かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

保育園コスモス

対象事業所名 保育園コスモス
経営主体(法人等) 株式会社 秋桜
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 243 - 0038
厚木市愛名31-12
tel:046-248-1919
設立年月日 1998(平成10)年01月06日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 保育園コスモスは、株式会社秋桜が厚木市に運営する民間認可保育園で、定員36人(現在35人在籍)の小規模園です。本園は平成7年7月(1995年)にベビシッター事業として開設し、平成10年(1998年)に託児所、平成14年(2002年)に認定保育室、平成27年に認可保育園と歩みを進めてきた保育園です。厚木バスセンター(小田急本厚木駅)からはバスで15分ですが、園の近隣に20台駐車できる広い駐車場が登降園時には利用でき、ほとんどの仕事を持つ保護者は、自家用車で送迎しています。園の周辺には、大企業の工場、研究所が多数進出しており、大型ゴルフ場などもあり、この地域に居住する保護者の職場に近い場所として、便のいい場所に園は立地しています。

・園の特徴
 本園はベビーシッター事業でスタートした保育精神「乳幼児期は人格形成に最も大切な時期」を現在までも引継ぎ、小規模園という利点を生かし、「子ども一人一人と一対一で関わり合いを持ち、不足しがちな愛情を保育で補う」を旨として、保育を進めています。近隣に畑を借りて、子どもたちが野菜を育て食育に生かしています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもたちが立てた「ザリガニ捕獲・飼育作戦」
自然環境を生かし、子どもたちが興味を持ったことを育てています。園の周辺には田んぼが多く、ザリガニが生息しています。子どもたちは生態を図鑑で調べたりして知識を得て、いよいよ捕獲・飼育計画に進みました。2〜5歳児合同で「ザリガニ釣り」を行い、多量に捕獲し、現在も各クラスで飼育を継続しています。餌をあげたり、脱皮の様子を観察したりしながら、脱走したザリガニの行方を想像して物語を作るなど、身近な体験から世界を広げています。

2.0〜5歳児の合同製作と展示
玄関を入って左側の壁に、合同で製作した絵画を展示しています。今回はクリスマスツリーがテーマで、真ん中に炬燵が描かれていて、こたつの上には0歳児が作った猫の図柄が貼り付けてあります。猫の下絵に0歳児がスポンジで柄を押して作ったようです。その周りにはネズミや羊など年齢によって動物の種類を変えての作品を貼り付け、最後に4、5歳児がツリーなどを描き、合同作品が出来上がりました。保護者が見て、一目で、これから自分の子どもも辿るだろう、辿ってきただろう、子どもの成長の足跡を実感できる作品になっています。

3.園庭の工夫
 145uの園庭には安全のためゴムチップを敷き詰め、保育室からははだしで飛び出し、走り回れる環境になっています。職員が手作りで製作した、丈の低い2レーンの平均台が2セットあり、体幹のバランスよい成長を考慮する等、狭い保育室を補える工夫を施しています。安全なゴム床の園庭には、鉄棒、滑り台、体育用マット、フラフープなども常備し、また、パーティションなどを組み合わせて、三輪車の競技トラックなども出現させています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.不審者対策について更なる推進と保護者への説明を
 保護者アンケートによれば、園の保育に対する満足度は「満足」「どちらかといえば満足」が全体の100%を占めています。しかしながら、「外部からの不審者侵入を防ぐ対策については」の設問においては、33%の保護者より「どちらかといえば不満」「不満」の声が寄せられています。園の出入り口には防犯カメラが2台設置されており、また、カメラ付き玄関チャイムによる解錠リモートスイッチの設置計画を遂行中であることなどについて、園だよりなどで保護者に説明することが望まれます。

2.職員自己評価を基にした園としての自己評価結果の公表を
 園では、年1回一人一人の職員による「コスモスを満開にするために」と銘打った「保育士自己評価」を実施しており、この結果をまとめて、保育所自己評価としての「改善課題」を抽出し、事業計画などで対策しています。しかしながら、このような園の「PDCA」行動を保護者には説明していません。玄関などに開示することを期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念を「子どもの最善の利益を考慮し、子ども一人ひとりが現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力を培う」とし、保育方針を「健康や安全・情緒の安定した環境を用意するとともに、人との関わりの中で自己発揮ができるよう家庭や地域との連携を図り、きめ細やかな保護・援助を行っていく」として、子ども本人を尊重して保育を行っています。

・保育室はワンルームで見通しが良く、不適切な言動があったときは職員相互で注意できる環境にあり、園長・主任は保育に入り、気になることは職員と話し合っています。

・職員は、年齢や発達に応じ、優しく分かりやすい言葉遣いで声をかけ、感情的にならず必要以上に大きな声を出さないことなどを共有しています。

・子どもの良いところを褒めて接することを大切にしています。子どもにしたい活動を聞いたり、どのようにしたいかを問いかける言葉かけを行っています。

・保育室はワンルームで、一人で落ち着いてゆっくり過ごせる環境の設定は難しい状況にありますが、図書室の友達から見えにくい一角に収納してあるテーブルの陰などが、落ち着いて過ごせる場所として利用できます。医務室にソファーを置き、一人で過ごせる場所にしています。

・虐待については厚木市などの外部研修を職員一人一人が受けるようにしており、全職員は、虐待の定義、予兆発見などについて十分な知識を持って保育に当たっています。「虐待予防チェックシート」を作成し、子どもへの虐待の早期発見に努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・1・2歳児保育室には、ままごと・電車・ブロック・絵本、装飾された段ボールで分けたコーナーなどがあります。3〜5歳児クラスでは、絵本や図鑑、ぬいぐるみ・ままごとセット・大きなブロックなどの遊び道具を棚に置いています。

・1歳児から、朝、何をしたいのか子どもから意見を聞いて、子どもの意向を遊びに取り入れています。絵本から秘密基地を作りたいと意見が出たり忍者ごっこに発展するなど、子どもの発想が集団活動に繋がり、職員は見守ったり援助しています。

・遊びが見つからない子どもには、職員が興味のありそうな遊びに誘ったり見守ったりしながら、一人遊びや集団遊びに繋がるよう声掛けをしています。

・近隣の畑を借りて、ミニトマト・キュウリ・ピーマン・ブロッコリー・大根・白菜などを育てています。子どもたちは、水やりや収穫をし、調理室で調理してもらい、給食で食べています。

・子どもたちは、図鑑で得た知識を基にザリガニ捕獲作戦を立ててザリガニ釣りをし、捕獲したザリガニに餌をあげたり、脱皮の様子を観察しています。

・天候が許せば毎日散歩に出かけています。自然に恵まれた環境を生かし、牛小屋で牛を見たり雑木林で朽ち木を拾うなど園外活動を積極的に取り入れています。

・子どもが自由に表現できるように、楽器や折り紙や様々な素材の紙、新聞紙や空き箱、毛糸、牛乳の空きパック、散歩で集めたどんぐり、小枝などを用意しています。マーカーや色鉛筆、写し絵も用意し、絵を描いたり制作がしやすいように机を用意しています。

・食事は、子ども一人一人が食べられる量を把握して、食が細い子どもの量は盛り付けの時少なめにし、また、配膳後にどのくらい食べられるかを聞き、完食できた達成感が持てるよう工夫しています。苦手なものも少しでも食べられるように、また、食べず嫌いをなくすよう、声かけしています。

・調理室は、保育室の中央にあり、調理する音やにおいを感じることができ、子どもたちが畑で栽培した野菜を園に持ち帰って調理師に調理してもらっています。

・職員は、睡眠には個人差があり、すぐに入眠する子どもや入眠に時間がかかる子どもがいることを把握し、一斉に寝かしつけは行っていません。0歳児には午睡センサーを装着し、職員の目視と共にチェックを強化しています。

・排泄は、一人一人の発達段階とタイミングを把握して声かけ・誘導を行っています。トイレットトレーニングは、一人一人の子どもの発達の様子をみて、保護者と連携しながらそれぞれの子どもの時期を考えて進めています。

・衛生管理研修を受講した職員が園内研修で職員に情報を伝えるなど、研修内容を共有していますが、定期的な研修は実施していません。感染症が多発する季節の前には、職員会議で対処法などの研修を行っています。

・健康管理に関する管理マニュアルがあり、家庭での様子を聞いたり職員が観察したりして、子どもの状態を把握しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・慣らし保育は保護者に必要性を十分に説明し、短時間から徐々に時間を延ばし、最終的には子どもの状況、保護者の就業状況なども勘案し、基本2週間(10日間)ぐらいで慣らし保育を終了します。

・マニュアルに基づき保育所内の清掃は行われており、清掃記録があります。環境整備担当職員が専任で清掃業務を担い、園内の清潔を保っています。12月には、子どもたちも一緒に大掃除を行っています。

・地震対策として、棚などには転倒防止素材の滑り止めを置き、家具上部には転倒防止金具を設置し、本棚は壁に取り付けています。重いものを棚の上に置かない、棚に置いた太鼓などは紐で固定するなど、安全策を徹底しています。

・防災訓練、洪水時の避難確保計画、地震対応等のマニュアルを整備し、職員に配付するほか事務所に常備しています。

4 地域との交流・連携

・地域交流を積極的に行い、公園で出会う親子との会話や自治会の祭りに子どもたちが参加する中で、地域ニーズの把握に努めています。

・「コスモスひろば年間計画」に基づき、毎週水曜日に「コスモスひろば」を開催し、園庭開放や育児相談を実施し、子育てニーズの把握に努めています。

・11月に、愛名老人憩いの家で、子育て世帯対象に外部講師による親子パペットふれあい講座を実施し、職員も参加しました。

・園情報や育児相談の情報は、園舎のあるマンションエレベータ―入り口に掲示し、住民に知らせています。ホームページにも掲載しています。

・園ではキャンドル作りの行事を企画し、地域の親子を募集するポスターを貼りだし、地域の子育てに貢献しています。自治会(町内会)の夏祭りや、地域民生委員が主催する異世代交流会、地域高校、大学から参加するボランティアとの交流など多面的な地域内の交流関係が出来上がっています。

・行政関連、療育相談センター、児童発達支援センター、警察、保育園、小学校、病院、自治会など、関係機関や地域の団体の連絡先を事務所で管理しています。関係機関との連携は主に主任とし、療育相談センターや児童発達支援センターとは、必要に応じて情報交換や連携を取っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・全職員は入社時の新人教育において、設置法人の理念、保育方針に加えて、子どもの保育に関する「職業倫理」「コンプライアンス」「法令遵守」などについて学んでいます。

・設置法人の社長や園長は、保育運営に影響のある情報を収集・分析し、幹部職員会議などで内容を検討しています。社長および幹部会議で、次代の保育園運営に関し、外部の専門家の意見などを取り入れながら、新しいプロセス、仕組みを検討しています。

・厚木市園長会議などで得られた、他保育園での不正、不適切事案などの園運営に重要な事柄については、園長は園に持ち帰り、直ちに幹部職員を招集し、本園ではどう進めるべきか対応策を話し合っています。

・花壇の整備などを通して緑化を進めており、また、電球をすべてLED化するなど省電力にも取り組んでいます。園では省資源化を進めるべく、牛乳パック、ラップの芯などの廃材の提供を「園だより」で保護者に呼びかけており、集まった廃材は、子どもたちの製作材料として使用しています。

6 職員の資質向上の促進

・園ではキャリアパスに則した研修計画を策定しており、該当する職員には外部のキャリアパス研修の受講を勧めています。

・外部研修を受講した職員は、必ず園内研修の講師を務め、内容を共有し、必要な内容であれば園の保育に取り入れています。園長、主任は受講した職員の研修報告書を読み、意義のある研修か否かを判断しています。

・非常勤職員にも保育に必要な項目についてのマニュアルのコピーを手渡し、入社時には説明を行っています。非常勤職員の指導責任者は主任で、非常勤職員も必要なテーマの園内研修には出席するようにしており、また、ケース会議にも参加して、資質の向上に努めています。

・厚木市の園長会議などで得られた、地域の他の保育園での工夫・改善した良いサービス事例などがあれば園に持ち帰り、職員会議などで取り上げています。

・今年度、厚木市の療育相談センター「まめの木」から講師を招いて、発達に関する出張講座を実施しました。

・保育園運営アプリを利用して、職員の振り返りを記録しています。指導計画の振り返りは、計画で意図した保育の狙いと関連付けて行っています。子どもの様子からの評価・振り返りでは、達成度を見るばかりではなく、子どもの育ちや意欲とも勘案して評価しています。

・年1回の個人面談の際に、職員は「自己評価票」を提出し、園長と内容について話し合っています。週案、月案の「振り返り」では、乳児ケース会議、幼児ケース会議の中で複数の職員の意見を聞きながら見直しを行っています。

・年に1度行うアンケート「コスモスを満開にするために」、及び、同時に提出する「保育士自己評価表」は、園の理念、保育方針に沿って行っていますが、園の自己評価結果は、保護者には公表していません。

・「保育従事者の心得」で守秘義務について周知しています。ボランティアや実習生の受け入れ時にも、個人情報は漏らさないなどを含め、同様の説明と対応をしています。個人情報の取り扱いや守秘義務について明示した個人情報保護方針を策定しています。

・実習生受け入れマニュアルに基づいて、実習生受け入れに際しては、園長は個人情報の保護などについて、オリエンテーションを行っています。受け入れに関しては、主任が責任者となり、園で実習プログラムを作り上げ、対応しています。

詳細評価(PDF886KB)へリンク