テキストデータ作成に当たって  このデータは、『福祉タイムズ』 vol.865 2023年12月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。  二重山カッコは作成者注記です。 P1 福祉タイムズふくしTIMES 2023.12 vol.865 編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 特集 神奈川における福祉現場の課題解決と、福祉サービスの充実に向けた現場からの発信 NEWS&TOPICS P4 畜産×福祉のコラボで「ともに生きる地域」づくりの推進 「かながわ畜産の日」制定記念イベントで「畜福連携」をPR 連載 P6 ハザマの福祉課題-③ 今月の表紙 畑ヶ中自治会館に集う地域のみなさんと麻溝地区社協会長の境さん(後列左から2番目)。 約10年前に奉遷された畑ヶ中稲荷は自治会館の新たなシンボルとなっている。【詳しくは12面へ】撮影:菊地信夫 P2 神奈川における福祉現場の課題解決と、福祉サービスの充実に向けた現場からの発信―令和5年度社会福祉制度・施策に関する提言―  本会では、福祉現場の課題解決と福祉サービスの充実に向けて、本会会員・関係者の皆様から課題や取り組みについて声を集め「社会福祉制度・施策に関する提言(以下、政策提言)」として広く発信しています。この政策提言活動は平成23年度から始まり、令和5年度で13回目となりますが、今年度は「社会福祉の共通課題に関する提言」と「個別課題に関する提言」として全9項目にまとめました。  今号ではこの政策提言の内容をご紹介いたします。 政策提言活動が目指すこと  政策提言活動では、福祉現場が直面する課題や取り組みを福祉関係者から集め、政策提言集としてまとめています。本会の政策提言委員会では、会員である社会福祉法人や施設・事業所、民生委員・児童委員、市町村社協、福祉関係機関・団体等の声を課題把握調査で集めるとともに、各代表者へのヒアリングや意見交換を行っています。  こうした関係者からの声には、現行の福祉制度・施策では対応しきれない課題に加え、分野を超えて連携して取り組むべき課題等、解決に向けた具体的な提言・取り組みが見えます。政策提言活動では、これらの声を集約し提言集としてまとめ、発信することで社会福祉制度・施策が充実することを目指しています。 令和5年度の政策提言活動から見えること  今年度の政策提言委員会では、社会福祉事業の経営や、地域活動を支える担い手の確保、多様な生活課題に対応できる包括的な支援体制をテーマに、誰もが尊厳ある一人の人として認められ、自分らしく生きることのできる社会等について議論されました。  社会福祉事業の経営では、福祉人材の確保・育成・定着をはじめ、物価高騰による社会福祉施設運営費のひっ迫、様々な施設において利用者が定員に満たない状況が続いており、事業者側の経営努力だけでは解決できない課題が山積している状況がありました。  また、地域活動の担い手である民生委員・児童委員の担い手不足と、コロナ禍によって顕在化した生活上に困難を抱える人への支援に対応すべく、多様な主体が連携・協働して包括的な支援体制を推進していく必要性があることや、各地域でネットワークづくりが進められていることが報告されました。  加えて、こども家庭庁が創設されたことから関係する機関・団体が子どもの最善の利益のもとに意見が尊重される支援体制を構築する必要性があること、県の「当事者目線の障害福祉推進条例」に関連して、障がいの有無に限らず誰もが安心・安全に暮らすことのできる社会の実現や意思決定支援の充実などについて意見が交わされました。  これらを踏まえ、提言集の第一部では、社会福祉の共通課題に関する提言(6項目)と個別課題に関する提言(3項目)の、全9項目にまとめました(2頁「令和5年度政策提言集の概要」参照)。 〈囲み〉 令和5年度政策提言集の概要 共通1:人口減少社会における福祉人材の確保・育成・定着に向けた施策の充実  職員の配置基準の見直しや処遇改善◆福祉の仕事の魅力発信や福祉教育の推進◆小規模事業所への人材確保・育成支援 等 共通2:社会福祉施設等における物価高騰に対する支援の拡充  社会福祉法人・施設運営の財政支援◆社会福祉法人・施設の運営実態を踏まえた公的価格等への反映 等 共通3:子どもの育ちを支える施策の拡充  子どもの権利や思いが尊重される支援体制の確立◆社会で子ども・子育て世帯を支え、見守る意識づくりの発信 等 共通4:地域生活課題の解決に向けた包括的な支援体制の構築  地域生活課題の解決に向けた取り組み支援◆社会福祉法人の公益的な活動と地域福祉のネットワーク強化◆生きづらさを抱える人の支援に向けた連携・協働 等 共通5:福祉施策の適切な運用  中長期の福祉需要と人材確保・育成対策を踏まえた福祉計画の策定◆報酬格差の是正◆福祉医療施設や母子生活支援施設の社会的活用に向けた普及啓発 等 共通6:本人が望む生活の実現に向けた意思決定支援の推進  意思決定支援の充実◆誰もが安心して暮らせる社会の構築◆社会就労施設における多様な働き方の推進と誰もが排除されない工賃算出方法の見直し 等 個別1:神奈川におけるよりよい障がい福祉の推進  本人の望む暮らしを支える循環型サービスの実現◆時代に即した施設整備計画 等 個別2:外国人人材の参入支援と、外国人住民の生活支援の充実  外国人を受け入れる福祉・介護施設への支援の充実◆福祉課題への取り組み拡充と施策化の推進 等 個別3:権利擁護支援としての日常生活自立支援事業の運営基盤確保  本事業の役割の理解促進◆安定した事業運営にかかる財源確保 等 〈囲み終わり〉 P3 個別提言 外国人人材の参入支援と外国人住民の生活支援の充実  福祉・介護現場における人材不足が深刻な課題となる中、国では技能実習制度の見直しが行われています。特定技能には「介護」が含まれており、高齢者施設を中心に外国人人材の活用が進められています。こうした動きを踏まえ、今年度の政策提言活動では「外国人 介護・福祉人材受け入れに関する緊急アンケート」を部会・協議会等の代表者に実施し、福祉・介護現場における外国人人材の受け入れ状況や受け入れにあたっての課題などを把握しました。  アンケートの回答では、介護職員数の確保によるサービスの質の向上や多様性への意識を高められること、母国の文化がレクリエーションに活用されるなど、外国人人材が活躍することへの期待や効果が見られました。その一方、個別支援計画の作成、家族や関係機関との電話対応やその調整業務等、高度な能力が求められる場面では丁寧な教育環境が必要となることなどが挙げられました。  加えて、本県では外国籍住民が多く暮らしており、コロナ禍での生活福祉資金特例貸付を通じて、外国につながる人々の生活再建に向けた支援の課題が市町村社協から寄せられました。外国籍住民への支援には、生活支援に限らず、言葉の壁や文化・風習が異なるため考え方や理解にずれが生じることが予想されます。  本会では、ボランティア団体「ユッカの会」との協働モデル事業として「多文化高齢社会ネットかながわ(TKNK)」の活動に取り組んでいます。TKNKでは、外国人高齢者や介護サービス事業所への調査を行っており、活動を通して外国人高齢者への生活上の課題等が見えてきました。  これらの状況を踏まえ、外国人人材を受け入れるための環境づくりや、外国人が安心して地域で暮らすための生活課題の共有と、福祉・国際・労働等の分野を超えた具体的な方策の協議の場の必要性等について提言しました。 より良い地域福祉の推進をめざして  福祉現場が直面している様々な課題は、制度・施策が充実するだけでは解決しません。こうした政策提言活動に加え、地域や福祉現場で公私の関係者がお互いに協力した課題への取り組みがあってこそ、活き活きと暮らせる社会を創造することができます。  本会では、福祉現場の課題とともに、現場で行われている実践を集め、広く情報発信してまいります。  政策提言活動では、本会会員をはじめ、福祉関係者・団体の皆様とともに福祉現場の課題を共有し、課題解決に向けた政策提言を行いながら、解決に向けた連携・協働に取り組んでいきます。そして、この取り組みを通して次世代の福祉を担う人たちが輝ける神奈川を創造していきたいと思います。 (企画課) 〈囲み〉 〈写真〉 左から、出縄理事、小泉副会長、川名県福祉子どもみらい局長、篠原会長、三觜副会長 〈写真終わり〉 神奈川県に政策提言集を手交しました  10月18日、政策提言集を県に手交するとともに、提言内容について意見交換を行いました。「当事者目線の障害福祉推進条例」に基づく基本計画の策定に向けた障害福祉サービスの充実や環境整備、民生委員・児童委員の担い手不足、社会情勢の不安やコロナ禍による人材不足と運営費のひっ迫等について意見を交わしました。  県からは、今回の政策提言で挙げた課題について共通認識であることや、神奈川の地域福祉を推進していくため公私協働で連携して取り組んでいくことを確認しました。 〈写真〉 県との意見交換の様子 〈写真終わり〉 政策提言集の詳細は本会HPからご覧ください https://www.knsyk.jp/proposal/seido_sesaku 〈囲み終わり〉 P4 NEWS&TOPICS 畜産×福祉のコラボで「ともに生きる地域」づくりの推進 「かながわ畜産の日」制定記念イベントで「畜福連携」をPR  11月5日(日)に「かながわ畜産の日」の制定を記念したイベント「かながわ畜産の日フードフェス2023in湘南台」(以下、畜産の日フードフェス)と「第32回かながわトントンまつり」が同時開催されました。  会場となった藤沢市の湘南台公園には、焼肉やアイスクリームをはじめ様々な県産畜産物を販売する21のブースのほか、日頃は間近にみることの少ない家畜の展示や模擬搾乳体験コーナーなどが設けられ、8千人を超える来場者で大変な賑わいとなりました。 〈写真〉 畜産の日フードフェス(主催:かながわ畜産ブランド推進協議会)と第32回かながわトントンまつり(主催:(一社)神奈川県養豚協会、(一社)神奈川県畜産振興会、(一社)神奈川県畜産会)の同時開催で盛り上がった 〈写真終わり〉 ●〝初〟尽くし「かながわ畜産の日」  全国で唯一の記念日を制定する機関である(一社)日本記念日協会によると「かながわ」の名がつく記念日登録は今回が初であり、なおかつ「畜産」の名がつく記念日も初めてとのこと。県の畜産業全体を包括した記念日登録は神奈川県が初めてとなります。 〈写真2点〉 「かながわ畜産の日」の登録証 専務理事の髙尾さん 〈写真2点終わり〉  (一社)神奈川県畜産会専務理事の髙尾健太郎さんは「かながわ畜産の日の制定は畜産農家の皆さん主導で進めてきました。畜産業も飼料価格の高騰などで厳しい状況にありますが、かながわの畜産が県民の皆さんの理解のもとで発展してきたことに感謝し、これからも期待に応えていくという思いを込めて、11月の第一日曜日としました」と話します。 ●地域とのつながりを大切に  畜産と一口に言っても、酪農、肉牛、養豚、養鶏、養蜂と多岐にわたり、県内には多数の畜産ブランドがあります。本県の畜産業は横浜港開港の頃に始まり、日本でも古い歴史がありますが、近年は戸数・頭数ともに減少しています。  市街化区域の拡大とともに、匂いが問題視されるなど、都市型畜産は地域共生に課題が生じています。しかし、視点を変えれば、同じ地域に生産者がいて「顔が見える」存在であることは消費者にとって大きな安心につながります。  畜産業界では、県民の理解を得ること、地域とのつながりを重視し、これまでも福祉施設や学校給食への食肉寄贈などの社会貢献活動を継続的に行ってきました。 ●県産畜産物と福祉のコラボ  畜産の日フードフェスでは、(一社)神奈川県畜産振興会の志澤勝会長が提唱する「畜福連携」の一環として、県共同募金会と本会にブースの提供がありました。初の試みとなった今回は、県内に33店舗ある「ともしびショップ」の紹介パネル展示と募金箱設置のほか、障害者就労支援事業所による本県産畜産物の「高座豚を使った総菜パン」のPRを企画し、(福)唐池学園・貴志園と(福)進和学園・サンメッセしんわが出店しました。また、相模原市にある和泉短期大学の学生がボランティアで参加し、協力して販売やPR活動を積極的に行いました。  来場者から「地元のともしびショップに行ってみたい」という声が聞かれたり、2事業所あわせて千個以上用意したパンや焼き菓子等は「ボリュームもあって美味しい」と大好評で、イベント終了時にはほぼ完売となりました。 〈写真2点〉 サンメッセしんわ「ハッピー餃子ぱん」 貴志園「とんとんコロッケサンド」 〈写真2点終わり〉 ●「地域でともに生きる」つながり  髙尾さんは「社会にどれだけ畜産が役立っているか、広く知らしめることが県民の理解につながっていく」とし「地域とのつながりを大切に今後も福祉分野とのコラボを広げていけたら」と話します。  同じ地域で〝共生〟する畜産と福祉がつながり協働することで、地域振興、障害者の就労支援、子どもの食支援など、様々な取り組みを広げていける可能性があります。本会では今後も畜産業界と福祉分野の様々な連携のカタチを関係者の皆さんと一緒に模索しながら、「畜福連携@かながわ」を進めていきたいと考えます。(総務課) P5 福祉のうごき 2023年10月26日~2023年11月26日※新聞等掲載時点 ●こども家庭庁 保育現場の虐待通報を義務づけ  こども家庭庁は11月7日「第2回 子ども・子育て支援等に関する企画委員会」において、保育所や認定こども園などの職員による虐待について、発見した人に通報義務を課す制度改正の概要を示した。早ければ、来年の通常国会に児童福祉法などの改正案を提出する。対象は、保育所や認定こども園、認可外保育所など。幼稚園などは所管の文部科学省が対応を進める。 ●全老協 人材紹介手数料を初調査  全国老人福祉施設協議会は11月8日、人材紹介手数料実態調査報告を公表した。  調査は会員施設を対象に行い、2,032施設から回答があった。常勤の介護福祉士を採用したのは430施設あり、採用にかかった手数料は平均89万円だった。その内142施設では一人あたりの手数料が100万円を超えていた。 ●車いす UDタクシー乗車拒否3割超   障害者団体「DPI日本会議」は11月13日、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーの車いす利用者への対応を各地で調査した結果、乗車拒否が3割超あったとして、国土交通省に改善を要望した。特に東京都以外での拒否率が高く、地方で車いす利用者への配慮が行き届いていない現状が浮き彫りになった。  調査の結果は団体ホームページ上で公開している。 ●本会 セルフヘルプ活動支援20周年記念セミナー開催  本会は11月13日にセルフヘルプ実践セミナー20周年記念イベント「セルフヘルプ・グループの可能性」を開催した。本会では日常生活の中で生きづらさを抱える人の活動を支援しており、平成14年のセルフヘルプ活動コーナー整備から20周年となる。イベントはセルフヘルプ・グループの持つチカラについて深める機会となった。 P6 連載 ハザマの福祉課題 【第3回】困難な課題を抱える女性と子どもへの支援の現状~母子生活支援施設の現場から~ 改正児童福祉法と「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援法)が令和6年4月に施行されます。改正児童福祉法の中では、困難を抱える妊産婦等への支援事業が創設され、女性支援法では包括的な支援を提供するための民間団体との多機関の連携・協働の体制づくり等、市町村における女性と子どもの福祉の充実が図られます。その推進に向けては、困難な状況にある女性や子どもの生活課題の共有化がより一層求められます。  今回は、女性や子どもの生活課題と支援の現状について、本会施設部会・母子生活支援施設協議会会長の諏訪部依子さんにお話を伺いました。  母子生活支援施設は児童福祉法に基づいた福祉施設です。原則18歳未満の子どもがいる母子世帯が、施設に入所しながら支援を受けて自立を目指します。利用者の主な年齢は10代から40代。利用の背景は、配偶者による家庭内暴力からの保護、住居や仕事がない生活困窮の状況など様々です。  県内には現在10カ所(横浜市8カ所・川崎市1カ所・相模原市1カ所)、各施設の定員は概ね20世帯。市町村の福祉事務所で申込み、契約により利用します。 ●利用者のこれまでの人生を強みに変えて、自立を目指す  施設での生活の風景から、職員はご本人の買い物やゴミの出し方、洗濯や掃除の様子、子どもへの接し方など、これまでの親子の暮らし方を知ります。親子の自立に向けてどのような生活支援が必要か。職員は日々、親子と顔を合わせ、日常生活の援助を行うことで把握します。  「入居に至るまでの間、頼る相手を求めて友人の家を転々としてきた、夫からの暴力に耐えてきた、病気や障害により仕事に就けなかったなど、ご本人は、自立するにも社会的に不利な状況に置かれてきました」と諏訪部さん。  ご本人から子ども時代の様子を聞くことができるようになると、今の生活と似たような過酷な環境に身を置いて育ってきたことを知ることもあります。  「ご本人の『生き抜いてきた』つらい体験を今後に向けての強みと理解し、ご本人にとって『信頼できる人』として関係を作ることが、支援者にとって欠かせません。入居されてから、職員が部屋の中に入れてもらえるまで1年ほどかかる方もいます。その方から『これまでの人生で褒められたことが無かった。安心して頼って良いんだと、ようやく思えた』と言われました。職員が応援する姿勢を示し続けることで、ご本人が元気を取り戻し、生活基盤を整える生活が始まります。そこからようやく、自立に向けて進むことができます」と続けます。  施設の利用期間は概ね2年から3年。ご本人と作成した支援計画に基づき、子育て、仕事、健康のことなど退居後の生活設計に向けて、必要な福祉・医療・法的なサービスの活用ができるように環境調整が図られます。施設の安心した環境の中で暮らす経験が、社会で生きる基盤となっていきます。 〈写真〉 居室の広さは概ね2DK。地域での生活をイメージしながら生活基盤を整える 〈写真終わり〉 〈囲み〉 本会母子生活支援施設協議会では、パンフレットを作成しています。詳細はHPにて https://www.knsyk.jp/service/keieisha-bukai/about/boshi 〈囲み終わり〉 ●子ども自身が気持ちを伝え、望む暮らしをつくれるように  安定しない環境下で生活してきたのは子どもも同様です。子ども自身が生活する力を付ける支援も行われます。中には小学校高学年であっても、カップ麺のふたの開け方やお湯の沸かし方が分からない、おやつを買うにもお金の計算ができないこともあります。施設の学童保育では、お小遣いの使い方の勉強や、冷蔵庫にあるもので簡単なおかずを作るプログラムなど、子どもが日常生活で役立つ体験を増やしています。  また、諏訪部さんは職員と子どもの関わりの重要性について、「子どもたちにとって職員は、親とは違う大人との出会いです。次第に『こんなことをしてみたい』と思っていることや気持ちを話してくれるようになります。入居当初、子どもが親に対して意見を言う場面は少なく、一見『良い子』と思われるかもしれませんが、それは、暴力や暴言、貧困が日常下にあって、その環境から身を守るために、気持ちを出さないことを余儀なくされてきたからです。子どもがどんな生活を望んでいるのか、安心できる環境の中で、本当の気持ちを出せることが大事だと考えています」と話します。  親子の関係を支えるために、職員も同席した親子の「家族会議」を行う施設もあります。家族会議では子どものゲーム時間、寝る時間などの細かな決まりごとについて話し合います。親子だけでは感情的になりがちですが、お互いの言い分を伝え合い、改善策を考えていきます。親子で話し合いながら生活を作る経験は、退居後を見据えた生活にも活かされているようです。 P7 〈イラスト〉 退居時に寄せられた親子からのお手紙 入居された方から 入居当時、心身ともに疲弊し、疲れ切っていましたが、サポートのおかげで回復し、前進することができました。子育てに行き詰まったときに、私の事を否定せずに丁寧に向き合っていただけたことがすごく嬉しかったです。とても救いになりました。施設の時間は、私の大切な休息期間でした。人生の大きな分岐点だったと思います。落ち着いて自分自身を見つめなおす期間でした。大切な日々を忘れずに、前を向いて強く生きていきます。(抜粋) 子どもから がくどうや、みんなで外であそんで楽しかったし、みんなでおにぎりやおもちを作って楽しかったし、たくさんの思いでができました(抜粋) 〈イラスト終わり〉 ●家族を支える福祉施設として  さらに、施設では退居後の「アフターケア」として、仕事や子育ての様子を電話や訪問で把握したり、行事に誘うなど、子育ての地域資源として、継続的に関わる取り組みに力を入れています。また、支援が必要な妊娠期のひとり親に対して、施設を活用し、産前から産後まで切れ目のない支援を制度化している自治体もあります。  その一方で、母子生活支援施設には保育士や看護師の配置など、妊産婦支援に課題も残されています。さらに、施設が所在しない市町村には、困難な課題を抱える母子を支えるための支援策の一つとして、施設の活用に向けた対応策も期待されています。  諏訪部さんは「社会の中で孤立する家族が少なくない中で、母子の地域生活を支えるソーシャルワーク実践を行う母子生活支援施設の役割は、ますます必要になってくる。そのことを社会に伝えていきたい」と力強く語ってくださいました。 (企画課) P8 県社協のひろば 支え合い、つながり合う社会の構築に向けて―第70回神奈川県社会福祉大会開催  去る11月7日、県立青少年センター(横浜市西区)にて、永年にわたり本県の社会福祉の発展に寄与された方々の功績を称えるとともに、より一層豊かな福祉社会の構築を期して、第70回神奈川県社会福祉大会を開催しました。  県、県共同募金会及び本会の三者が主催するこの大会は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことで行動制限が全面的に解除された中、4年ぶりの通常開催となり、秋晴れの会場には多くの受賞者の方々が出席しました。  第1部では、神奈川県にも縁の深い山崎美貴子さん(東京ボランティア・市民活動センター所長、神奈川県立保健福祉大学顧問)と、山下興一郎さん(全国社会福祉協議会中央福祉学院主任教授)をお招きし「〝ひとりぼっち〟を作らない地域に向けて―〝みつかる〟を〝みつける〟へ―」と題して対談を行いました。  第2部の式典では、県介護賞、かながわ福祉みらい賞、県知事賞、県社会福祉協議会会長表彰および感謝、県共同募金会会長感謝の授与を行いました。  全受賞者を代表して、本会会長顕彰の民間社会福祉事業等永年勤続功労者感謝を受賞した大井町の民生委員・児童委員の寺下かつ子さんが挨拶にたち、「半分は他人様のために、半分は自分のためにと思って活動してきました。このような形で認められたことは本当に嬉しい限りです」と喜びを語り、「これからもそれぞれの分野で活躍し、精進して参ります」と決意を述べました。 〈写真〉 大勢の受賞者が見守る中、各受賞区分の代表者の方々が登壇し、表彰状、感謝状を受け取った 〈写真終わり〉 継続することの大切さ  寺下さんは、自治会長から声をかけられたことをきっかけに、平成12年に民生委員・児童委員に就任し、今日まで22年にわたり活動してきました。傾聴の姿勢と笑顔で訪問することを大切にし、相手が話しやすいように関わることを常に心掛けています。  寺下さんは長年にわたる活動を振り返って「やめようと思ったこともあったが、活動をする中で、相手が笑顔になっていくことが、継続する動機になった。民生委員・児童委員の活動がなければ出会うことのなかった人たちとつながる機会を得ることができた」と話します。  近年、民生委員・児童委員の担い手の減少が大きな課題となっています。「仕事や介護と両立しながら民生委員・児童委員の活動に携わる人も増えていて、研修会に参加する時間を確保することも難しくなっています。加えて、この4年間は、コロナの影響で福祉施設の見学や訪問ができませんでした」と寺下さん。先日ようやく施設見学ができ、これから動き出せると手ごたえを感じたそうです。 〈写真〉 長年にわたり、ボランティア活動等も続けている寺下さん 〈写真終わり〉  寺下さんは新任の民生委員・児童委員に「民生委員・児童委員は地域を広く見ることが大切」と伝えています。「地域住民の年齢や属性など、決められた枠にとらわれず広く目を向けること。地域から学んだこと、得たことを様々な関係機関に伝えていくことも民生委員・児童委員の役割です。コロナで空白になってしまった4年間をこれから埋めていきたい」と意気込みを語ります。「かつての自分のように、民生委員・児童委員に向いていないと悩んでいる方もいるかもしれないが、まずは続けてみてほしい。活動を続けていくことで、様々な学びやつながりが生まれ、巡り巡って自分のためにもなる」と話しました。  今回受賞されました1084人、142団体の皆様、誠におめでとうございます。今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。 (総務課) P9 第70回 神奈川県社会福祉大会 対談 “ひとりぼっち”を作らない地域に向けて―“みつかる”を“みつける”へ― 山崎 美貴子氏(東京ボランティア・市民活動センター所長、神奈川県立保健福祉大学顧問) 山下 興一郎氏(社会福祉法人全国社会福祉協議会 中央福祉学院主任教授) 山下 “ひとりぼっち”ということに対して、皆様はどのような気持ちでいるかというところから対談を始めていきたいと思います。  “ひとりぼっち”が生まれやすい社会になっていると思います。日本では今、格差自体が分からなくなってきており、全体的に貧困が進むとともに、社会的孤立も深刻化しています。 山崎 日本では家族が重要な要素でありながら、高度経済成長期を経て核家族の時代に変わり、さらに現代において個人化、単身化の加速、家族形態の多様化の時代となり、この状況にどう対応していくのかが課題となっています。 山下 家族の機能だけでなく、家族でサポートを担うのが社会的機能です。家族を超えた他者間のつながりというところでは、特に都市部ではつながりが薄くなっています。 山崎 人はつながりを持てないと生きていけません。対話することから、生きる意味が生まれてくるのではと思うのです。ひとりぼっちであることは“こころ”の問題です。泣いてくれる人、一緒に悔しがる人、一緒に「困ったね」と怒ってくれる人。そういうつながりがあるかどうかに、大きな意味があるのではないかと思います。 山下 東日本大震災以前は「孤立」や「無縁社会」という言葉が流行り、孤立がトレンドになったことで「つながり」が社会的なテーマになりました。ほどなくして震災があり、その際には「絆」や「連帯」というテーマに変わっていきました。そこから約13年経とうとして、社会全体の状況、世界を含めてまた「つながり」がテーマになってきています。 山崎 本当に「社会的孤立」という表現が正しいかもしれません。今、インフォーマルな関係を持たない家族が多くなってきています。コミュニティと接触がない人たちがいます。誰とも会話をせず、頼る人がいない。誰かに助けを求めないし、誰か手助けに来る人もいない。頼ってくれる人もいない。社会参加をしない・できない状態です。 〈写真2点〉 山下興一郎氏 山崎美貴子氏 〈写真2点終わり〉 大学の入学式では、他者への笑顔を絶やさないようにしましょう、挨拶を必ずしましょうということを言い続けてきました。人が生きていく上での一つの作法です。人は一緒に悔しがったり泣いてくれたりする中に、言語化していない言葉、言葉にはならない言葉をいつの間にか足しています。私はそれが本当の言葉だと思います。社会参加していく中で、言葉にはならないコミュニケーションや想い、人を大事に思う言葉を一つ一つ生み出していく。そこから、人を思い悩む心や喜びが生まれてきて、大切な喜びに変わるのかもしれません。 山下 挨拶から始めてみて、人間同士の関わりをもう一度作ることが今日のテーマではないかと思います。皆さんにとって大切な言葉や、人と関わることで大切な言葉は何でしょうか。ひとりぼっちを作らない地域は私たち自身がつくっていくものです。 山崎 第70回神奈川県社会福祉大会の節目にあたり、みなさんとともに、地域での“住民主体の文化”を豊かに楽しく発展させていきましょう。 (要旨) P10 私のおすすめ ◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。 まるで南の島!親子で熱帯植物の温室を探検しよう  冬の寒い日でもぽかぽかと暖かく過ごせる植物園の温室。熱帯植物の葉が生い茂り、トロピカルな花が咲く空間は南国の楽園のようで、心がうきうきします。  そこで今回は、県内にある2カ所の温室をご紹介。親子でゆっくりと探検気分で歩きまわりながら、ふだんでは見られない珍しい植物を観察すると、好奇心旺盛な子どもたちの興味の幅がより広がりそうです。 今月は→NPO法人 ままとんきっずがお伝えします! 今年で子育て支援活動30年目。お母さんたちが主体となって、親子が集うサロン、グループ保育、一時保育、各種講座、産後サポート、子育て支援センター、小学校での寺子屋事業、中学校での赤ちゃんふれあい体験事業などを運営。情報誌・単行本の発行物は45冊を超え、一部は海外でも翻訳出版。乳幼児から小中学生まで幅広い子育て支援により、地域の活性化を目指し、活動の場を広げている。 〈連絡先〉  〒214-0011 川崎市多摩区布田24-26 TEL044-945-8662 FAX 044-944-3009 URL:http://www.mamaton.jpn.org/ ◆さまざまな形態の植物にびっくり  「県立相模原公園 サカタのタネ グリーンハウス」  滝が流れる大温室に約400種類の熱帯植物が集められ、一年中さまざまな形や色の花が咲いています。人気の植物は「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーのマスクのような形のアリストロキア・サルバドレンシス。3月頃から開花するヒスイカズラは神秘的な色です。  香りのある植物やスパイスに使われる植物のコーナーでは、鼻から息を深く吸い込んでみて。バナナのコーナーではいろいろな種類のバナナを見比べられます。  「気候などの環境に合わせて多種多様な形態へと変化してきた植物のそれぞれの違いを知ることから、子どもたちの生きものへの関心が高まるといいですね」 と相模原公園のスタッフの方。温室内の熱帯植物の名前をあてるクイズラリーに挑戦することもできます。 〈写真3点〉 アリストロキア・サルバドレンシス ヒスイカズラ 〈写真3点終わり〉 県立相模原公園 サカタのタネ グリーンハウス 〒252-0335 相模原市南区下溝3277 TEL 042-778-1653 FAX 042-778-6314 9:30~16:30(入館は16:00まで) 休館日:月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、12月28日~1月4日 入館料:大人100円、中学生以下無料 ◆実物や説明板には発見がいっぱい  「小田原フラワーガーデン トロピカルドーム温室」  直径40m、高さ22mのドーム型の温室に約300種類の熱帯や亜熱帯の花が咲き、パパイヤやスターフルーツなどの果物が実ります。こちらの温室でもヒスイカズラが人気。12月~1月は黄金色のキンカチャや甘い香りのドンベア・ウォリッキーが見頃を迎えます。  「謎の女性植物学者アロア・ワッド」からの出題カードを手に温室内を探索し、ミッションをクリアするプログラムも親子で楽しんでほしいもの。アロア・ワッドが世界を旅して採取した植物の説明板を読むと、発見がいっぱいです。小田原フラワーガーデンのスタッフの方からは「熱帯植物やその生育環境は、実物を見て肌で感じることで、子どもたちの理解や知識を深められますよ」とお話しいただきました。 〈写真4点〉 キンカチャ ドンベア・ウォリッキー 〈写真4点終わり〉  どちらの温室もごみ焼却施設の余熱を利用しています。大きいお子さんとはエネルギーの再利用についても話したいですね。 小田原フラワーガーデン トロピカルドーム温室 〒250-0055 小田原市久野3798-5 TEL 0465-34-2814 FAX 0465-34-0435 9:00~17:00(入館は16:30まで) 休館日:月曜(祝日の場合は開館)、祝日直後の平日、12月29日~1月3日 入館料:大人200円、小・中学生100円、未就学児無料 P11 Information 役員会の動き ◇理事会=11月8日(水)正会員の入会、11月14日(火)正会員の入会 新会員紹介 【施設部会】ひよこ第3保育園、湘南だいち、黒崎ホーム 第9次県社協活動推進計画骨子(案)パブリックコメントのご報告  令和5年9月末日まで実施したパブリックコメントにご協力いただきありがとうございました。いただいたご意見と本会での対応方針について、本会HPにて公開しておりますのでご覧ください。 第2種・第3種正会員連絡会活動紹介動画 罪を犯した人たちの社会復帰を支える〜保護司活動の紹介〜  活動紹介シリーズ第1回として、保護司として活動するお二人から、保護司になったきっかけや活動のやりがい、エピソードなどをお聞きしました。ぜひご覧ください。 本会主催の催し 令和5年度地域福祉推進を考えるセミナー 誰もが自分らしさを大切にできる地域をつくるために 基調講演(臼井正樹氏:県立保健福祉大学名誉教授)、パネルディスカッション(依存症回復施設等) ◇日時=令和6年1月30日(火)13時30分~16時30分 ◇会場=県社会福祉センター6階 ◇申込方法=フォームにて申込み URL:https://forms.gle/NrgaJ8W4vojESAWM6 ◇問合せ=福祉サービス推進課 TEL 045-534-5662 HP:https://www.knsyk.jp/service/keieishabukai/about/kousei#a01 寄附金品ありがとうございました 【交通遺児等援護基金】(株)エスホケン、(一社)神奈川県自動車会議所 【子ども福祉基金】(株)エスホケン、脇隆志、飯尾温子 【ともしび基金】神奈川県立鎌倉支援学校、(一財)光之村 (匿名含め、合計8件5,149,065円) 【寄附物品】(公財)オリックス宮内財団、神奈川県労働者福祉協議会、厚木愛甲地域労働者福祉協議会、(公財)報知社会福祉事業団 【ライフサポート事業】〈寄附物品〉(N)セカンド・ハーベストジャパン (いずれも順不同、敬称略) 〈写真2点〉 神奈川やすらぎ会へタオルを寄贈いただき、令和5年11月6日(月)、厚木愛甲地域労働者福祉協議会 関野義之会長(右)に感謝状を贈呈 母子生活支援施設協議会へタオルを寄贈いただき、令和5年11月6日(月)、神奈川県労働者福祉協議会 林克己会長(左から2番目)に感謝状を贈呈 〈写真2点終わり〉 P12 かながわほっと情報 地域に根差した70年~地域住民によるあたたかい地域づくり~ 麻溝地区社会福祉協議会(相模原市南区) 積み重ねた地区社協の歴史~他団体との協力~  相模原市南東部に位置する麻溝地区は、人口約1万8千人。南区では2番目に人口の少ない地域となっています。高齢化率は23.5%で南区全体の高齢化率25.8%よりも低くなっています。その中で麻溝地区社会福祉協議会(以下、麻溝地区社協)は「 だんの らしの あわせ」をモットーに地域活動を行っています。  相模原市内には、22の地区社協があります。麻溝地区社協の歴史は長く、昨年、設立70周年を迎えました。地区社協の役員が代わりながらも長年活動を続けられたのは、「役員だけが頑張っても組織は動かない。地域の人が協力的で、自然な形で絆が作られている」と話す会長の境勉(さかいつとむ)さん。 〈写真〉 麻溝地区社協の会長となり、4年目になる境さん 〈写真終わり〉  例年、地区社協のみで実施していた敬老事業を4年ぶりに行いましたが、今年度は地区社協、自治会連合会、老人クラブ連合会、民生委員児童委員協議会、公民館の5者で実行委員会を立ち上げました。地区社協だけではなく、多様な団体と協力することで当日は多世代が参加し、地域住民同士の交流を図ることができました。地区社協だけで行っていた事業を他団体と協力して実施できたのはこれまで麻溝地区社協が地域に根差して活動し、その活動への理解と共感を得られたからこそだと言えます。 地域の拠点~麻溝ふれあいの家~  麻溝地区社協では、地域のちょっとした“困りごと”の解決を目指し、地域の活動拠点として「麻溝ふれあいの家(地区ボランティアセンター)」を運営しています。現在は健康体操や男性が気軽に参加できる場として囲碁・将棋・健康麻雀を行う「いやし倶楽部」が活動しています。  また、草むしり、特別支援学校の登下校での旗振りや認知症高齢者を対象とした服薬の確認など、地域住民からのニーズに応えています。  境さんは「今後は、開設日を増やしてお菓子や料理を持ち寄り、お茶、コーヒーを飲みながら語り合える地域のお休み処、居場所としても活用したい」と熱く展望を話されました。  歴史ある地区社協ですが、新たな試みも取り入れながら地域住民で支え合い、あたたかい地域づくりを大事にしている気持ちが伝わってきました。(地域課) 〈写真〉 麻溝地区社協では11のサロンを開催。サロン畑ヶ中ではタオル1本体操や講師等を招いて介護等に関する講話を実施 〈写真終わり〉 〈囲み〉 麻溝地区社協は、令和5年度の県社会福祉大会において優良地区社協として表彰されました。 大会の詳細は本誌8ページをご覧ください。 〈囲み終わり〉 「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています バックナンバーはHPから ご意見・ご感想をお待ちしています!→https://form.gle/74aewHkEfzQ9ybJQ8 【発行日】2023(令和5)年12月15日(毎月1回15日発行) 【編集発行人】新井隆 【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 〒221-0825 横浜市神奈川区反町3丁目17-2 TEL 045-534-3866 FAX 045-312-6302 【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所