かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ニチイキッズ梶が谷保育園

対象事業所名 ニチイキッズ梶が谷保育園
経営主体(法人等) 株式会社 ニチイ学館
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0015
高津区梶ヶ谷2‐7‐7
tel:044-860-1031
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要・特徴
 ニチイキッズ梶が谷保育園は東急田園都市線梶が谷駅から徒歩7分の閑静な住宅街の中にあります。周辺には公園もあり、自然環境に恵まれています。開設は2016年4月1日です。園舎は鉄骨造り3階建ての1階部分にあり、敷地面積は541.7u、延床面積は336.29uとなっています。
 保育理念には「おもいっきり遊ぶ」「おもいっきり学ぶ」を掲げ、また、音楽プログラムや英語プログラムなど独自の活動プログラムも設定されています。
園児の定員は、60名で、園舎は新しく、各保育室は一つのフロアに隣接して配置され、子どもたちが快適に過ごせる環境が整えられています。
特に優れていると思われる点
1.保育理念・保育目標が明確で、分かりやすいキーワードで表現されています。
 法人の保育事業の基本軸として事業目的および保育理念が設定されています。そして保育方針の
テーマ「おもいっきり遊ぶ。おもいっきり学ぶ。」、3つの保育目標は「すくすく育つ」「わくわく遊ぶ」「いきいき過ごす」のキーワードに集約され、誰もがアクセスできるホームページ、玄関内掲示のポスターなどに接した人の印象に残ります。また、広報的な意義だけでなく、全体計画策定の書式等や入園案内にもそれぞれのキーワードの趣旨を補完する記述が付されて、職員の理解促進や保護者への説明のしやすさを助けています。
2.多彩な教育プログラムを取り入れて保育に活かしています。
 保育理念の「おもいっきり遊ぶ。おもいっきり学ぶ」の実践にあたり、多彩な保育カリキュラム
を取り入れています。「英語でのコミュニケーション」や「リトミック教育」など8つのユニークな内容で構成され、当園(法人)の保育の特徴が明確に打ち出されています。生涯にわたる生きる力の基礎を培う重要な時期であることに鑑み、子どもの個性豊かな成長、発達に繋げています。利用者アンケート結果においても「子どものことを重視している、第一に考えている」との方向性が理解され浸透していることが窺われます。
3.職員間で良好なチームワークが築かれています。
 園長は職員と良好なコミュニケーションが図られるよう常に心がけています。日々のミーティン
グ等では職員に自主性を発揮するよう自ら考える習慣を醸成し、全職員が自分の意見を発言できるよう育成しています。職員面談でも「お互い思ったことが言える」「チームワークが良いので働きやすい」との発言がありました。また、保護者とも良好な関係が築かれています。事務所には扉がないので、カウンター越しに保護者の顔がよく見え、積極的に声掛けしています。保護者も気がついたことはその場で園長に話ができる関係が築かれています。

特に工夫する点・更なる改善が期待される点
1.業務全般の効率化、合理化の更なる推進が期待されます。
 利用者アンケートや職員の自己評価では、人手不足との意見や感想が多数寄せられています。園全体の課題としても認識されています。職員数や配置は基準を満たしていますので、先ずは業務の見直し・改善、ITの活用などによる省力化・効率化に着目して業務全般の合理化、組織の統制・調整能力などの向上を図って行く必要があると考えます。その上でさらに法人本部、川崎支店と人員の確保などについて調整することも有力な解決策になると思われます。
2.特に若い職員の質の向上を期待しています。
 当園は2016年4月に開園、まだ歴史の浅い保育園です。保護者と同年代の若い職員が多いことから、保護者とは気軽に話し合える関係ができている反面、実践の場での経験の蓄積が今一歩の状況にあります。目下「期待される保育士像」に向けて何事にも積極的にチャレンジして経験を積み重ねようと努めています。自己研鑽と自己評価により経験を積むことにより、今後さらに成長することを期待しています。
3.民間保育園としての組織マネジメントに目を向ける段階にきています。
 園長を始め若い年代の職員が多く子どもと接する日々の保育サービスについては自負をもって取り組んでいることが伺えます。反面として、内向きの保育サービスに集中し広い視野のマネジメントに対する意識が未成熟と感じます。次なる課題の一つが組織マネジメントへの取組といえます。チームワークの良さをベースにして地域や社会の中で保育園の価値を発信していくには、現在、園長と2歳児クラスの主担任しかいない職制をどのようにすれば良いかを職員自ら考え、取り組んでいく段階にきていると思います。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・人権を大切にし、子どもの心に寄り添った保育が行われています。子どもに対して言葉の掛け方や援助の仕方について、職員間で共有し反省する機会を設け、より良い保育に努めています。また、子どもの意思を尊重し、遊びや遊具、相手も自由に選ぶ機会を出来るだけ多く作り、個人の意思や考えで行動する環境が作られています。保育士は、子どもの気持ちや発言を受け止め、一人の個人として尊重しています。会議等では子どもとのかかわり、差別、人格無視、虐待的環境、人間関係に関する話し合いを持ち自尊心を傷つけることの無いよう確認し、全職員で共通認識を持つように努めています。
・利用者のプライバシー保護に配慮しています。個人情報の取り扱いのついては、法人が定めた「個人情報保護基本方針」の規定を受けて、園でのマニュアルに基づいて共通認識をもって対応しています。保護者には入園時に重要事項の説明で同意を得ていますが、特に肖像権については同意書を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・利用者が意見を述べる機会として、口頭での意見・要望から意見箱の設置、
アンケートや懇談会、年1回、個人面談の実施など多様な手段が確保されています。これらについては入園説明会や懇談会などで丁寧に説明するとともに、「重要事項説明書」や園のしおりなど文書によるお知らせや説明も行い、相談や意見を述べやすい雰囲気や環境づくりに努めています。意見や提案に対しては、朝のミーティングや職員会議で検討し、努めて早く子どもや保護者に結果を回答しています。
・入園前の三者面談時の記録と共に、保護者記載の児童票・健康管理票を保管し、家庭での生活のリズム、生育歴、既往症等を把握し、全職員が必要に応じて閲覧できるようにし、日常の保育に役立てています。一人一人の個性を大切にし、一人一人を認めることで子どもが主体的に活動できるよう心掛けています。
・子どもの健康管理について更なる知識の習得と研修の充実が期待されます。園は子どもが心身の健康を維持できるよう日々支援を行っています。平常時だけでなく、子どもの急な体調の変化に対しても的確な判断と対応ができるよう、専門知識の習得と内部・外部の研修の積極的受講により、一層充実した健康管理が期待されます。
・安心・安全な保育に取り組んでいます。日々、安心・安全な保育環境づくりに努めています。子どもの発達状況に応じた遊びや玩具、遊具を提供しています。指はさみ防止ドアや子どもの顔や唇の変化が読み取れるよう証明は明るくする等、子どもの安全・健康を第一に考えた設備整備を積極的に行っています。職員間で安全対策に対する研修を定期的に行い、職員一人一人の危機管理意識を醸成し、職員全員が共通の認識を持って連携し保育にあたっています。また、遊びを通して自ら危険を回避し身を守る力を養うことができるよう健康教育にも注力しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園にあたり、保育の内容を丁寧に説明しています。園のサービス内容・保育方針などの情報は、ホームページ、入園のしおりと玄関の掲示板にも保育理念、保育目標等を掲示し提供しています。また見学者にも入園のしおりを渡して説明と情報提供を行っています。入園のしおりには、保育の内容、職員体制、料金などの情報を記載し、必要な報提供を行っています。保育園についての問い合わせに対しては、園長が誠実に対応しています。園見学については在園児の活動を見ていただける時間帯を案内していま。
・家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っています。入園前の三者面談では、園長と主任が対応し日常生活の細かな点までヒヤリングして保護者の不安に応えています。日々の送迎時には園長、担任が出来る限り保護者へ声をかけ信頼関係の構築に努めています。登園には必ず家庭での様子(食事の有無・変わったことがないか等)を保護者から聞くと共に、視診と触診を行い体調を確認しています。連絡ノートと付箋を活用し引継ぎ漏れのないよう努めています。連絡事項は全職員対象の全体朝礼で周知し、家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っています。
・利用者の安全を確保するための取組が行われています。災害時は行政の防災、安全体制に連携し、法人が作成したマニュアルに基づいてあらゆる災害を視野に入れて子どもの安全確保に努めています。特に脅威の度が大きい火災、地震と河川の氾濫を重視し、具体的な様相を想定し、マニュアルに基づいて毎月1回防災訓練を実施し、年1回、広域避難場所の確認を行っています。園舎内も地震などを想定して棚などは全て作り付けであり、安全対策が講じられています。防犯訓練は2か月に1回行い、安全管理に係るマニュアルは全職員に研修し周知しています。
・提供する保育サービスの内容については川崎市の運営の手引きに則り各種マニュアル作成し的確に実施しています。指導計画は定期的に評価を実施し反省と見直しを行い次期(次年度)に繋げています。毎月の職員会議で月間指導計画などの実施方法の評価と反省を行い次月の計画に反映させています。また、年度末の職員会議においてマニュアルの確認を行い、必要な見直し改訂を行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域に開かれた民間保育園としての基礎を固めています。設立間もない保育園で地域連携の実績はまだ多くありませんが、園庭開放は高津区が毎月発行している「遊びの広場」に掲載し地域に開かれた保育園の一つとして情報を開示しています。また、行事の際には施設の上層階の学生寮を含めて周辺住民に手紙を配布して身近な市民の意見を把握し、保育園からは気づきにくい細かい騒音の対策などに活かしています。保育業務マニュアルに、学校・自治体・団体を通したボランティアの受入れについての指針が記述され、地域に開かれた保育園としての重要性は認識していますが、実際にどう具体化するかは今後の課題となっています。
・定員60人の民間園として地域の小規模民間保育園との連携を始めています。高津区の園長会や幼保小連絡会議などに参加して地域の保育ニーズを把握しています。一方で昨年度から、同じような特徴をもった地域の小規模民間保育園と共同して当園の健康管理体制をもとに入園前検診を共同で行っています。公立を中心とした大規模保育園と特化型の小規模民間保育園の間に位置する保育園としての地域での役割を果たそうとしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人本部、所轄支店(川崎支店)の2ヵ所から支援が受けられるのが強みです。園長は月1回開催される法人本部主催の会議及び所轄支店(川崎支店)で実施される施設長会議に出席し、事業方針や保育を取り巻く環境について情報を共有し、全職員と目標を一つにして保育に取り組んでいます。直接法人本部には言いにくい事柄も、川崎支店とは些細な事柄も気軽に相談できる体制が整備されているので、支店とは日々連絡を密にし、情報を共有し連携を図っています。
・保育理念と保育目標の明確なキーワードによって効果的に基本方針が浸透させています。法人の保育事業の事業目的・保育理念のもと策定された、保育方針のテーマ「おもいっきり遊ぶ。おもいっきり学ぶ。」そして3つの保育目標「すくすく育つ」「わくわく遊ぶ」「いきいき過ごす」がキーワードとして共通に使用されています。広く地域社会にはホームページ、来園者には玄関内掲示、そして保護者には入園案内、職員には計画策定書式等にも同じキーワードが再確認され、相乗効果によって誰にも理解しやすく印象に残るような一貫性があります。
・若さを活かしたチームワークづくりで団結力を高めています。園長は、専門職としての知識をもって毎日子供と向き合う若い職員の意見を尊重し、立場を気にしないで活発な話し合いができる風通しの良さによって職員の自負をもとにしたチーム意識を高めてきました。半面、同年代の保護者にも同じように接してサービスの提供者と受容者の立場の違いに悩んでしまう側面があることが感じられます。今後の課題として、経験を積み重ねながら保護者対応についても意見を出し合い、保護者と「一緒に子育てをする」ことを目指した団結力の発揮を期待します。
6 職員の資質向上の促進 ・法人本部の事業を活かして人手不足時代に人材を確保しています。法人本部は多様な福祉事業所を運営し、資格取得支援や仕事情報のネット事業を展開していることを背景にして、社会全体の雇用環境が厳しい時代に決して十分とはいえませんが人材の確保に役立っています。法人の運営するサイトでの募集や安定した人材マネジメントの体系が整備され、比較的若い有資格者の確保と定着化を促しています。保育士の他、専属の看護師2名と栄養士がいます、看護師の1名は保育士業務もできるためゼロ歳児を担当しています。
・多様な研修のメニューが提供され、職員の質の向上を支援する体系が整備されています。法人本部主催の研修は、個別テーマに関する研修のほか経験年数に応じたスキル向上や職位別の研修など多角的な研修体系なっており、年2回の園長との人事考課面談の際に個人の目標に応じて計画的に選択することができます。また、研修受講後のレポート提出や報告によって研修の内容が全職員に共有され、定期的なフォローアップ研修を実施し職員自身が成長を感じながらやりがいを持って働ける職場環境作りに力を入れています。
・多様な研修のメニューが提供され、職員の質の向上を支援する体系が整備されています。法人本部主催の研修は、個別テーマに関する研修のほか経験年数に応じたスキル向上や職位別の研修など多角的な研修体系なっており、年2回の園長との人事考課面談の際に個人の目標に応じて計画的に選択することができます。また、研修受講後のレポート提出や報告によって研修の内容が全職員に共有され、定期的なフォローアップ研修を実施し職員自身が成長を感じながらやりがいを持って働ける職場環境作りに力を入れています。職員が悩みを感じる場合は一人で抱えるのではなく、法人本部内の対面・ネットや電話相談窓口、外部に設けた相談窓口「心の相談室」など多様な窓口があり、心身ともに健康的でやりがいを感じて働ける職場づくりの環境が整っています。

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