テキストデータ作成に当たって  このデータは、『福祉タイムズ』 vol.855 2023年2月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。  二重山カッコは作成者注記です。 P1 福祉タイムズふくしTIMES 2023.2 vol.855 編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 特集……コロナ禍における生活福祉資金特例貸付~生活再建に向けて~ NEWS&TOPICS…P4~5 広域災害に備えて 行政、社協、NPO等の連携を進める―災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわ(通称:みんかな)支援活動調査等の取り組み 県社協のひろば……P10 事業種別を超えて施設運営の課題に取り組む―施設部会アンケート調査結果を踏まえた理事長・施設長セミナーを開催 →今月の表紙 知的・発達障がいのある小学生のためのサッカースクール―横浜F・マリノス「にじいろくらす」のみなさん【詳しくは12面へ】 撮影:菊地信夫 P2 特集 コロナ禍における生活福祉資金特例貸付~生活再建に向けて~  新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、令和2年3月から開始した緊急小口資金及び総合支援資金の特例貸付(以下、コロナ特例貸付)は、度重なる申請期間の延長を経て、令和4年9月30日をもって2年6カ月にわたる貸付が終了しました。貸付の申請期間延長に伴い、据置期間(返済開始までの猶予期間)も延長されていましたが、令和4年3月までに申請受付された緊急小口資金及び総合支援資金初回分の償還(返済)が令和5年1月より開始されています。  返済の開始にあたり、社会福祉協議会には、今もなお生活がひっ迫する借受人への支援が求められています。 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例貸付とは  生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯や障害者世帯、介護を必要とする高齢者のいる世帯に対し、一時的に資金を貸し付け必要な相談支援を行うことにより、世帯の自立支援を図ることを目的に行われ、都道府県社協が実施主体となり、各市区町村社協が相談窓口となって実施しています。  新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえたコロナ特例貸付では、緊急小口資金と総合支援資金の2種類の資金の貸付が行われました。 〈表1〉 表1 緊急小口資金と総合支援資金の貸付要件等 →緊急小口資金→総合支援資金→→ →→初回→延長→再貸付 貸付対象者→新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯→新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯→→ 貸付上限→学校等の休業、個人事業主等の特例の場合、20万円以内。その他の場合、10万円以内。→(二人以上)月20万円以内(単身)月15万円以内 貸付期間:原則3カ月以内→→ 据置期間→1年以内→1年以内→→ 償還期限→2年以内→10年以内→→ 貸付利子→無利子→無利子→→ 〈表1終わり〉  それぞれの資金の貸付要件は表1のとおりであり、両資金により、最大で単身世帯155万円、2人以上の世帯200万円の貸付がされました。  コロナ特例貸付の特徴は、感染拡大防止のため、初めて郵送による申請受付を行うとともに、膨大な貸付申請が集中したことから、受付業務の緩和を図るため、社協以外の労働金庫と郵便局を窓口に加え、受付を行ったことです。  また、当初は令和2年3月25日から7月末日までを受付期間としていましたが、申請件数が減少しない状況下では、度重なる受付期間の延長がありました。そのような中で、社協は殺到する貸付申請に対応しながら、コロナ禍で生活に困窮する人々と向き合ってきました(表2)。 〈表2〉 表2 特例貸付 受付、償還の変遷 令和2年3月→小口・総合初回貸付開始 4月→小口・労働金庫経由で受付開始 5月→小口・郵便局経由で受付開始 7月→総合延長貸付開始 令和3年2月→総合再貸付貸付開始 3月→総合延長貸付受付終了 12月→総合再貸付受付終了 令和4年4月→小口・総合初回貸付償還免除申請受付開始 9月→小口・総合初回貸付受付終了 令和5年1月→小口・総合初回貸付償還開始 償還猶予申請受付開始 令和6年1月→総合延長貸付償還開始 令和7年1月→総合再貸付貸付償還開始 小口→緊急小口資金 総合→総合支援資金 ※償還開始時期や償還免除を行える年は貸付申請の時期等によって異なります。 〈表2終わり〉  一方、本則の貸付では必須である相談支援を特例貸付では原則不要とし、迅速に貸付を行うことを優先した結果、世帯の抱える課題が十分に把握できないまま貸付せざるをえない状況がありました。  コロナ禍では、それまで生活を営んできた人たちが、休業やシフト減、雇い止め等によって経済的困窮に陥り、コロナ特例貸付の窓口に多くの人が押し寄せることとなりました。  その中でも、特に、女性(特にひとり親世帯)、在留外国人、自営業者、フリーランスの方など、生活基盤がぜい弱であった層が大きく影響を受けたと感じています。 本県のコロナ特例貸付の件数  コロナ禍で人々の暮らしを支えたコロナ特例貸付は、全国では約381万件・一兆4447億円、本県では緊急小口資金で約10万件・194億円、総合支援資金は約13万件・684億円の貸付を行っています。 P3 償還が困難な借受人への対応~償還免除と償還猶予~  令和5年1月から始まったコロナ特例貸付の償還に先立ち、令和4年3月31日までに貸付をした緊急小口資金及び総合支援資金初回貸付分について、住民税非課税世帯の償還免除申請の受付を行いました(表3)。 〈表3〉 表3 住民税非課税の場合の資金種類ごとの償還免除要件等 資金種類→免除要件→免除上限額 緊急小口資金 令和4年3月末までに申請された分→令和3年度又は令和4年度が住民税非課税→20万円 緊急小口資金 令和4年4月以降に申請された分→令和5年度が住民税非課税→20万円 総合支援資金(初回貸付分) 令和4年3月末までに申請された分→令和3年度又は令和4年度が住民税非課税→45万円(単身世帯)60万円(2人以上世帯) 総合支援資金(初回貸付分) 令和4年4月以降に申請された分→令和5年度が住民税非課税→45万円(単身世帯)60万円(2人以上世帯) 総合支援資金(延長貸付分)→令和5年度が住民税非課税→45万円(単身世帯)60万円(2人以上世帯) 総合支援資金(再貸付)→令和6年度が住民税非課税→45万円(単身世帯)60万円(2人以上世帯) 〈表3終わり〉  今回の償還免除申請では、16万件を超える債権に対し償還免除申請の案内を送付しましたが、そのうち約3割が免除となっています(図1)。  また、住民税非課税を理由とする償還免除以外でも、生活保護の受給や身体障害者手帳1級もしくは2級、精神保健福祉手帳1級が交付された場合、借受人が死亡した場合等は償還免除の対象となります。  償還免除に至らないものの、病気療養や失業、離職などにより償還が困難な場合は、返済期間を1年間先延ばしにする償還猶予の制度を利用される方も多く、返済が始まると日々の生活が厳しいなど、本会にも返済に関する相談が数多く寄せられています。  また、コロナ特例貸付後に借受人が債務整理や自己破産、免責決定等となっているケースは令和4年4月時点で約1200件でしたが、令和5年1月時点では約4400件にのぼり、この1年で急増しています。 〈図1〉 図1 本県の住民税非課税を理由とした償還免除申請の状況 〈図1終わり〉 生活再建に向けたこれからの支援  これまで、コロナ特例貸付は経済的支援のひとつとして一定の役割を果たしてきましたが、今後は返済を切り口に、借受人一人ひとりの生活や困りごとに向き合っていくことが求められています。  コロナ特例貸付を通して把握された生活課題に対応すべく、厚生労働省から借受人のフォローアップ支援に係る事務連絡が発出(令和4年10月28日付)されました。  そこには、償還免除や償還開始のお知らせに合わせて各種相談窓口や償還猶予、少額返済の案内を行うこと、償還が遅延している借受人への訪問等による生活状況の把握や、生活再建に向けた早期の支援の必要性などが記されています。  これらの支援に当たっては、借受人の困りごとに耳を傾け、寄り添った支援ができるよう、自立相談支援機関をはじめ関係機関とのより密接な連携が大切になると考えています。  本会では、社協の機能やネットワークを活かした支援が行えるよう、社協の体制整備を図りながら、借受人の生活再建に向けて取り組んでまいります。(生活支援課) 〈囲み〉 償還免除や償還猶予、償還方法のご相談・お問合せ先 生活福祉資金(特例貸付)償還担当 【受付時間】 平日8:30~17:00 TEL 050-3033-5120 〈囲み終わり〉 〈コラム〉 川崎市社協の取り組み  川崎市社協では、特例貸付を振り返り、生活困窮者の状況を伝えるため「生活困窮者のリアル」という冊子を発行しています。  冊子では、グラフや漫画を使用してコロナ禍での川崎市社協の活動を分かりやすく伝えています。また、冊子を活用して、困窮の背景にある地域のつながりの希薄化などの課題について考える機会を作っています。  冊子は川崎市社協のホームページで公開されています。 http://www.csw-kawasaki.or.jp/contents/hp0281/index01740000.html 〈コラム終わり〉 P4 NEWS&TOPICS 広域災害に備えて 行政、社協、NPO等の連携を進める―災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわ(通称:みんかな)支援活動調査等の取り組み 災害時に行政、社協、NPO等連携が進む背景  地震や台風、豪雨などの自然災害で甚大な被害に見舞われた被災地では、社会福祉協議会(以下、社協)が中心となって災害ボランティアセンター(以下、災害VC)が開設され、被災者の生活再建等を支えるボランティア活動の調整やマッチングが行われます。こうした被災地でのボランティア活動は近年多様化しており、災害VCの調整を経ず独自に活動を行う団体も増えています。東日本大震災の被災地では、NPOや企業など多彩な専門性をもつ団体が数多く活動したことから、支援の偏在や重複を避けるため、支援者間の連携を促し調整する「災害時の中間支援機能」が着目されるようになりました。  平成28年の熊本地震では、地元NPO等が中心となって、いわゆる「情報共有会議」が立ち上がり、積極的な情報共有が行われました。また、行政、災害VCを運営する社協、NPO等が連携・協働した活動を進めるための環境整備や支援調整も行われました。熊本地震以降、被災地での経験をもとに、各都道府県域では多様な主体が連携して、より良い被災者支援を行うための体制が模索されています。 みんかな発足の経緯  本県では、県が設置する「県災害救援ボランティア支援センター」に県社協、県共同募金会(以下、県共募)、(N)神奈川災害ボランティアネットワークが協働・連携して災害ボランティア活動を支援する体制があります。しかし近年の被災地の現状から、広域大規模災害時には、災害VCの活動範囲を超える被災者の多様な支援ニーズへの対応や、災害VC閉鎖後も長期にわたる復興活動への支援が必要となることが分かってきました。  県内が被災したときに備え、幅広い民間団体が復旧復興活動に参画するための準備が必要という認識のもと、市民活動支援や防災活動を行うNPO3団体((一社)ソーシャルコーディネートかながわ、(認N)市民セクターよこはま、(認N)かながわ311ネットワーク)が集まり、令和2年4月に災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわ(準備会議)(以下、みんかな)を発足させました。  みんかなは、令和3年度から県と協働事業の下、県の複数の部署、県社協、県共募と定期的な会議で情報交換し、神奈川における災害時情報共有会議のあり方を検討しています。 〈写真〉 定例連絡会議の様子 〈写真終わり〉 「災害への備えと支援活動に関する実態調査」から見えてきたこと  みんかなは令和4年度、県内のNPOを対象に災害への備えや県内が被災したときの支援活動に関わる可能性などを把握する調査を実施し、次のことが分かりました。 ・災害への備えとして「活動メンバーや利用者等との連絡方法の確認」「ハザードマップの確認」「避難訓練の実施」はおおむね半数の団体で実施。今後実施したい災害への備えは「災害についての学習・研修」「他地域の団体との相互応援協定」の回答割合が高い。「BCP(事業継続計画)の策定」は約3割の団体が選択。 ・県内が甚大な被害を受けたとき「自分たちにできる活動があれば、支援活動を行いたい」と回答した団体は全体の半数を超える。具体的な内容は「障害者や高齢者など要援護者支援」が最も回答が多く、次いで「子ども支援」 「物資・炊き出し」「健康維持・心のケア」「ガレキ撤去・家屋清掃」。 〈図〉 図:災害時の支援活動の内容(複数回答) 〈県内NPO対象〉災害への備えと支援活動に関する実態調査報告書(回答数495法人、回答率13.8%)https://minkana.net/news/npo_survey2022/ 〈図終わり〉 P5 県西地域で合同研修会を開催  令和4年11月、足柄上地区社協連絡会、みんかな、県が合同で「災害ボランティアセンター担当職員等研修会および県西地域学習会」を開催しました。足柄上地区の社協連絡会では毎年、災害VC担当者会議や合同訓練、研修会等に取り組んでいます。今年度は、同連絡会の研修会と合同で、災害に備えた多様な主体による連携推進に向けて学習会を開催しました。  会場の松田町生涯学習センターには、県西地域の行政、社協、災害ボランティア団体、おだわら市民交流センターUMECO、あしがら青年会議所、かながわ災害士業ネット等から計46名が集まり、各組織の活動紹介や、平常時・災害時に連携したいことをテーマに意見交換しました。  足柄上・西湘地区の社協職員の方々と互いの活動を知り合う貴重な機会となりました。 〈写真〉 県西地域合同研修会の様子 〈写真終わり〉 県域の支援団体ネットワークづくりに向けて  令和4年12月には「被災者支援のための行政・社協・NPOなど多様な主体による連携体制構築に係る訓練」(図上演習)をかながわ県民センターで開催しました。県、県社協、県共募、(N)神奈川災害ボランティアネットワーク、日本赤十字社神奈川県支部、かながわ災害士業ネット、みんかなが参加し、互いに災害時の業務・活動について理解を深めることをめざし、各組織が混在するグループに分かれてワークショップを行いました。今後もNPO等と行政、社協が災害時に連携するための協議や訓練を継続していきます。 終わりに  先に紹介したNPO法人調査では「災害への備えや災害時の支援活動に関する学習や情報共有の場(ネットワーク)」に参加したいかという設問に、参加したいとの声が多くあり、また、研修会や図上演習の参加者を通じても、各主体が連携する仕組みづくりを進めているみんかなに対する期待が寄せられています。  みんかなでは、引き続き、NPO等団体同士が情報交換を行う場の提供、発災後の相互支援や地域の復旧・復興に役立つ情報共有の仕組みづくりを進めていきます。 (災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわ) P6 福祉のうごき 2022年12月26日~2023年1月25日※新聞等掲載時点 ●民生委員児童委員1万5千人欠員  厚生労働省は1月13日、昨年12月に行われた民生委員児童委員の全国一斉改選で、定数約24万人に対し1万5千人の欠員が生じ、充足率は93.7%となったことを公表した。改選時点の欠員数は戦後最多とみられる。 ●障害者の法定雇用率 企業2.7%に引き上げ  厚生労働省は1月18日、企業に義務づけられている障害者の法定雇用率(全従業員に占める割合)を、現在の2.3%から2.7%へ引き上げることを発表した。2024年4月に2.5%、26年7月に2.7%へと2段階で引き上げられる。  雇用率は5年ごとを目安に改定されており、0.4ポイントの引き上げ幅は過去最大となる。 ●横浜市 市内のひきこもり状態にある人の推計3万3千人  横浜市は1月19日「横浜市子ども・若者実態調査/市民生活実態調査」の結果を公表した。  市内のひきこもり状態にある人の推計人数は15~39歳で約1万3千人、40~64歳で約2万人となり、平成29年度の調査から約6千人増加した。  調査は、市民の生活状況及び困難を抱える若者等のニーズや課題を把握、分析し、今後の子ども・若者育成支援施策及びひきこもり支援施策等に反映する基礎資料とするために実施している。 ●茅ヶ崎市「ちがさき障がい者支援アプリ」運用開始  茅ヶ崎市は1月24日に「ちがさき障がい者支援アプリ」の運用を開始した。アプリは障害者本人や家族が手軽に事業所の所在地、サービスの内容や空き状況等を検索できるほか、会員登録をすることで登録情報に応じた情報を受け取ることができる。  障害者や介助者にとって情報を受け取りやすい環境を構築し、障害福祉サービスの効果的な利用や積極的な情報発信等を進め、障害者等の情報環境の向上を目指す。 P7 私のおすすめ ◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。 私の朝ごはん その2  今朝は、何を召し上がりましたか?  「食べることは生きること」  私たちも病気を得て、食べることへの意識が変わりました。  今回は、ピアサポートよこはまのサポーター二人の思い出の朝ごはん、それぞれの思いをお届けします。 ※「その1」は本紙2022年9月号に掲載しています 今月は→ピアサポートよこはまがお伝えします!  がん体験者が、がん患者と家族の相談支援活動をする団体です。県との協働事業からスタートし、その後も自主運営として継続、11年間で約1600件の相談を受けてきました。主に電話相談、面談、サロンなどを行っています(現在はオンライン)。 〈連絡先〉URL:https://peer-support.wixsite.com/yokohama ブログ:https://ameblo.jp/peer-yokohama/ ◆サポーターF  私は余命宣告を受けている。  5年生存率も5%未満と聞いた。  そして5年目を過ぎた時にカラダの95%が消えているような変な錯覚に陥った。生きている自分、こんなこともやれる自分を確かめたくてアフリカに旅立った。ケニアの国立公園の中のグランピング?豪華なテントに泊まることにした。電気なし、水道なし、携帯の電波は届かない生活。  アフリカといえど高地のケニアは夜になると寒い。どうやって暖を取ろうかと布団にくるまって考えていると、テントの入り口に蝋燭(ろうそく)が。従業員のお爺さんが陶器の湯たんぽを持ってきてくれた。  英語は通じないけれど「thank youありがとうございました」と頭を下げると、コクンと頷いてくれた。湯たんぽを抱えて布団に包まれて果てしなく暗く、静かな夜を熟睡した。  翌朝の目覚ましはテントの横を動く四つ足の動物の鳴き声だった。朝の風は冷たく、すぐに布団に潜り込んだ。その風の先に、昨夜のお爺さんが熱々のミルクティーとビスケットをのせたお盆を持って満面の笑みで立っていた。冷たく澄んだ空気の中で起き出した私たちのタイミングに合わせて、寝起きのミルクティーとビスケットを運んでくれた。ケニアの紅茶の葉は丸々としてとても濃い味でミルクにピッタリだ。「あったかいな、美味しい」と生き返る思いで飲んでいた。  朝ごはんのスタートはゾウを見ながら熱々ミルクティーとビスケット。遠くから卵とバターの香りが漂ってきた。オムレツかな?食欲が出てきた。ご飯を食べたら今日のことを考えよう。  アフリカの風が運んでくれた朝ごはんは、私に生きる力を与えてくれた。 ◆サポーターG  「私の朝ごはん」というお題でしたが、急遽「思い出の朝ごはん」と改め、書かせていただきました。というのも9月は母の一周忌だったこともあり、母を思い出す時間がたっぷりありました。母が作った朝ごはんについての思い出です。  育ち盛りに戦争を体験した時代背景の影響なのか、性格なのかわかりませんが、母は物を大切にし、手作りで食を賄う人でした。  漬物や味噌は、体が動く晩年まで購入したことがないと思います。漬物は沢庵、梅干し、高菜漬け、しば漬け、かす漬け等々…季節の野菜を何でも漬けていたような。  野菜も年中絶えることなく畑から収穫していました。葉物野菜は一度海水で揉みしんなりさせ、(実家は50m歩けば海。海での作業です)本漬けします。  味噌は麦味噌。麹を麹蓋で発酵する様子を覗くのが子どもの頃の楽しみでもありました。何が楽しみでそんなことをしていたのか記憶に定かではありませんが、む~っとする発酵過程の匂いや温度感、生きている感じは他では味わえなかったことなのだろうと思います。蒸した大豆を母の指示で手動ミンサーに入れる手伝いも楽しく思え、ミンチになった豆をつまみ食いする嬉しさも相まって味噌づくりは忘れることができません。  そして朝ご飯はそれらのものが総出演しても子ども心にはかなりの質素感。白米に具だくさんのちょっと甘めの麦味噌のお汁に卵が落としてある、そしてお漬物。子供のころにはわからなかったけれど充実の朝ごはんだったと母に感謝です。  母のような朝ご飯を作ることは多分これからも私にはできないので、贅沢な思い出を一生忘れずに…と心に決めて終わりとします。 P8 あなたの職場 職員の「やる気」を引き出す職場づくり (株)川原経営総合センター 人事コンサルティング部 副部長 神林 佑介  福祉現場の人材管理では職員の「やる気」を引き出し、適切に保つことが重要になります。職員は日々の業務の中でやりがいを感じたり、やる気を削がれてしまったり、利用者や組織に貢献したいと思う気持ちはその時々の感情や対人関係、職場環境などに大きく左右されます。福祉の現場で「働く人」や「働き方」が多様化するなかで、「個性を尊重」し「やる気」を高め、「組織への帰属意識」を向上させるため、今、各事業所が様々な取り組みを実践しています。2月・3月号では、令和3年度・4年度に掲載された「あなたの職場」の連載の総括として、紹介事例を振り返りながら「職員のやる気を引き出す職場づくり」について考えていきます。 職員の「やる気」の構造  はじめに、職員の「やる気」の構造について確認していきます。アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグ(1923‐2000)の「二因性理論」に基づくと、モチベーション(やる気)の上昇と低下には「動機づけ要因」と「衛生要因」の二つの要素が影響します。前者は「やりがい」・「達成感」・「承認」・「責任権限・裁量」・「成長」が関係し、後者は「方針」・「管理体制」・「給与」・「対人関係」・「労働環境」が影響します。動機づけ要因は「あればあるだけやる気が高まる」という性質を持ち、福祉の職場では比較的うまく作用している事業所が多いようです。一方「きちんと整っていないと不満が高まる」という性質を持つ衛生要因については、課題を抱えている事業所が多く見られます。もっとも、二つの要素は相関があるため、いずれかが極端に高い・低いという状況は考えづらく、これらのバランスを整えていく必要があります。福祉の仕事に対する「やりがい」や「達成感」だけではやる気を維持し続けることはできませんし、「給与や職位」など待遇面の引き上げも一時の不満の解消にしかならないこともあります。これらの性質を理解し、うまく仕事の場面に落とし込んでいく必要があります。 〈表〉 ●動機づけ要因と衛生要因の分類 要因→要素→職場で該当する機会・事象 動機づけ要因→やりがい→仕事そのもの、利用者等からの感謝 →達成感→上司・会社からの評価、困難事例の克服 →承認→昇格、上司・会社からの評価 →責任権限・裁量→権限移譲、プロジェクト等の管理 →成長→研修の機会、OJT体制、資格取得(支援) 衛生要因→方針→理念、方針、事業計画 →管理体制→指揮命令系統、役割分担 →給与→給与、手当、賞与、昇給 →対人関係→職場関係、利用者・保護者等との関係 →労働環境→業務量、業務負担、労働時間 〈表終わり〉 「マンネリ予防」で 動機づけ要因を引き上げる  動機づけ要因を高めるためには「仕事をマンネリ化させない」ことがポイントとなります。「新しい役割や業務にチャレンジする」「新たな知識を習得する」などにより、自身の成長を実感できたり、それに対する達成感を味わったりすることができれば、やる気は高まると考えられます。大きな組織であれば、異動や昇格などもあり得るかもしれませんが、中小規模の事業所ではそのような機会は限られているかもしれません。そのような状況でも「仕事の進め方を工夫・効率化する」「後輩を育てる」など目標の視点を少し変えると、同じ職場であっても新鮮な気持ちで業務に臨むことができます。  過去に紹介された「お掃除ロボット」や「コミュニケーションロボット」など、ICT化により業務効率化を実現した事業所では、職員の負担軽減という「第一目的」に加え、新しい仕事の進め方へチャレンジしたことによる達成感など、副次的な効果もあったのではと推測します。このような効果は「技能実習生などの外国人」を雇用し始めた事業所にもみられます。当初は「人材不足の解消」を目的に外国人を雇用し始めたところ「職場内のコミュニケーションの機会が増えた」「マニュアルや記録の取り方を見直した」「研修内容を刷新した」など仕事や職場に訪れた変化が、職場全体のモチベーションを向上させた事例はよく伺います。  なかには「仕事内容や職場環境が変化することは苦手」という方もいるでしょうし、好きな仕事を続けている方がやる気を維持できるという方もいるでしょう。その点は職場との意思の擦り合わせが必要となりますが、自分(や部下)のやる気は今どのような状況にあり「変化を望んでいるのか」を自問してみましょう。 P9 〈囲み〉 ●動機づけ要因を高める取り組み ・委員会・係・リーダーなどの役割分担制 ・ローテーション人事 ・SNSや広報誌などによる事業所の取り組み紹介 ・外国人の雇用 ・個々のプラス面に着目した評価の仕組み ・職場内研修の講師抜てき ・交換研修 ・ICT導入による働き方の見直し など 〈囲み終わり〉 「定期点検とメンテナンス」で衛生環境を維持させる  衛生要因を適切に維持していくためには、少し慎重に取り組む必要があります。様々な工夫や仕掛けを短い期間で試行錯誤することは逆効果になってしまうことがあります。「きちんと整っている」状態であれば、無理に変える必要はありませんし、課題がある点に着目して改善していくことが基本的なスタンスです。  例えば、他施設に比べて事業所の「給与水準」や「福利厚生」の充実度合いはどうか。職員アンケートや意識調査、面談などを振り返ったときに人員配置(人間関係)に課題はないか。職員のストレス・メンタル面の健康状態は適正か。定期的に衛生環境を点検して、必要に応じてメンテナンスを施すことが大切です。  衛生要因にはデリケートな要素が多く、それがゆえに具体的な改善に踏み切れない職場も多いようです。職場内だけで解決を図る以外にも、カウンセラーや第三者委員、社会保険労務士やコンサルタントなど、外部の専門家にサポートしてもらうことも一案です。 〈囲み〉 ●衛生要因を維持する取り組み ・納得感の高い評価の仕組み ・ICT導入による時間外労働の削減 ・福利厚生の充実 ・メンタルヘルスの相談窓口の設置 ・ノー残業デー ・各種休暇制度の創設、休暇取得支援 ・チューター制度、エルダーメンター制度 ・理念研修 ・多様な働き方支援 など 〈囲み終わり〉 「やる気」を引き出す「多様な働き方支援」  過去に紹介された取り組み以外にも、各事業所は様々な工夫により職員の働きを支援しています。いくつかの事例を紹介します。 〈職務限定正職員制度〉  福祉の現場の雇用区分は「正職員」と「非正規職員」に大別され、フルタイム勤務であっても「夜勤ができない」「早番・遅番は入れない」「土日祝日は出勤できない」「異動ができない」など勤務制限がある場合は非正規雇用となるケースが一般的だと思います。職務限定正職員は「フルタイム勤務で職務制限」がある職員を「正職員」として雇用する仕組みで、主に育児や介護、持病などを抱える職員を対象に、働き方を選択できる制度です。一般の正職員に比べて、給与等の待遇面の基準は引き下げますが、非正規に雇用転換することなく働き続けることができる点は、職員にとってメリットが大きいでしょう。 〈選択制時短正職員制度〉  高年齢のベテラン職員は貴重な戦力として、できるだけ長く活躍できるよう「定年年齢を引き上げ」ることや「再雇用制度」を整備している事業所も多く見られます。一方で、職員の中には、少しペースダウンして働きたい意向を持っている方もいるでしょう。選択制時短正職員制度は、よくある「育児時短勤務」をベテラン職員に置き換えた制度で、一定年齢(勤続期間)以上のベテラン職員が時短勤務を選択できる仕組みです。職務限定正職員制度と同様に「正職員の身分が保障される」点は職員にとってメリットであり、身体と相談しながら働き方を選択することができます。 〈選択的週休3日制度〉  こちらも保育所をはじめ、一部特別養護老人ホームなどでも導入事例が増えています。週休2日制に比べて一日あたりの所定労働時間が(一般的には2時間程度)増えますが、総労働時間は変えないことで、週休2日制か週休3日制を選択できる仕組みとします。シフト調整などは煩雑になるデメリットがある反面、ワークライフバランスを重視する職員にとっては、リフレッシュ効果が高い制度と言えます。  ご紹介した仕組みはいずれも「職員が選択できる」という点がポイントです。厳密には職場(勤務シフト)との調整が必要となりますが、働きやすい職場づくりのためには個々の「職員を尊重」する姿勢が不可欠です。こうした取り組み姿勢が職員に伝われば、これまで以上に事業所に対する帰属意識が高まるでしょう。  次回3月号では、経営理念や運営方針と、職員の帰属意識との関係について考えていきます。 〈囲み〉 あなたの職場バックナンバーは、ホームページに掲載しています http://knsyk.jp/c/times/ 〈囲み終わり〉 P10 県社協のひろば 事業種別を超えて施設運営の課題に取り組む―施設部会アンケート調査結果を踏まえた理事長・施設長セミナーを開催 施設部会とは  本会施設部会は10の種別協議会約1200の会員施設で構成する会員組織の一つです。種別を超えて施設運営の課題に対応していくため、経営者部会等と連携・協働しながら活動を行っています。  施設部会では、これまで会員施設の視察研修を実施したり、経営者部会との共催により人材確保や災害対応に関する研修会を行うなど活動してきました。 コロナ禍の取り組み  新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、集合型の会議・研修が軒並み中止となったことから、施設部会では令和2年度より「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を実施、会員施設が直面している課題の把握を行ってきました。また、その結果から見えた課題に対応するため、令和2年度は「新型コロナウイルスの感染対策について」、令和3年度はコロナ禍で疲弊する「職員のメンタルヘルスについて」をテーマに理事長・施設長を対象としたセミナーを開催してきました。 アフターコロナに向けた課題  令和4年度の調査実施にあたっては、未だ新型コロナウイルスの収束が見られないなか、これからは、コロナ禍が収束した後(アフターコロナ)を見据えた施設運営が必要であるという共通認識のもと進めていくこととなりました。  そして令和4年8月に、コロナ禍での変化や現場での課題を把握し今後の施設運営に役立てることを目的として調査を実施し、施設部会会員1253施設のうち707施設より回答がありました(回収率56・4%)。  調査ではサービス活動収益等の増減や燃料・物価高騰の影響、職員の人材確保・育成・定着に関する取り組み等を中心に設問を設定し、自由記述では「コロナ禍で変化したこと」等を伺いました。  全体的な傾向として、長期化するコロナ禍において、ウクライナ情勢や物価高騰の影響が加わり、「終わりが見えない不安」が強くなっていることが感じられます。  特に自由記述では、職員・利用者ともに「コミュニケーション機会の減少」が見られ、施設全体の「閉塞感」を感じる等の声が多く聞かれました。  さらに、コロナ禍の制約の多い状況では「職員がやりがいを感じられる機会が減り、意欲低下を感じる」といった回答もありました。 理事長・施設長セミナー  このアンケート調査結果を踏まえ、去る12月13日に横浜市情報文化センターにおいて「職員のモチベーション向上のためのきっかけづくり」と題し、「理事長・施設長セミナー」(経営者部会との共催)を開催しました(参加者57名)。  セミナーの冒頭、前述のアンケート調査結果の概要を共有した上で、講義に入りました。  講師のラッセルズ(株)代表取締役の平野健一郎さんは人材育成や経営コンサルテーションを専門としており、今回は職員の「自己肯定感(セルフエスティーム)」を高めることが、モチベーション向上に深く関わっていること、ひいては利用者への接し方にも表れるということを、ご自身の経験談を交じえながらご講義いただきました。 〈写真〉 モチベーション向上に関わる重要な視点を伝える平野さん 〈写真終わり〉  「自己肯定感」という言葉はすでに広く知られていますが、今回はその土台にある自己防衛のメカニズムなどの心の動きに焦点を当て、「フィードバックの効果的な活用」など、すぐにでも実践できるヒントを教えていただきました。  参加者からは、「自己防衛の心の働きが作り出す状況があることを知った」「職員一人一人の自己肯定感を高め、組織力を高めることが大切だと改めて感じた」「今回のテーマが、種別を問わず全ての施設の課題であることを確認できた」などの感想がありました。  今回、理事長・施設長を対象に「職員のモチベーション向上」をテーマに研修を行うことは初めての試みでしたが、まずはトップが自己肯定感を高めていくことが大切だということを伝えられたのではないかと感じました。  施設部会では、今後もこのスケールメリットを活かし、種別を超えた共通課題への対応やヒント等を10の種別協議会会員施設へ還元していきたいと考えています。 (福祉サービス推進課) P11 Information 本会主催の催し 協働モデル事業 多文化高齢社会ネットかながわ 「かながわの外国につながる高齢者を知っていますか?~私たち一人一人ができること~(多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)2022年度活動報告会)」 ◇開催方法=①ライブ配信 ②①の録画データ視聴会(いずれもオンライン) ◇日時=①ライブ配信:令和5年3月5日(日)14時~17時②録画データ視聴会:令和5年3月24日(金)19時~20時30分 ◇定員=各80名 講座の詳細、申込方法はHPで確認 ◇問合せ=多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)事務局 URL:http://www.knsyk.jp/s/shiru/tknk_top.html 関係機関・団体主催の催し 令和4年度 川崎授産学園 福祉講演会 発達障害当事者である落語家・柳家花緑氏から、“識字障害(ディスレクシア)”の体験談をお話しいただき、障害についての理解を広げます ◇演題=発達障害は私にとってギフトです 物の見方で未来は開ける ◇日時=令和5年3月11日(土)13時~15時 ◇開催方法=オンラインもしくは川崎授産学園での会場視聴 ◇定員=オンライン100名、会場15名 ◇参加費=無料 ◇申込方法=メールにて①氏名(ふりがな)②電話番号③オンラインor会場視聴④講師への質問(ある方のみ)を送信 ◇問合せ=(福)セイワ 川崎授産学園・市民交流事業 TEL 044-954-5011 寄附金品ありがとうございました 【県社協への寄附】生活協同組合ユーコープ 【交通遺児等援護基金】ファミリーアイランドさくらゆ、(株)エスホケン、明治大学校友会横浜地域支部 【子ども福祉基金】脇隆志、(株)エスホケン、明治大学校友会横浜地域支部、(株)タックルベリー 【ともしび基金】妙深寺婦人会、(福)湘南アフタケア協会、ともしびショップさくら運営委員会、JA湘南、明徳湯、明治大学校友会横浜地域支部 (匿名含め、合計15件2,589,741円) 【寄附物品】東亜建設工業(株)横浜支店 【ライフサポート事業】 〈寄附物品〉(福)みなと舎、(N)セカンド・ハーベストジャパン (いずれも順不同、敬称略) 〈写真〉 子ども福祉資金に寄附をいただき、令和5年1月24日、(株)タックルベリー藤本伸也代表取締役(左)に感謝状を贈呈 〈写真終わり〉 〈囲み〉 政策提言オンデマンドシンポジウムのご案内  本会政策提言委員会では、より良い福祉社会の実現を目指して、福祉関係者が取り組むべきことをテーマにオンデマンドシンポジウムとして配信しています。 ぜひご視聴ください。 【URL】 http://www.knsyk.jp/s/global_syakyou/seisakuteigen.html 【配信期間】令和5年3月末日まで (企画課) 〈囲み終わり〉 P12 かながわほっと情報 知的・発達障がいのある小学生のためのサッカースクール 横浜F・マリノス「にじいろくらす」(横浜市港北区)  横浜F・マリノスは「あらゆる人にスポーツを」の理念のもと、障がいの有無に関わらず地域社会をスポーツで幸せにする活動に取り組んでいます。  今回お話をお聞きしたのは、令和4年4月からスタートした知的・発達障がいの子(小学3年生から6年生)を対象とした「にじいろくらす」のコーチ、斎藤幸宏さんです。斎藤コーチは「にじいろくらす」の設立を提案し、当初からコーチを担当しています。  週に一度のクラスには、現在11名の小学生が参加しています。 〈写真〉 練習風景 〈写真終わり〉 〈囲み〉 にじいろくらす マリノストリコロールパーク新吉田 住所 横浜市港北区新吉田8-49-1 問合せ先 マリノスサッカースクール北エリア事務局 〈囲み終わり〉  ここではサッカーの技術だけでなく、7つのアクションという行動規定を作って指導をしています。  それは「たのしむ・きく・つたえる・じりつ・きょうりょく・ちゃれんじ・あいさつ」です。これについて「子どもたちは、にじいろを経験した後、世の中に出ていきます。そこは、インクルーシブな世界です。7つのアクションは、そこで生活していくために、サッカーを通して学んで欲しいことです」と斎藤コーチは言います。  サッカースクールを通じて、小学生たちの日常生活にも影響があるそうです。初めはスクールに馴染めなかった子が、サッカーを通じて日常生活でたくましくなったり、個別学級から交流級で授業を受けられるようになったり、目に見えた成長を実感できるそうです。  この日、練習を応援していた保護者の方たちは「子どもが生き生きとしてきた」「毎週楽しみにしている」「コーチが信頼できるので子どもが安心して楽しんでいる、本当に感謝している」と話してくれました。  クラスの名前の由来について、斎藤コーチは「虹は七色で輝きます。人それぞれ個性があっていい、特徴があっていい。それぞれの個性を大切にして認めあって成長していく、という思いです」と語ってくれました。また、これからの夢について「みんなが出来ることが増えて成長してくれることが嬉しいですね」と話してくれました。  スクールでは、コーチが生徒一人ひとりに目を向けて、声を掛ける中、生徒達は元気にサッカーを楽しんでいました。  今後「にじいろくらす」は、小学生1年生、2年生の子どもたちも受け入れ、さらに新たな教室を増やしていく目標があります。子ども達が生き生きとスポーツをしながら過ごせる場所が広がることが期待されます。(企画課) 〈写真〉 7つのアクションについて説明をする斎藤コーチ 〈写真終わり〉 「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています バックナンバーはHPから ご意見・ご感想をお待ちしています!→ 【発行日】2023(令和5)年2月15日(毎月1回15日発行) 【編集発行人】新井隆 【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2 TEL 045-534-3866 FAX 045-312-6302 【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所