かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーりょくえんとし保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーりょくえんとし保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0002
泉区緑園2-2-3
tel:045-812-7112
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
小学館アカデミーりょくえんとし保育園は、相鉄いずみ野線「緑園都市駅」から徒歩の交通の便が良い閑静で落ち着いた住宅地に立地しています。建物は、周辺環境に馴染むようなデザインであり、2階建の単独施設になっています。
開設は、平成25年4月で、定員は0歳児から5歳児までの60名です。開所時間は延長保育を含めて、平日は7:00から20:00まで、土曜日は7:00から18:00までとなっています。
運営法人の株式会社 小学館集英社プロダクションは、首都圏を中心に多数の保育園を運営するなど保育事業を展開するほか、各種教育関連事業、メディア事業を実施している法人です。法人の運営する保育園の運営理念は「あったかい心」をもつ子どもを育てるであり、「主体性」を大切にしますなどの8つの基本方針を踏まえて、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ、そして、子どもの「得意」を伸ばす保育を目指す「楽習保育?」を展開しています。


≪優れている点≫

1. 職員間で共に学び合い、連携良く子どもの育ちを見守っています 

園では、毎月、園長と看護師、栄養士が、それぞれ指導を担当して、園内研修を実施しています。園長は、保育の質の向上のため、保育場面での様々な事例を基に子どもへの言葉かけや対応方法についてなど、保育士としての心得を含めたテーマを取り上げています。
看護師は、感染症対策やエピペン対応などについて、栄養士は、離乳食の進め方やアレルギー食の対応についてなどのテーマを設定して、職員全体が専門的な知識を深められるようにしています。
また、園内研修では、公園内の事故を想定したロールプレイングを行い、職員が取るべき適切な初期動作について、意見交換を行いながら確認し合うなど、子どもたちが安心して安全に保育活動ができるよう、取り組んでいます。
園長はじめ看護師、栄養士、保育士は、こうした研修を通して、職員間で共に学び合い、チームワーク良く連携を図りながら、日々の保育にあたっています。


2.子どもの主体性を大切にした保育の実践と環境整備を行っています

法人独自の保育プログラム「楽習保育?」を基軸として指導計画を作成し、製作活動や食育、運動遊びなどの様々な活動を通して、子どもたちが楽しみながら主体的に取り組めるようにしています。
子どもの発想をもとに廃材を使って製作活動を行ったり、「種は茶色なのに、どうして大根は白いのか?」と、子どもが疑問を持ったことを食育につなげたり、子どもたちが考えた劇のセリフやダンスの振り付けを発表会で披露するなどしています。

また、好きな絵本を落ち着いて読めるライブラリーコーナーやブロックなどのおもちゃを使って、じっくりと遊び込めるラーニングセンター、園庭に造られた畑やビオトープなど、職員間で話し合いながら、子どもたちが自分のやりたいことを見つけ、活動や遊びを通して興味や関心を広げていけるよう、環境づくりを行っています。


3. 地域との交流を積極的に行い、地域に開かれた運営をしています

園では、地域との交流に積極的に取り組む活動をしています。近隣にある「地域子育て支援拠点」の活動に協力して、園の栄養士や看護師が、地域の保護者に食育や感染症の話をしたり、子育て相談に応じたりしながら地域の子育て支援ニーズを把握しています。園児たちは、自治会の会館で定期的に開かれている高齢者の集まり「井戸端会議」を訪問して地域の高齢者と交流しています。
園長は、地区社協の役員として地域活動に積極的に協力しています。地区社協等が主催する「ふれあい祭り」に参加したり、NPOや区役所が開催する地域イベントに参加したりしています。また、園長は泉区まちづくり未来塾の塾生となり、地域に必要な知識を実践的に学びました。区長からは修了証と皆勤賞も贈られています。
この地域には、地域に関する情報をネットで発信をする拠点があり、「育児講座」など子育て支援に関する情報媒体として活用しています。ボランティアの来訪も活発にあります。野菜に詳しい地域の高齢者のグループが、子どもたちに野菜の栽培について教えたり、収穫したりして交流しています。園庭を利用してビオトープに取り組んでおり、ビオトープアドバイザーが協力してくれています。
シニア地域ハーモニカサークル等の訪問もあり多くのボランティアに支えられて運営されています。子どもたちは、地域に見守られながら地域の一員として活動し、成長しています。


≪努力・工夫している点≫

1.保護者の保育参加を積極的に受け入れています 

子どもたちにカブトムシの飼育方法や絵画、ダンスなどを教えてもらったり、バイオリンやピアノの演奏会を行ってもらったり、保護者の得意なことを生かして、保育活動に参加してもらう取り組みを行っています。
子どもたちや職員と一緒に、夕涼み会の飾り付けやクリスマス発表会で行う劇の背景画の製作をしてもらうなどして、園の方針や活動について、より理解を深めてもらい、信頼関係を築いていけるよう努めています。

≪課題や改善することが期待される事項≫

1.育児相談を実施していることの地域の保護者へ周知

 「保育所地域子育て支援事業」として、年3回の育児相談と交流保育、そして毎月の誕生会に保護者と子どもを招待しており、その際の参加者には育児相談も行っています。地域子育支援拠点でも、地域の保護者に栄養士や看護師が食育や感染症の話をする際にも相談に応じています。さらに、園の見学を毎日受け付けており、見学の際にも希望があれば育児相談をしているなど評価できる取り組みをしています。
「育児相談」としての案内はしていません。子育てに悩みを抱える地域の保護者が、安心して相談できる場が求められています。保育の専門家として、定期的に相談日を設けるなどの取り組みが期待されます。育児相談の実施を広く地域の保護者に周知するなどについて検討されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育の理念は、「あったかい心をもつ子どもに育てる」とし、その理念実現のため、「思いやり」「生きる力」「主体性」等を育てる8つの基本方針を策定し、法人が作成しているマニュアルに基づき、人権に配慮した保育をしています。職員は、就職時研修はもとより、各指導計画策定時や職員会議等で理念、基本方針を確認、理解しながら人権を尊重した保育を実践しています。園長は、様々な事例を基に、子どもへの言葉がけや対応方法について、園内研修を行っています。

A 個人情報の取扱いについては、法人作成の「個人情報保護基本方針」に基づき、守秘義務の意義や目的について、職員、ボランティア、実習生に周知しています。入社時の本社研修や情報管理についての園内研修を行っており、入社時及び退社時に誓約書を交わしています。保護者へは、入園時に文書を用いて説明をしています。個人情報に関する記録は、事務所の施錠できるキャビネットに保管されています。

B 男女共同参画社会に向けて、性別による固定的な役割分業意識を植え付けないための取り組みをしています。職員は、マニュアルを基に入職時に研修を行っています。活動や遊びの際の順番やグループ分け、整列などを性別で行わないことを職員間で共有し保育にあたっています。保育の中で、気になることがあった際は、職員間で気づきを伝え合っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画は、保育の理念や基本方針に基づき、子どもの主体性を大切にするなど、子どもの最善の利益を第一義にして策定されています。今回の指針で新たに示された「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」も意識しつつ保育に取り組めるように意識したものになっています。全体的な計画策定に当たっては、職員会議で話し合うなど全職員が関わり、内容を理解するようにしています。「年間指導計画」「月間指導計画」「週案」「日案」では、具体的に、子どもの言葉、表現、コミュニケーション力を育て、主体性を発揮できることを意図したものになっています。

A 子どもの発達に応じた環境整備のため、低年齢児は、保育士と1対1の関わりの中で、保育室でのんびりと過ごすことを基本として、廊下や屋上園庭を利用するなど小集団に分かれて保育をしています。子どもの興味分野、発達段階に応じた「遊びのエリア」を廊下のコーナーに設置した「ラーニングセンター」や絵本等のある「ライブラリー」を用意するなど小集団で活動できる場の工夫をしています。異年齢児の交流は、幼児クラスでは保育室を柔軟に使用して実施しており、延長保育や保護者の送迎の時間帯には合同保育が行われています。

B 保護者と交流・連携してニーズに応じた保育を展開しています。園長、職員は、保護者と話しやすい雰囲気を作れるよう努めています。保護者からの相談は、内容によって相談室を用いて、保護者が安心して話ができるよう配慮しています。園では、保護者の得意なことを保育活動に生かしてもらえるよう取り組んでおり、昆虫の飼育方法や絵画を教えてもらったり、バイオリンやピアノの演奏会を行ってもらったりしています。年に3回開催している運営委員会には、各クラスの代表に参加してもらい、園の運営や保育活動の内容などについて、意見交換を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 0、1歳の新入園児には、主に担当する保育士を決めており、1対1の関係を通して信頼関係を築けるようにしています。0〜2歳児は、連絡帳を使って保護者と連携しながら、家庭と園との生活の連続性を確保できるようにしています。新入園児受け入れの時期には、在園児にとっても環境が変わるため、新しい生活に慣れ、落ち着いて過ごせるように丁寧に関わるようにしています。指導計画は、クラス担任の保育士が話し合い、子どもの姿を共有し、園長、主任の指導を得て作成しています。保護者からの要望等は、「運営委員会」での意見交換を踏まえて、指導計画に反映しています。

A 苦情受付窓口は各クラスの担当保育士、苦情解決責任者は園長となっています。送迎時などに個別に保護者の意見を聞いているほか、行事後にアンケートをとるなどして、園に対する要望を把握し、改善に向けて取り組んでいます。第三者委員の氏名及び連絡先、解決のための仕組みについてのフローチャートをエントランスに掲示しています。外部の苦情解決窓口として、横浜市福祉調整委員会のポスターを掲示して保護者に周知しています。保護者からの意見や要望、苦情は、法人の担当部署とも連携して解決策を話し合っています。必要に応じて、泉区こども家庭支援課などと連携を図りながら解決する体制を整えています。

B 安全管理に関するマニュアルに基づき、プール活動や睡眠中などの事故防止について園内研修を行っています。地震や火災など様々な場面を想定し通報訓練や避難訓練を行っています。園では、安全委員会を設置して事故防止に取り組んでおり、散歩コースや公園のひやりはっとマップを作成しています。園の門扉と玄関は、常時電子錠が施されており、警備会社に委託して24時間のセキュリティシステムを導入しています。不審者対応に関するマニュアルが整備されており、年に一度、不審者対応訓練を実施しています。

4 地域との交流・連携

@ 園の栄養士や看護師が「地域子育て支援拠点」等で食育や感染症の話をするなど地域との交流に取り組んでいます。園では定期的に育児講座を開催したり、誕生会に保護者と子どもを招待したり、見学の際に相談に乗るなどの機会を通して、地域の子育て支援ニーズを把握しています。園では、地域の子育て支援ニーズに応えて、育児相談、交流保育、誕生会への招待を定期的にするなど、子育て支援のサービスをしています。

A 毎月のお誕生会やハロウィンの行事の際に、地域の保護者や子どもを園に招待しています。地区社協が毎年主催しているふれあい祭り、餅つき大会、キッズフェスティバル等に協力して参加して交流しています。年長児は、小学校の1年生、5年生の生徒と交流する機会を持っています。中学生の福祉体験の受け入れも行っています。地域交流センターでの地域の子どもの身体測定やキッズフェスティバルの際には、園の備品の貸し出しを行うなど協力をしています。地域の高齢者の集まり「井戸端会議」を訪問したり、町内会役員の方には、運動会、クリスマス会に園に来てもらっています。

B 園の行事案内等の情報は、地域の情報発信拠点にメールで随時送っており、拠点のメルマガで紹介されています。この地域は、まちづくりの一環で地域コミュニティづくりも計画的に進められ、地域情報を発信する拠点も整備されています。横浜市や泉区のホームページには保育所のサービス内容の情報が掲載されています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 保育所の理念、基本方針は、園の紹介パンフレット、重要事項説明書等に明記され、保護者には見学や入園説明会で丁寧に説明しています。理念や基本方針の考え方について、保護者に十分な理解を得たうえで保育サービスを実施しています。理念や基本方針を踏まえ作成した年間指導計画や月間指導計画には、自己評価欄で振り返りをして、次の計画に反映するようにしています。この計画は、クラスの職員間で話し合って作成し、主任、園長が確認して丁寧に対応しています。保育のねらいは、子どもの発達段階や状況に合わせて設定しています。

A 職員の業務を行う上での指針となる「施設運営の手引き」の「コンプライアンス編」に、「人権への配慮」、「個人情報保護方針」、「望ましい職員としての資質や態度」など職員が守るべき事柄が記載されています。経営、運営状況等の情報は、法人のホームページに掲載されています。他の保育施設であった園児に対する不適切な事例について、職員会議等で職員に伝え教訓としています。こうした事例は、本部が収集、分析して各保育所に啓発の材料として配付しています。重要な事務・経理処理は、本部で対応していますが、保育所での適切な事務や経理処理のための要領は、本部から都度通知があり、事務職員が対応しています。経理処理については、毎月分を本部に送ってチェックを受けています。

B 園では、保育理念、基本方針、保育目標に基づき、3カ年の「中・長期事業計画」を策定しています。保育サービスの質の向上等の5つの「重点項目」とそれぞれの「具体的な取り組み」を掲げて年度ごとに割り振っています。この計画はローテーション方式で年度ごとに1年ずつずらしていく仕組みにしています。この3年先までを見通した「中・長期事業計画」を踏まえて単年度の計画「年間事業計画・行動計画シート」を策定しています。これは、年度の重点項目を定めて、テーマや具体的な行動内容ごとに担当者にアサインして月ごとに進捗状況をチェックする様式になっています。次代の園長や主任など幹部職員を育成するプログラムが用意されており、中・長期的な保育所運営に備えています。

6 職員の資質向上の促進

@ 法人理念、基本方針を踏まえて、「専門性」「社会人性」「人間性」「経営性」などの分野別に具体的な「求められる職員像」を掲げています。一人一人の職員のキャリアに応じた年間の研修計画を策定し、必要な研修を受けられるようにしています。法人主催の研修、行政の研修、療育センターなど専門機関の研修など多彩な研修が用意されています。職員は、「個人能力向上シート」により、「園の目標」を踏まえた「個人の目標」を定め、中間期、期末期に、園長と目標達成度の振返りをしています。

A 園長やクラスのリーダーは、非常勤職員に日常の指導ができるような体制になっています。毎月の業務シフト作成に当たっては、クラスごとに適切な保育が出来るように、常勤職員と非常勤職員の組み合わせを行っています。非常勤職員は、定期的に開催される「パートミーティング」で、園長、看護師、栄養士から必要な情報を得たり、子どものアレルギー対応など安全面での指導を受けたりしています。職員会議や毎日の「昼ミーティング」を記録した「ミーティングノート」は、出退勤時に必ず目を通すようにしており、情報共有しています。

B 職員の振返りは、「個人能力向上シート」で行い、「職員像」「計画」「環境設定」「保育実施」などの「専門性」そして「社会人性」「人間性」を4段階で自己評価しています。この振返りを基にして、職員会議で話し合って保育所の自己評価をしています。子どもの興味分野、発達段階に応じた遊びのエリア「ラーニングセンター」での実践の中で、常に振り返りの話し合いをしてより使いやすい場になるように工夫しています。配慮が必要な子ども等について、地域療育センターの専門職や専門機関の臨床心理士からアドバイスを貰える体制になっています。

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