かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ゆうゆうきっず横浜(2回目受審)

対象事業所名 ゆうゆうきっず横浜(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 恵寿福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0014
神奈川区入江1-31-28
tel:045-430-3110
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 ゆうゆうきっず横浜は、JR横浜線大口駅または京急新子安駅などから徒歩10分、商業施設と住宅地が混在する地域に位置しています。国道1号線沿いにあり、近くにはいくつかの公園もあります。青森市に本部を置いて社会福祉事業を展開する、社会福祉法人恵寿福祉会が平成24年4月に開園した7年目の保育園です。鉄骨造3階建で、3階部分のルーフバルコニーを園庭とした園舎で、0〜5歳児143名(定員120名)が在籍しています。

・園の特徴
 「子どものしあわせと、お父さん・お母さんの子育てを支援します」を保育理念、「日常生活や遊びを通して、ひとりひとりの子どもとしっかり向き合い、豊かな人間性を育成するため『4つの学び』(知育・徳育・体育・食育)を実践し、教育と保育を行います」を保育の基本方針に掲げています。
子どもが自分自身で考え、考えたことを自ら発信することができるよう、子どもの自主性や主体性を育て、発揮できる保育を行っています。
週1回ネイティブの英語教師によるキッズ英会話やスポーツインストラクターによる幼児体操教室を行ったり、野菜の栽培とその収穫物を利用したクッキング、ランチルームでのバイキングスタイルの給食などを取り入れた食育活動などを行っています。
園内をバリアフリーにして、障がいのある子どもやアレルギーのある子どもなどを積極的に受け入れています。また、児童虐待の防止にも意欲的に取り組んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもを「待たせない保育」への取り組み
1クラスの人数が多く、今まで一斉活動や食事などで多くの待つ時間が生じていたため、「待たせない保育」をしようと園全体で取り組んでいます。1〜3歳児は、半数が外に出て半数が保育室、半数がホールで半数が保育室で活動するなど、クラスの半数ずつで動くことによって待つ時間が少なくなり、自由に遊ぶ時間が以前より増えています。4、5歳児は、グループ活動を多く取り入れ、チーム対抗でリレーをしたり、グループごとに製作を競い合ったりしています。
週1回の体操教室では、一人一人がいろんな運動種目を次々行うサーキット・トレーニングを取り入れ、一人一人の待つ時間を少なくして、効率よく運動ができるようにしています。また、食事の際は、従来クラスごとに子どもたち全員が揃って「いただきます」をするまで食事を待たせていたのを、0〜1歳児は用意ができた子どもたちから、2歳児以上はテーブルごとに揃った子どもたちから食べ始めるようにしています。ランチルームへ行く際も、クラスの半数ずつで移動することにし、待つ時間を減らすようにしています。
 
2.キャリアパスを見据えた計画的な研修の実施
階層別に達成目標や研修内容(OJT、OFF-JT、SDS〔自己啓発援助制度〕)を定めた人材育成計画があり、それを基に今年度の職員研修計画が作成され、キャリアアップ研修を含めた個人別の園外研修、全職員が参加する園内研修などが明確にされています。園では職員一人一人の研修受講手帳を作成し、5年間の研修受講実績と今年度を含め今後受講すべき研修名を記載して研修の受講目標とし、職員がキャリアパスを見据えて計画的に研修の受講ができるようにしています。
園内研修は、保育マニュアルの読み合わせや児童虐待防止、社会問題化しているセクシャルハラスメントなどをテーマとして毎月行っています。外部研修は、過去の研修実績が記載された研修受講手帳を参考に、「障がい児保育を考える」「表現遊び」「インクルージョン保育」などの横浜市の研修や各種キャリアップ研修など、受講が特定の職員に偏ることがないよう配慮をしながら年度の受講計画を作成しています。また、研修の成果を生かせるよう、研修受講後に報告書を作成して全職員に回覧するとともに、詳しく説明をする必要があると判断したものについては、全職員が参加する園内研修で定期的(7、10、12月)に伝達をしています。

3.全職員が参加する実効性のある委員会活動
 各クラスの職員から委員を出す「遊び委員会」「食育委員会」と全職員が参加する「安全管理委員会」を設置しています。
 「遊び委員会」にはおもちゃ部門と絵本部門があり、子どもたちの興味・関心や発達過程に沿ってどういうおもちゃや絵本が必要かを話し合い、必要な物を揃えるようにしています。
 「食育委員会」では、野菜栽培の企画をして、何を植えるか子どもたちと相談した上でナス、ピーマン、オクラ、ニンジンなどをプランターで栽培しています。また、収穫した野菜の種類ごとに収穫数をシールで貼って表にしたり、クッキング用具に関するクイズをパネルにして玄関に掲示したりして、子どもたちが食事に関心が持てるよう工夫をしています。子どもたちは、プランターの水やりをしたり、野菜を収穫したりするとともに、収穫した野菜は、給食のスープに入れたり浅漬けにしたりして味わっています。
 「安全管理委員会」では、お散歩マニュアル、バギー・散歩カートの使い方、水遊び、乳幼児突然死症候群(SIDS)、アレルギー対応の確認や看護師による救命救急法・AED操作の研修などを計画的に行っています。また、「事故報告書」や「ヒヤリハット」に、発生日時、場所、発生状況と原因、今後の対策を記入し、安全管理委員会の中で年4回、集計結果の報告を行い、ケガが起こりやすい日時、場所、状況を把握して、再発防止に向けた人的・物的環境の見直し、未然防止策の検討を行っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子どもが落ち着いて遊んだり、過ごすことのできる保育室の環境構成
 広い保育室がありますが、子どもたちが落ち着いて遊んだり、長時間保育の中でゆっくり過ごしたりできる場所がありません。子どもの興味・関心に応じて環境を整えて継続的に遊びができるコーナーやくつろげる場所、職員からは見えるけれども友達の視線をさえぎりプライバシーを確保できるような場所を作ることが期待されます。

2.保護者との相互理解の促進
 今回の第三者評価アンケートでは、戸外遊びや園外活動、感染症の情報提供、送り迎えの際の情報提供など、満足度の低い結果が出ている項目があります。保護者とのさらなる信頼関係を築いていく上で、意見箱の設置やアンケートの実施により保護者の意向や要望をこまめに把握して保護者の声に丁寧に対応し、園の保育に対する保護者の理解度を向上させていくことが期待されます。
また、日々の子どもの様子を伝えるための伝達手段として、1、2歳児を含めた連絡帳の活用、当日の活動状況等の掲示について、検討されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育の基本方針は「日常生活や遊びを通して、ひとりひとりの子どもとしっかり向き合い、豊かな人間性を育成するため『4つの学び』(知育、徳育、体育、食育)を実践し、教育と保育を行います」となっており、子どもを尊重したものになっています。

・園内研修や職員会議で、子どもの人権に配慮し、子どもの人格を尊重した保育をするように確認し合っています。子どもの気持ちに寄り添い、できるだけゆったりと接するようにしています。言葉遣いも、年齢に合わせたものにし、ゆっくりわかりやすく話すようにしています。

・職員に配付する「保育マニュアル」に、子どもの最善の利益や子どもの人権を尊重するために、たとえばハッピーワード、NGワードの例を載せて、NGワードをハッピーワードに言い変えるような研修をしています。

・個人情報の取り扱いについて、「プライバシー保護マニュアル」があり、全職員に配付する「保育士としての心得」にもプライバシーに関する守秘義務のことが記載され、研修をして周知するほか、ミーティングでも再確認しています。

・虐待防止マニュアルを作成し、外部研修を受講したり、園内研修を実施したり、実際の事例を踏まえた助言を受けたりして、虐待に関する知識を深め、児童虐待防止に積極的に取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画に基づいて、クラスごとに年次指導計画、月次指導計画、週次指導計画を作成しています。子どもが自分で考え、考えたことを自分から発信できるよう、指導計画は子どもが自主性や主体性を育て発揮できるものになっています。

・0歳児は「連絡帳」に細かく記載して、保護者と情報を共有しています。1歳児以上はクラスノートに子どもの様子を記載し、必要事項は保護者に伝えています。

・0歳児保育では、スキンシップを取りながら子どもの気持ちに寄り添った応答的な関わりや話しかけをすることで喃語が増えています。ハイハイやつかまり立ちなど、発育に適した環境になるようにクラス会議で話し合っています。1〜3歳未満児保育では、苦手なことがあれば手を貸し、最後は自分でできるように援助することで自信ややる気に繋げています。

・3歳児のクラスを半数に分けて、ホールや屋上園庭での体を動かす遊び、室内での自由遊びなどを組み合わせて遊んでいます。4歳児保育では、チーム対抗でリレーをしたり、製作を競い合ったりして、チーム内で協力して活動できるようにしています。5歳児では、グループ活動を積極的に行っています。新聞紙タワー対決をチームごとに行い、協調性を育みチームワークの大切さを実感しています。

・今年度より各クラスにおもちゃ棚を設置し、保育室の環境設定に関し、外部研修や他園の様子を参考にし、クラス内で話し合っています。

・職員で作る「遊び委員会」にはおもちゃと絵本部門があり、子どもたちの興味関心や発達過程に沿ってどういうものが必要か話し合っています。約500冊の絵本はデータベース化して、季節や子どもの興味によって入れ替えています。

・3歳児以上は、食事はランチルーム、午睡は各保育室を使っています。0〜2歳児は、食べる・寝るは同じ保育室ですが、パーティションを使うなどして、空間を分けるようにしています。

・食事は無理に食べさせることはせず、落ち着いてから食べさせるようにするなど、食事が楽しいものになるように努めています。その日の給食の画像をモニターに表示し、玄関に人気のレシピや食具に関するクイズをパネルにして掲示しています。

・乳幼児突然死症候群予防のために、0、1歳児は呼吸をチェックし、チェック表に記入しています。2歳児以上も、午睡中は子どもの様子を見ています。

・活動の合間に子どもは自由にトイレに行っています。1、2歳児は排泄チェック表をつけて、職員が声をかけるなどトイレットトレーニングに活用しています。

・保護者は保育室の中に入らずに、廊下で子どもの受け入れ受け渡しの際に職員と話をしています。職員は保護者から体調確認をし、降園時にはその日にあったことやクラスノートに記入された連絡事項、子どもの様子などを伝えています。

・0、1歳児の保育室はコーナーを作っていますが、2歳児以上の保育室でも、衝立やマットなどを使って数人で遊べるコーナーを作るなどの工夫が期待されます。

・利用者家族アンケートでは、「戸外遊びを十分しているか」について「どちらかといえば不満」「不満」が合わせて36%となっています。引き続き散歩や戸外活動を積極的に行っていくことが期待されます。 

3 サービスマネジメントシステムの確立

・0〜2歳児の新入園児は、2週間程のならし保育をしています。0、1歳児の新入園児には、慣れるまで授乳やオムツ替えなどの主担当者を決めています。

・障がいのある子どもは、保育室内では専用の机といすを使用し、職員が常に傍に付き、他の子どもと一緒に過ごしています。

・要望・苦情の受付担当者は主任、解決責任者は園長、第三者委員の氏名・連絡先も併せて重要事項説明書に記載するとともに、玄関ホールにも掲示しています。

・発熱や下痢、子どもの様子が変わったときは、早めに保護者に一報を入れて降園後の対応について話し合っています。園での子どもの健康状態を保護者に伝えられるように、0歳児は連絡帳に、1歳児以上はクラスノートに赤字で記載しています。

・保育中に感染症を発症、または疑いのある場合は、直ちに保護者に電話をしてお迎えを要請しています。事情によりすぐに迎えに来られない場合は、医務室で看護師か保育士が付き添って休ませています。

・職員全員参加の安全委員会があり、「保育安全マニュアル」「プール・水遊びマニュアル」「散歩マニュアル」に従って、特に睡眠中、水遊び中、食事中、散歩中など気を付けることを研修などで職員に周知し、対策を講じています。

・毎月避難訓練を実施しています。年2回消防車が来て、消防署職員が 職員や子どもに通報訓練や水消火器の使い方、消防に関する話をしてくれます。

・子どものケガについては、クラスノートや保健日誌に記載し、軽症であっても保護者に報告するとともに、ミーティングや職員会議で報告し、「事故報告書」や「ヒヤリハット」に記録して職員への回覧もして、再発防止に努めています。

4 地域との交流・連携

・神奈川区保育所子育て支援連絡会に参加している保育所合同で、年2回地域の保護者に向けて離乳食講座などの育児講座を行っています。

・地域の保育園、小学校や公園愛護会などが行う「子ども未来会議」に参加して公園の花壇の水やりを行っています。

・近隣小学校には5歳児が定期的に訪問しています。近隣の小規模保育園とは、2歳児が公園で交流しています。

・「ボランティア受入マニュアル」「実習生受入マニュアル」があり、これに基づいて受け入れ、記録をまとめています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員として守るべき法、規範、倫理などは、就業規則や全職員に配付されている「保育マニュアル」に記載され、入職時や年度初めの園内研修で周知しています。

・職務分掌が記載された「職員職務分担表」を全職員に配付しています。また、事務、経理、取引等のルールは、設置法人の規程にて設定されています。

・省エネタイプの機器による節電、節水、センサー感知による照明の照度調整など、省エネに取り組み、横浜市から「よこはまエコ保育所」として認証を受けています。
 
・有給休暇の最低取得日数のメドを決めたり、職員の取得希望日を聞いたり、体調不良による突然の休暇取得に対応したりしています。

・主任と副主任2名は、毎日各クラスを巡回して状況を把握し、職員に助言を行っています。指導計画の書き方などの指導も行っています。

・勤務時間中に保育から離れて保育計画や記録の作成、行事の準備ができるよう、「ノンコンタクトタイム」を設定し、活用しています。

・設置法人作成の中長期計画(平成27年度〜平成32年度)とともに、それと方向性を合わせた園の中長期計画が作成されています。

6 職員の資質向上の促進

・階層別に達成目標や研修内容を定めた人材育成計画があり、階層別の受講すべき研修が明記されています。今年度の職員研修計画も作成され、個人別の園外研修、全職員が参加する園内研修などが明確にされています。

・非常勤職員にも、保育士としての心得や保育計画・内容、保育における子どもの人権、危機管理などが記載された「保育マニュアル」を配付しています。

・園内研修は、テーマを決めて毎月行い、非常勤職員を含めた全職員が交替で参加しています。外部研修は、「障がい児保育を考える」「表現遊び」などの横浜市の研修や各種キャリアップ研修などを受講しています。

・「職員自己評価チェックリスト」を作成し、毎年度末に職員が自己評価を行っています。職員の自己評価を基にして園の自己評価を行い、併せて保育の取り組み状況や課題・改善点も記載して、園の自己評価としてホームページで公表しています。

・各指導計画は、保育実践を振り返って自己評価ができるようになっており、職員は計画したねらいに対しての振り返りを行っています。

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