テキストデータ作成に当たって このデータは、『福祉タイムズ』vol.842 2022年1月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。 二重山カッコは作成者注記です。 P1 福祉タイムズふくしTIMES 2022.1 vol.842 編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 感謝…P3 寄附・寄贈の広がりと誰もが暮らしやすい地域社会づくりに向けて 福祉のうごき…P6~7 2021年 福祉年間のうごき 県社協のひろば…P10 母子生活支援施設の現状を踏まえ関係機関との連携を探る―関係機関研修会を通じた関係者との課題共有 →今月の表紙 笑顔でやさしく ―會田紫乃さん(県立平塚中等教育学校2年)【詳しくは12面へ】撮影:菊地信夫 P2 謹んで新年のお慶びを申し上げます 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会 会長 篠原正治  あけましておめでとうございます。  旧年中は神奈川県社会福祉センターの開所に際し、また、本会の活動に対して、温かいご支援とご協力を賜り、改めて厚くお礼申し上げます。  未だに新型コロナウイルス感染症への対応が必要な状況が続いています。皆さまにおかれましては、福祉サービスを必要とする方に、感染症対策とともに、創意工夫しながらサービス提供に取り組み、ご苦労があったことと思います。  本会も、会議や研修等において、オンライン形式、内容によっては、対面形式とオンラインとを併用するハイブリット形式を用いて実施してまいりました。これまでは、対面ありきで考えてしまいがちでしたが、オンライン形式の良い点として「遠方の参加しにくい方も、移動を伴わないオンライン形式なら参加できる」という話を聞き、一概にどちらかと決めるものではなく、工夫の一つとして捉えて、考える必要があると感じた次第です。  さて、令和4年も、地域共生社会の実現に向けた動きをはじめ、制度・施策が目まぐるしく変化するものと思います。本会はそれら動きや変化に対応していくともに、活動推進計画を着実に進めます。  今年は活動推進計画の2年目で、計画の中間年に当たります。  そこで、「住民参加と様々な主体の協働による誰もが尊重され安心して生活できる地域づくりの推進」の基本理念のもと、「市町村域における包括的支援体制整備の推進」「多様な参加の機会と役割を生み出す地域づくり」「福祉サービスの質の向上に向けた取り組みの強化」の三つの基本目標並びに「本会活動の基盤整備と強化」に向けて、それぞれ取り組みを進めてまいります。  引き続き、皆さま方のご支援とご協力、ご参加をいただきたく、ますます本会の活動が盛んになることを祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。 P3 感謝 寄附・寄贈の広がりと誰もが暮らしやすい地域社会づくりに向けて  本会では、「ともしび基金」や「かながわ交通遺児等援護基金」、「萬谷子ども福祉基金」への寄附、また、さまざまな物品の寄贈等、個人および企業・団体等、多くの方々からのご支援をいただいております。寄附・寄贈のかたちはさまざまですが、そこに込められた寄附者の方々の思いや願いを受け止め、ご意向に沿った受け入れと配分に努めております。  この紙面を通して、日ごろのご支援・ご協力への感謝をお伝えさせていただくとともに、今年度の基金の活用状況と、寄附・寄贈の状況から、特に今回は企業・団体等による取り組みについて、報告させていただきます。 各基金による活動から ともしび基金  ともしび基金は昭和52年創設の果実運用型基金で、「ともに生きる福祉社会づくり」の推進を目的に、福祉意識の普及啓発、ボランティアや当事者等の活動への助成等、多様な形で活用されています。  皆さまからの支援により、令和3年3月末で基金保有額は23億3661万円余となりました。  ともしび基金を活用した「地域福祉活動支援事業」の助成では、新たな福祉課題に対する先駆的、広域的な活動をおこなう当事者組織や広域的なボランティアグループ等、23団体に計359万円を助成しています。23団体の活動では、コロナ禍で集合型の活動が減少する中、食糧支援関連の取り組みが4団体あるなど、身近な生活課題を敏感に受け止め、活動につなげている状況が見てとれます。 〈表組〉 令和3年度 地域福祉活動支援事業(一般助成) 交付団体の属性→数 セルフヘルプグループ・当事者団体→12 ボランティアグループ→9 市町村社協→2 支援内容→数 セルフヘルプ・当事者→12 困窮支援→学習支援→1 →食糧支援→4 障がい者の参加支援→2 子育て支援→3 高齢者支援→0 その他→1 〈表組終わり〉  また、昨年度の要綱改定により、本年度から開始した「協働モデル助成」は、本会が提案する広域的テーマ①「外国にルーツをもつ住民の高齢化にともなう生活課題への対応」②「地域のおひとり様の暮らしを支える身元保証と終活支援」③「人との関係づくりやコミュニケーションが苦手な人の『参加支援』~多様な形でのボランティア参加の可能性について」の3テーマについて、本会との協働体制で取り組んでいただける団体を募り、選出された3団体に計389万円の助成をおこなっています。(一部の活動は、本紙7月号と9月号で紹介記事を掲載しています。) 萬谷子ども福祉基金  当基金は、昨年度の要綱改正により萬谷児童福祉基金と子ども福祉基金を統合し、「萬谷子ども福祉基金」として再スタートしました。学費の無償化が進む反面、福祉施設等退所後の子どもたちの自立を支える社会資源が少ない現状から、これにかかわる支援メニューの充実を図っています。  なお、施設や親元を離れ自立する際に支給される「自立支援金」は、今年度に入り、37名の児童に、計555万円が届けられています。 かながわ交通遺児等援護基金  かながわ交通遺児等援護基金では、これまで交通事故等により保護者が死亡した世帯の20歳未満の遺児のみを支援対象としてきましたが、より多くの支援につなげるため、今年度から事故により保護者が重度障害を負った世帯も対象に加えました。  支援メニューについても、小中学校の入学時や中学・高校の卒業時の他、20歳を迎えた時の激励金を給付しています。また、労災見舞金の未受給世帯に対する見舞金、関係団体活動費の助成、さらには大学の受験や入学時の支度金等々拡充し事業を実施しています。  令和2年度は県民の皆さまや企業等による31件、426万3701円の寄附金により、遺児等への激励金28件、見舞金1件、また、基金の利子と合わせて交流事業や関係団体への助成金等に活用しました。 P4 長年にわたる寄附・寄贈の活動から  本会には多くの企業・団体等から、長年にわたる寄附・寄贈が寄せられています。  (一社)神奈川県自動車会議所では、交通遺児等援護基金への寄附に加え、平成18年から16年間、年8台累計128台の介護車両を高齢、障害福祉施設等に寄贈いただいています。また、関東アイスクリーム協会は16のメーカーの協力のもと、平成23年から11年間、毎夏、児童福祉施設等にアイスクリームを寄贈し、今年度は計4932個のアイスクリームが子ども達を笑顔にしました。塗装業界の有志による神奈川昭和会、社団法人日本塗装工業会神奈川県支部は、昭和54年から、福祉施設等の外壁や内装の塗り替え作業を無償提供していましたが、コロナ禍で施設訪問が難しい中、現在は消毒用アルコールの寄附という形で支援を継続していただいております。  今号ではこのような活動の中から、つい先月行われた神奈川トヨタ自動車(株)によるクリスマスケーキ寄贈の取り組みを紹介します。 神奈川トヨタ自動車(株)によるクリスマスケーキの寄贈  12月23日、神奈川トヨタ自動車(株)から、県内65か所の児童福祉施設等に入所する子ども達に、クリスマスケーキが562個届けられました。この活動は昭和62年に始まり、もう35年間続いています。「子どもたちに夢と感動を」という社員の思いが結実し、菓子メーカーの協力を得て実施しています。施設側でも年中行事の一つとして子どもたちから心待ちにされています。  本年度は、寄贈先の施設の中から代表として旭児童ホームが選ばれ、贈呈式が行われました。サンタクロースに扮したトヨタの社員が最新スポーツカーのお披露目などサプライズ企画を実施。会場は子どもたちの歓声と笑顔にあふれました。 〈写真〉 サンタさんから子どもたちにクリスマスケーキをプレゼント 〈写真終わり〉  これまでの寄贈を通して、ある児童養護施設の理事長からは「これがきっかけで『ケーキ屋さんになりたい』という夢をもった子が、成長して本当にケーキ職人になった。夢をくれて本当に感謝」という言葉が寄せられています。子どもの頃のあたたかい経験の貴重さが伝わるエピソードです。 持続可能な社会の形成にむけた企業等の取り組み  近年は、企業の地域貢献という概念から発展して、持続可能な社会の形成(SDGs)の観点からの寄附・寄贈の活動が広がっています。  (株)マルエツでは、企業のブランド理念に「この街を愛し、『お客さまとの絆』を大切にします」を掲げ、平成20年より、各店舗内に設置した飲料自動販売機の売上金1%相当額を、店舗のある地域の社協や福祉施設等に寄附しています。今年度は、ともしび基金へも70万円の寄附をいただきました。このほか、コロナ禍では医療従事者支援の募金をお客さまに呼びかけたり、一部店舗では、家庭に眠っている食品の寄附を呼びかけ、子ども食堂やフードバンク等への寄贈も行っているそうです。今回の寄附にあたり、「自販機の売上と、それに伴う寄附金は大きく伸張するものではないが、これからも地域に根差す企業としてお客さまと一体となり継続していきたい」と、話してくださいました。  生活協同組合ユーコープ(以下、ユーコープ)からは、今年度、子どもの貧困・教育支援を目的に「書き損じはがき寄附活動」から200万円の寄附をいただきました。この取り組みも、おうちco-opや店舗の利用組合員に働きかけて回収した「書き損じはがき」の換金による寄附活動です。(株)マルエツと同様、ユーコープでも、組合員に働きかけてフードドライブなどの食料支援活動を行っています。本会では、今回のユーコープからの寄附を受け、県内市町村社協を通じて、学習支援等をおこなう団体への活動支援につなげていく予定です。 ***************  今年度も、たくさんの方々のあたたかい思いや願いが込められた支援をいただき、ありがとうございます。 本会では今後も、寄附者の皆さまのご意向を大切に、それぞれの地域の課題への対応や、福祉施設はじめ支援を必要とする方々のために、各基金・寄附金品を有効に活用させていただくとともに、その成果についてさまざまな機会でお伝えしていきたいと考えています。  今後も皆さまの一層のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。 (地域課) P5 **ご寄附いただいた皆様(11月~12月)あたたかいご支援に感謝します** (いずれも順不同、敬称略) 【ともしび基金】▽県立横浜桜陽高等学校▽県自動車税管理事務所▽県警察本部監察官室▽第一機動隊▽緑県税事務所▽ともしびショップマリン▽県中原警察署▽都筑警察署▽中村浴場▽藤沢警察署▽県警察第二機動隊▽県警察本部通信指令課▽海老名警察署▽鶴見警察署▽横須賀老人ホーム▽川崎臨港警察署▽神奈川警察学校▽山北町社会福祉協議会▽戸部警察署▽ともしびショップなのはな▽南警察署▽(福)湘南福祉協会総合病院湘南病院理事長松藤静明▽いなり湯▽県警察浦賀警察署▽旭警察署▽県緑警察署▽県警察本部運転免許課▽県警察運転免許センター運転教育課▽丸子温泉▽ともしびショップにじ散歩▽ゴルフガーデン フォーレスト▽県央教育事務所▽ともしびショップゆめ散歩▽(福)湘南アフタケア協会▽(有)日栄浴場▽伊勢原警察署▽県幸警察署▽本門佛立宗妙深寺婦人会▽介護老人保健施設リバーイースト▽エヌ・クラップ▽県横須賀警察署▽県大船警察署▽県多摩警察署▽県自然環境保全センター▽県警察機動捜査隊▽県サイバーセキュリティ対策本部▽三崎警察署▽県警察本部地域総務課▽県教育委員会教育局 学校事務センター▽県警察本部生活安全部人身安全対策課▽県立図書館▽葛の湯▽神奈川県高齢者福祉施設協議会▽認知症の人と家族の会神奈川県支部▽神奈川県老人クラブ連合会▽統合事務局(手をつなぐ育成会・知的障害者施設団体連合会・やまゆり知的障害児者生活サポート協会)▽神奈川県身体障害者連合会▽フュージョンコムかながわ・県肢体不自由児協会▽神奈川県ホームヘルプ協会▽神奈川県障害者地域作業所連絡協議会▽神奈川県交通遺児家庭の会▽神奈川県医療福祉施設協同組合▽神奈川県介護福祉士会▽神奈川県共同募金会▽神奈川県社会福祉士会▽県庁職員一同▽県社協職員一同 【萬谷子ども福祉基金】▽脇隆志▽明徳湯▽(株)エスホケン▽(株)タックルベリー 【かながわ交通遺児等援護基金】▽azbilみつばち倶楽部▽渡部廣行▽諸星和子▽(株)エスホケン▽ダイセーロジスティックス(株)横浜ハブセンター 【県社協への寄付】▽生活協同組合ユーコープ  (寄附金合計:8,222,088円) 【寄贈物品】▽(株)カレンズ木村仁▽新日本カレンダー(株) 宮﨑安弘▽(株)杉本カレンダー杉本庄吾 ▽テレビ朝日福祉文化事業団▽HOLUNDONA(株) 代表取締役 和田美香▽湘南弦楽合奏団▽県立産業技術総合研究所総務課▽県庁職員一同 〈写真3点〉 生協ユーコープより本会に、子どもの貧困・教育支援のための寄附金をいただき、郷野智砂子理事(左から二人目)、梶静理事(左から一人目)に感謝状を贈呈 (N)日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」より障害児者団体等へミュージカル公演の招券をいただき、高橋慎吾本部長(左)に感謝状を贈呈 神奈川トヨタ自動車(株)より県内児童福祉施設等へクリスマスケーキをいただき、黒澤宏康渉外広報部長(右)へ感謝状を贈呈 〈写真3点終わり〉 P6-7 NEWS&TOPICS 2021年福祉の動き ○全国の動き ◇県内の動き ★本会の動き 〈表組〉 福祉関連の動き(〇数字は本紙での関連記事掲載月) 1月 〇1都4県「新型コロナウイルス感染症対策に関する要望について」を内閣へ提出。特例貸付制度についても支援拡充を図るよう呼びかけ 〇コロナ禍で引き続き経済情勢が厳しいことをふまえ、令和4年3月末以前に開始となる特例貸付の償還を、令和5年3月末まで期間延長した 〇第3次補正予算が成立。コロナ禍で未だに逼迫している医療機関への支援と、福祉施設での感染拡大防止策への予算が大きく占める③ 〇農林水産省は、学校給食用等政府備蓄米交付要領の改定を関係機関に通知。「こども宅食」へ対応した③ 2月 〇厚生労働省は、緊急事態宣言の延長等に伴う経済的支援策として、特例貸付の総合支援資金の再貸付を実施すると発表。緊急小口資金では、住民税非課税世帯の償還を一括免除にすると、同日に公表した③ 〇政府は、コロナ禍の影響で深刻化している自殺等の問題に取り組むことを目的に「孤独・孤立対策担当室」を新設した④ 〇全国銀行協会は、認知機能が低下した方の預金引き出しについて、親族に条件付きで認める見解を提示。運用の柔軟化を目指したもので、成年後見制度の利用を基本としている③ 〇厚生労働省は「新子育て安心プラン」に則り、保育所の退職共済の公費助成を令和6年度まで継続、今後のあり方は引き続き検討することを明らかにした ◇県、コロナ禍で認知症の症状が悪化傾向になる等の課題を踏まえ、リモートで認知症カフェが開催できるよう支援する「リモート認知症カフェ応援事業」を開始した③ ◇秦野市、相談支援機関へAI相談支援サービスを試験導入。相談内容を文書化する等、相談員の負担軽減が期待されている③ ★「終活支援事例集~おひとりさま社会に向けて~」、「社協ボランティアコーディネータハンドブック」、「当事者組織・団体等・セルフヘルプ・グループ便覧実態調査報告」を発行⑥ 3月 〇国は「非正規雇用労働者等に対する緊急支援策について」とりまとめ、特例貸付の受付期間を6月末まで延長することが盛り込まれた ◇県、コロナに感染した自宅療養者を地域の医師や看護師で見守る仕組み「地域療養の神奈川モデル」を実施④ ◇開成町は町内の福祉タクシー業者と「要援護者の移送に関する協定」を締結。災害時、ひとりで避難が困難な人の避難手段として福祉タクシーを活用する⑤ ★「私たちは地域の『子育て応援団』です」を発行⑥ 4月 〇介護報酬ならびに障害福祉サービス等報酬の改定が施行された④ 〇地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部改正が施行。新事業として「相談支援」「参加支援」「地域づくり」を総合的に進める「重層的支援体制整備事業」が開始④ 〇厚生労働省は「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の全国調査結果を公表。ヤングケアラーの実態に関する全国的な調査は今回が初⑤ 〇文科省と内閣府は「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を踏まえ、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、生命(いのち)の安全教育のための教材および指導の手引きを作成した 〇高校の新学習指導要領で精神疾患についての学習が約40年ぶりに復活した ★本会活動推進計画(令和3年度~令和5年度)を開始 5月 〇改正災害対策基本法の施行。内閣府は「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を改定・公表。福祉避難所の確保、感染症・医療的対応等の課題に対応するための具体的な方策が盛り込まれている 〇厚生労働省「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」の議論のとりまとめを公表した⑥ ★「苦情解決ハンドブック」を作成⑤ 6月 〇国は、コロナワクチン接種の効果を含め諸情勢を見極めることとし、特例貸付の緊急小口資金、総合支援資金(初回貸付、再貸付)の申請期間を8月末まで延期することを決定した ★「〝仕事・子育て・介護をしながら〟活動している民生委員児童委員に関する調査報告書」を発行⑨ ★「第56回関東ブロック老人福祉施設研究総会・第19回かながわ高齢者福祉研究大会合同大会」オンライン開催⑩ 7月 〇視覚障害者のホーム転落防止にAI活用、国土交通省が中間報告を公表した⑧ 〇厚生労働省、ホームレスやインターネットカフェで寝泊まりする人たちの住まい相談窓口を設置した⑨ ★「第57回関東ブロック郡市区町村社協職員合同研究協議会・神奈川大会」をオンラインで開催⑧ 8月 〇介護保険の一部負担額が変更。「高額介護サービス費」を医療保険にならって現役なみ所得者の負担を増やし、「補足給付」の対象者を縮小した⑧ 〇厚生労働省は、コロナに対して依然として厳しい影響を受ける方々への経済的支援策として、特例貸付の緊急小口資金、総合支援資金の申請を11月末まで延長することを通知。6月末、8月末から3度目の延長となる ◇県は、コロナ禍の悩み女性向け相談室を大船に開設。相談は無料で原則県内在住の女性が対象⑩ ★神奈川県社会福祉センターが開所。本会事務局の一部を移転した⑧ ★福祉サービス事業者における苦情解決体制整備状況に関するアンケート調査を実施した ★苦情解決制度に関するポスター・リーフレットを作成 ★「社協の総合相談」をすすめるための関連研修の一環として、社協基礎研修・社協ゼミナールを開始 9月 〇内閣府「災害ボランティアセンターの設置・運営等にかかる社会福祉協議会等との連携について」の通知文発出 〇「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」施行⑦ ◇大和市認知症施策として「市認知症1万人時代条例」を制定し、認知症になっても安心して住み続けられる街づくりを推進する⑩ ★多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)キックオフシンポジウム「多文化高齢社会の現状と課題~外国につながる高齢者とともに地域で暮らすために~」を開催⑨ ★コロナ禍における新たな社協・地域福祉事業「コロナに負けない!かながわの社協活動集」を発行⑩ 10月 〇厚生労働省、「ひきこもり支援における関係機関の連携促進について」の通知文を発出。福祉関係機関と各分野の関係機関との連携と参画を依頼している 〇聴覚障害者の声を受け、民法TV局で字幕付きCMが放送できるようになった ★母子生活支援施設紹介リーフレット「お母さん一人で悩んでいませんか?」を発行 11月 〇政府は、来年2月から、介護職員や保育士、救急救命センターを設置する医療機関に勤める看護師、幼稚園教諭の賃金を月額約3%にあたる9千円~1万2千円に引き上げる方針を固めた⑫ 〇厚生労働省は、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」をふまえ、特例貸付の緊急小口資金、総合支援資金(初回貸付)の申請を令和4年3月末まで、総合支援資金(再貸付)の申請を12月末まで延長すると通知した。特例貸付において、令和4年3月末までの据置期間が令和4年12月末まで延長となる ◇県、「生活困窮者対策推進本部」を設置。SDGsの考え方を取り入れつつ、企業や大学とも連携する⑫ ◇横浜市初のこどもホスピス「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」が開所した⑫ ★他業種で働いていた方等の介護分野、障害福祉分野への就職の準備等に必要な経費を貸し付ける「介護分野就職支援金貸付事業」「障害福祉分野就職支援金貸付事業」を開始 ★福祉系高校に在学し、介護福祉士の資格の取得を目指す生徒に修学資金を貸し付ける「福祉系高校修学資金貸付事業」「福祉系高校修学資金返還充当資金貸付事業」を開始 12月 〇政府は、子ども政策の司令塔となる新たな組織について、名称を「こども家庭庁」とし、令和5年度のできるかぎり早い時期に創設する等の基本方針を決定した ★生活支援コーディネーター研修「ヤングケアラーへの支援 生活支援コーディネーターの視点で考える」を開催 コロナ禍における県の動き 1月 緊急事態宣言(1/7〜3/21) 2月 緊急事態宣言(1/7〜3/21) 3月 緊急事態宣言(1/7〜3/21) 4月 ワクチン接種(医療従事者、高齢者) まん延防止等重点措置(4/20〜8/2) 5月 まん延防止等重点措置(4/20〜8/2) 6月 まん延防止等重点措置(4/20〜8/2) 7月 ワクチン接種(福祉施設従事者) まん延防止等重点措置(4/20〜8/2) 8月 ワクチン接種(福祉施設従事者) ワクチン接種(市町村ごとに随時) まん延防止等重点措置(4/20〜8/2) 緊急事態宣言(8/2〜9/30) 9月 ワクチン接種(市町村ごとに随時) 緊急事態宣言(8/2〜9/30) 10月 11月 オミクロン株発生 12月 ワクチン接種(3回目、医療従事者) 社会の動き 1月 ・箱根駅伝で駒澤大学が大逆転総合優勝 ・バイデン氏、米国大統領に就任 ・野球の田中将大選手、8年ぶりに楽天復帰 2月 ・ミャンマーでクーデター、国軍が全権掌握 ・大阪なおみ選手、全豪テニスで2年ぶり2度目の優勝 3月 ・東日本大震災から10年 ・香港選挙制度変更を決定 ・オリンピック聖火リレーが福島でスタート ・高梨沙羅選手、スキージャンプのW杯で総合2位、単独最多の表彰台 4月 ・ゴルフの松山英樹選手、マスターズ優勝 ・政府は2年後を目途に、福島第1原発の処理水の海洋放出を決定 5月 6月 ・陸上男子100mで山縣亮太選手が9・95秒の日本新記録樹立 ・英国コーンウォールで、先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催 7月 ・静岡県熱海市で大規模な土石流が発生 ・東京五輪開催(7月23日~8月8日) 8月 ・タリバンがアフガンを制圧 ・東京パラリンピック開催(8月24日~9月5日) 9月 ・デジタル庁発足。省庁や自治体がこれまで個別に管理してきた行政データを統一的に運用する基盤を作る。 10月 ・自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に指名。自民、公明両党連立による岸田内閣が発足 11月 ・英北部グラスゴーで国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催。2040年までにガソリン車の新車販売の停止を決定 ・将棋の藤井聡太三冠、19歳3カ月で四冠獲得、最年少記録を樹立 ・野球の米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が、ア・リーグ最優秀選手(MVP)に輝く 12月 ・米政権、来年2月の北京冬季五輪に政府当局者を派遣しない「外交的ボイコット」の方針を発表。イギリス、カナダ、オーストラリアも「外交的ボイコット」を表明 〈表組終わり〉 P8 私のおすすめ ◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。 がんと言われたとき役立つ3つのこと  「あなたの病気はがんです」…そう言われたら、頭の中が真っ白になってしまうものです。混乱した中で、信頼できて役に立つ情報や場所にたどり着くのは、とても難しいこと。でも、治療生活全体に関わる大切な鍵なのです。後から「あのときこれを知っていれば」と悔しい思いをすることもあります。  そこで、がんと言われたときのために知っておくと役立つものをご紹介します。これを知っておくと、きっと誰か(もしかしたら将来の自分)の役に立つでしょう。 今月は→ピアサポートよこはまがお伝えします!  がん体験者が、がん患者と家族の相談支援活動をする団体です。県との協働事業からスタートし、その後も自主運営として継続、11年間で約1600件の相談を受けてきました。主に電話相談、面談、サロンなどを行っています(現在はオンライン)。 〈連絡先〉Mail:peer.remote@gmail.com URL: https://peer-support.wixsite.com/yokohama https://ameblo.jp/peer-yokohama/  がんは、「生涯に、2人に1人がかかる」と言われる病気です。皆さん、「ひとごとじゃない」と言いますが、実際に「がんです」と医師に告げられた時に、最初に頭に浮かぶのは「まさか!なんで私が?」という言葉です。準備も覚悟もなくても、その時からがん患者としての道を歩き出さなくてはなりません。そんなとき、覚えておくと役立つことをご紹介します。 1 がんについて、正しい情報を得る  最近では、インターネットから情報を得ようとすることも多いでしょう。病名で検索してみると、最初に「がんが消えた!」という類いのサイトがたくさん出てきて心が動きます。でも、がんに関する情報は玉石混交、詐欺まがいのものもあります。では、どれを信用したらいいのか。  おすすめは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」です。それぞれのがんの種類ごとに、どのような病気か、検査、治療、療養などが、わかりやすく説明されています。  また、がんとお金、仕事など、治療しながら生活を続けるために必要な制度やサービスについての情報も載っています。正確な情報は、治療生活には欠かせません。そして、患者自身の病気のことを一番知っているのは、主治医であることも忘れないでください。 2 「がん相談支援センター」で相談する  「病気のことがよくわからない」「不安で眠れない」「治療についての疑問」「経済的な心配」「仕事を続けられるのか」…こんないろいろな困りごと、病院内にある「がん相談支援センター」ですべて相談できます。  がん相談支援センターは、国が指定する「がん診療連携拠点病院(いわゆる拠点病院)」や県が指定する「がん診療連携指定病院」に設置されており、その病院の患者でなくても利用できます。そして、患者だけでなく家族も対象です。家族も大きな苦しさを感じているのに、患者以上に相談する相手がおらず、一人で苦しさを抱えていることも多いのです。相談は無料で、電話での相談も受けてくれます。 3 仲間とつながる  がんでつらいのは、これまでの日常と切り離されてしまったような孤独感です。「家族には心配をかけるから言えない」「健康な友人にはわかってもらえない」…そんなときには、がんの体験者と話してみてはどうでしょう。「わかってもらえる」「自分だけではないんだ」と安心でき、いろいろなアドバイスがもらえることもあります。  県のホームページ内「かながわのがん対策」には、認定登録された患者会やピアサポート(がん体験者による相談)の情報が載っています(「ピアサポートよこはま」もこちらに掲載されています)。 〈まとめ〉 ・がんについて正しく知りたいときは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」。 ・がんについて相談したいときは、とにかく「がん相談支援センター」へ。 ・「ひとりじゃない」と思える患者会、ピアサポート。 インフォメーション ◆国立がん研究センターがん情報サービス  URL:https://ganjoho.jp/public/index.html  それぞれのがんについての冊子も発行されており、ダウンロードもできます。 ◆かながわのがん対策 - 県ホームページ  URL:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/nf5/ganntaisaku/ganntaisaku-top.html  県の情報満載の「がんサポートハンドブック」も発行されています。ダウンロードもできます。 P9 あなたの職場 社会福祉施設等で働く福祉従事者から、今の仕事のやりがい、実際の業務のしやすさや職場で魅力的に感じること等を聞き、「働きやすさ」につながるポイントを発見していくコーナーです。 利用者への良い支援が働きやすい雰囲気に ―(福)常成福祉会 丹沢レジデンシャルホームでの取り組み 利用者の「気になる」から見た職場の雰囲気  (福)常成福祉会の障害者支援施設、丹沢レジデンシャルホームでは、おととしから、若手職員を交えて構成された「接遇改善チーム」を立ち上げました。利用者に向けて行った施設の評価に関するアンケートの結果から、職員の利用者への接し方や言葉づかい等に不満を感じている方がいることがわかり、これを改善することが目的の一つです。  チーム発足にあたっては、利用者からの指摘だけでなく、「職場の雰囲気」にも目を向けました。職員同士のせわしない様子から、雑に仕事をしていると感じる利用者の声もあったからです。「職員の中には利用者とのかかわり方に悩んで辞めてしまう場合もあり、接遇の改善を考えることは、職員が長く施設で働いていくための助けにもなると考えました」と、チームに参加している桐山さん(写真右)と高尾さん(写真左)。お二人に、その取り組みについて伺いました。 職員同士で意識しあって取り組む改善策  チームでは、まず、利用者への接遇について着目。言葉づかいや身だしなみ等、利用者から「気になる」と指摘された部分を改善していく取り組みを、職員同士で考え、進めました。  例えば、法人内で相談事業を担当する別部署の職員を交えて、言葉づかいに関する研修を実施。利用者との接し方を考える時間を設けました。新たなアイディアを得られた参加者が多く、若い職員にとっては利用者との接し方を学ぶ機会、ベテラン職員にとっては意識が薄れている部分を改める機会になっていました。  取り組みを始めて、利用者からの印象も変わってきたと桐山さんは言います。「去年の利用者アンケートに比べて、今年のアンケート結果では、接遇に関する満足度が高く出ていました。成果が出ていると思います」  今は、職員同士の接遇に着目し、切羽詰まっていそうな職員に「一息つこう」と声をかけることを、チームで呼びかけています。「利用者に指摘された『せわしなさ』を、職員同士の気遣いで減らせればと思います」と、高尾さんは次の目標を語りました。 職員みんなで一緒に考えて作る「職場」  これらの取り組みは、チームのメンバーを中心としながらも、職員からの声やアイディアによって進められています。業務の中で聞かれた相談ごと等をもとに、何が必要かを職員同士で考えている様子が、お話の中でうかがえました。  「規程等の労務面で土台を整えるのに加えて、こうした、職員も一緒になって『良い職場』『良い支援』を作ろうとする雰囲気が、みんなにとって働きやすいと感じる環境につながっていくと思っています」と、施設長の岡西さんは、今後のチームの取り組みに期待を寄せています。(企画課) P10 県社協のひろば 母子生活支援施設の現状を踏まえ関係機関との連携を探る ―関係機関研修会を通じた関係者との課題共有 第7回関係機関研修会 開催 母子生活支援施設とは  母子生活支援施設は、0歳から18歳までのお子さんと何らかの事情でお困りのお母さんが、スタッフの支援を受けて一緒に生活する、児童福祉法に定められた唯一の施設です。全国に212施設、県内には10施設あり、入所のほか緊急一時保護、退所後相談、一部の施設ではショートステイ・特定妊婦支援や地域の子育て支援等も行っています。 入所世帯数の減少を受けて  10年程前までの母子生活支援施設では、定員を超え待機者が出るほどの利用者数でした。しかし、母子の生活困窮世帯やDV被害、被虐待児、障害のある母と子など、施設を必要とする利用者は増加傾向にあると考えられているにも関わらず、ここ数年は全国的に入所世帯数の減少が続いています。  県内10の会員施設で構成する本会母子生活支援施設協議会では、「施設の認知度が下がってきているのでは」「施設のスタイルが時代のニーズに合っていないのでは」など、何度も入所世帯数の減少について協議してきました。  その過程で、改めて施設の「強み」や「魅力」を積極的にアピールする必要があるとし、関係機関等に対する情報発信の仕方を工夫することになりました。  昨年度は「お母さんのいるメリット、子どもにとって母がいる意義は何か」をテーマにした行政関係機関向けの案内資料を作成し、今年度は「お母さん一人で悩んでいませんか?」と題し、施設の利用が想定されるお母さんへ向けたパンフレットを作成しました。 〈囲み〉 母子生活支援施設ご紹介パンフレット 県内の相談窓口も掲載しております 〈囲み終わり〉 関係機関研修会の開催  母子生活支援施設の利用にあたっての相談窓口となる行政機関の方々に、施設の現状と特徴を理解していただき、今後の母子支援に向けた施設の果たすべき役割等について共有することを目的に、「関係機関研修会」(12月3日)を開催しました。当日は、母子福祉相談に従事する行政職員と母子生活支援施設の職員など50名以上が集まりました。  研修会は、施設の現状を知ってもらうため、案内資料やパンフレットなどを活用し、施設の周知不足といった課題を、施設側から報告することから始まりました。  基調講演では、明治学院大学名誉教授の松原康雄さんに「母子生活支援施設のこれから」と題し、施設の措置から契約への制度変更に見合った対応が求められていること、施設の今後の課題や役割等について講義いただきました。  それらを踏まえ、施設の活用や連携について考えるグループワークを実施し、活発な意見交換が行われました。  グループワークの発表では、「以前は満員の状況が多くなかなか施設に入れなかったので現状に驚いた」「地域とのかかわりが多いので、子育て支援できることは退所後も含めて強みだ」「スタッフが身近にいて相談できるなど施設を利用するメリットが理解できた」との声が聞かれました。  講師からは、「今回の研修会での課題共有を通じ、行政機関・児相を含め施設の相互理解が一定程度進んだことから、今後も地道に繰り返していくことで施設の利用が広がることにつながる」と、その可能性を示していただきました。  研修会終了後には早速、施設見学の希望やパンフレットを活用したいなどの声をいただき、その効果を実感しました。  この一連の活動で、関係機関の皆さまには施設への理解をより深めていただくことができました。同時に、施設としては地域で支援を必要とする母子を支える役割をしっかりと果していくことを改めて確認することができました。 (福祉サービス推進課) P1 県社協のひろば 役員会のうごき ◇理事会=12月18日(土)①正会員の入会申込みについて 新会員紹介 【経営者部会】(福)明徳福祉会 【施設部会】大原第二保育園、西橋本みたけこども園、土橋宝翠保育園 本会主催の催し 第2種・第3種正会員連絡会公開研修 ◇日時= 2月25日(金)午後2時〜午後4時 ◇場所=エポックなかはら7階大会議室(川崎市中原区上小田中6-22-5) ◇内容=「災害時に逃げるを考える〜マイタイムラインの作成を通じて平常時からの備えを考える〜」をテーマに、災害時に向けて平常時から考えるべきことを学びます ◇申込方法=参加申込書を問合先へ提出。様式はホームページにてダウンロードURL:http://www.knsyk.jp/s/shiru/2_3syurenrakukai.html ◇問合先=総務企画部企画課  ☎045-534-3866 FAX045-312-6302 Mail:kikaku@knsyk.jp 神奈川県社会福祉センター整備事業ご協力ありがとうございました (福)県央福祉会 (令和3年12月31日まで、敬称略) 寄附金品ありがとうございました 【ライフサポート事業】 〈寄附物品〉(N)セカンド・ハーベストジャパン ※11月から12月までの寄附金品寄附者は5面にて紹介しております。 お詫び  本紙2021年10月号「福祉のうごき」にて掲載した「川崎市 障害者相談支援センター再編」の記事について、内容に誤りがありました。お詫びいたしますとともに、下記の通り訂正いたします。 誤:地域相談センターを2カ所に増設。 正:地域相談支援センターを2カ所増設。 P12 かながわほっと情報 人間らしさを尊重することの大切さ―第44回神奈川県福祉作文コンクール県知事賞  去る12月11日、本会および県共同募金会の共催で「第44回神奈川県福祉作文コンクール」(後援:神奈川新聞社など)の表彰式を開催しました。県内の小・中学校合わせて185校、寄せられた5666編もの作品の中から選考された、最優秀賞16編、優秀賞20編、準優秀賞20編、合計56編が表彰されました。  審査委員長でNHK横浜放送局放送部長の小髙純さんからは「応募した皆さんにとって『福祉』に思いを巡らせ、作品を仕上げる過程は、自分自身や言葉と格闘しながらの作業だったかも知れません。それだけに、各作品からは、力強いメッセージが発せられています。われわれはそれをしっかり受け止めなければならないと思いました。そのためにも、多くの方に作品に触れていただきたいと思います」と講評をいただきました。 〈写真〉 講評する小髙さん 〈写真終わり〉  この度、県知事賞を受賞した會田紫乃さん(県立平塚中等教育学校2年)は、認知症の症状が現れたおばあ様との暮らしの中で学んだことをつづっています。  今回の作文で伝えたかったことは、「認知症になると何も出来ないと思われがちですが、そうではなくて、支えあっていけば、出来ないことはないし、反対に教えられることもある」ということだと言います。普段はいつもと変わらないおばあ様が、同じ話を何度も繰り返したり、記憶が曖昧になりパニックになる様子を見て認知症を知り、初めは大変驚いたそうです。しかし、お母様から、「笑顔で優しく接し、話しを聞いてあげること」で、おばあ様の気持ちが落ちつくと教えられました。そのように接することで、おばあ様も安心して暮らせるようになり、洗濯や料理を手伝ってくれるようになりました。一緒に話しをしながらおやつを食べたり、おいしい玉子焼きの作り方も教えてもらったそうです。  さらに、認知症について自ら調べる中で、ユマニチュードという認知症のケアの技法を知り、これまでの自分たちの取り組みが間違っていなかったという確信が持てたそうです。ユマニチュードには、人間らしさを尊重するという意味がありますが、會田さんはこの考えを認知症だけではなく、普段の生活や友達との接し方にも応用出来ることに気付きました。  人を尊重することの大切さをさらに学ぶことができ、「今後、困っている人やパニックの人がいたら寄り添ってあげたい」と會田さんは言います。  将来の夢は「昔は建築家やデザイナー、今は人の役に立てる仕事をしたい」という會田さん。人を思いやる大切さを知っている會田さんなら、きっと叶えられる夢だと思いました。  (企画課) 〈写真〉 自分の将来について、にこやかに話す會田さん 〈写真終わり〉 〈囲み〉 本会ホームページでは、會田紫乃さんの作品を含む最優秀賞16編を掲載しています 〈囲み終わり〉 「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています ご意見・ご感想をお待ちしています! バックナンバーはHPから 【発行日】2022(令和4)年1月15日(毎月1回15日発行) 【編集発行人】新井隆 【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2 ☎045-534-3866  FAX045-312-6302  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