かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横濱あんじゅ保育園(2回目受審)

対象事業所名 横濱あんじゅ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社グリーンネット
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0821
旭区二俣川2-58-8
tel:045-360-0611
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
株式会社 グリーンネットの横濱あんじゅ保育園は、平成24年に開園して8年目を迎える保育園です。生後57日目から5歳児までの子どもたち116名(定員90名)が在籍し、障がい児保育、一時保育も行っています。
保育園は相鉄二俣川駅から徒歩3分ほどの高台に位置し、駅周辺の再開発が進む中、遠方に通勤する子育て世代が増えた地域です。園舎は鉄筋コンクリート造り6階建てビルの1〜3階の部分で、上階には高齢者の小規模多機能施設があります。園庭はありませんが、大小の公園が周辺に点在し、近隣には果樹園や畑もあって、自然豊かな環境に立地しています。

保育理念「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指す」、保育方針「豊かな人間性を持った子どもを育成する 心と身体の自立を促す保育」を掲げています。
障がい児・医療的ケア児を積極的に受け入れ、子ども一人一人の個性と受け止めて、インクルーシブな保育(特別な配慮の有無に関わらず、包括的に保育すること)をすることで、お互いを思いやる気持ちが生まれる関わりを大切にしています。

【特に優れていると思われる点】
1.インクルーシブな保育をするにあたっての園の取り組み
 保育園では医療的ケア児や発達障害ほか配慮を要する子どもを受け入れてインクルーシブ保育をするにあたって様々な取り組みをし、どの子どもにとっても居心地の良い、お互いを思いやれる環境を作っています。
?入園前の見学会では、インクルーシブ保育を行っていることを説明しています。
A保育室ではパーテーションを使って一人になれるような空間を作るなど、子どもの状況に応じた対応、配慮をしています。
B保健室には看護師が常駐して、すぐに助言を得られるようになっています。大学病院とつながっている医療機関や療育センターと連携し、助言や情報を得ています。
C保育士・看護師・栄養士の連携を密にして、子ども一人一人に応じた対応をしています。
D小学校入学を前に、保護者との連携のもと、学校との連絡を密にしています。
子どもの個性として配慮が必要なことを、子どもたちにわかりやすく伝えています。たとえば、「○○ちゃんはとても耳がよくて小さな声で十分聞こえるから、大きな声をそばで出さないようにね」と話すと、子どもたちは納得して気を付けるようになります。

2.子どもの発達を促す手作りおもちゃや子どもが落ち着けるコーナー作り
 子どもの成長過程に応じて、手に触れて感触を楽しむおもちゃや音の出る物、牛乳パックで作った斜面や階段、形を変えて遊べる柵など多数揃えた手作りおもちゃを使って、意欲的に遊ぶ子どもの姿があります。また、ままごとセットや買い物袋、冷蔵庫を備えたコーナー、手作りのレジやメニューを備えたレストランコーナー、絵本コーナーなど、パーテーションを使ってその都度コーナーを作り、子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。

3.外部・内部研修の充実
 職員は「乳幼児救急法」「発達障害のお子さんの感覚・姿勢・運動の話」「インクルーシブな保育」「音楽とは」などの外部研修を積極的に受講し、受講した職員は報告を兼ねて内部研修を行い、知識と対応の共有化を図っています。非常勤職員も研修が受けられるようになっており、必要な内部研修は2部制にして全職員が出席できるようにしています。
さらに、他園の職員と交流することで、手作りおもちゃや環境構成について新たな気付きを得ています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.ボランティア・実習生の受け入れマニュアルの整備
 看護専門学校のボランティアや保育の実習生も受け入れて、園の方針や配慮事項など十分に説明していますが、受け入れマニュアルとしては整備されていません。継続的な受け入れのためにも、マニュアルの整備が期待されます。

2.保育の質をさらに高めるための課題改善への取り組み
職員は日常的な保育実践の振り返りとともに、年度末に自己評価をして、園としての課題を明らかにしています。保育の質のさらなる向上を図るために、改善に向けての職員一人一人および職員全体で話し合う取り組みを、さらに発展させることが期待されます。

3.1、2歳児の「個別指導計画」への振り返り記入欄の追加
 0歳児の個別指導計画には個別の子どもの支援についての職員の自己評価欄があります。1、2歳児の月案には「ねらい」「配慮・援助」欄、クラス全体の自己評価欄はありますが、個別の自己評価欄がありません。個別の支援について、クラスの職員間で振り返り、話し合って次月の計画に繋げていることを、書式の上でも評価・振り返り欄を設けて自己評価が記載できるように改善が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの呼び方を含む言葉遣いや子どもの人権を尊重することなどについて職員会議で確認しています。職員は、穏やかでゆったりとした言葉で子どもたちに話しかけるよう心がけています。せかしたりせず一人一人のペースで見守り、子どもと話すときには、職員の目線、言葉かけ、声の大きさなどにも気をつけ、子どもが理解できる言葉で分かりやすく話ができるようにしています。

・保育室の中には死角にならない程度にパーテーションなどを利用して、子どもが一人になれる空間を作っています。保育室の隅っこや廊下などのスペースを一人や少人数でゆっくり遊びたい時に利用しています。

・排泄の失敗時については他の子もから見えないところで処理をし、またプール遊びの際には外から見られないようなすだれや目隠し用のネットを備えています。

・園には個人情報取扱規程と個人情報保護規程があり職員に周知しています。実習生にはオリエンテーションの際に説明し、誓約書を交わしています。入園時の保護者説明会で個人情報の取り扱いについて説明し、承諾を得ています。

・遊びや行事の役割、持ち物などは性別による区別をしていません。行事の役割は子どもたちの話し合いで決めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・おもちゃは子どもが取り出しやすいようにかごやケースに入れ、背の低い棚に置いてあります。絵本は子どもが手に取りやすい低い棚に置いてあり、子どもたちは自分たちで好きな絵本を選んでいます。

・ 年齢や子どもの発達に応じておもちゃの入れ替えや、室内環境の見直しをしています。園には手作りのおもちゃが多数用意されており、年齢や季節に応じておもちゃを選び遊んでいます。

・子どもが自由に表現できるように、絵の具、粘土、折り紙などを発達に応じて保育に取り入れています。また発達に合わせて、跳んだり跳ねたり、リズム遊びなども取り入れています。

・今月の歌を決め、朝の会や帰りの会では子どもたちに歌いたい曲をたずね、楽しく歌えるようにしています。ピアニカをはじめ、ハンドベル、カスタネット、タンバリンなどの楽器も用意しており、子どもたちは楽しんでいます。

・子ども同士のトラブルの際は危険のないように見守り、子どもの気持ちを受け止めながら、それぞれの気持ちを言葉で伝え解決できるよう援助しています。言葉で表現できない乳児には保育士が仲立ちとなり代弁しています。

・職員は子どもの食べるペースや好き嫌いを把握し、楽しい雰囲気の中で食事ができるようにしています。苦手なものがあっても無理強いせず「一口だけでも食べてみようね」と声かけしています。また食べられたときには褒めて、次も食べてみようという子どもの意欲を引き出しています。

・2歳の後半から当番活動を行っています。「いただきます」を言ったり、献立を読み上げたり、年長児は配膳を自身でしています。三色表を保育室に掲示して、子どもたちは学んでいます。

・畑での栽培活動で収穫した野菜や果物を調理してもらい、自分たちで調理するなどの経験を保育に取り入れています。収穫したさつまいもを茶巾絞りにするなどのクッキング活動をおこなっています。

・園の近隣にはたくさんの公園があります。園では散歩マップを作り、公園の遊具や距離によってランク付けをしています。発達に応じてレベルに合った公園で遊ぶように計画に盛り込んでいます。

・乳幼児突然死症候群に対する対策としてうつぶせ寝にしないよう注意して、0〜1歳児は5分おき、2歳児は10分おきに呼吸チェックをしています。子どもの顔色や呼吸が苦しそうでないかを体を触って体調を確認しています。

・トイレットトレーニングは一人一人発達状況を重視して家庭と連携をとりながらすすめています。家庭での状況を詳しく聞き、また園での進み具合を保護者に伝え無理のないように進めています。

・長い時間保育室で過ごす子どもがゆったりとくつろいで過ごすことができるよう、ついたてなどを用意し、コーナーを工夫しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画に保育理念・方針を明記し、その内容は子どもの最善の利益を第一義としたものになっています。保育の方法・環境、保護者との連携・保育の共有方法、子育て支援方法について基本的な具体項目を挙げています。

・入園説明会には子ども同伴で来園してもらい、保護者提出の児童票をもとに面接を行い、子どもの入園までの生育歴や家庭での状況を聞き取り、子どもの発達状況や課題を把握しています。面接には園長、主任、担任、必要に応じて栄養士、看護師も同席しています。また、同伴の子どもの様子をよく観察し、入園後の対応について検討しています。

・ならし保育については、入園説明会で子どものために必要なことを説明して、保護者同伴で2週間、1時間ずつ徐々に時間を伸ばして、親子ともに園生活に慣れる期間としています。

・全体的な計画に基づき、各年齢の年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。子どもの生活の連続性の視点から、保護者と連絡帳や送迎時の会話を大切にしています。個人面談やクラス懇談会、行事後のアンケートで保護者の意向を聞き、指導計画に反映しています。

・個別の「発達記録」は0〜2歳児は毎月、3歳児以上は2か月ごとに記入し、子どもの重要な申し送り事項の記録はファイルして、年度末の職員会議で個別配慮などの申し送りを行っています。「保育所児童保育要録」は5歳児担任と園長が作成し、小学校に手渡しています。

・健康管理マニュアルに沿って、登園時に家庭での子どもの様子を聞き、受け入れの際に検温を行い、保育日誌に記録しています。看護師が各クラスをまわり、子どもの体調を把握しています。

・安全管理、事故防止、災害対策に関するマニュアルがあり、事故発生時、火災発生時、警戒宣言が発令された時の対応などを安全管理マニュアルにまとめ、職員は周知しています。毎月、火災・地震・津波を想定した避難訓練、通報訓練、消火訓練を行っています。不審者対策の訓練を年1回行っています。常勤職員は救命救急法の研修を受けており、AEDの研修は消防署と連携して年1回必ず複数の職員が受け、会議で共有しています。

・相談・苦情受付担当者は主任、相談・苦情解決責任者は園長とであること、第三者委員2名の氏名、横浜市福祉調整委員会に相談できることを、保護者に配付する「入園・進級のしおり」に明記しています。苦情について園単独で解決困難な場合は、旭区こども家庭支援課などと連携して対応する体制があります。

4 地域との交流・連携

・公園では地域の子育て世代の保護者と交流して、相談に乗ったり意見を聞いています。園で行う運動会や、夏祭りの際には町内会を通して近隣の方にお知らせを配布しています。地域子育て支援サービスとして、一時保育を行っています。

・地域の保護者に対する相談は、園見学などの際に行っています。また、ツィッターなどインターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービスを使って相談を受けた中から、子育て支援ニーズを把握しています。

・旭区の広報やホームページに情報を載せています。地区センターやその他の育児支援機関にも情報を提供しています。育児相談は、園見学の際などにその都度園長、主任などが対応しています。特に障がい児や医療ケア児に関しての相談は嘱託医と連携して行っています。

・旭区の地域子育て支援拠点「ひなたぼっこ」で行われる講習会や、ひろば活動などに職員や看護士を派遣しています。

・3つの自治会に加入し、小学校での地域の夏祭りに参加したり、公園の清掃に職員が参加したりしています。ハロウィンでは地域の商店の協力を得ています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・組織・職員が不正・不適切な行為を行わないように「グリーンネット行動基準」として明文化され、職員に周知しています。不正・不適切な事案を職員会議などで取り上げて、自分たちの園に置き換えて要因などを話し合っています。

・事務、経理、取引などについて、内部監査を定期的に実施するほか、外部に委託している税理士による外部監査を月2回受け、指導を受けています。

・4、5歳児もゴミの分別を行っています。なるべくゴミを出さないように、資源を効率的に使うように気を付けています。照明をはじめ、省エネルギーの促進を図っています。

・重要な情報は会議などで重点改善課題として話し合っています。大津の事故を踏まえて、散歩マップで危険個所をマークするなど対策を講じています。

・運営面での重要な改善課題、たとえば保育時間の12時間対応について、園全体で検討しています。次代の園の運営を担う仕組みを検討し、計画的に後継者を育成しています。運営に関し、他園の園長や療育センターなどの意見を取り入れるよう努めています。

6 職員の資質向上の促進

・園の方針をふまえた保育士を育てるために、必要な知識や技術が示された「職階に求められる役割と責任」があり、それに基づき研修計画をたてています。職員は、キャリアアップ研修ほか、横浜市、旭区、西部地域療育センター、幼保小教育連携研修会などの研修に積極的に受講しています。外部研修を受けてきた職員が、報告を兼ねて内部研修をしています。
 
・個々の職員には担当職員が助言をして資質向上に向けた目標をたて、達成度の評価は主任、園長が行っています。

・他園の園長から良い事例の紹介や保育技術、航空会社の講師からマナー研修、療育センターから要配慮児への保育の仕方などの指導を受けています。

・保育の振り返りは各指導計画に記載する欄が設けてあり、ねらいに対しての結果がわかるような書き方になるよう、副主任、主任、園長が指導しています。園としての自己評価は、園の理念や基本方針、全体的な計画に沿って行われています。

・職員は年に3度、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などに基づいたワークシートに記入し、園長が査定し、職員にフィードバックしています。職員には職員会議や園長との個人面談で意向・意見を聞いています。

・子どもや保護者の状況に応じて、クラスのことはクラス担任に可能な限り権限を委譲し、責任を明確にしています。

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