かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あっぷるキッズ青葉台

対象事業所名 あっぷるキッズ青葉台
経営主体(法人等) 社会福祉法人 東京愛成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0063
青葉区榎が丘7-10
tel:045-507-1417
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
あっぷるキッズ青葉台は、東急田園都市線の青葉台駅から徒歩7分ほどの住宅街にあります。平成29年4月に開設し今年で3年目を迎え、定員50名のところに1〜5歳児まで41名が在籍しています。園舎は鉄骨造り3階建でエレベータが設置され、建物面積は429.38uで園庭は145.4uあります。周囲は、都心に通勤する世帯が多く、間近には国道246号線が通っていますが、自然の地形を残した公園や緑地が数多くあります。設置法人は社会福祉法人 東京愛成会で、東京都と神奈川県に保育園5園を運営しています。
・園の特徴
1歳の待機児童が多く、地域からの要請もあって開設した保育園で、3〜5歳児はまだ人数が少なく一つのクラスで縦割り保育を行っています。異年齢の子どもたちが触れ合う中で様々なことに興味を持ち挑戦してみようという気持ちを育てるようにしています。3〜5歳児クラスでは、自分はどんな遊びをしたいかを考えて話し合い、遊んだ後に振り返り、次の展開に繋げることにより自立を促していこうとするハイスコープ教育を取り入れ始めました。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性を育てる保育
子どもたちの意見やアイデアを取り入れて運用できるように、週のスケジュール案には余裕を持たせ柔軟に対応しています。子どもたちの「何をして遊ぶの」「どうやってするの」「結果はどうだった」「今度はどうしよう」といった発案を大切に考え指導計画に生かしています。1歳児から「散歩で見つけた落ち葉やドングリを持って帰りたい」という声があり、自分の好きな色のペンでイラストを描き自分のマークをつけたドングリなどが入る「お散歩バッグ」を作りました。2歳児では、おもちゃを交替で使う際に「10数えて順番で遊ぶ」というルールを自分たちで作っていることがあります。数合わせゲームなど、一つのクラスで盛り上がった遊びを、他のクラスでも取り入れたりしています。

2.職員の気付きを促す取り組み
担任の職員に代わって他のクラスの職員が保育を行い、新しい目で振り返り職員会議などで気付いたことを話し合って情報を共有し、保育に生かす取り組み(あっぷるDAY)を2か月に1回程度行っています。
「ニヤリ・ヒヤリハット」に、子どもたちのさまざまな場面を記録しています。事故に繋がりそうな危ないこと(ヒヤリハット)だけでなく、子どもたちのほほえましい、思わずほっくりするような姿(ニヤリ)を記録して振り返り、子ども同士の関係や職員との関わりについてどのようにすればよいか話し合っています。

3.充実した育児講座開催による地域連携の推進
音楽大学生による演奏会、劇団の人形劇、講師による食育講座など年間を通して専門家による育児講座を実施しています。在園児のほか近隣子育て世代を招いて地域の連帯感を強めるとともに、子どもたちの感性を高め親子の話題作りにも役立っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.理念や基本方針を実現するための人材育成計画の作成と実行
人事規程には、職階別に必要な経験、知識、能力が示されていますが、理念や基本方針を実現するために必要な保育士を育成する観点から、人材育成計画を定め、これに基づいたキャリアパスを作って職員の資質向上に繋げていくことが期待されます。

2.育児相談やボランティアの受け入れの推進
開園以来日が浅く育児相談やボランティアの実績がありません。地域とのつながりをさらに推し進め、子育て世代のニーズ把握や、ボランティアの気づきなどを園運営の参考とするため、受け入れを図ることが期待されます。

3.子どもの様子を保護者に伝えるさらなる工夫
登園時には保護者から家庭での様子を聞き、降園時には職員から園での様子を伝えています。降園時に担任がいない場合も遅番職員が伝えたり、あとで電話をしたりしていますが、送迎の際の子どもの様子などに関する情報提供について、保護者アンケートの回答では「不満」「どちらかといえば不満」の合計が38%となっています。送迎時に子どもの様子を伝える方法をさらに工夫し、保護者の満足度を高めることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの人格を尊重しどのように育ってほしいか、どのように支援すればよいかを考慮し、保育方針「・豊かな心、人を愛する気持ちを育てる・遊びを通してたくましい心と身体を作る・夢をもって感動する心を育てる」を定めています。保育理念や保育方針は設置法人共通で、職員は採用時に研修を受けています。園長は、保育理念に込められた思いを理解出来るように、具体的な事例で説明しています。

・子どもに対して肯定形で話す、呼び捨てにしない、命令形はやめる、伝えたいことは明確に、大きな声を出したりせかしたりせず子ども自身で気づくよう穏やかに話すなど言葉や伝え方を考えて話すようにし、職員間で振り返っています。

・個人情報に関するデータは鍵のかかる保管庫に保管し、保護者に重要事項説明書で説明しています。また園のホームページへの写真の掲載を望まない場合は、園に届けが必要なことも説明しています。職員には、個人情報を含む書類を園外に持ち出すことを禁じています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念や基本方針に基づいて全体的な計画を立て、指導計画を作成しています。指導計画は、子どもたちの意見やアイデアを取り入れて運用できるように余裕を持たせています。

・担任の職員に代わって他のクラスの職員が保育を行い、子どもの成長の様子を新しい目で振り返り保育に生かそうとする取り組み(あっぷるDAY)を行っています。

・1、2歳児は個別指導計画を作成しています。特に配慮が必要な場合は、幼児でも個別支援計画を作成し、療育センター見学の様子や友達との関わりが増え遊びを楽しむようになったことなどは個別日誌に記録し、計画の参考にしています。

・1〜3歳未満児は、自分で好きな玩具を取りだして友達や職員とゲームをしたり、着替えを持ち出して服を脱いだりたたもうとしています。職員は子どもたちの自分でやってみようとする気持ちを受け止め、出来ないところを援助しています。

・3歳児は公園での鬼ごっこや、雨の日には室内で衣装を着けてマイクを持って好きな曲に合わせてダンスの練習をしています。4、5歳児は、ゲームやボール遊びなどルールを守って集団で活動することや打楽器をたたいてみんなでリズムを刻む事を経験しています。

・公園への散歩では探索活動により自然に触れるようにしています。落ち葉でケーキを作る、木の枝で地面に絵を描くなど自由に遊んでいます。

・鬼ごっこでは子どもが自由にルールを作る、また身近にあるものを利用し子どもの提案でアイス屋さんごっこやお茶屋さんごっこなどを楽しんでいます。制作途中の工作物などを保管することができ、続きができるようにしています。

・子どもたちに常に公平で温かい態度や言葉遣いで接するよう、職員会議で毎月「こんな言い方をするといいね」など「ニヤリ・ヒヤリハット」などを参考に話し合っています。

・メニューや子どもの体調、個人差などを考慮して、子どもに応じて食べきれるように加減して盛り付け、食事が楽しくなるように配慮しています。苦手な物は無理強いせず、食べることができたら褒めながら進めています。料理を出す順番を工夫し、食事が進むようにているクラスもあります。

・トイレットトレーニングは子ども個別の発達状況に応じて進め、子ども一人一人の様子や気持ちを確かめ声かけしています。保育園での排泄の様子を保護者に伝え、また家庭での様子も聞き、保護者の意向も確かめ連携し進めています。

・年2回のクラス懇談会ではクラスの現在の様子、今後のクラス運営などを説明し、さらに各年齢の特徴などを伝え、保護者からの質問の時間を設けています。また動画を使い、絵本の読み聞かせなど保育内容を保護者に紹介しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は、入園時に説明するとともに、変更した場合はクラス懇談会や保護者会で説明し、欠席者には手紙を出して周知しています。

・入園時の面談表、児童家庭調査書、児童保健調査表などから子どもの情報、生育歴や家庭の状況、家族構成などを把握し、これらを児童票ファイルにまとめ、園の新しい環境の中でその子どもに合った対応が出来るよう話し合っています。

・玄関はバリアフリーになっており3階屋上園庭までエレベータがあり、トイレも車椅子での使用が可能です。アレルギーのある子どもや障がいのある子どもなど配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。

・障がいのある子どもの研修や、青葉区こども家庭支援課や横浜市北部地域療育センターなどの情報を得て、子どもへの対応や配慮について主担会議や職員会議で話し合っています。障がいのある子どもとの関わりでは、お互いの気持ちをくみ取って仲立ちし見守りながら援助しています。

・職員は、虐待の内容、チェック方法、対応、連絡などについて周知し、虐待が明らかになった場合は、横浜市北部児童相談所や青葉区こども家庭支援課に通告・相談する体制が出来ています。

・外国籍や文化の異なる子どもを受け入れる場合は、入園前の面談で、文化、生活習慣、食事などについて聞き、日本の習慣を押しつけないよう配慮し、子どもたちには、世界には多くの国があることを絵本などで話しています。

・入園時の説明会で、苦情受付担当者(主任)と解決責任者(園長)が決まっていること、第三者委員に直接苦情の申し立てが出来ることや、第三者委員の氏名・連絡先について重要事項説明書で説明しています。第三者委員は近隣の方で、クリスマス会など園の行事にも参加して保護者と面識があります。

・入園時は児童票、健康カードで既往症などを把握し、その後は予防接種の記録も追記しています。1、2歳児は家庭と園との連絡帳で、食事、睡眠、排泄、健康などを把握し、登降園時に保護者と直接話して健康状態を確認しています。3歳児以上はボードに貼り付けたメモで、保護者と連絡を取り合っています。

・年2回の嘱託医による健康診断・年2回の嘱託歯科医による歯科健診の結果を一人一人の健康カードや個人記録に記載しています。診断に先立ち保護者からの質問をあらかじめ聞き、医師からの回答をもらい、保護者に伝えています。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)予防の対策として、午睡時に1歳児は10分おきに呼吸を確認してSIDSチェック表に記録しています。2歳児以上は顔が見えるように一人一人確認しています。

・毎月の火災、地震の避難訓練、消防訓練、年2回の不審者対応訓練、119番通報訓練を実施し、非常用持ち出し袋や散歩バッグ、ウエストポーチの中身リストの作成・点検も行っています。訓練後は職員会議で振り返りを行っています。

4 地域との交流・連携

・園庭開放、交流保育、育児講座などを開催し、参加者の意見やアンケートなどから保育園に対する要望を把握するように努めています。育児講座では、講師を招いた食育講座のほか、音楽大学の学生による演奏会、劇団の人形劇など、年間を通じて親子で参加・体験できるよう企画し、保護者や地域の親子が参加しています。

・横浜市北部地域療育センターや青葉区の保健師と情報交換を行っています。保護者が子どもの健康上の問題について園の紹介により区の保健師と相談し、状況の改善に繋がったこともあります。

・近隣の家へ園の騒音について尋ねるなどの配慮をしています。消防署のトレーニングルームを借り、運動会のリハーサルを行いました。近隣の園芸店に苗の手配と園芸の指導をお願いしています。

・園の基本方針や利用条件・保育内容などについて、パンフレットなどで入園希望者に説明しています。園の方針や重要事項説明書は事務所前に掲示し、見学者に説明しています。可能な限り見学希望に対応しています。見学は午前中とし、日程については希望を聞き、園長と主任が対応しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・横浜市こども青少年局、青葉区のホームページ、園のホームページに福祉サービス内容の詳細、料金、給食の体制など園の情報を掲載しています。青葉区子育て支援情報に半月ごとに、園庭開放、育児講座、交流保育、育児相談の情報を掲載しています。

・職員は、採用時に就業規則や個人情報保護規程などにより順守すべき事柄について研修を受け、職員会議でもSNSへのアクセスについて注意喚起しています。園長は、不適切な事例に関する情報が入れば、職員会議で説明し注意しています。

・理念や基本方針は設置法人共通で、採用時に研修を受けるほか、年2回の面談時にも、園長は職員の理念の理解度や理念に基づいた保育を行っているかなどについて確認しています。

・園の自己評価は、保護者の個人面談や運動会など行事の開催に関すること、延長保育など保育サービスに関すること、遊び、食育、自然との親しみに関すること、設備のことなど保育方針や全体的な計画に沿って行われ、園内に掲示し保護者懇談会で説明しています。

・安定軌道に乗せていくことを最優先課題として、5年間の中・長期計画を策定しています。保育の計画に則った保育の実施、保護者が安心して働けるような細かな配慮や地域との交流などのサービスの向上を目標として掲げています。

6 職員の資質向上の促進

・園長は、職員から休職・退職予定、今後の業務上の希望などを聞き、入園予定人数や配慮を要する子どもの情報をもとに、設置法人と連絡を取り保育所運営に必要な人材の確保や育成を行っています。

・園長は職員と面談し、経験や本人の希望に添って目標を定め、期末には達成の状況や翌年に持ち越したことなどについて話し合い助言しています。

・横浜市、青葉区、設置法人本部、その他外部の研修などについて年間計画を立てて実施しています。設置法人では、保育のあり方について広く情報や知識を収集するため海外研修を実施しており、今年度は、当園からも職員が参加しています。

・経験の豊富な常勤職員(主担)と比較的経験の浅い職員を組み合わせるようにして、判断を要する事柄については、主担の職員が関わるようにしています。

・職員は、毎月の主担会議や職員会議で日常の業務について振り返りを行い、年度末の職員会議で各自の自己評価や問題点について話し合い、共通する課題について取りまとめ、園としての自己評価をしています。

・各指導計画にねらいや目標を掲げ、職員は保育の実施方法が、計画した保育のねらいに沿っていたか振り返って結果を記入し、園長・主任が確認しています。

・人事規程と給与規程の「職務と職責」に、職階別に必要とされる経験、知識、能力が記載されています。人事規程や園内の役割分担表に各自の職務や役割が示されています。園長は、報告・連絡・相談を行うことにより、出来るだけ職位に応じて状況を判断できるよう権限の委譲を進めています。

・実習生受け入れマニュアルに従って、実習に合わせてプログラムを工夫し、実習日誌でのやりとりや反省会を設け、主任や担任と話し合う場を設けています。

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