋三元首相の国葬が行われる ・日中国交正常化から50周年を迎える 10月 ・野球の村上宗隆選手が史上最年少で三冠を達成 ・新型コロナウイルスの水際対策を大幅緩和。入国者数の上限を撤廃 ・イプシロン6号機の打ち上げに失敗 ・1ドルあたり150円台に下落 ・プロ野球の日本シリーズで、オリックスが26年ぶりに日本一となる 11月 ・皆既月食と天王星食が同時に発生。日本で皆既月食と惑星食が重なるのは1580年以来 ・サッカーW杯カタール大会が始まる ・ユネスコは、徳島県の民俗芸能「風流踊」を無形文化遺産へ登録を決定 12月 ・サッカー日本代表、W杯カタール大会グループリーグでドイツ、スペインに勝利し決勝トーナメントに進出 ・旧統一教会問題を受けた被害者救済新法等が成立 ・ボクシングの井上尚弥選手が4団体王座を統一 P8-P9 NEWS&TOPICS 静岡市災害ボランティアセンター支援にかかる職員派遣報告 協定に基づく相互支援  関東甲信越静ブロックの都県・指定都市社会福祉協議会では、管内で大規模地震や豪雨災害等が発生し、広範囲の市町村において住民生活に甚大な被害が発生した場合に、相互支援の精神に基づいて救援活動を行うため「関東甲信越静ブロック都県指定都市社会福祉協議会災害時の相互支援に関する協定(以下、協定)」を平成9年から締結しています。  平成7年1月の阪神淡路大震災をきっかけに、日本各地で大規模災害が発生するたびに、全国から大勢のボランティアが被災地に駆け付け、家屋の片付けや炊き出し等の支援や被災者が元気をとり戻すための交流支援など、被災者ニーズへの対応を中心とした活動が活発に行われるようになりました。こうしたボランティアによる活動は復旧・復興への大きな力となる一方、被災地においては道路の遮断やライフラインの停止などの影響による混乱の中で、被災者のニーズを把握し、ボランティア活動希望者をマッチングしていくことは容易ではありません。  このため、多くの被災地では、ボランティアによる支援活動を円滑に進めるため「災害ボランティアセンター」を設置しています。運営は主に被災地の社協が中心となって担いますが、負担を軽減するため、協定に基づく要請に応じて、社協間で運営支援を行う職員の派遣を行っています。 静岡市への支援活動  令和4年9月に発生した台風15号は猛烈な雨により、静岡県の広範囲の市町村に被害をもたらしました。静岡県社協から協定に基づく要請があり、10月3日から11月30日までの2カ月間、静岡市葵区及び清水区の災害ボランティアセンターの運営支援にかかる職員派遣が実施されました。本会では、県内市町村社協にも協力をいただき、通算33日間、計18名の職員派遣を行いました。また、県内の各指定都市社協においても各々、職員派遣を行いました。  令和2年以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、協定に基づく職員派遣は行われていませんでしたが、今回は感染防止対策を講じながらの活動となりました。  また、静岡県社協が中心の静岡県災害ボランティア本部・情報センターでは、定例で県内の市町社協と支援団体・関係者をつなぐ「情報共有会議」をオンラインで開催したり、現地調査やニーズ共有、マッチングにICTを積極的に採用したりなど、災害ボランティアセンターの運営の随所に新たな工夫がありました。職員派遣はこのような被災地社協の取り組みを実際に経験できる機会ともなります。決して一方向の支援ではなく、被災地社協の工夫やノウハウに学び、本県の被災時への備えを強化することにもつながります。  一日も早い復旧・復興に向けては、住民の方々、多くのボランティア、関係者、行政、社協等による協力・協働体制が不可欠です。被災者のニーズに丁寧に寄り添うこと、ボランティアの自発性や自立性を尊重し、安全に活動できるよう支援を行うこと、様々な関係者と協力関係を構築して被災者の生活再建に取り組んでいくことなど、災害ボランティアセンターの活動は、まさに社協活動の専門性の発揮です。「頼れる社協」であるために、本会も災害対策に取り組んでまいります。 (総務課) 〈写真3点〉 ボランティア活動前のオリエンテーションの様子 現地調査の様子 ボランティア活動の終了後にはミーティングが行われる 〈写真3点終わり〉 〈コラム〉 寄稿 寄り添い型の支援 平塚市社会福祉協議会 能條仁美  静岡県への職員派遣全15クールのうち、第8クールのメンバーとして10月31日~11月4日までの5日間、静岡市葵区の西ヶ谷サテライトの運営支援と現地調査のため派遣されました。第8クールは、水害発生後約1か月が経ち、家屋の泥かきや家財道具出しなどの発生直後の作業が終わり、屋外の活動にニーズが変わっていた時期でした。  まず初めに静岡県社協と静岡市社協の職員、前クールメンバーから丁寧に引継ぎが行われました。この引継ぎには緊張感があり、今までの支援活動を次につなげる重要なポイントであったと改めて感じました。静岡市がどのような被災状況で現在に至っているのか、住民や静岡市社協職員などの心情を察する場でもありました。ここでは寄り添い型の支援を大切にしており「住民の方に寄り添った活動を」という言葉が引き継がれました。この言葉は、災害を受けて以降、静岡市社協が住民に対して丁寧に対応してきたことでした。その後、支援プロジェクトの方からは、派遣職員は静岡市社協の支援であり、今後の静岡市社協の活動につなげるための支援が重要になることを改めて教えていただきました。また、被災した住民に寄り添うとともに、何か対処すべきことがあれば、静岡市社協の味方になることを考え対応するようにと話がありました。同じ社協職員だからこそできる、静岡市社協に「寄り添った支援」です。  派遣の業務は、災害ボランティアセンターのボランティアへのオリエンテーションから送り出し、帰着するまでの一連の流れに対応しました。合間の時間帯は、被災された地域への現地調査に行かせてもらい、被災した住民の状況確認と情報提供をしました。現地調査は、社協職員の目線で住民に寄り添った声かけや気づきができるので、災害ニーズや福祉的ニーズを発掘できることが強みだと思います。そして、新たなニーズや住民の声を静岡市社協へつなげることで、静岡市社協としての対応や対策に取り込まれていきます。  今回の派遣ではICT化により、ボランティアニーズや受付状況などがタブレットで情報共有されていました。便利で有効活用できるものを取り入れることで、住民に寄り添った支援をするための時間が確保できると感じました。被災された皆様の生活再建が進み、平穏に暮らせる日常となることを心から願います。 〈コラム終わり〉 P10 県社協のひろば 3年に一度の民生委員児童委員一斉改選―地域の「つなぎ役」としての期待の高まり  去る令和4年11月30日に民生委員児童委員(以下、民生委員)の3年間の任期が終了し、同年12月1日に全国で一斉に改選(厚生労働大臣委嘱)が行われました。県内では、12184名の定数に対して、10909名の民生委員が新たに委嘱されました。充足率は89・5%。前回令和元年の一斉改選時の充足率91・5%に比べ、約2%減となりました。  この充足率の低下は、定数が増えていることにも拠ります。  民生委員の定数は、厚生労働大臣の定める基準を参酌して、市町村の区域ごとに都道府県の条例によって定めることとされ、その際には、市町村長の意見を聴くこととなっています。こうして定められた一斉改選の際の定数は、継続的に増えていることが見て取れます(グラフ参照)。これは、地域に民生委員が必要とされている証でもあります。  生活困窮やヤングケアラー、8050問題や虐待など、制度の狭間にあって潜在化しやすい課題、複合的な問題が増加する中、地域の身近な相談役、専門機関への「つなぎ役」としての民生委員への期待が高まっています。  一方で、委嘱数は減少傾向にあることも事実です。欠員の地区をフォローしながら、地域住民が安心して暮らせる地域のために、工夫を凝らしながら、民生委員は活動を続けています。  民生委員が安心して活動するには、関係機関・団体や、専門職との協力・連携が不可欠です。この一斉改選を契機として、民生委員へのさらなるご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。 (地域課) ロコ発掘調査隊の取り組み―地域活動の担い手発掘に向けて  民生委員や地区社協、自治会、消防団など、住民活動の「担い手不足」や「高齢化」が、共通の課題となっています。それぞれの団体が模索していますが、具体的な解決策が見いだせていないのが現状です。  一方で、内閣府の調査では、60%以上の人が「社会のために役立ちたい」と回答しています(図参照)。この結果からは、求められている活動と「役立ちたい」という想いとのミスマッチ、もしくはお互いの活動や思いを知る機会がないことにより、地域活動につながっていないことが考えられます。 〈横棒グラフ〉 図:「社会意識に関する世論調査(令和3年12月調査)図4 社会への貢献意識」内閣府 〈横棒グラフ終わり〉  こうした状況をなんとか打開したい。その想いから大学教員、民生委員児童委員、市社協職員、行政職員などの多様なメンバーが集い、令和3年度に「地域の担い手づくり検討会(愛称:ロコ(※)発掘調査隊)」を発足しました。  1年目の令和3年度は、まず各委員の感じている「担い手」を取り巻く課題の共有を行いました。そのうえで、結成から34年を迎えた今も、幅広い年齢層が参加するボランティアグループ「ユッカの会」代表の中和子さんよりレポートいただき、「地域で長くボランタリーな実践を続けるためのヒント」について検討を深めました。その中で「自分自身も楽しむ」「活動を見える化する」「周りを巻き込む」「つながる」ことなどが活動の継続や担い手拡充のための秘訣として浮かびあがってきました。  本年度は、〝青年部〟のある自治会など地縁活動団体3カ所のヒアリングを行いました。その中でも「ねばならない」を作らない柔軟性や、新たな参加者を歓迎する雰囲気、誰もが楽しめる要素など、たくさんのヒントが得られました。さらにその裏には、行政や社協が果たしているバックアップ機能も見えてきました。  今後は、こうした実践事例をさらに深掘りし、モデル的な取り組みの模索など、具体的な動きに向けた検討を進めてまいります。 (地域課) ※「ロコ」とは、ハワイの言葉で「地元の人」を意味します。 P11 Information 本会主催の催し 令和4年度第3回福祉のしごとフェア ①働き方や魅力がわかる!「福祉のしごと就職支援ガイダンス」 ②直接聞ける、話せる!「福祉施設等就職相談会」 ◇日時=令和5年2月18日(土)11時~16時 ◇会場=①福祉のしごと就職支援ガイダンス:ヨコハマジャスト3号館6階会議室②福祉施設等就職相談会:横浜新都市ビル(そごう横浜店)9階新都市ホール(60法人の参加を予定) ◇対象=福祉の仕事に就きたい方、福祉の仕事に興味・関心がある方 詳細はHPで確認 URL:https://www.kfjc.jp/event/detail.asp?id=20754 ◇問合せ=かながわ福祉人材センター TEL 045-312-4816 かながわライフサポート事業10周年記念シンポジウム ◇テーマ=いま、社会福祉法人・福祉施設が地域から求められていること ◇内容=基調講演:渋谷篤男氏(日本福祉大学福祉経営学部教授) 実践報告:(福)泉心会、(福)小田原福祉会、(福)プレマ会 ◇日時=令和5年2月28日(火)13時~15時50分 ◇会場・定員・参加費=崎陽軒本店6階会議室・100名・無料 ◇対象=ライフサポート事業参加法人職員、本会経営者部会会員理事長、施設長、管理者等、市区町村社協役職員 ◇申込締切=令和5年2月21日(火) 詳細はHPで確認 URL:http://www.knsyk.jp/c/kls/7a53535bb09659752d282731427c1681 ◇問合せ=福祉サービス推進課 TEL 045-311-8753 令和4年度セルフヘルプ実践セミナー ◇テーマ=セルフヘルプ・グループに学ぶ 仲間と居場所のチカラ ◇内容=セルフヘルプ・グループによるリレートーク、シンポジウム ◇日時=令和5年3月3日(金)13時~16時 ◇開催方法・定員・参加費=ハイブリッド・オンライン100名、会場20名・無料 ◇会場=県民センター12階・第2会議室 ◇申込締切=令和5年2月24日(金) 詳細はHPで確認 URL:http://knsyk.jp/c/honkai/5b24453ff587f632d95d257b7f0e616d ◇問合せ=地域課(かながわボランティアセンター) TEL 045-312-4813 関係機関・団体主催の催し よこはま地域福祉フォーラム よりそい続ける つながりを育む ◇日時=令和5年2月1日(水)10時~3月24日(金)16時(予定) ◇開催方法=録画配信 ◇内容=第一部 基調講演(講師:(N)抱樸理事長 奥田知志氏)  第二部 (分科会1) 緩やかにしなやかに気にかけあえるまちへ  (分科会2) 「私のまち」を「私たちのまち」に ◇申込締切=令和5年3月23日(木) 詳細はHPで確認 URL:https://www.yokohamashakyo.jp/chiiki-fukushi/chiikifukushi-f/7-2022/ ◇問合せ=横浜市社会福祉協議会 TEL 045-201-2090 寄附金品ありがとうございました 【ライフサポート事業】 〈寄附物品〉(N)セカンド・ハーベストジャパン、(公社)フードバンクジャパン (いずれも順不同、敬称略) ※各基金への寄附者は5面にて紹介しています。 P12 かながわほっと情報 「不自由」がないこと、「不自由」であっても解消できること 第45回神奈川県福祉作文コンクール県知事賞  12月10日、本会および県共同募金会の共催で「第45回神奈川県福祉作文コンクール」(後援:神奈川新聞社など)の表彰式を開催しました。県内の小・中学校合わせて177校、寄せられた5611編の作文の中から選考された、最優秀賞16編、優秀賞20編、準優秀賞20編、合計56編が表彰されました。  表彰された作文は、どれもこのコンクールの「子どもたちに『ともに生きる福祉社会』について考え、関心を深めてもらうことを願うとともに、更なる福祉意識の醸成を図る」という趣旨に対し、それを自分たちの言葉で表現された秀逸なものとなっています。 〈写真〉 表彰式のようす 〈写真終わり〉  審査委員長で神奈川新聞社クロスメディア営業局の土岐邦彦さんからは「『福祉』に対する率直な想い、気付き、使命感など、皆さんからの力強いメッセージに、われわれも心を動かされた。多くの方に作文に触れてほしいと強く感じました」と講評をいただきました。  この度、県知事賞を受賞した大和慶剛さん(平塚市立大原小学校4年生)は、病気の治療のために入院した病院での生活を細かく表現し、車いすでの生活ではあったけれども、環境的な配慮や工夫、先生の助けにより「不自由なく楽しい毎日」だったとつづっています。  一方で、退院後に戻った地元の小学校ではエレベーターがないなど、車いすでは「不自由なこと」があったとしていますが、実はそれは物理的な面であって、鉛筆を拾ってくれる友達や、後ろの棚に入っているファイルを棚に近い人から順番につなぎ、いちばん前に座る自分に届けてくれたことなど、本人いわく「みんなが代わる代わる助けてくれた」ことで、不自由な問題は解消されていったと振り返ります。 〈写真〉 毎日が楽しいと話す大和さん 〈写真終わり〉  次は自分が手をさしのべる番だと話す大和さんは、今では車いすも必要なくなり、最近の楽しみは、友達との昼休みのドッジボールだと教えてくれました。  「将来の夢は?」の問いには「2つある」と微笑んで、ひとつは車を造る人になること、もうひとつは、ウーパールーパーを研究する人になりたいと真っすぐに話をしてくれました。その夢に向かう過程で、自身が経験した多くの人の助けを思い出し、もしも助けが必要な人がいたら、そっと手を差し伸べている姿が浮かびます。ぜひ、夢を叶えてほしいと思います。 (地域課) 〈囲み〉 第45回神奈川県福祉作文コンクールの入賞作品はHPで公開しています http://knsyk.jp/s/tomoshibi_center/concour_top.html 〈囲み終わり〉 「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています バックナンバーはHPから ご意見・ご感想をお待ちしています!→ 【発行日】2023(令和5)年1月15日(毎月1回15日発行) 【編集発行人】新井隆 【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2 TEL 045-534-3866 FAX 045-312-6302 【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所