かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たんぽぽ保育園(2回目受審)

対象事業所名 たんぽぽ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社いそべ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山5-40-15
tel:045-633-4141
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 株式会社いそべ経営のたんぽぽ保育園の本園は、東急東横線大倉山駅から徒歩9分、太尾神社バス停近くにあります。平成25年4月に横浜保育室として設立、2年後の平成28年に3歳児までの保育所として認定を受け、平成29年に分園を設立しました。
 本園には0〜2歳児30名(定員30名)が在籍しています。園舎は木造平屋建てで、南向きで日当たりが良く、広い縁側を多目的に活用しています。園庭は狭いながらも泥んこ遊びなどの土の感触を十分に楽しめる空間となっています。
 分園は本園のすぐ近く、道路を挟んで1分程の所にあり、現在3〜5歳児が(定員39名)が在籍しています。園舎は2階建てで1階には保育室、縁側、2階に事務室、図書室、テラスがあり、テラスはプール遊びなどに使用しています。保育園は地域の防災一時避難場所(スーパーマーケットの駐車場)に隣接しています。また、大倉山梅林や鶴見川に近く、広い公園が多くあり、自園の畑も分園の近くにあって、自然と触れ合うことのできる環境にあります。
・園の特徴
 保育理念を「子どもを真ん中に」とし、保護者・保育者・保育園・地域が連携して子どもたちを見守っています。職員の主体性を大事にし、得意分野を生かす保育を展開しています。インストラクター資格を持つ職員による体操教室、プロ活動をしている職員による音楽集会などを年4回行っています。近くに畑があり、幼児を中心に野菜の植え付け、収穫をしています。子育て支援として、「土曜ひろば まちの縁側」をいつ来てもいつ帰ってもいい場所として地域に開放しています。また「赤ちゃん広場」を年10回開催しています。

【特に優れていると思われる点】
1.子ども主体の活動、遊びを展開
 職員は子どもたちのやりたい気持ちを尊重して援助し、時間でせかしたりせずに、できる限り見守っています。子どもたちの興味、関心、発想を大切にし、職員は意図を持ってさりげなく物を準備しています。  5歳児は、自分たちで話し合って行事を作っていくことを楽しんでいます。お泊り保育ではお風呂を作ったりナイターごっこをするなど自分たちでプログラムを考えて取り組み、遠足ではしながわ水族館への行き方の路線図や魚の図鑑を入れてパンフレットを作成しました。また、「お店屋さんごっこをしたい」と、夏前から作りためておいたアイスクリーム、チョコバナナ、かき氷を使い、ゲームコーナーややぐらを作って、11月には分園のお祭りごっこ「はりがねまつり」を開催しました。本園の0〜2歳児を招待して、自分たちで司会進行も行いました。子どもたちは、友だちと一緒に遊びを作りだす時に、協力して作ることや、自分の意見を言うだけでなく、友だちの意見を聞いてみんなで力を合わせて取り組み、子どもたち同士で達成感を味わう、その力を大切に育んでいます。
 *は…はりきりの「は」、り…りんりんこころおどるの「り」、が…がんばり「が」、ね…ねえねえ みんなおいでの「ね」

2.ポートフォリオやドキュメンテーションを用いて保育の質を高める取り組み
 職員は日々ポートフォリオ(子どもの保育園での遊びや生活の様子を写真に撮って記録したもの)を見ながら、自らの保育を振り返り、ドキュメンテーション(保育園での様々の場面を映像化、文章化、音声化、動画で記録したもの)を用いて、振り返りを行い、子どもへの観察力を高めています。保護者に向けて、保育室の入口にドキュメンテーションを掲示し、年2回のクラス懇談会でもドキュメンテーションを使って日頃の保育内容や目的をわかりやすく説明しています。全体の振り返りでは、ドキュメンテーションを使って各クラスの良いところ、課題を話し合い、本園、分園で相互の保育を共有し、保育の質を高めています。

3.土曜ひろば、赤ちゃんひろばで地域交流
 地域の子育て家庭に向けて、毎週土曜日9時半から12時半まで「土曜ひろば まちの縁側」を、いつ来てもいつ帰ってもいい場所として地域に開放しています。子育て相談、交流の場として、味噌づくりや炊き出し訓練、リースづくりなどを行い、多くの地域の保護者や子どもが参加しています。また、年10回程、平日に開催している「赤ちゃんひろば」や0〜2歳児の保護者を対象にした保育見学コース、地域子育て支援拠点「どろっぷ」と連携して第一子妊娠中の家庭に向けた「ちょこっと育児体験」では、保健師・看護師・助産師などの資格をもった職員が相談を受けるなど、幅広い地域子育て支援活動に取り組んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.昇給や昇格に関する人事基準の明確化
 人材育成プログラを作成し、職員に配付し説明していますが、階層別に昇格などについては周知していません。昇進や昇格に関する人事基準を明確に定めて、職員に周知することが望まれます。

2.年間個別研修計画の作成を
  人材育成計画プログラム、人材育成キャリアアップ計画を作成し、職員に配布しています。研修計画は、園長、事務局長が計画し、職員は内部研修、外部研修に積極的に参加していますが、職員一人一人の個別研修計画は作成されていません。キャリアパスを見据え、職員の経験、習熟度に応じた体系的な年間個別研修計画を作成し、実施していくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念を子どもの育ちの場として「子どもを真ん中に」とし、保護者・保育者・保育園・地域が連携して子どもたちを見守っていくことを第一義としています。子どもの生活では「遊・食・眠」という基本生活を主軸に実践しています。保育理念・保育方針は3月の全体職員会議で冊子「たんぽぽ保育園の保育」を基に確認し合い、職員は理解しています。

・園内研修で、保育中の言葉や虐待について話し合い、日頃の保育を振り返って自分の発する言葉について考える機会をもっています。全職員が子どもの人権を尊重することの大切さを認識し「保育者は子どもにとって人的環境である」ことを確認しています。

・保育室の少し窪んだスペースは、子どもが集団から抜けて一人で過ごせる場所になっています。気持ちを落ち着かせたり、職員と1対1で話をしたり、みんなといたくない時や、泣きたい時に気持ちを落ち着ける場所があります。

・守秘義務の意義や「個人情報取扱ガイドライン」について、3月の全体職員会で
説明して全職員に周知しています。職員は入職時、誓約書にサインをしています。保護者には入園説明会で説明し、面接時に許容範囲を一人一人の保護者に確認しています。個人情報を含んだ全ての書類・カメラ・データは鍵付きの保管庫で管理しています。

・行事の役割・持ち物・服装、整列、順番、グループわけなど性別で行っていま
せん。職員は家庭によって保護者の役割は違うことを認識し、不適切な言葉を使ってしまった時は、振り返りの会議で話し合っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの伝えたい気持ちや思い、やりたいことを子どもの表情やしぐさから丁寧に読み取り、子どもの気持ちに寄り添うことで信頼関係を築き、一人一人が安心して遊べる環境作りをしています。

・子どもの目線に合わせた高さの低い棚があり、おもちゃや本を子どもが自分で取り出したり片づけたりできるようにしています。年齢に合わせた手作りおもちゃを豊富に用意しています。廃材や紙、鉛筆、セロハンテープなどを自由に取り出して使えるようにしています。子どもの遊び方に合わせて棚を動かしてコーナーを作り、子どものしたいことに合わせて遊べる環境を作っています。外遊びを十分にして「遊びきる」ことを大切にしています。

・常に子どもたちに「どうする?」を問いかけ、どこでどんな遊びをしたいのか、子どもたちの希望に合わせて遊びを展開しています。子どもたちが安心した人と場所の中で五感を育むことを大切にし、子どもが主体的に遊べるよう、小さい園舎と園庭、地域の豊かな自然を上手に使っています。3〜5歳児は遠くまで散歩に出かけ、帰りはバスや電車で帰る、しながわ水族館に行くなど、多くの体験をしています。

・子ども同士のケンカの際、職員は丁寧に見守り、相手の気持ちを聞けるように仲立ちしたり、相手の気持ちに気づくような言葉かけをしています。

・「おいしく楽しく食べる」をモットーとし、季節の食材を使い伝統的な食事を提供しています。発達に合わせて自由な道具(スプーン、箸)を使って食べます。0、1歳児の懇談会には栄養士も参加して、離乳食や幼児食のポイント、柔らかさや量などについて話をしたり、個別の相談に対応しています。

・一人一人の排尿間隔を把握し、パンツにする時期や便器に座ってみる時期は保護者と相談して進めています。

・保護者からの相談は、園長室や図書室などプライバシーを守れる場所で受け、園として対応できる体制になっています。記録も残しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画で大事にしたいことは、本園(0〜2歳児クラス)では「安心できる保育園生活、一人一人が大事であること、友だちと一緒が楽しいこと」、分園(3〜5歳児クラス)では「豊かな経験・集団が楽しい、集団で育つ、自分の表現が楽しい、自立と自律の育ち、学びの姿勢」とし、子どもの最善の利益を第一義にしています。

・個別指導計画は0〜2歳児、配慮の必要な子どもは毎月、3〜5歳児は3か月ごとに立てています。指導計画の振り返りは、保護者の意向も聞いた上で、多職種の入った職員会議で話し合い、次期の計画に反映しています。

・配慮を要する子どもへの対応が適切にできているかを職員会議で話し合い、記録しています。インクルーシブ保育研究会に参加し、特別支援の必要な子どもの保育についてアドバイスをもらい全職員が共有しています。

・0、1歳児までは主担当者を決め、0〜5歳児まで連絡ノートを使用して園と家庭の様子を丁寧にやり取りしています。

・本園、分園は車椅子で園内に入れるようスロープになっています。障がいのある子と自然に関わり合い、助け合えるように支援しています。

・虐待の研修を行い全職員に周知しています。職員は子どもの着替えの時や表情などに気をつけ、虐待が明白になった時は園長が関係機関と連携を図ります。

・食物アレルギーのある子どもの保護者と常に連携をし、除去食を提供しています。職員はアレルギー疾患に関する外部研修を受講し、知識を得ています。

・苦情の受付方法については、入園のしおりに明記し、入園説明会や全体保護者会で説明しています。第三者委員に苦情の相談ができる事も説明・掲示しています。
苦情・要望があった場合は、経過や結果について職員会議で説明しています。園単独では解決困難な場合は、弁護士や港北区こども家庭支援課など相談機関と連携体制があります。過去の要望・苦情はファイルに保存しています。

・マニュアルに基づいて健康管理、衛生管理、感染症対策などを行ない、子どもたちの健康状態の把握や内科健診、歯科健診の受診や感染症対策などを行なっています。

・安全管理に関するマニュアルに基づいて乳幼児突然死症候群(SIDS)への対応と記録をしています。地震等を想定し、壁際の家具はビスで固定して転倒防止策を講じています。毎月様々な想定をした訓練を実施しています。本園にAEDを設置し全職員がAEDの使用方法についての訓練を受けています。

・子どものケガについては、担任が施設日誌にどのような様子であったかを記入し、お迎え時に保護者に適切に説明し、事故報告書に基づいて週末会議や職員会議で再発防止策について検討し、全職員に周知しています。

・不審者対策として、出入り口は電子ロックを使用しています。警備会社とも契約し、何かあったら駆けつけてもらえる仕組みになっています。

4 地域との交流・連携

・「土曜ひろば」を毎週土曜日に行い、年10回程平日に開催している「赤ちゃんひろば」や0〜2歳児の保育見学コースを設けたり、港北区地域子育て支援拠点どろっぷ主催の、第一子妊娠中の家庭に向けたプログラム「ちょこっと育児体験会」をたんぽぽ保育園で開催しています。保健師・看護師・助産師などの資格をもった職員が相談を受たり、交流の場として提供しています。

・全体職員会議で、子育て支援サービスの取り組みについて話し合っています。園
長が子育て支援拠点で「遊びのマイスター」「わらべうた」などの講座を行ったり、港北区わくわく子育て広場・中部エリア地区で「にこにこ子育て広場」を近隣の保育園と協力して行っています。また、近隣のスーパーの駐車場で手作り凧揚げ会を行い、小学生夏休み講座として布草履作りを開催したり、港北区近隣保育園の保育士に向けて「手作り工作講座」や近隣福祉施設職員に「バルーンアート教室」を行うなど、地域の保育専門職の質のアップをする為に貢献しています。

・町内会の踊りの方に踊りの指導を受けて町内会の盆踊りに参加しています。小学校とは一年間の連携計画を立て、お楽しみ訪問、学校案内などを行っています。ハロウィンで子育て支援拠点どろっぷや保護者のお店、民生委員などの地域の方を訪問したり、子どもたちが隣のスーパーに買い物に行ったり、花屋に球根を買いに行ったりして交流をしています。

・ボランティア受け入れマニュアルがあり、小学生、中学生、高校生のボランティアを受け入れています。

・園のホームページや園のパンフレットに情報を提供しています。保育園のしおり、パンフレット、ホームページなどで保育方針、サービス内容、保育時間、職員体制等を詳しく記載し、見学時に園長や主任が説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の基本方針や利用条件・保育内容についてパンフレット、入園のしおりに記載しています。

・8月に半期の振り返りを行い、職員は自己評価を発表し、クラスの良い所や課題を話し合っています。1月にクラスの振り返りを行い、3月に園全体の振り返りを行っています。年度末に自己評価を総括して、玄関に掲示しています。

・職員の守るべき規範については就業規則に明記し、職員に周知しています。経営、運営状況は運営委員会で伝え、意見をもらっています。他施設で起きた不正事例を基に研修を行い、不適切な行為を行わないように意識を高めています。

・経理規程があり、職員は周知しています。税理士、社会保険労務士から運営上の指導、助言を受けています。

・重要な事項を決定する場合は、職員には職員会議で、保護者には保護者会で変更内容やこれからの方向性について説明し、理解してもらっています。

・単年度の計画は短期目標として令和1年は「0〜6歳まで見通しのある保育を運営する」としています。次世代の様々な保育運営方法を幹部が学び、職員に伝え、検討しています。

6 職員の資質向上の促進

・人材育成キャリアアップ計画を基に幹部職員を計画的に育成しています。たんぽぽ人材育成計画、人材育成キャリアップ計画を作成し、年度初めに園長と事務局長で研修計画を作成し、年度末に職員の自己評価を行い、園長と事務局長で個人面談を行い、目標の達成度、来期への希望、要望等について話し合っています。

・全職員に業務マニュアルを配布しています。保育業務は常勤職員と非常勤職員の組み合わせを配慮して行っています。

・実習生受け入れマニュアルが整備されており、保育園の特徴的な取り組みについて実習生と話し合い、毎日振り返りの時間をもっています。

・8月にドキュメンテーションやWEBを用いて半期の振り返りを、1月にはクラスの振り返りを、3月には全体の自己評価を行い、全職員で確認し合っています。保育研究会で学び、横浜市公開保育の見学や他園の見学に行き、職員の資質を高めることに努めています。大学の先生に保育実践を見てもらい指導を受けたり、連携園と交流保育を行い、意見を交換しています。

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