かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

若草保育園 京町

対象事業所名 若草保育園 京町
経営主体(法人等) 学校法人 若葉台学院
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0845
川崎区渡田山王町20-35 2F
tel:044-329-1180
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【施設の概要・特徴】
●若草保育園京町の経営は学校法人若葉台学院(以下、法人という)であり、横浜市旭区若葉台でプレスクール若葉幼稚園を運営しており、若草保育園京町は2つ目の施設です。園は、JR南武線・京急線の八丁畷駅から歩いて15分程度のところに位置しています。園が所在する川崎区は、川崎市の7つの区で唯一海に面している区域であり、海浜に広がる工業エリアは京浜工業地帯の一部を形成しており、川崎区のもう1つの特徴は川崎市の中枢機能が集中しており市内でも随一の賑やかな行政区です。また、川崎区内の保育園・幼稚園・小学校は、区全体の子どもに対しての相応の施設数を確保していますが、京急大師線沿線のタワーマンションの建立を始め、近年マンションが増加し、住宅事情が激変したことで、子育て支援のニーズも増加している地域です。
●園舎は、ALCアルファウイングビルの2階にあり、1階はプール(現在はマッサージサロン併設)、3階の施設(通所の高齢者デイサービス)と共有になっています。1階入り口は、園児のくつ箱が備えてありますが、雰囲気は1階等の利用者を意識したアジアンテイストのインテリアが施され、階段の踏み面には足触りの良いナチュラルなラグが敷かれています。民族調の木彫り像等が置かれた大人の雰囲気の階段の先には、明るいシトラスカラーで彩られた若草保育園京町の入口となっています。園舎隣の神奈川県立川崎高校とは、園行事等での演台を借用する等、良好な関係を作っています。
●若草保育園京町は1歳児から5歳児までの定員60名の保育園です。園舎内は、中央の共用部分を囲んでエントランス沿いに2歳児保育室、1歳児保育室、右側手前から予備室、5歳児、4歳児、3歳児保育室がホールに沿って設けられています。そして、エントランスから入ってすぐ左手に事務室があり、並びに厨房、トイレが設備されています。中央共用部のホール壁面は鏡張りになっており、ホールが倍広く見えます。ホールでは元気よく子どもたちが走り回り、目印に沿って姿勢よく歩く練習もできるように様々な工夫が成されています。
〈特に良いと思う点〉
1.【食育の定着】
●若草保育園京町は完全給食を実施し、3歳以上児にも主食を提供しています。園では、子ども時代は良く遊び、良く食べ、良く育つことを最に重要に捉え、しっかり食べてすくすく育ってほしいと願い、食育に力を入れています。給食は委託給食会社と業務委託契約し、委託先との二人三脚で食育を進め、給食だよりに旬の食材、日本の季節に応じた行事等を掲載し、それに因んだ旬の食材と行事食を取り入れる等、食への関心・興味が高まるよう栄養バランスと共に工夫をしています。食事は、健康的な体を作るだけではなく、心や知能をも育ててくれます。友だちとテーブルを囲み、会話をしながら、おいしい食べ物を一緒に楽しむ食事は、人と人をつなげ、心を育んでくれる場でもあります。11月には「和食の日」を設定して日本の伝統食を知る機会を設け、受け継がれてきた伝統や文化をも学び、近年の生活、家族のあり方の多様化により大切な食の根幹を提供するよう努めています。また、食育を通して「共食」の大切さや、食事となる命や食事を支える人たちへの感謝、食べ物を大切にする等、今後さらに子どもと一緒に食を知り、食に関わり、健康的に食を通して生きる力を育んでいきます。
2.【参加型イベントの実施】
●園では生活発表会の取り組みに工夫をしています。発表会のための劇等を披露するというものではなく、子どもたちが自分で作り上げたもの、毎日の活動の成果を発表する形式でホールを活用して保護者も一緒になって楽しめるよう取り組んでいます。ホールが平らなため後の人が見えないという保護者の声を拾い、1人の職員が積極的に隣の神奈川県立川崎高校に演台が借りられるよう交渉を行い、借用が成立しました。職員のアイデアと行動力で、今年度は舞台が設けられ、保護者が子ども一人ひとりの演技が見ることができ、子どもも舞台に立つ緊張感を覚え、達成感を得ました。保育理念に沿った「活動がより豊かに展開されるよう援助する」、みんなで楽しむモットーの基、若草保育園京町の特徴ある1つの力です。
3.【「もじかずくらぶ」の活動】
●若草保育園京町では、保育所保育指針を意識した「養護と教育の一体化」をテーマとした「もじかずくらぶ」の活動を実施しています。法人系列の幼稚園で実際に活動していた実績の活用により、「もじ」や「かず」に親しみながら遊ぶことから楽しく「まなび」へのアプローチができ、力を入れて展開しています。保育理念の具現化と共に、心の意欲、体の動きを統括する「脳」をバランス良く育む等、良い試みであると評価できます。
<さらなる期待がされる点>
1.【スイミングの復活について】
●本来は若草保育園京町の特長の1つとして同ビルのプールを活用したスイミング、と一番始めに出て来る筈でしたが、前述の如く現在は活動が休止となっています。保護者アンケートの中にも復活を望む声が多々挙がっていました。同ビル内での安全な移動、プライバシー保護の観点、プログラミング(小・中児童の不在時)ができる利点、また、就学を踏まえ、ぜひ、交渉を勝ち取り、スイミングの復活につながることを期待致しております。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●若草保育園京町は、子ども一人ひとりに合った保育を心がけ、子ども目線で、個人を尊重した保育を行っています。子ども同士のトラブルについては、双方の意見を聞き、子どもの気持ちに寄り添い、時には代弁もしながら子ども同士で解決できるよう援助しています。一斉活動の時間であっても無理強いをせず、子どもの表情や動作に注意をしながら安心して過ごせるようにしています。
●子どもの気持ちに配慮した支援では、職員は、子どものありのままの姿を許容し、子ども自身が何をしたいのかを知り、子どものがんばった過程を認め、褒め、自分は認められる存在であることを感じられるよう肯定的な言葉がけを心がけ、子どもと保育士の信頼関係の構築にもつなげています。
●園では、保育の振り返りシートを活用し、保育中に子どもを「引っ張る」、「押す」等の行為に関して職員間でチェックを行い、毎年、アンガーマネージメント(怒りの感情と上手に付き合うための心理教育)研修資料の読み返しを行っています。虐待の防止・早期発見については、登園受け入れ時や着替え時に視診を行い、情緒不安定さ、表情が乏しい等、不自然な状態が見られた場合は上位者に報告し、必要に応じて川崎区役所保育課、関係機関と連携を図る体制を整えています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握については、懇談会や個人面談(9月)、登降園時等の会話の中で把握しています。個人面談は半日の夕方に設定し、保護者が来園しやすいよう工夫しています。利用者満足の向上に向けて、行事後に必ずアンケートを実施し、意見等を抽出して振り返りを行い、改善課題については職員会議で共有しています。アンケートから運動会における意見・要望を受け、速やかに検討・改善を図り、次回、保護者の意見を反映させる予定でいます。
●保護者等からの意見、苦情、相談等については、意見が述べられるよう雰囲気作りに努め、連絡ノート、意見箱の設置により自由に意見が述べられるようにしています。また、希望に応じて個別面談、相談も随時対応するようにしています。保護者等から受けた意見については、職員会議で検討し、改善策は掲示板で周知しています。
●子ども個々の家庭環境や生活リズムによる違いを理解及び把握し、年齢・発達に合わせて肯定的な表現を心がけ、子どもの意見・気持ちに寄り添い、自ら「やろう」とする自主性を支援するよう心がけています。特別に配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)については、個別指導計画を基に個別カリキュラムを策定し、職員会議で情報を共有し、園全体で統一ある関り方で保育に当たり、専門機関、保護者と連携を図りながらサポートに努めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、川崎市のホームページ、法人のホームページやパンフレット等で提供しています。園見学の希望者には施設内、保育の様子を見学してもらい、パンフレット等で説明し、質問に対しても丁寧な説明を心がけています。サービス利用開始後は慣らし保育を実施し、保護者の就労状況に応じて柔軟に対応し、8〜10日間を目安に実施し、保育園で過ごす時間を段階的に増やすよう配慮しています。母子分離が難しい様子が見られた場合は声掛けを行い、親身に話を聞くよう心がけ、保護者の不安軽減に努めています。利用中は定期的に保育参観や個人面談の案内をし、希望者には随時、対応しています。保護者とは密に連携を図り、連絡ノートを活用して子どもの様子を伝え、情報を共有しています。
●日々の子どもの様子、状況等は、昼礼や毎月の職員会議(土曜日)で各クラスの報告により共有しています。職員会議では子どもの様子・体調、遊びの興味、保育備品の不足・故障、保護者対応等についてタイムリーに報告し合い、情報共有を図っています。パート職員については、クラス担任から口頭で伝え、議事録を閲覧する等、共有化を図っています。
●子どものリスク回避に関しては、安全チェックリストを文書化し、ヒヤリハット及び事故報告の2つの側面から子どもの安全確保、事故防止に努めています。園では、安全チェック表により定期的に点検箇所のチェックを行い、不測の事故防止に努め、ヒヤリハットや事故報告書で事故の防止及び未然の備えを心がけ、リスク管理の強化に努めています。ヒヤリハットについては職員会議で報告・共有し、今後の対策について考える機会を設けています。
4 地域との交流・連携 ●園の情報提供は、川崎市ホームページ、かわさきし子育て応援ナビ、川崎区の子育て情報カレンダー「こんにちは かわさききっず」、「かわさきく子ども子育てページ」、法人ホームページ等に情報を提供しています。園では、地域に開かれた保育園を目指し、「こんにちは川崎区の保育園です」に子育て支援について情報発信をしています。川崎区の保育祭り(9月)には定期的に参加し、川崎区の保育園の作品展に園児の作品を出展し、見学者に園のパンフレットも配布して情報を提供しています。また、幼保小連絡会による年長児交流会に参加し、就学を見据え、5歳児は地域の他保育園の年長児と交流を図っています。
●地域との交流では、地域の子育て親子へ子どもの健康診断を実施し、園見学者の育児相談にも対応しています。また、園行事に近隣小学校の「和太鼓の会」を招き、近隣の保育園を招待して交流を持ち、近くの公園において地域の子どもを対象に絵本の読み聞かせを行う等、地域の子育て支援に貢献しています。
●地域の関係機関との交流、団体との連携では、川崎市・区の施設長会議、川崎区の園長会、川崎区の幼保小連絡会、年長者会議(年長児担任)、川崎区の主任・看護師・栄養士連絡会に参加し、意見交換を図り、地域の福祉ニーズを把握しています。また、川崎市役所保育課企画会議や保育会の企画会議、研修会に参加し、地域の情報・ニーズを収集しています。近隣の小学校との交流会にも参加しています。園の運動会やイベント、保護者参加の行事の際はポスターを貼り、園見学者にも声かけを行い、参加を募っています。関係機関団体との連携では、南部地域療育センター、こども家庭センターと連携を図り、相談・助言を受ける等、連絡ができる体制を整えています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●理念・基本方針は、入園のしおり、パンフレットに記載し、園内にも掲示して周知しています。職員は、職員会議でワークショップを行い、理念、方針の理解を深め、振り返りシートを活用して具体的に理念に沿って保育に当たっているかの反省を行い、園長との面談で確認しています。中・長期計画については、持続可能な運営を重視して5年ごとに10年計画を策定して実施し、10年計画は3年ごとに中期計画として作成しています。また、持続可能な運営を重視して作成し、理念の実現に向けて作成しています。
●園長の役割と責任については、職務分担表及びキャリアパス要件として明文化し、全職員に周知しています。業務の効率化と改善に向けた取り組みでは、職員が必要なものを吸い上げ、上位者に具申し、改善につなげるよう努めています。園長は、子どもの主体性を尊重した保育の実現のために必要な人員配置の確保に努め、シフトや日々の業務分担に対する助言を行い、必要に応じて採用計画の修正にも取り組んでいます。
●保育サービスの内容について、振り返りシート、着眼点表、考課表を活用し、定期的に保育の見直しと業務に関するフィードバックを行い、評価しています。評価結果に基づいて職員と面談を実施し、個人目標、改善点を共有し、職員の質の向上に努めています。
6 職員の資質向上の促進 ●人員体制等について、川崎市の職員配置基準に則り、保育士、各部門のリーダー、主任、園長、看護師、栄養士を明確に組織化し、体系を構築しています。採用では、保育理念の「子どもの主体性を尊重する」に賛同する職員を積極的に採用し、組織の厚みを増すよう努めています。人材確保では保育士専門学校長等に直接アプローチを行い、神奈川県条例による限定保育士にも声をかける等、適正な人材の採用に取り組んでいます。
●職員の教育・研修に関して、中・長期計画に明記して年間の事業計画と併せて研修計画を策定し、計画的に実施しています。研修プログラムは、就業規則の等級要件、必要な昇格要件に沿い、キャリアパス要件も考慮し、各職位の資質向上の目標、必要な研修を明記し、全職員へ研修の受講を推進しています。パート職員にも研修案内を掲示して参加できるようにしています。研修受講後は必ず報告書を提出し、職員会議で報告書を基に議論を行い、報告書は全職員に回覧して共有化を図っています。人事考課では研修で得た技術・知識が生かされているかも評価対象とし、面接で達成度、さらなる課題を共有し、個々に翌年の研修内容の見直しにつなげています。看護師、栄養士は各専門の研修に毎年参加し、研鑽を重ねています。
●園長は、職員の日々の様子、就業状況や園の状況を把握し、シフトの調整を助言し、職場環境の整備に努めています。法人人事部で有休取得日数や残業時間等を把握し、有休消化率や時間外労働の状況を確認して労働条件の向上に努め、有給残日を消化できるよう配慮しています。また、同一労働、同一賃金の考え方についても検討し、仕事内容を見直し、同一に近づける方向で検討を図っています。職員とは頻繁にヒアリングを行い、悩みごとや相談ごとを聞き、必要に応じて追加採用の検討を具申し、働きやすい環境作りに努めています。

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