かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

光の園アンティー保育園

対象事業所名 光の園アンティー保育園
経営主体(法人等)  株式会社アンティー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0011
港北区菊名1-6-14
tel:045-716-8326
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 園は本園と分園からなり古刹妙蓮寺との一体感が感じられる商店街の真ん中にあります。東横線妙蓮寺駅から0、1歳児の分園までが徒歩2分、2〜5歳児の本園までが徒歩3分と便利な立地にあります。定員73名、横浜保育室であった分園が拡大して認可保育所になって3年目です。駅に近いため入所希望者は多く、見学会を月4、5回は行っているほどの人気です。
0、1歳児の分園は平屋の1Fに保育室があり、2〜5歳児の本園は2階建てで、1Fに2、5歳児の保育室があり、2Fは3、4歳児の保育室となっており、間仕切りを取り払って広
いフロアを出現させ、リトミック運動など、大人数の合同保育にも使います。
・園の特徴
 保育理念は「子どもの心を大切に」です。株式会社アンティーの創始者の社長が尊敬する故若井邦夫北海道大学教授〈乳幼児発達心理学〉の提唱する「心知体の柔軟な育ちを大切にし、成長の過程で出会う目の前の問題や壁を乗り越えられる精神の構築を促す保育」という考えを基にしています。一人ひとりが輝くために生まれ、そのかけがえのない命を大切に育てたい、との思いからこの「光の園」という名前がつけられました。
【特に優れていると思われる点】
1.発達障がいの子どもたちと「インクルーシブ保育」を重点
 園の特色は「全体的な計画」のなかで「インクルーシブ保育」(健常者と障がい者との包括的保育)を前面に出すほどの力のいれようです。増え続ける発達障がいの子に対しそのまま放置することはその子の将来、保護者の負担の増加にもつながりかねないとの思いから作業療法士で「発達障がいの子」の著書をもつ木村先生に年4回特別講義を依頼し全職員が受講し理解を深めています。園に認定児と認定前の「気になる子」が在園している。早期の対応をすることで、その子供のこだわり感や特性に配慮が出来、年齢を増すごとに落ち着いてくる。
2.丁寧な言葉使い
 園を含む光の園系列3園は保育士に「丁寧な言葉使い」を求め、保育士も子どもに対して丁寧な言葉を使っています。命令調や指示ではなく、肯定的な言葉で伝えている。「お願いします」など敬語を普段から使うことがその子の人間性、品性の向上に役立つという信念があります。「子どもが成長した時、“この園に通ってよかった”と言えそう」という保護者の感謝アンケートがあります。
3.広いフロアを存分に使った「リトミック活動」
 園では定期的に、また、雨天時の野外運動の代わりに、本園2Fのアコーディオンカーテンを開け放ち、0歳児から5歳児の異年齢構成で「リトミック活動」を行っています。最年長児のダイナミックな走り回りから、0、1歳児のハイハイ(お馬さん)競争まで、先生の弾くピアノの曲に合わせて、各種の運動が盛り込まれており、子どもたちは夢中になり、走り回ります。また、他年齢児クラスの運動を、応援しながら大きな声で応援し、さながら運動会の興奮を再現しているような、子どもたちの大好きなプログラムとして定着させています。
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者アンケートからの意見に対応する努力を
 今回の第三者評価に先立って行われた、保護者アンケートでは、回答の得られた60名のうち97%という非常に高い比率で、保護者から「満足」「どちらかといえば満足」という評価が得られました。しかしながら、保育の各項目別では、「送り迎えの際、お子さんの様子に関する情報交換については」で19%、「お子さんに関する重要な情報の連絡体制については」で15%の「どちらかといえば不満」「不満」の声が寄せられています。預けている間の子どもの様子を少しでも多く知りたいとの保護者の心情を考えあわせ、何らかの対応、工夫が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「子どもの心を大切に」を基本理念として掲げ、保育園マニュアルに保育姿勢や言葉遣いについて記載し、入社時で読み合わせをするほか、折りに触れて職員会議等で確認し、子どもに対して否定的な言動がないように努めています。

・保育の中で、気になる関わりがあれば、その都度ミーティングや職員会議で取り上げて話し合っていて、お互いに注意し合える関係となるようにしています。

・子どもが一人になりたいときは、コーナーや棚の陰など、友だちや保育士の視線を意識せずに過ごせる場所があります。必要に応じて、段ボールで家を作ったり、仕切りで囲うなどの工夫をしています。子どもと一対一で話し合う時には、必要に応じて廊下や保育室の隅、事務室などを用いています。

・個人情報保護規程があり、入社時に全職員に説明するとともに、運営法人の人権研修で職員に周知しています。保護者に対しては、重要事項説明書に記載し、利用同意書を取っています。写真の取り扱いについても確認しています。

・遊びや行事の役割などで性別による区別をしていません。名簿は月齢順で、グループ分けや整列も性別では行なっていません。子どもや保護者に対して、父親、母親の役割を固定的にとらえないように心がけています。人権についての園内研修で性差による役割分業意識について職員に周知しています。

・園の「全体的な計画」のなかで5項目の運営ルールのなかの1つに、「人権の尊重」があります。児童を個人として尊重する、ということは裏を返せば「虐待の防止」につながるため、園の重要な運営方針となっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育室には、おもちゃや絵本、教材が子どもの目の高さに並べられていて、子どもが自由に取り出して遊べるようになっています。棚やかごにマークをつけて表示し、子どもがしまう場所を理解して自分で片付けられるようにしています。

・子どもの送迎時には、保育士が保護者と会話をし、その日の子どもの様子を伝えています。0、1、2歳児は毎日連絡ノートを用いて保護者と情報交換しています。幼児は連絡帳(あゆみノート)を用い、月に1回、子どもの様子を記載するほか、保護者から記載があった時には回答しています。

・年1回希望者を対象に個人面談を行なっています。5歳児クラスは就学面談も行なっています。また、保護者から要望があればいつでも面談に応じています。保護者との日々の会話や連絡ノートで保護者から相談を受けた職員は、園長、主任に報告し、助言を受けています。面談は複数の職員で対応しています。

・子どもが保育中に発熱や病気が発症した場合には速やかに保護者に連絡し、お迎えを依頼しています。保護者がお迎えに来るまでは、蔓延防止のために集団から隔離し、事務室で静かに過ごすなどしています。

・食事は「食べることは生きること」との考えから、子どもが食の楽しさを感じられることを大切にしています。乳児は、保育士が一人一人の子どもの好みや食事量を把握し、子どもが完食し、自信を感じられるように量を調整しています。幼児は、自己申告で減らすことができます。苦手な食材は一口でも食べてみるように声かけしますが、食べることを強制してはいません。

・プランターでパプリカやキュウリなどの野菜を栽培し、収穫して調理してもらったり、クッキングの材料に用いたりしています。食育活動に力を入れていて、トウモロコシの皮むきなどの調理の手伝い、お菓子作りや梅ジュース作り、ジャム作りなどのクッキング保育を行なっています。

・重要事項説明書で、相談苦情受付担当者;主任保育士、相談苦情解決責任者;施設長、第三者委員2名の氏名、電話番号、職業を記載し、同時に「苦情相談解決の手引き」を廊下に掲示してあります。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・3月に保護者入所説明会を行い、入園前に提出に必要な書類を配付し、子どもの成育歴や病歴、家庭の状況を記入した児童票、アレルギーに対応する為の生活管理指導表、健康台帳、個人情報利用同意書を提供してもらっています。

・乳児は、乳児全員の月間個別指導計画があり、一人一人の成長に合わせた保育指導がなされ、「前月の子どものようす」で該当する年令の一般的な姿を描き、「今月のねらい」で養護・教育の観点からの子どもの様子を描き、個人別の項目で該当する子どもの「今月はじめのこどもの姿」「ねらい」「内容」「保育者の援助」「評価・反省」とする一連のPDCAサイクルにのっとった保育行動がとられます。

・幼児は3、4、5歳共通のフオームで月間指導計画が作成されています。内容はクラス別に分かれており、実質的に年令別指導計画になっています。指導内容は乳児よりも詳細で「養護」が2項目、「教育」が5項目にわたり、「予測される子どもの姿」を中心に、保育者の援助、環境構成などで構成されています。

・園では「全体的な計画」が規定する保育運営ルールとして保育所としての社会的責任、子ども、保護者、職員の人権の尊重、保護者への説明責任、取得した児童の情報保護、苦情処理解決の5分野を挙げています。全体的な計画は「重点的に取り組みたい保育の柱」として「乳児期の関わり方」「異年齢との関りを大切にする」「インクルーシブ保育」「健康な体と心、モンテッソーリメソッドの導入」「保護者と子育てを共感する」の5項目を掲げています。さらに保育計画として「養護2項目」「教育5項目」のほかに具体的な保育内容として「食を営む力の基礎」「生活の基本」「制作の基本、切る、貼る、折るなど」「言葉文字」「数図形」「リトミック」「体あそび」「文化」の8項目を設けています。
・全体的な計画で定める指導計画は縦軸に上記保育計画15項目を、横軸に各年齢別に分けて展開しています。各年齢ごとに年間指導計画は、今年の「年間保育目標」として「自分でできる」をスローガンに、「自分の力を発揮して輝いて生きる」をかかげ、全クラスの目標として園の1体感を出しています。さらに月単位でも「今月のテーマ」を決め、指導計画の冒頭に掲げることで職員への浸透を図り、おなじ内容を保護者向けの「光の子だより」で周知をはかっています。年齢単位では「クラス目標」として年齢相当の成長に応じた保育内容を設定しています。

・アレルギー児対応は、保護者には「入園のしおり」「重要事項説明書」の「アレルギー食の対応について」で園の基本的態度を示しています。除去食について医師から意見書、健康管理指導表の提出を得て、「アレルギーマニュアル」「医師の生活管理指導表」に基づき除去食対応を行い、職員も内容を共有しています。

・保育園マニュアルに子どもの健康管理について記載し、それに基づき子どもの健康状態をチェックしています。既往症や予防接種などの子どもの健康についての情報は、入園時に保護者に健康台帳に記載してもらい、入園前面接で確認しています。健康台帳は毎年保護者に返却し、更新してもらっています。

・年2回の健康診断、年1回の視聴覚健診(3・4歳児)、尿検査(3歳児〜5歳児)、毎月の身体測定の結果は、健康台帳に記録しています。年2回の歯科健診の結果は歯科検診表に記録し、身体測定、健康診断の結果と合わせ、保護者に伝えています。

・入園のしおりに登園停止基準を掲載し、入園説明会で保護者に説明しています。保育中に病気等発症した場合には速やかに保護者に連絡し、お迎えを依頼し、迎えに来るまでは、集団から隔離し、事務室で静かに過ごすなどしています。園内で感染発症した場合には、病名、クラス、人数、症状等を掲示し保護者に情報提供しています。

・衛生管理に関するマニュアルがあり、職員は入社時にマニュアルの読み合わせをするほか、感染症の流行期前には、職員会議等でマニュアルの確認をしています。マニュアルは年に1回見直すとともに、不都合があった場合には随時見直しています。また、嘔吐発生時の手順などのマニュアルを保育室に掲示し、いつでも確認できるようにしています。

・毎月、地震や火災などを想定した避難訓練を実施しています。大型避難訓練では災害時避難場所への誘導訓練や保護者への通報訓練を行なっています。毎年、港北消防署の指導のもと救急救命法の研修を正社員対象に行なっています。

4 地域との交流・連携

・港北区南部エリアの10数園が参加する「にこにこ子育て広場」や園の「オープンデイ」などに、地域の子育て世代を招待して、多数の参加者を得ています。

・港北区南部エリアの保育園が合同で行う「わくわく子育て広場」は地域の子育て家庭向けに“育児相談コーナー”や育児関連講習会なども企画、実行しています。また、職員対象に今年度はエリア研修にて「保育所における人権・児童虐待」「安全対策」講演会もおこなっています。

近隣の保育所とは、港北区のダンス教室、ドッチボール大会などで交流したり、園庭の広い保育所の園庭を借りたりしています。

・年に4回行われる、年長児と小学校の交流には、必ず園児と職員とで参加しています。地域との付き合いは、職員が青年部に所属し会合や打ち合わせを行っている。また、園周辺の電柱に祭りの旗をつけるなどの作業の際は、脚立を貸し出すなどして、作業に協力しています。

・近隣のYMCAでは、4、5歳児の水泳教室に利用しています。また、卒園児遠足では港北区のログハウスを利用しています。

・子どもたちは散歩の際には積極的に地域の人たちと挨拶を交わしており、母の日は実際に子ども達がお金を持ってお花屋さんにカーネーションを買いに行ったり、また、クッキング保育の材料調達や、ハロウィンの協力などで地元商店街の人々との交流を大切にしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の情報は港北区区役所や区やエリア別の交流活動では、園パンフレットを置かせてもいらっている。また、横浜市のホームページにより地域に提供しています。港北区の外部情報提供媒体としての「びーのびーの」に園情報を掲載してもらっています。

・牛乳パック、ペットポトル、空き箱などの廃材で手作り玩具などを製作し、広告や新聞紙などは遊びに使い、製作材料にも利用しています。コピーは極力両面コピーをするように心がけています。職員は普段から節電、節水など省エネルギーを心がけていて、エアコン稼働時にはドアの開閉について注意するように貼り紙を貼っています。「光の子だより」には牛乳パックの収集などを掲載し、保護者にも働きかけています。

・園の重要事項説明書には、理念、保育方針を明記し、職員は入社時の新人教育で詳しく説明を受けています。毎年、職員には年度初めの職員会議で理念・方針を説明し、指導計画を立案する際も保育目標に沿って保育が行われているかを園長が確認しています。園長は職員面談などでも、理念や基本方針が理解できているかを確認しています。

・重要な意思決定では今年の台風被害で、分園での漏水による漏電の危険性があると判断した件で、分園の一時的閉鎖、子どもの本園での預かりに関して本社と連絡を取り、専門業者へ安全等の確認を運営委員会を開催し、保護者には十分に説明し、保護者よりは十分な理解が得られました。また、設置法人の運営管理課よりは、アドバイスをもらい、港北区の支援課より承諾を得て、進めることができました。

6 職員の資質向上の促進

・園には設置法人が定めた職員の経験年数や職能によるキャリアパスに対する「人材育成ビジョン」があり、それに対応する研修計画も作成されています。職員は、年3回「自己評価」を行い、丁寧な保育が行われているか、個人の年間目標が達成されているかなど、振り返りを行っています。設置法人の年間研修計画は系列の各園に配付され、各園ではそれに沿って園内研修計画を作成しています。

・主任は職員一人一人の性格やタイプを見極めながらコミュニケーションを図り、積極的に保育に入るなど現場と関わりを持ちながら、職員に適切な助言を行ったり相談に乗ったりしています。主任は個々の職員の健康状態や勤務状況を考慮しながら積極的に声をかけ、良好な状態で仕事に取り組めるように配慮しています。それらを考慮しながらシフト表を作成しています。

・実習生受け入れでは、担当は園長と主任で、実習生が課題として特に重点を置きたい事項に、園として学んでもらいたい事項を加え、それらが体験的に学習できるようにプログラムを組み立てています。
・実習中は日々クラスで助言と反省を行い、最終日には園長、主任を交えて、クラスに入ったリーダーが実習生と意見交換し、反省会を行っています。

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