かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小田さくら保育園

対象事業所名 小田さくら保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ふたば愛児会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0846
川崎区小田3-17-3
tel:044-280-7922
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および概要
 小田さくら保育園は、川崎市立小田保育園の民営化園として平成30年4月に開設されました。JR南武線小田栄駅下車 徒歩5分、あるいはJR川崎駅、京浜急行本線川崎駅からバス15分小田郵便局前で下車徒歩1分の場所に位置しています。定員0〜5歳児135名で、現在135名在籍しています。周囲は、古くからの商店・民家・町工場、新興住宅、集合住宅、公園などがあります。設置法人は社会福祉法人ふたば愛児会で、系列保育園が川崎区内に当園を含め3園あります。

・特徴
 設置法人統一の運営方針は、「心身共にバランスの取れた健康な子どもを育てます、情操の豊かな子どもを育てます、実行力・集中力のある子どもを育てます、思いやり・やさしさを育てます」とし、園の保育目標は、「自分を大切にできる子、友達を大切にできる子、のびやかな自己表現ができる子、身体を動かして思い切り遊べる子、食べることが大好きな子、草花や生き物、物を慈しめる子」としています。
 専門講師による体育あそびのプログラムや、地域の小規模保育園との交流会、活動としての異年齢交流、食育プログラムなどを楽しんでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.心身ともに健康な子どもを育てる生活体験
 運営方針の一つに「心身共にバランスの取れた健康な子どもを育てます」を掲げています。正月、節分、七夕など季節行事を体験し季節感や文化を享受しています。栽培活動や戸外活動で、四季を感じたり、自然に触れています。夕方も園庭で遊んだり、室内でのリズム遊び、体育遊び、体操教室で体を十分使っています。看護師や栄養士が子どもに健康について分かりやすく、日常的に話をしています。地域住民との交流、小規模保育園との交流保育や、幼児クラスでは縦割りグループで活動し、色々な友達と交流する機会を作っています。

2.皆で楽しむ食育の取り組み
 園庭には、実のなる樹木が多くあります。畑やプランターで、野菜、米、芋などを栽培し、子どもが順番に世話をしています。収穫を皆で喜び、製作や食材として利用したり簡単なクッキングをしています。柿の実が豊富に収穫できた年は、ご近所に配ったり、保護者に自由に持っていってもらいました。毎週、園内に給食クイズが掲示されクラスごとの箱に、回答用紙を入れるようになっています。保護者と一緒に考え、クイズを楽しんでいます。食育計画を年度初めに保護者に配付し、活動の様子を写真で掲示したり、お便りで丁寧に伝えています。

3.一人一人の育ちを把握する努力
 一人一人の子どもの状態を把握し、きめ細かい対応に努めています。入園前面談は園長、看護師、栄養士、担任予定職員と各々個別に行い、細かく情報を聴きとり保育に生かしています。0歳児クラスは連絡帳、個別指導計画のほかに「補助簿」「登降園チェック簿」を活用し、個々の生活パターンや保育の流れが確認できるようにしています。1歳児クラスは、持ち上がりか1歳から入園したか、や月齢なども考慮し2班に分けて活動しています。幼児クラスも発達状況を把握し、場合により、生活の様子や目安を保育日誌に丁寧に記録しています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.中長期計画と事業計画の策定
 理念や保育方針の実現に向けて、運営の改善や日常業務の効率化、改善した事例などから、課題を抽出しています。中長期計画を策定し、課題を盛り込んだ着実な計画の実行、見直しに取り組むことが期待されます。また中長期計画を実現するために、職員が参加して単年度ごとの事業計画を策定実行するとともに、保護者にも事業計画を説明し、理解と協力を得ることが期待されます。

2.次代を担う人材育成計画の整備
 園内研修や、外部研修への参加はありますが、職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準は明文化されていません。また、人材を育成するための計画や、職員一人一人の研修計画はありません。次代を担う人材の育成と資質向上に向け、個々の職員に期待される役割・水準、人材育成の方法などを明文化し、研修計画や職員の自己評価に関連づけた効果的な育成が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・基本理念に「子ども自らが感じ、考え、判断し行動できるよう、生きる力の基礎を培います」「共に育ち育て合いながら、子育てをする保護者の支援を行います」「子どものための地域社会文化の発展を図るよう役割を果たします」を掲げ、子どもを尊重したサービス提供が明記され、全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画に反映し、実施しています。

・日々の活動や遊びで使う折り紙や絵の具の色の選び方や使い方、劇の役割や衣装の選び方などは、職員の考えを強要することなく、子どもたちの個性を尊重し、性差にとらわれずに自由に選べるように支援しています。

・新任説明会資料に、個人情報の取り扱いや守秘義務について明記しています。個人情報に係る書類は、事務所の施錠管理できる書庫で保管し、園外への持ち出しは禁止しています。全職員は個人情報の取り扱いについて、新任説明会で、子どもや保護者のプライバシー保護に関する規定やマニュアルで学んでいます。

・職員は、朝の受入れ時の親子の様子を観察、子どもの着替えの際には体の観察を行い、虐待の早期発見に努めています。虐待が疑われる場合は、状況をスケッチして園長に速やかに報告し、園長が川崎区保健福祉センターやこども家庭センター(中央児童相談所)などの関係機関へ連絡する仕組みがあります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事アンケート、意見箱設置、園全体についての保護者アンケートで、行事や保育内容、満足度などについての要望や意見を把握しています。行事についてのアンケートは、各行事担当者が分析し、職員会議で報告と検討をしています。

・苦情があった場合は、職員間で内容を周知し、検討結果や対応策を保護者にフィードバックしています。苦情や意見はクラスごとにまとめ、「苦情報告書」にファイルしています。また保護者に向けたアンケートで、寄せられた苦情、要望、意見を、一覧表にまとめ、課題、優先順位、対応などを記載し、保管しています。

・職員は、子どもにゆっくりと分かりやすい言葉遣いで話をし、子どもの気持ちを十分聞きとり、要求を把握するように心がけています。3〜5歳児は縦割りで3人ずつのグループ(「なかよし家族」と呼んでいます)を作り、月に2回「なかよし家族」を単位とした活動や集団遊び、お店屋さんごっこなどをする「なかよし会」と月1回「なかよしリズム遊び」を実施しています。

・子どもの年齢、状況に合わせ、保護者と連携して、手洗い、うがい、食具の使い方、おむつはずしなど、基本的生活習慣が身につくようにしています。

・園庭遊び、戸外遊びで固定遊具、ボール遊び、縄跳びなど、体を動かして遊んでいます。低年齢児クラスでは、室内で、マットを積んだ山登り・リズム遊びで、幼児クラスでは、リズム遊び・体育あそび・体操教室で体を動かす活動をしています。室内用鉄棒や、傾斜版、巧技台、マット、バランスを取りながら歩く台などを用意して、遊ぶこともあります。

・子どもが食事に対して意欲的に楽しめるよう、職員は無理強いしたり、全部食べさせるようなことはしていません。子ども自身で食べられる量を伝えたり、多めあるいは少なめに盛ってあるお皿を選ぶこともしています。

・保育参加、保育参観の折に、保護者が試食できる機会を設けています。野菜を栽培している様子や、クッキング保育の様子を写真にとり、室内に掲示したり、お便りに載せています。

・看護師が、毎月幼児クラスで健康教育を行っています。手洗いの大切さ、夏場や感染症のはやる時期に注意すること、早寝早起きのこと、夏場のプール時期に合わせてプライベートゾーンについてなどを伝えています。職員は、年齢・発達に応じて、遊ぶ前や活動前、園庭遊びの前などに、注意することやルールを伝えています。

・健康診断は、0歳児クラスは毎月、1歳児クラスは2か月に1回、2歳児以上は、3〜4か月に1回実施しています。歯科健診は年2回実施しています。健診結果は健康診断記録表と「すこやか手帳」に記録し、保護者には口頭で伝えています。医療機関の受診が必要と思われる場合は、「すこやか手帳」を保護者に渡しています。

・0歳児クラスでは、日ごとの個別一覧表「補助簿」「ひよこ登降園チェック簿」も活用しています。「ひよこ登降園チェック簿」は朝受け入れチェック欄、受け入れ時連絡事項、体調、夕方連絡事項、降園チェック欄があり、一人一人の生活パターンに応じ、きめ細かい対応をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・サービス内容を具体的に記載した「入園のしおり」「重要事項説明書」を入園前説明会で配付し、サービス内容、延長保育利用料、食事代、教材費などを説明し、
持ち物、準備するものは、実物を見せて説明しています。個人面談では、園長、保育士、看護師や栄養士が順番に個別面談し、保護者の質問に答えています。

・子どもや保護者の不安を軽減できるよう、入園前個人面談で5日程度の「慣れ保育」について説明しています。1日目は保護者と半日一緒に過ごし、2日目以降は、半日、午睡前、午睡明け、夕方までと、徐々に園での生活時間を延ばしていきます。

・入園前に保護者に川崎市統一書式の「児童票」「健康記録票」、園指定書式の「健康診断記録表」「入園時健康チェック表」「給食個人面談記録」「離乳チェック表」「生活時間しらべ」「ライフカード」を記入後提出してもらっています。入園後の心身の発達状況は、児童票の「保育経過記録」に記載しています。

・子どもに関するサービス実施状況は、個別連絡ノート(0〜2歳児クラスで複写式連絡ノートを利用)、0歳児補助簿、登降園チェック簿、個別指導計画、児童票の記録記載欄、週日指導計画・日誌、午睡時の呼吸チェック表、今週の活動記録(幼児クラスで利用)に記録しています。

・各クラスの担当職員は、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。全体的な計画は園長が作成しました。各指導計画は統括主任が確認をして、最終責任者は園長としています。

・危機管理、事故対応、救急法、不審者対応、感染症などに対応するマニュアルを整備しています。災害時の役割を決めた「自衛消防隊編成と任務表」「避難誘導職員分担表」を作成し、「避難経路」「川崎市ハザードマップ」とともに、園内に掲示しています。

・保育室内は、押し入れ、物入は作り付けの引き戸、子ども用ロッカーは作り付けになっています。子ども用の防災ヘルメットを保育室物入に準備しています。非常時には、保護者に、園から一斉メールを送信するほか、災害時安否確認のアプリケーションソフトを利用します。

・園内に設置の「安全管理チーム」「防災訓練チーム」「交通安全チーム」「園庭・外倉庫係」など各部会で、保育活動時や園内外設備などの安全確保について、点検や話し合いをしています。月に1度「安全チェックリスト」をもとに、保育室内の安全点検を行い、安全管理チームがとりまとめています。

4 地域との交流・連携

・園のホームページに、園の特徴、運営方針や行事予定を掲載しています。園の行事案内、地域の子どもたちにペープサートや職員の劇を発表する「おひさま劇場」や、職員を派遣している、こども文化センター主催の「すくすく子育てランド」などの案内を、園入口の掲示板に掲示しています。

・園見学時は、運営理念、園目標の説明後、園内見学と育児相談を、園長・統括主任が行っています。園の行事として地域の未就園児向けの「お楽しみ会」、「おひさま劇場」開催の他、川崎区役所・小田地区の母親クラブ・子ども文化センターと園が連携して開催している「すくすく子育てランド」に職員を派遣しています。

・園長は、川崎区認可保育所長会議、川崎市社会福祉協議会代表園長会やブロック園長会、幼保小連絡会などとのネットワークに参加して情報交換しています。統括主任や看護師は、それぞれ川崎区認可保育所主任会議や看護師連携会議に参加して、情報交換しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の基本理念、運営方針、保育目標が、入園のしおり、パンフレット、全体的な計画に記載されています。基本理念、運営方針が、玄関に掲示してあります。

・園長は、職員会議で日々の保育で気になることや「子どもが食べる量を決める、ということはどういうことが」などを問題提起して、職員が基本理念や保育目標を理解しているか再確認しています。

・基本理念、運営方針、園目標の実現に向けて、年間行事予定、年間保健計画、食育年間計画などを策定しています。組織体制の整備、職員体制、人材育成などの現状分析を開始しています。組織体制整備の一環として「報告・連絡・相談ルート」を整備しています。設置法人向けの単年度の事業計画を策定しています。

・設置法人は、経営や業務の効率化に向けて税理士、社会保険労務士と契約して、人事・労務・財政面から分析を行っています。園長は、園の人事・労務・財政面の事務的業務担当の事務長を配置し、業務の効率化・改善を図っています。

・川崎市の基準に従い民間移管2年目に、川崎市の第三者評価基準に基づいて、自己評価をし、第三者評価を受審しています。

・第三者評価の結果については、評価機関の結果にも基づいて、園長、統括主任、主任、看護師で検討し、職員会議で話し合い、改善に向けて取り組む予定です。なお昨年度は、川崎区、保護者と園の三者会議を開催し、園運営に関する課題を抽出し、改善の重要度・優先度を判定して、改善策を立案・実行しています。

・園長は、サービスのコストや利用者数の推移、利用率について、設置法人の理事会に報告し、法人が分析・検討を行っています。川崎区こども家庭課から、潜在的利用者などの情報を得ています。一時保育利用者の伸び悩みが、経営的な課題として認識しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人は、国及び川崎市の保育所職員配置基準に準拠した人員を配置し、設置法人内認可保育園での勤続年数、他法人の認可保育園での勤続年数を鑑みた処遇を考慮した人事管理を行っています。

・職員に配付している一般財団法人川崎市保育会発行の手帳には、職員に求める基本的姿勢や意識を明示しています。個別の職員の現状の技術水準、知識、専門資格は、園長・統括主任・主任が把握しています。

・職員は研修終了後、研修報告書を作成し、研修報告会で研修内容を報告後、研修資料と一緒にファイルに綴じ、いつでも職員が閲覧できます。職員は研修成果や、クラスの保育で実践して保育に役立つのかを評価・分析した実践結果を、職員会議で報告しています。

・統括主任は毎月、職員の有給休暇取得状況や時間外労働のデータをチェックし、職員一人一人の勤務状況を把握し、園長に報告しています。分析・検討結果から、「業務内容によって、仕事の配分に偏りがある」ことが判明し、職員会議で話し合い、業務分担の再振り分けを行っています。

・園長は、職員と年1回以上個人面談を行い、職員の意向や意見を把握しています。また日常的にも相談しやすいように配慮しています。職員の希望で、設置法人と契約している社会保険労務士や税理士と、メンタルヘルスなどについて相談できる体制が整備されています。

・実習生受け入れのマニュアルの整備を、検討中です。検討中のマニュアルには、学校との連携、実習における責任体制、学校・実習生の要望に沿った実習が行えるよう体制を盛り込む予定です。

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