かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

認定こども園捜真幼稚園(2回目受審)

対象事業所名 認定こども園捜真幼稚園(2回目受審)
経営主体(法人等) 学校法人捜真バプテスト学園
対象サービス 児童分野 認定こども園
事業所住所等 〒 221 - 0804
神奈川区栗田谷42-43
tel:045-323-1676
設立年月日 1955年06月20日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 認定こども園捜真幼稚園は昭和30年に捜真バプテスト教会付属幼稚園として創立され、昭和53年に学校法人捜真バプテスト学園の設立に伴い学校法人立幼稚園となりました。平成25年4月1日より幼保連携型認定こども園として認可を受け、7年目を迎える園です。1歳児から就学前児童を対象とし、定員は165名で現在164名が在籍しています。園は横浜駅西口から横浜市営バス50系統で約15分、県営栗田谷住宅前下車徒歩1分の小高い丘の上の自然に恵まれた閑静な住宅地にあり、キリスト教に基づく、「喜び、祈り、感謝する生活」をスクールモットーとしています。

・認定こども園、園の特徴
幼保連携型認定こども園として1歳児から就学前児童の保育と幼児教育を担い、3〜5歳児クラスは、教育標準時間(9:00〜14:00)に1号認定・2号認定の子どもたちが一緒に保育・教育を受けています。
1号認定:教育を希望する3歳児以上の子ども
(一時預かり保育・月ごとに申し込む預かり保育利用含む)       105名
2号認定:保育を必要とする3歳児以上の子ども             42名
3号認定:保育を必要とする3歳児未満の子ども(1、2歳児)       18名

保育時間
1号認定は月・火・木・金は9:00〜14:00、水曜日は9:00〜11:30
夏季・冬季・春季休業があります。
2号・3号認定、1号認定のうち預かり保育利用の場合は月〜土曜日7:30〜18:30です。園では1号・2号認定の14時以降の保育を、「わくわく保育」とよんでいます。

幼保連携型認定こども園としての特徴
教育基本法、認定こども園法に基づき運営される「学校」という観点から、1年を3学期に分け、園内で教育・保育などに携わる職員を「教職員」とし、教師会(教職員会議)、学年会と呼んでいます。毎年学校評価を行い、また、進学する小学校には「幼保連携型認定こども園教育保育要領」を提出しています。

給食・午睡
給食調理設備の関係で、3号認定の1、2歳児クラスは全員内給食(園内調理の給食)、3〜5歳児クラスは弁当持参か外給食(業者委託弁当)を保護者が選択し、週1回は学年全員で、給食で同じものを食べる日を設けています。
3〜5歳児の1、2号認定利用は、基本的に3歳児の希望者のみ昼食後に1時間弱の午睡をしています。

地域の子育て支援センターとしての取り組み
地域開放子育て支援プログラム「ひかりの子」を行っています。
内容は、未就園児のための園開放、子育て相談、0歳児対象の「ベビークラス」、出産を控えている母のための会「マタニティークラス」、親子で参加する体験入園「ジョイジョイ」などがあります。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性や興味・関心を引き出すための工夫 
 園内全体を遊びの場ととらえ、子どもたちは自分の興味がある場所やテーブル、コーナーなどで折り紙やままごと、警察ごっこ、ファッションショー、パズルなど好きな遊びを選んで遊び込んでいます。部屋ごとに置いてある「遊びの日誌」にはクラスに関わらず誰が何をして遊んでいるかを記載しています。教職員は子どもの興味の変化をとらえ、遊びの環境を変えるようにしています。体の構造、働きに興味を持った子どもたちが「からだけんきゅうじょ」を作り、教職員は相談という形で様々な質問を投げかけたり、アイドルグループごっこからアイドルグループを結成し、子どもたちが自主的に作詞、作曲した曲を、教職員が楽譜に起こし一人一人レコーディングをし、CDデビューするなど、子どもが自主的に○○をしたいという気持ちを引き出し、豊かな発想を実現できるように援助しています。また、クライミング、縄跳び、雲梯、けん玉、フラフープなどの「遊びカード」を作成し、子どもが一つの遊びにどれくらい取り組んだか目に見えるようにして、子どもたちが意欲的に取り組めるようにしています。

2.全教職員が連携を密にし、子どもの姿を捉えることを大切にする姿勢
 1日に3回行われるミーティングで朝の受け入れ時の申し送り、遊びの報告、個々の育ちについて振り返り、日々の子どもの姿を話し合う体制があります。話し合いで子どもが何を感じていたか、どのように変化していったか、子どもたちにとって何が大切かなどを全職員が具体的に理解し、共有できるようにしています。また、その日の子どもの状況に応じて計画を見直し、柔軟に変更を行っています。また必ず遅番教職員の1人は午前・午後のミーティングに参加し、朝の受け入れ時から降園までの子どもたちの様子を把握できるようにしています。

3.保護者の自主的な活動への援助・連携
 保護者の自主的な活動としてPTA組織があり、園は会議や行事、自主活動などでPTA図書室、教会ホールなどを提供しています。卒業生、在園児の保護者で構成される「トムソーヤプロジェクト」では園のロッカーやピザ窯を製作し、今後はツリーハウスを作りたいと計画しています。「うたいましょう」「つくりましょう」「ならいましょう」、お母さんと子どもの会、お父さんと子どもの会、刺繍の会などの会があり、教職員は要請があれば参加しています。父親懇談会では父親ならではの悩みを話し合い、交流を深めています。副園長がPTA組織の担当を担い、常にコミュニケーションをとりながら、園の活動が円滑に進むよう協力体制を整えています。
 
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者に意見や要望を表明できる複数の窓口があることの周知を
園の運営規定には意見・要望の申出窓口として「副園長、主幹保育教諭が対応し、理事長、園長、第三者委員会にて、協議の上返事をする」と記載されており、第三者委員を交えて対応する仕組みについては保護者に周知していますが、第三者委員に直接苦情を申し出ることができる仕組みについては説明が不十分です。第三者委員の氏名や連絡先は意見箱の側面に記載されていますが、字が小さくわかりづらいものになっています。また、第三者委員や福祉サービス運営調整委員会などの権利擁護機関など、苦情解決窓口が複数あることを保護者に周知することが期待されます。
2.全教職員に虐待の定義についてさらなる周知を
 教職員は新任研修や外部研修で虐待の定義について学んでいますが、非常勤職員を含む全員に周知されているとはいえません。全教職員が定期的に園内研修などで「虐待の類型」や「早期発見のポイント」について学ぶとともに、様々な虐待につながる事例などについても学びあい、同じ認識を持って虐待の防止に取り組むことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の教育理念は「園に集うもの皆が、自分が神様に愛されているかけがえのない存在であることを知り、自分と周りにいる人を大切にし、喜び、祈り、感謝する生活を通して、共に生きていこうとする力を育てます。」とし、子ども本人を尊重したものになっています。

・キリスト教保育の根幹である「大人に対して失礼なことを子どもに対してしてはいけない」という精神を全教職員で認識し、保育に携わっているため、子どもの人格尊重を意識しています。

・クラスを4人担任制としているため、子どもに対する対応で気になる場面があった場合、教職員同士で注意しあう環境が作られており、せかしたり強制したりすることがないようにしています。

・ままごとハウス、基地、パーテーションで囲まれた場所など、子ども自身が見られていないと感じることができ、友だちや教職員の視線を意識せず過ごせる場所が多々あります。

・父母の役割を固定的にとらえた話し方をしてはいませんが、「お母さんと子どもの会、お父さんと子どもの会」を、保護者の意見により存続させています。園としては、人としてのカテゴリーの一つとして、子どもが自分の性を分かっていた方が良いと考えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画に基づき、学年会で子ども一人一人の発達段階を話し合いながら、前年度、前月、前週の振り返りを踏まえた年間指導計画、月間カリキュラム、月・週・日案を作成しています。作成にあたっては子どもの興味・発達状況をよく観察し、主体性や自主性を大切にしながら、指導計画を柔軟に変更しています。

・1、2歳児には個別の連絡帳があり、その日の子どもの健康状態を記入し、園での様子は毎日アプリで保護者に知らせています。3歳児以上は月に1回アプリで保護者に知らせています。

・1歳以上3歳未満児の保育では、子どもの体調や安全に配慮しながら、やりたい気持ち、意欲を受け止め、おもちゃや絵本を自ら選んで遊べるように見守っています。子どもが困難を感じた時にはさりげなく援助し、子どもが達成感や満足感を感じられるように心がけています。

・3歳児保育では、新しい環境の中で、教職員と関わりながら親しみと安心感を持ち、子ども一人一人が興味を持った活動を教職員と一緒に行ったり、1人で挑戦し、やり遂げる喜びを感じられるようにしています。

・4歳児保育では、教職員や友だちと触れ合って遊ぶ楽しさを感じられるように努めています。様々な体を動かす遊びを楽しみながら、自分でやってみようとする気持ちを大切にしています。基本的な生活習慣や態度を身に付けられるようにしています。

・5歳児保育では、倉庫に遊具をしまう、砂場に網をかける、昼食時の司会などの当番活動や、どろけい、氷鬼、大縄跳びなどルールのある遊びを学年や異年齢で体験し、友だちと協力して一つのことを成し遂げる楽しさを味わっています。また野菜の栽培、生き物の世話、クッキングなどをする中で、豊かな感性、思考力などを培っています。

・食育計画の中で子どもたちの要望や興味から頻繁にクッキングが行われ、食事や料理の過程に関心が持てるようにしています。みそ、子どもたちが栽培した野菜を使ったみそ汁、クッキー、梅ジュース、園庭にあるフキを摘んできて作る煮物、フルーツポンチなどを作っています。

・散歩や園庭遊びではかけっこ、鬼ごっこ、縄跳び、斜面登りなどをしています。室内でも鉄棒、クライミング、縄跳び、マット、ゲームなど、遊びながら十分に身体を動かすことができるようにしています。

・園では一斉活動を自由遊びの時間を楽しく遊ぶための準備活動として位置づけ、フルーツバスケット、手つなぎ鬼、いす取りなど簡単なルールの遊びなどを年少クラスの時に行い、縦割りグループ活動に繋げています。

・縦割りグループで活動する中で年長者が年少者にルールを教えたり、年少者が年長者を見て自然にルールを覚えていくなどして、伝言ゲーム、福笑い、ビンゴゲームなどより高度な遊びが年齢に応じて、楽しく行えるようになっています。

・子どもが園内の遊びを自由に選び、興味関心を引き出せるように心がけ、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を念頭に置いた遊びの環境を整備しています。

・保護者は相談したい内容によってクラス担任(4人)園長、副園長から、相手を選んで指名することができるようになっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保護者に「家庭生活調査票」、必要に応じて「アレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、生育歴や家庭の状況を把握しています。入園後に把握した個別の状況、家庭訪問・個人面談記録、健康診断票と共に個別にファイルしています。全園児は毎月発達状況を確認し、個人記録に記録しています。

・新入園児については招集日、家庭訪問などで、子どもについて気になる事柄を確認しています。アレルギーなど確認された事柄は「疾患児対応の計画」に沿って保護者、教職員、調理師で話し合い、「取り組みプラン」を計画し、チェック体制を整備した上で、除去食を提供しています。重症度の高い乳アレルギーの子どもへの対応として、全園児に牛乳の提供をやめるなどの対応をしています。

・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があり、受け入れています。月1回の学年会、日々のミーティングなどで配慮点や関わり方が適切かどうか話し合い、学年会の記録に記録しています。

・統合保育のため、障がいのある子どもも自分の興味のある遊びを見つけ、他の子どもたちと自然に関わり、互いに育ち合うことを大切にしています。

・子どもが歯磨きの大切さを知り、進んで歯磨きをするように、歯科健診の際などに歯科医や歯科衛生士による歯磨き指導を行うことが望まれます。

4 地域との交流・連携

・地域子育て支援プログラム「ひかりの子」で、子育て相談を行い、参加者に年1回アンケートを行って園への要望を把握しています。

・近隣の小、中、高、大学との連携を積極的に行っています。中学生の職業体験、文化祭への招待、ボランティアクラブの来訪、大学生による野球やロッククライミングの指導など多岐にわたって交流しています。

・認定こども園のパンフレット、募集要項、ホームページは毎年更新し、園の情報を提供しています。また、園の情報を神奈川区地域子育て支援拠点「かなーちえ」に置いたり、自治会の回覧板、幼稚園情報誌などでも園の情報を提供しています。

・東部・西部地域療育センター、神奈川区こども家庭支援課、園医などと日常的に連携しています。

・実習生の受け入れは3校と提携しています。それ以外の実習生は卒園生を受け入れています。受け入れにあたり、実習生の学校からのカリュキラムに沿って学生の希望に添えるようプログラムを工夫しています。

・地域支援事業に卒業生の保護者が地域支援事業を担い、地域に目を向け、地域で活動ができるよう支援しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・教職員が守るべき法・規範・倫理などは、就業規則や倫理規定に明文化されており、入職時に園長が教職員に説明しています。改定された場合は、全教職員に配布し、教師会で説明しています。

・教職員の自己評価を基に園の自己評価を行い、園としての自己評価、学校関係者評価、保護者評価、理事・評議員会での評価を園だよりやホームページで公表しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の教育理念、教育方針に基づいた人材育成計画があり、規程集に配置や昇進・昇格などに関する人事基準が示されており、入職時に園長が説明しています。

・研修担当者は園長とし、職員の研修ニーズにも配慮した研修計画を作成しています。聖書、保育、基礎、新任などの園内研修を定期的に行っています。

・教職員は年2回自己評価を行う中で課題を導き出し、園長との個人面談でアドバイスや指導を受け、次年度の課題を明確にして、それぞれ取り組んでいます。

・現場にいる教職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り、権限を委譲しています。園長不在時は副園長が代行し、状況に合わせた判断・処理を行い、園長に連絡することで最終的な責任を明確にしています。

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