かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

百合丘日中活動センター(2回目受審)

対象事業所名 百合丘日中活動センター(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 215 - 0011
麻生区百合丘2-8-2
tel:044-281-6141
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2015(平成27)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<< 施設の概要・特徴 >>

 百合丘日中活動センターは、川崎市から指定管理者として選定された社会福祉法人川崎市社会福祉事業団により、平成20年に運営が開始され、生活介護事業、生活訓練事業、就労移行支援事業と就労継続支援事業B型として運営されています。小田急線百合丘駅より徒歩10分ほどの住宅街にあり、近隣には、大きなスーパーマーケットや公園があり、月1回以上の外出を楽しんでいます。建物は3階立てで、建物内には当事業所と「百合丘障害者センター」「百合丘地域生活支援センター」「百合丘就労支援センター」で構成される「北部リハビリテーションセンター」と「百合丘老人いこいの家」が運営されています。当事業所は、その一階部分を使用しています。

 就労・復職を希望する方には、障がい特性を考慮した作業種目の提供、働くための習慣作りや基本的な作業能力や適応能力を身につけるための準備支援を行っています。生活訓練事業、生活介護事業においては、日常生活支援を行うとともに最適な生活様式を獲得するよう訓練や支援を行っています。利用者の意向を聞きながら活動、行事や外出支援を行い、意欲を持って取り組めることをたいせつにしています。

<< 特によいと思う点 >>

 

 専門的かつ総合的な複合施設の利点を生かした施設運営を行っています

  4事業(就労移行支援事業、就労継続支援事業B型、生活訓練事業、生活介護事業)を統合した日中活動センターと同建物内にある「百合丘障害者センター」の在宅支援室との連携を生かし、利用者の生活全般を支援するよう配慮しています。例えば、4事業間での移行や、生活介護の利用者が特性に合わせて自立支援の部屋を利用するなどしています。法人理念の「時代やニーズの変化を先取りした新しい福祉サービス」の実現につなげています。

 

 一人ひとりの目標を立て細やかな支援がされています。

 就労移行や就労継続では、就労や復職に向けての支援マニュアルが用意されており、職業評価とリハビリテーションの評価を実施し、課題の整理をし、就労の目標を立て、就労、復職、A型事業所への移行とそのフォローアップを行っています。生活訓練や生活介護事業においては、個別にできることを判断したうえで、本人の希望に応じてプログラムを組み支援しています。一人ひとりの目標を立て細やかな支援がされています。 

 

川崎市のリハビリテーションセンターをリードできる質の向上を目ざしています

 指定管理2期目であり、1期目の実績と複合施設の利点を生かした施設運営を行っています。川崎市地域リハビリテーションセンター整備方針では、今後、中部・南部の整備案があり、当施設の実績から、そのノウハウを生かしてもらえるよう、さらにサービスの質を向上させたいと考えています。川崎市リハビリセンター第1号として、多機能型の特徴を生かし、利用者に喜ばれるサービスを提供するよう努力しています。また、中部・南部のリハビリセンター事業開始には、見本となれるようサービスや職員の充実、質の向上に取り組んでいます。 

<< さらなる改善が望まれる点 >>

 

○アセスメント表を用いて作業効率を図る取り組みをされることを期待します

 利用開始時には、医師の診察により、だれがどのようにかかわるかについて指示が出されます。支援員は、利用者の家族状況や生活状況などについてアセスメントを行います。その上で、医師と支援員とケースワーカーが話し合いを行い、計画を策定しています。現在、法人で作成した共通のフェイスシートに基づいて、情報収集とアセスメントを行っていますが、今後、事業所独自のアセスメントシートを作成し、作業の効率化を図られることを期待します。 

職員からの意見を参考に研修を工夫されることを望みます

 法人での研修体系に基づき、職制に応じて受講しています。また、事業所内でも、年2回実施しています。個別の研修については、目標管理シートを活用して見直しを行っています。しかし、職員アンケートからは、利用者の特性の理解や、どの職員がかかわっても同じように支援ができるような研修を望む声が見られます。職員からの意見を参考に研修を工夫されることを望みます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 生活介護と生活自立訓練では、どのような活動をしたいかについて希望を聞きながら、就労移行支援と就労継続B支援では作業に対する希望を聞きながら、気持ちに沿った支援を行っています。毎朝、ミーティングを行い、その日の活動の確認や希望を話し合っています。

 法人の理念や行動規範は、新任研修で説明し配付しています。事務所や職員室に掲示し、いつでも振り返ることができるようにしています。また、職員の目標管理の説明時に確認しています。

 

 川崎市の虐待防止マニュアルを職員に配付し、昨年は、読みあわせを行いました。また、他の施設で起こった事例などについて職員会議などで話し合っています。虐待防止の研修に参加し、報告書などで全職員に伝えています。虐待が疑われる場合には、川崎市の障害計画課に連絡し、関係のある機関が連携して話し合い解決できる体制ができています。

 

 利用開始時に、事業所が取り扱う個人情報の利用目的について、利用者と家族などに説明をしています。その上で受給証の問い合わせ、ハローワークや合同説明会での情報提供など、利用者に関する情報を外部とやり取りする必要が生じた場合には、利用者や家族に、そのつど口頭で説明しています。

 利用者の特性に合わせて、気持ちに配慮した支援を行っています。利用者が不穏な気持ちのときには、時間を置いて対応する、対応している職員が他の職員と交代するなど、利用者の気持ちに配慮した対応をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  1回、利用者対象の満足度調査を実施し、その結果を集計し、事業報告会で報告しています。「基本方針を知っているか」「要望に対応しているか」「人権を尊重して運営されているか」など18項目に渡ってアンケートを行っています。

 どの事業も、毎日、始業と終了時にミーティングを行っています。活動について確認したり、希望を聞く機会としています。就労継続B事業では、毎週金曜日に、ミーティングの時間を設け、活動や行事についての希望や要望を聞いています。

 利用者からの要望や意見は、日頃の会話のほか、個別支援計画作成時の話し合いやミーティングなどで得ています。家族の要望や意向は、個別支援計画作成時に聞くほか、面談などの機会からも得ています。

 苦情解決については、法人が苦情解決相談実施要領を定め、第三者委員会を設置しています。日中活動センターおよび障害者センター在宅支援室の苦情解決・相談実施要領も定められており、苦情申出窓口として、苦情解決責任者は施設長、苦情受付担当者は主任以上の職員であることを明示し、第三者委員の名前とともに掲示しています。

 

 利用者への支援は個別支援計画を立てて行っています。計画策定にあたり、利用者と家族から意向を聞いています。自分から話をすることができない利用者には、家族に話を聞く、文章やメールでやり取りをするなどコミュニケーションの工夫をしています。

 

 生活自立訓練事業では、利用者が望む最適な生活スタイルを実現するため、最終的に実際の生活に則した支援を行っています。就労支援B型事業、就労移行支援事業では、「こうすればできる」という工夫をしながら支援を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立  利用希望者に事業所の情報を伝える手段として、法人と北部リハビリテーションセンターのホームページや、事業の内容を紹介したパンフレットがあります。パンフレットにはルビをふり、活動内容をわかりやすく記載しています。利用希望者には、契約前に、3日から2週間程度の期間を設けて体験実習を実施し、事業所の活動について理解を深めてもらっています。契約時には、契約書および重要事項説明書に基づき、サービス内容、料金、解約について、苦情の申し立てや個人情報などについて説明をしています。

 

 利用開始時には、医師の診察により、誰がどのようにかかわるかについて指示が出されます。支援員は、利用者の家族状況や生活状況などについてアセスメントを行います。医師と支援員と相談員が話し合いを行い、その上で、かかわる職員が集まり、カンファレンスを実施し計画を策定しています。個別支援計画作成マニュアルが用意されており、計画は、上記の話し合いの内容をもとに、利用者や家族の希望を聞きながら作成しています。ケース記録は、担当職員がパソコンを使用して記載し、共有サーバーで管理しています。

 

 かかわる職員が同じように支援が出来るよう、食事、入浴、作業、送迎などについて、手順を記載した業務マニュアルを作成しています。食事、入浴、送迎については、個別の対応や一人ひとりについての注意すべき事項を記載した個別マニュアルも用意しています。事故対応マニュアルと、感染症マニュアルを用意し、年2回、同じ会館の5つの事業所とともに、火災や地震を想定して総合防災訓練を実施しています。感染症予防として、来園時と食事前には手指消毒を励行し、作業室には、加湿器付き空気清浄機を設置して湿度管理を行っています。

 

4 地域との交流・連携

 “北リハフェスティバル”(演奏会や自主製品、軽食の販売等を楽しみながら、地域の方もいっしょに日ごろの成果を披露する催し)のポスターを町会でも掲示や回覧してもらったり、近隣商店に出店してもらうなど、積極的に地域とかかわりを持っています。公園掃除や生活介護での毎日の散歩時には挨拶を心掛け、近隣の教会イベント時に駐車場を貸す等協力しています。自立訓練の修了者の会が毎週開催され、会場を提供したり、福祉バスでの外出時に利用者と職員が同行し、自立訓練修了後も利用者が安心できる状況にあることがわかるよう、地域とのつながりを大切にしています。

 ボランティアは、週1回PC作業にかかわってもらっています。他の作業内容の指導にかかわることが難しく、こだわりのある利用者が多いことや、会館の他施設の利用者との関係が取りにくいこともあり、日常的には、ボランティアの受け入れが困難になっています。しかし、“北リハフェスティバル”では、実習生や近隣の方、ホームページでの募集を見てきた学生など、ボランティアとして活躍しています。今後、アロマテラピーや陶芸などのボランティアも、検討していきたいと考えています。 

 今年度の川崎市北部リハビリテーションセンターでは、「地域性」「総合性」「専門性」を基本理念とし、当センターとして「高次脳機能障害地域活動支援センター」「百合丘障害者センター(在宅支援室)」との連携や、多機能型通過施設として他事業所とも連携し、より安定した地域生活への移行を推進するよう取り組んでいます。今後も、町内会に参加を継続し、民生委員にも見学会を開くなど理解してもらう努力を課題ととらえています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

 専門的かつ総合的な支援を行うリハビリテーション施設の併設で、多機能を持つ施設として、利用者の個別支援計画への反映や、職員の取り組み方を理解してもらうよう、面談の際に説明しています。日中活動の生活介護と生活訓練、就労移行支援、就労継続B型をその人のペースで利用しています。流動的なサービスの利用も視野に入れ、利用者の意思や人権を尊重したものになるよう努力しています。法人理念の「時代やニーズの変化を先取りした新しい福祉サービス」の実現につなげています。

 指定管理2期目であり、1期目の実績と複合施設の利点を生かした施設運営を行っています。川崎市地域リハビリテーションセンター整備方針では、今後、中部・南部の整備案があり、当施設の実績から、そのノウハウを生かしてもらえるよう、さらにサービスの質を向上させたいと考えています。川崎市リハビリセンター第1号として、多機能型の特徴を生かし、利用者に喜ばれるサービスを提供するよう努力しています。また、中部・南部のリハビリセンター事業開始時には見本となれるよう、サービスや職員の充実、質の向上に取り組んでいます。 

 4事業(就労移行支援事業、就労継続支援事業B型、生活訓練事業、生活介護事業)を統合した日中活動センターと、在宅支援室(百合丘障害者センター内)の連携を生かし、利用者の生活全般を支援するよう配慮しています。生活介護事業では、通過型施設としての視点を持ち、他の3事業とともに、利用者個々に合った生活スタイルを見つける支援と、地域資源を紹介しています。ステップアップ後のフォローアップをていねいに行い、他事業所に移った場合にも、半年後のフォローアップだけでなく、連携して定着支援にも力を入れています。

 

6 職員の資質向上の促進  法人での人事管理トータルシステムに従い、育成、活用、評価、処遇を一体的に行っています。正規職員は、多種施設の経験を、契約職員には、人生経験を生かして、ていねいに優しく話をよく聞き、利用者本位の支援に取り組むよう期待しています。高次脳機能障害の利用者が多いことから、専門性を高め、生活や就業支援の向上を図っています。利用者の意向実現に向けて、学び、探り、連携する姿勢を持っています。

 

 法人での研修体系に基づき、職制に応じて受講しています。また、事業所内でも、年2回、実施しています。「発達障害について」「高次脳機能障害」をテーマにしています。業務上の必要な内容や利用者の運転したいという声から、利用者理解や希望の実現に向けて、どんな課題があるか探りながら研修を実施しています。昨年は “就労に向けて、復職に向けて”というテーマで、失業保険や企業とのやり取りでの情報の出し方を学び、現在も、就労支援アドバイザーから指導を受けています。

 

 専門的研修に積極的に参加できるようにしていますが、職員数が限られた中で調整が難しいのが課題です。研修報告は、朝夕の打ち合わせや各部門で行ったり、書庫にいつでも閲覧できるように報告書や資料を置いています。個別の研修については、目標管理シートを活用して見直しを行っています。法人が展開する多事業での人事交流や事業交流、特に、リハビリ機能や療育の施設との連携は、職員の質の向上に反映されています。

 

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