かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

中尾保育園

対象事業所名 中尾保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 睦福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0815
旭区中尾1-17-3
tel:045-362-1333
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
中尾保育園は、相模鉄道線二俣川駅からバスで数分の中尾町バス停から徒歩5分の丘陵地の閑静な住宅地にあります。社会福祉法人睦福祉会を経営母体とし、横浜市立保育園の民間移管により平成27年4月1日に開園しました。園は0歳児から就学前児童を受け入れ、定員は100名で現在97名が在籍しています。園舎は鉄筋コンクリート造り2階建てで、園庭は裸足遊びや水遊びが展開できるよう砂地にしています。固定遊具のほか、マテバシイ、金柑、ミカン、プラム、季節ごとの草花など、植栽が豊富です。

・園の特徴
保育理念の「子どもの心に喜びの種を」を掲げ、家庭的な雰囲気のもとで、子どもが主体的に行動できること、人間性や創造性などを育んでいく保育に努めています。
閑静な住宅地の中の保育園ですが、近隣に公園も多くあり、季節を感じられる場所、製作に生かせる素材(木の実、落ち葉など)がある場所、虫探しなど活動の目的で散歩先を選んでいます。
保育アドバイザーを講師に、子どもたちは毎週リズム遊びを楽しんでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.居心地の良い保育室環境
家庭的、落ち着く環境に意識を置いています。家庭的な雰囲気作りのため、0歳児クラスの保育室内に、普通の家庭のリビングのような長ソファを置いたコーナーがあります。子どもたちは家にいる時と同じ様に、気分に合わせてソファ に座り寛いでいます。保育室に観葉植物を置き、テーブルごとに小花を飾り、温かな雰囲気を演出しています。子どもが使うテーブルは壁や低い棚に敢えて接して置くことで、子どもがより落ち着いて机上活動ができるように配慮しています。また、1歳児以上の保育室の隅には子ども用の小さなソファが置いてあり、子どものお気に入りの場所になっています。給食後はすぐに午睡に入らず、遊んだり、製作をしたりしています。低年齢児クラスも遊んだあとに、職員が布団を敷く準備中は、階段を利用して絵本の読み聞かせを楽しんでいます。

2.子どもの思いを大切にした保育
職員は子どもが経験(友達や家庭を大切にする、相手の気持ちを考える、友達と一緒に協力する、飼育、栽培、当番活動、リズム遊び、年間行事など)の積み重ねの中で遊びや生活が充実するよう、意識を置きながら保育を行っています。その集大成となる5歳児クラスの子どもの様子として、給食後、午後のおやつ後など子どもたちが掃除をしていますが、それは子どもたちの「やりたい」という自発的な発言がきっかけで習慣化しています。家具と床の隙間、下駄箱、靴底についた砂なども丁寧に掃除をしています。次に使う人のため絵本棚の整理整頓をする子どももいます。みんなが使うトイレをいかに気持ちよく使えるか、という事も子どもたちが自主的に考え合い、使用後はスリッパを揃えることを提案するポスター作りに発展しています。さらに製作したブロック作品は1週間で壊し、取りかえるルールも子どもたちが話し合って決めています。期間を延ばして欲しい場合は、自分で思いを伝え、友達と交渉することになっています。職員は、子どもたちの思いや意見に耳を傾け、納得できるよう、適宜声掛けや援助をしていますが、基本は、子どもの自主性を見守っています。

3.園内研修の充実
園として必要なテーマ、職員のニーズにも配慮し、年間園内研修計画を作成しています。テーマは「乳幼児期までに育ってほしい10の姿」「リズムの動き」「第三者評価」「保育者の連携を深める」など熱心に取り組んでいます。園内研修には、職員(パート・保育補助を含む)全員が参加できるように、講師の保育アドバイザーの協力を得て、同一内容で3回実施しています。また、外部研修研修受講の1か月後、職員は「行動変容確認アンケート」を園長に提出しています。研修の成果を検証し、併せて今後の受講の見直しにつなげています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園の保育に対する保護者理解の向上
 日々の保育や行事などを通し、保護者の理解を得るよう努めています。しかし、第三者評価の保護者アンケートから、園の保育理念・方針の認知度のほか、子どもに関する重要な情報の連絡体制など、満足度の低い結果が出ている項目があります。保護者とのさらなる信頼関係を築いていく上で、保護者の声に丁寧に対応し、園の保育に対する保護者の理解度を向上させていく取り組みが期待されます。

2.職員の人材育成
 保育所の理念を実現させるために、個々の職員・主任に必要とされるスキルと期待される役割を示した「人材育成計画」を策定し、そのうえ、キャリアパスを見据えた「体系的な研修計画」を作成して人材を育てていくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、「子どもの心によろこびの種を」で、保育方針は、「子ども一人一人が温かく、優しく、守られ、愛されていると感じられる保育を目指します」とし、子ども本人を尊重したものとなっています。

・職員は、子どもの人格を尊重する気持ちを持って、子どもと目を合わせ、よく話を聞いています。ゆったりと時間を確保し、子ども一人一人のペースや発達段階を考慮し、子どもの呼びかけにも無視することなく、きちんと対応しています。

・個人情報の取り扱いマニュアルがあり、守秘義務や個人情報の取り扱いについて、年度末の職員会議で周知しています。個人情報が記載されている書類は、事務室のキャビネットに施錠・保管し、外部への持ち出しを禁止しています。

・子どもの遊びや行事の役割、持ち物、服装などを性別で区別することはありません。名簿の順番やグループ分けも性別にしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念・方針・保育目標を土台とし、子どもの発達や生活の連続性を十分に考慮し、子どもの健全な育ちを中心に作成した全体的な計画に基づき、年間指導計画を作成しています。それを基に月間指導計画、週案につなげています。指導計画は、子どものさまざまな体験や自然との関わることにより、子どもの意欲や自主性、協調性などが育つようにしています。

・入園前に園長、主任、リーダークラスの職員が面接を行い、子どもの生育歴や健康状態、食事・排泄などの生活の様子を細かく聞き、提出書類で得た子どもの性格などを参考に、園生活を無理なく始められるようにしています。

・園舎内は清掃や衛生に関するマニュアルに基づき毎日清掃し、清潔な状態を保っています。0〜2歳児クラスは低い棚や家具で空間を仕切り、少人数でコーナーごとに遊べるようにしています。

・年齢ごとに子どもの興味や関心、発達に沿ったおもちゃや絵本、製作の素材を用意しています。おもちゃや絵本、教材は、子どもが取り出しやすいように、低い棚に分けて入れています。

・園の畑とプランターで、野菜の栽培をしています。自分たちで育て、収穫し、クッキングで食べています。保育室にメダカ、カタツムリ、ザリガニなどを飼い、自分たちで世話をしたり、図鑑で調べたりしています。

・戸外遊びでは、クラスの枠を越えて異年齢で遊ぶことができるようにしています。幼児クラスと乳児クラスが一緒に散歩に出かけることもあります。

・職員は、残さず食べることを強制せず、その日の子どもの様子や食の好みを尊重し、励ましたり、ほめたり、量を加減したり、子どもが自分から食べようとする意欲や行動を大切にしながら援助しています。

・各テーブルに園庭に咲いた花や散歩で摘んだ花を飾って雰囲気作りをしています。2歳児クラス以上は職員も一緒に食事をし、会話をしながら楽しく食べることを大切にしています。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐため、職員が付き添って見守り、0歳児は5分、1歳児は10分、2歳児は15分間隔で呼吸や姿勢をチェックして午睡チェック表に記録しています。3歳児以上も様子を確認しています。

・一人一人の排泄のリズムを把握し、時間にとらわれず個別に対応しています。自立をしている子どもは自分のペースでトイレに行っています。トイレットトレーニングは保護者と個別に相談しながら、同じ方向性で対応しています。

・登園時に職員が保護者から子どもの家庭での様子を聞き、降園時に園でのその日の様子を保護者へ口頭で伝えるようにしています。担任以外が伝える場合は、人数確認表で申し送っています。

・年2回のクラス懇談会では、保育の内容や、日常の様子などを伝えています。その他、保護者同士一つのテーマで話し合える配慮をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・短縮保育の期間は、子どもの年齢や保護者の考え・状況を考慮し、また、子どもの慣れ具合により、柔軟に対応しています。

・子どもの発達や状況に応じて各年齢で年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。指導計画は職員一人の意見とならないように、クラスの中で検討しています。指導計画は、各期末に自己評価を行っています。

・子どもの成長発達記録は、0歳児は毎月、1、2歳児は3か月、3歳児以上は6か月ごとに経過記録に記録しています。入園時に把握した生育歴や子どもの記録は、事務所の書庫に施錠・保管し、必要に応じて職員はいつでも見ることができます。

・アレルギー、発達面、家庭環境など、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。

・虐待が疑わしい場合や明白になった場合は、園長が旭区こども家庭支援課、横浜市西部児童相談所など適切な関係機関に通告・相談する体制を整えています。

・食物アレルギーのある子どもについては、主治医に生活管理指導表を提出してもらい、それを基に除去食を提供しています。

・苦情相談窓口と第三者委員の氏名・連絡先を重要事項説明書に明記し、玄関にも掲示をしています。

・意見箱を設置し、保護者会や懇談会で保護者の意向、要望を汲み取るように努めています。行事後にアンケートを行い、保護者の意見を把握しています。

・朝の受け入れ時に、子どもに変わった様子はないか観察をし、保護者にも確認して子ども一人一人の健康状態を把握しています。

・園内で感染症が発生した場合は、速やかに保育室に、発症日、感染症名、どのクラスで発生したかを掲示し、感染拡大を防ぐよう呼びかけています。

・「安全管理マニュアル」があり、過度に子どもの遊びの制約をすることなく、事故防止を図るため、いろいろな場面で適切な対応を行っています。睡眠中は乳幼児突然時症候群の予防のために呼吸チェックを行い、プール活動と水遊び中は、指導と監視の役割に分けて職員を配置しています。食事中は職員がテーブルにつき子どもたちの食べる様子を見たり、大き目の物は食べやすくしたりして誤嚥防止に努めています。アレルギー児には、マニュアルに従い、誤食のないようにしています。

・毎月火災・地震などを想定した避難訓練を実施しています。各保育室のロッカーや収納棚は金具や転倒防止シートで固定し、棚の上には物を置かないようにしています。

・子どものケガは、軽傷であっても保育日誌・ミーティングノートなどに記録して職員に周知し、保護者に報告しています。

・来訪者が出入りする門扉は電子錠で施錠し、インターホンで相手を確認してから解錠しています。緊急時通報体制として、事務室と園内6か所に警備会社への通報装置があります。

4 地域との交流・連携

・地域の子育てを支援する一時保育・園庭開放・ホール開放・夏場のプール開放・育児講座・給食体験などの取り組みを通し、園に対する地域のニーズを把握しています。また今年度は「子育てのHow to」をテーマに育児講座を開催しました。

・運動会・指人形劇・12月の子ども発表会などの行事開催時には、地域の保護者や子ども・卒園児を招待しています。

・旭区土木事務所主催の、公園にひまわりの苗植やチューリップの球根植えに園児が毎年参加し、住民と交流しています。また、散歩のときには、子どもや職員は近隣住民へ積極的に挨拶をしています。

・園利用希望者や園見学者の問い合わせには、基本方針や利用条件、保育内容、特色などについて、主任・事務担当者が説明し、見学できることを案内しています。園見学は、主に園長もしくは主任が対応し、子どもの様子が見られる午前中を勧めていますが、日程や時間は可能な限り希望に応じています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の情報を横浜市のホームページ、園のホームページとパンフレットに掲載しています。パンフレットを育児支援拠点「ひなたぼっこ」に置いています。

・毎年1回、保育所の理念・保育の方針・全体的な計画に沿い、保育所としての自己評価を実施しています。結果を、毎年3月に保護者に配付するとともに、保育園でいつでも閲覧できるように掲示して公表しています。

・職員が不正・不適切な行為を行わないよう、就業規則に服務心得や求める職員像を明文化し、職員に周知しています。

・横浜市の「3R夢プラン(リデュース、リユース、リサイクル)」に取り組み、ゴミを分別しています。保育園の屋上に太陽電池パネルを設置し、省エネルギーの促進に取組んでいます。

・重要な変更や決定事項については、保護者に説明し、保護者の意見を聞く場を設けるよう配慮しています。また、重要な決定・変更については、職員に目的や理由、経緯などを事前に説明し、保護者にも知らせています。

・主任は、積極的に保育に入るなど現場と関わりを持ちながら職員の業務状況を把握し、適切な助言を行ったり相談に乗ったりしています。

6 職員の資質向上の促進

・実習生の受け入れにあたっては、本人と相談のうえ実習内容のプログラムを作成しています。実習期間中は毎日、振り返りの場を設けていますが、職員は日々の保育を客観的に見たり、保育の見直しや改善点に気づく機会となっています。

・職位・等級・経験年数を加味し、必要とされるスキルや研修が一覧で表示された人材育成計画は策定を検討中です。

・職員は、毎年3月に園長と当年度の個人目標の達成度の評価と翌年度の目標について話し合います。また10〜11月に当年度計画の進捗状況について中間トレースの面談も実施しています。

・研修担当は主任が担い、園として必要なテーマ、職員のニーズにも配慮し、年間園内研修計画を作成し実施しています。職員(パート・保育補助を含む)全員が園内研修に参加できるように、同一内容で3回実施しています。

・保育日誌の記入による日々の考察・自己評価、年間指導計画、月間指導計画の期ごと、月ごとの自己評価により、職員が自己評価を行う仕組みがあります。子どもの最善の利益を一番に考えた指導計画を立て、子どもの発達段階や心の育ち・意欲・興味などをよく観察し、それを踏まえた保育士の支援・かかわりが適切であったかなどを確認しながら自己評価をしています。

詳細評価(PDF1,240KB)へリンク