かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

シャルール保育園

対象事業所名 シャルール保育園
経営主体(法人等)  学校法人原田学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0027
緑区長津田4-10-31
tel:045-532-3970
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)


【施設の立地・特徴】
 横浜市認可保育所「シャルール保育園」は、神奈川県下で認可保育所、幼稚園、小規模保育事業を営む学校法人原田学園が運営する、2018年4月1日に開設された系列で一番新しい保育所です。利用定員は60人の中規模園で、すぐ隣には、系列園の「認可保育所どうぞのひろば」があり、園外活動などいろいろな活動を連携して行っています。
 園は渋谷方面、横浜方面に通勤が便利なJR、東急田園都市線「長津田駅」より、徒歩5分のマンション1階に立地し、仕事を持つ保護者にとって便の良い保育園です。
 園の周辺には自然豊かな田園地帯があり、数多く存在する公園は、子どもたちの発育に合わせた運動量をこなせる場所として、保育士は、毎回の散歩に選択しながら利用しています。
 本園の名前「シャルール」とはフランス語の「温かい」の意味でウクライナの民話に由来します。設立趣旨は「すべては子どもたちのために」とし、本園の保育理念は「我々は、保育を楽しみ、保護者の子育てを支援し、相互の温かい交流を通じて、子どもの成長に寄与することで社会に貢献する」です。園目標は「子どもの発達をベースに意欲のある子、交渉力のある子、自律する子(あえて自立ではない)に育てる」としています。保育方針を「子ども一人ひとりの個性を認め、他者との交流を通じて園児の人格の形成に努める」ことを保育の方針としています。

【特に優れていると思われる点】
1.内容の充実した乳児の「個別指導計画」
乳児の指導計画である「個別指導案」は情報量が多く優れています。「前月末の子どもの姿」が詳細に書かれ、「今月の狙いと内容の概要」、それに対する「保育者の援助、保護者の支援」と役割分担があり、最後に保育者の「自己評価・反省」が書かれています。A4一枚にびっしり書き込まれた情報データ量の多さが、保育、観察のレベルの高さを物語っています。各クラス担任が作成し、主任、園長は毎週末に必ずチェックの上、週明けに担当者へ返しています。この方法で担当者は自信と安心感を得て保育に当たっています。
2.屋外遊びへの積極的な取り組み
 天気の良い日や曇りの日など雨が降っていない時は、毎日散歩に出かけ、自然の中で思いきり遊ぶ時間を設けています。子どもの年齢に合わせて、体力に応じた散歩コースや公園を選び、固定遊具やボール遊び、 縄跳び、鬼ごっこなどの遊びを取り入れ、発達や年齢にあった身体運動を行うようにしています。子どもが発見した植物や虫などを観察したり、季節の自然に触れることができるよう配慮しています。また、公園や園庭で見つけた虫などは一日飼育し、その後は逃がしてあげて、生き物の命の大切さを知る機会にもしています。
3.小学校へ進級するアプローチカリキュラムと「10の姿」
 5歳児は園児数が少なく、毎週系列園の5歳児と交流を持ち、9月より小学校へむけたアプローチカリキュラムが始まっています。幼稚園教育経験者ならではの充実した取組で、「集団遊び」「運動遊び」を通じて、学びの基礎や生活する上での精神的な自立を育むもろもろの活動が体系的に組まれ、「幼児期の終りまでに育ってほしい10の姿」へつなげています。毎月の振り返りで「10の姿」を確認しながら保育を進めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者対応に更なる努力
 保育参観や保育参加の取り組みはまだおこなっていません。まだ開園して間もないため、子どもの状況なども考慮すべき点は多いかと思いますが、保護者が子どもたちと一緒にお散歩や一斉活動に参加したり、給食を食べるなど家庭とは違う保育園での子どもの姿を見てもらう機会を設けるとよいでしょう。また、終了後にアンケートを実施したり、個人面談を行うなどすることで、より園への理解を深めることが出来るきっかけとなることでしょう。
2.地域の子育て相談事業への積極的な対応
 新規開設1年目の園として地域とのつながりは今後の課題です。園は来年以降、体制を整えて、地域への子育て相談等のサービスを提供していきたいとしており、今後を期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもへの言葉使いが命令口調になっていないか、否定口調になっていないか、保育士がお互いに注意し合っています。子どもの人格を尊重し、トラブルが発生した際には、子ども自身で解決できるようそばについて危険のないよう見守ります。

・園目標「子どもの発達をベースに、意欲ある子、他者を思いやれる子、自律できる子に育てる」、理念「我々は、“すべては子どもたちのために”を合言葉に、子どもたちの心身の健やかな成長を行動の基本に置き、保護者の子育て支援を行い、また我々自身も保育を楽しむことで社会に貢献する」を玄関等、事業所内に掲げて保育にあたっています。

・各年齢の指導計画には、子どもたちが主体的に生活できるような活動を盛り込み、また、子どもたちの声を取り入れ、自主的に遊んだりする計画を盛り込んでいます。

・個人情報の具体的な取り扱いかたは、入園時に保護者に説明し、また、「重要事項説明書」に個人情報の利用目的等も記載されており、同意の署名を得ています。行事や園での撮影や園だよりに掲載する写真などについては、保護者に文書を出し、確認をしてもらっています。

・運営規程で「虐待防止のための措置」を設けて職員への啓発につとめ、人権擁護のための研修、体制の整備を進め、虐待の疑いのある子どもが発見された場合は、緑区子ども家庭支援課、北部児童相談所に通告する旨規定しています。保育士は朝、子どもが裸になった時の様子(アザ、ヤケドなど)に気を配り、子どもの身体にアザや傷があった場合は、主任、園長へ連絡をする体制にあります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・個人面談はいつでもできることを伝えており、要望があればいつでも対応しています。クラス別懇談会は年1回実施してクラス全体の様子を伝えています。

・子どもの送迎時には保護者に子どもの様子を伝えるようにしています。0〜2歳児クラスでは全員に個人連絡帳を用意し、毎日、保護者と子どもの情報のやり取りをしています。連絡帳は、子どもの家庭での様子や園での様子だけでなく、睡眠や排泄、食事について時系列で記載する様式になっています。3〜5歳児クラスでは、毎日の活動について生活記録表に記載して保護者に伝えています。玄関にクラスごとに1週間の様子を写真とコメントで掲示しています。

・食事は子どもが苦手な献立は無理強いをせず、体調や様子を見ながら声掛けを行うととともに、量を減らし全部食べたという自信につながるように配慮しています。食べた時には「ぴかぴかだね」「すごい、全部食べられたね」と褒めるようにしています。離乳食は子どものペースに合わせて優しく声かけをしながら行っています。

・5歳児はミニトマト、きゅうり、おくらの栽培を行い、収穫した野菜は調理をしておやつの後に食べています。当番活動の一環として3歳〜5歳児は食事の前の挨拶や配膳の手伝いを行っています。調理をしている過程は廊下のドアの窓から見えるようになっており、また、季節に応じた食育活動を行い、野菜の皮むきや刻むなど子どもたちが食に関心が持てるようなに取り組んでいます。

・午睡は、乳幼児突然死症候群(SIDS)を防止するため、0歳児は5分おき、1歳児は10分おき、2歳児は15分おきに呼吸、顔色、体の向きなどを目視および触って確認し、ブレスチェック表に記録します。また、0歳児は目視だけでなく一人ひとりに体の向きをアラームで知らせるセンサーを導入しています。

・排泄は個人差を考慮し、保護者と相談しながら個別に対応しています。トイレットトレーニングは、トレーニングパンツ等を使用し一人一人にあった時期から始めるようにして、子どもの意思を尊重しながら対応をしています。排泄間隔は、一人一人違うため活動の節目を目安にトイレに誘うとともに、トイレの排泄間隔を把握し声をかけるなど個別に対応しています。

・長時間にわたる保育を受ける子どもたちについては、少人数で遊べるようにコーナーを作り、各年齢にあったおもちゃを用意し、ゆったり楽しく過ごせるように工夫しています。また、延長時間の子どもには、補食でおにぎりを提供しています。

・要望や苦情を受け付ける担当者は主任、解決責任者は園長と保護者に説明し、玄関に顔写真入りで氏名、名前、職業、電話番号を掲示し、申し立てが容易にできるような配慮をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・2月入園前の親子面談では事前にもらった所定の提出書類をもとに園長、主任が行い、子どもの発達状況を把握のうえ課題の記録をとっています。また、パーソナルカードに成育歴や家族構成を、健康台帳には出生時の様子や病歴、予防接種の記録を申請してもらい、職員が把握できるようにするとともに、事務室内にある鍵のかかる書庫で保存し、個人情報を管理しています。

・全体的な計画は新保育所保育指針に則り、事業目的として「私たちは子どもの安心、安全を確保し、健やかな発達を保証する保育活動により、就学前までの子ども達の心身ともに健全な育成を目的とする」を掲げ、子どもの最善の利益を明文化しています。

・全体的な計画では子どもの成長発達を、乳児、1〜3歳未満、3歳以上の3カテゴリーにわけ、各年齢ごとに狙いを定めて年間指導方針が決められています。それに基づき月間指導計画、週案がクラス担当で決め、園長、主任の承認を得て保育を行っています。

・本園には総合的な「週案」と「個人別指導案」の2種類があり、特筆すべきは乳児全員の個別指導案です。前月末の子どもの姿が詳細に書かれ、今月の狙いと内容の概要、それに対する保育者の援助、保護者の支援と役割分担があり、そのA4一枚にびっしり書き込まれた情報データ量の多さが保育にかかわる担当者の熱心さをあらわしています。この作成は園長、主任のもと各クラス担任が行い、評価・見直しも行われ、主任、園長は必ずチェックを行い、週明けに担当者へ返しています。幼児についても月の指導計画、週案で同じ作業がおこなわれ毎月の職員会議にて報告をし、職員間で共有しています。

・食物アレルギーでは、医師の指示書である「保育所における食物アレルギー疾患生活管理指導表」をもらい、その指示書に基づき保護者、園長、主任、担任、栄養士で翌月の献立を検討し、除去食を確認しています。食物アレルギーへの対処は重要事項説明書、入園のしおり、全体的計画などあらゆる文書で取り上げ、保護者へ周知しています。アレルギー対応の除去食は調理室から受け取り、言葉と目視での確認を複数で行い、担当職員が別に設けられたテーブルに運び、食べ終わるまで付き添い誤食防止につとめています。

・感染症への対応に関するマニュアルが用意されており、登園停止基準や感染症予防、感染症などの疑いが生じたときの対応について記載されています。「入園のしおり」に登園停止基準を記載しており、入園説明会などで保護者に配付し説明しています。保育中に発症した場合には、保護者へ連絡し、園長や主任が対応して保護者のお迎えを待ちます。園内で感染症が発生した場合には、症状や予防のための対策なども記載して玄関に掲示し、注意を呼びかけています。

・安全管理に関するマニュアルは、事故対応と災害時の対応だけでなく、散歩など園外保育時の対応や暑さ対策など状況の応じた作成がされています。安全管理マニュアルに基づきロッカーや棚は転倒防止金具で固定し安全対策を講じています。

・毎月、地震と火災を想定して避難訓練を実施しており、年に1回は、全園児で第一次避難場所である杉山原公園までの誘導訓練を行っています。救急法については、緑区消防署から2日間研修の実施を受け、全職員が会得しています。

4 地域との交流・連携

・開設間もないために園独自には、地域の保護者や子どもたちを園の行事に招待できていませんが、すぐ隣にある系列の「認可保育所どうぞのひろば」で行うコンサートなどの行事では、一緒にポスターを貼りだし、地域の子育て世代を招待しています。緑区の主催する“みどりっ子まつり”などでは、系列園ともども、行政や地域の保育園と連携して祭りを盛り上げています。

・外部よりの問い合わせなどに関しては「入園のしおり」の内容に沿って説明できるようになっています。問い合わせの園の基本方針、利用条件などの説明は園長、主任が担当し、見学の予約受付などに関しても説明しています。見学希望者に対して、一番見学に効果的な日時などは提案しますが、基本的には希望者の都合に合わせています。

・開設間もないために、ボランティア、実習生の受入実績はありません。今後進めていく計画です。

・保育士と子どもが一緒に地区センターの図書館を訪れ、絵本(物語など)、図鑑(宇宙、植物、昆虫)の貸し出しを受けたりしています。散歩の際は積極的に近隣の人と挨拶を交わし、道筋の八百屋さんなど商店の人とも挨拶を交わしています。(系列保育園との月2回の交流のほかに、年長児交流を通して地域の保育園とも交流を図っています。“みどりっ子まつり”では職員が運営側として参加し、地域の子育て活動を支援しています。)

・地域の幼保小活動で地元の小学校を園長が訪問して交流を図っています。

・園は「赤ちゃんの家」として登録しており、地域の子育て家族に授乳やトイレ等、利用してもらっています。幼児クラスは年一度近隣の老人ホームを訪問し、運動会用に練習した歌や遊戯などを披露して喜ばれています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・本園の理念は「我々は、保育を楽しみ、保護者の子育てを支援し、相互の温かい交流を通じて、子どもの成長に寄与することで社会に貢献する」としています。園目標「子どもの発達をベースに、意欲ある子、交渉力のある子、自律する子に育てる」を玄関等、事業所内に掲げて保育にあたっています。職員へは、会議やミーティングなどで理解が深まるように話しています。職員個人面談時などに、園長が理念・基本方針の理解度を職員に確認しています。

・保育方針を「子ども一人ひとりの個性を認め、他者との交流を通じて園児の人格の形成に努める」ことを保育の方針としています。

・職員アンケート「自己点検」も行われ、「保育目標について」を『良い』とする職員は9割に達しています。保育理念や基本方針は「入園のしおり」「重要事項説明書」の冒頭に明文化され、保護者には周知されています。保護者の目につきやすい場所に掲示してあります。

6 職員の資質向上の促進

・倫理規律、服務規律、社会人としての心構えやコンプライアンスについては、「就業規則」「職員行動基準」が決められており、職員は入職時の研修で理解しています。

・設置法人にはキャリアパスに応じた保育実践に必要な専門的知識・技術、保護者対応、社会性・協調性などを期待水準として明文化された「保育士人材育成ビジョン」はありませんが、毎年、職員の資質向上を目指した、年間研修計画は作成されています。

・園は学校法人の保育事業部門であるため、中期(3年)長期(5〜10年)の事業計画は必須事項で、そのため系列の「認可保育所シャルール保育園「認可保育所どうぞのひろば」「学校法人原田学園みたけ台幼稚園」「小規模保育事業ベビーぽけっと松風台」の四園が、「新保育指針」に対応すべく、一貫した保育・サービス、利用者数、保育士養成などについて検討し、事業を進めています。

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