かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市太尾保育園(3回目)

対象事業所名 横浜市太尾保育園(3回目)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山4-24-7
tel:045-542-0852
設立年月日 1974(昭和49)年12月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 横浜市太尾保育園は、昭和49年12月の開園で、平成10年1月に移転改築し、現在0〜5歳児クラス147名(定員131名)が在籍しています。東急東横線大倉山駅から徒歩13分の閑静な住宅地にあります。建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで、南側に757uの園庭があり、鉄棒、築山、すべり台、登り棒などの遊具が設置され、園庭の回りには様々な樹木や草花が植えられています。子どもたちは、天気の良い日は園庭に出て遊んだり、近隣の太尾南公園や太尾公園などの公園でザリガニをとったり、ドングリや木の実を拾ったりして、自然と関わりながら遊んでいます。 
・園の特徴
 園目標を「楽しく のびのび 心豊かに みんなで大きくなろう」として、リズム体操、太鼓教室、異年齢交流、クッキング活動を取り入れています。一時保育、園庭開放、交流保育(赤ちゃんサロン、リズム交流など)、育児講座、育児相談などの、地域向け子育て支援サービスに積極的に取り組んでいます。

【特に優れていると思われる点】

1.「保育の見える化」の取り入れによる保護者理解の促進
 保護者に子どものその日の様子を伝えるため、3〜5歳児クラスでは、従来のクラスノートによる伝達に替え、その日の活動の様子や子どもの姿などを撮影して印刷し、子どもたちとの会話の様子を吹き出し付きの文章として添え、「ドキュメント方式」にして保育室に掲示しています。0〜2歳クラスでもその日の様子を写真に撮り、掲示しています。また、1階から2階に通じる階段にも、太鼓教室や異年齢交流、リズム体操の写真を掲示しています。クラスだよりにも子どもの様子を写真と吹き出し付きのコメントを入れて、分かりやすく伝えています。ドキュメント方式の取り入れにより、保護者に関心を持って見てもらえるようになり、子育てに関する意見なども多く寄せられるようになりました。今回の保護者アンケートの「園の様子や行事に関する情報提供」について、97%の肯定的な回答が寄せられています。
 
2.子どもの遊びを広げる環境構成
 畑や実のなる樹木のある園庭や、2階にはホールがあり、子どもがのびのびと遊んだり、楽しく過ごす環境が整っています。朝夕や昼食後に自由に遊ぶ込める時間を設定し、子どもたちはそれぞれの興味・関心に応じて、園庭遊びや室内でのコーナー遊びを楽しんでいます。0歳児クラスには、手作りの音のでるおもちゃやぬいぐるみ、布製のボールなどを用意し、1〜2歳児クラスでは、ふれあい遊び、リズム遊び、ブロック遊びなどを取り入れ、廊下には手作りの階段付きすべり台やトンネルの遊具を置き、子どもたちが職員と一緒に楽しんでいます。幼児クラスではままごと、ブロック、積み木などのコーナー遊び、パズル、お絵かきなどの机上遊びのほか、椅子取りゲーム、ハンカチ落としなどのルールのある遊びを取り入れています。屋内ホールでは、巧技台、マット運動、リズム体操で体を動かし、天気の良い日には、ほとんど毎日園庭に出て、鉄棒、登り棒などの遊具や砂場遊び、ドッジボール、ボール蹴り、かけっこ、縄跳び、フラフープなどをして、全身で遊びを楽しんでいます。

3.職員の役割分担の徹底による円滑な園運営
 大規模園の円滑な運営にあたり、行事、会議、子育て支援、研修などについて、各職員(アルバイト、福祉員も含め)が役割を担っています。運動会、お楽しみ会、遠足などの園行事を始め、アレルギー会議、子育て支援担当、3R夢担当、園だより、避難訓練などの各係りを決めています。また、外環境、内環境、食育、安全管理、リズム、太鼓、保健衛生の各担当を決め、園内外の整備、安全管理、衛生管理に努めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.計画的な会議・研修機会の確保による職員間の情報共有とさらなる向上
 本年度よりローテーション勤務となり、職員間の情報共有の時間の確保が園の課題となっています。職員の勤務体制の工夫等により、計画的に各種会議や研修の機会を確保し、職員間の情報を共有し、より一層の専門性の向上を図っていくことが望まれます。

2.個人情報の取り扱いについて明文化を
 保護者に対し、入園時に個人情報の取り扱いについて口頭で説明し、イベント開催時には写真撮影などについて留意点を書いた手紙を配付していますが、「保育園のしおり(重要事項説明書)」などに個人情報の取り扱いについて明文化したものはありません。「保育園のしおり」などを活用し、園で収集した個人情報関係書類の管理を徹底していることや、行事の際の写真撮影についての留意点などを「個人情報の取り扱い」として明記し、保護者に周知することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の理念は「すべての子どもたちが、自分をかけがえのない存在と感じ、自信をもって生きていかれるように育つ力を支える」、園目標は「楽しく のびのび 心豊かにみんなで大きくなろう」で、それらは子どもを尊重したものになっています。

・職員は、子どもの表情や態度から意思をくみ取るように心がけ、子どもの気持ちを代弁して伝えたりしています。また、子どもの声に耳を傾け、意見や要望を実現できるように努めています。

・虐待が疑わしい場合は、港北区役所の保健師と連携して見守るなどして対応し、虐待が明白になった場合は、横浜市北部児童相談所、港北区こども家庭支援課や福祉保健センターに相談・通告する体制があります。

・港北区役所での人権に関する研修に全職員が参加するほか、職員会議で「子どもの人権に配慮する」「子どもには拒否する権利がある」などをテーマに話し合っています。

・子どもの誕生会は各クラスで行い、一人一人の子どもの誕生日をお祝いしてい
ます。職員は、誕生カードと出し物をプレゼントし、子どもが自己肯定感を感じられる1日であることを願っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、理念・保育方針・園目標・保育姿勢に基づき、子どもの最善の利益を第一義にして、年齢別に保育目標、ねらい(養護・教育)を立て、地域との関わり、保護者・地域に対する子育て支援などを考慮して作成しています。

・0歳児の保育室は、子どもが這う、立つ、歩くなどができるように広く安全な環境にし、手作りおもちゃを豊富に用意しています。1歳以上3歳未満児の保育においては、子どもの主体性が伸びるような援助や言葉かけに配慮しています。

・3歳児クラスの子どもたちは、自分の好きな遊びのコーナーで思い思いに遊んだり、みんなと一緒にルールのある遊びも楽しんでいます。4、5歳児クラスでは、友達とともに楽しめるような活動や子どもたちが一人一人意見を出し、お互いの意見を尊重し励まし合って、一つのことをやり遂げるような活動を行っています。

・小学校入学時のスタートカリキュラムへの円滑な接続をねらいとしたアプローチカリキュラムを活用し、「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を念頭においた取り組みを行っています。

・各保育室には空気清浄機、エアコン、温湿度計を設置しています。0歳児室横に温水シャワー付き沐浴設備を設置し、1階、2階のトイレ内に各1か所、園庭に1か所の温水シャワーを設置しています。使用後は毎回清掃し、チェック表を使い清掃状況を管理しています。

・保育室には、子どもの手が届く高さの両面から取り出せる棚があり、様々な手作りのおもちゃを備え、ジョイントマットやたたみ、棚などを利用してコーナーを設けています。

・毎年、5歳児クラスが大倉山公園で開催される観梅会に参加し、パーランクー(沖縄の打楽器)を使った踊りを発表しています。令和元年度は、港北区制80周年を記念して作成された「みずきーダンス」を各地域のイベントで5歳児クラスが披露しています。

・3〜5歳児クラスは月1回、それぞれのクラスで20分間の太鼓の教室を設けています。5歳児は運動会の場で太鼓の練習の成果を発表する機会があり、子どもたちの楽しみの一つになっています。

・子どもたちの喫食状況は、月1回、献立検討会議を設けて把握しています。情報提供の場として、調理員と担任が食材の切り方や乳児クラスなどの食事の形態などについて意見交換をし、調理方法などを工夫しています。

・クラス懇談会資料、毎月発行の園だよりなどに園目標や保育方針を掲載したり、年2回のクラス懇談会、個人面談などで保育の基本方針を伝えています。保育参加はいつでも受け入れており、子どもと一緒に遊んだり散歩に出かけたりして保育士体験ができるようにしています。

・保護者会が開かれる時は保育室を、保護者会主催の活動にはホールや園庭などを、
提供しています。主任が保護者会の窓口となり、保護者会担当者とイベント業者の打ち合わせに参加し、保護者会総会には園長、副園長が参加しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に、副園長、主任、保育士が個人面談を実施し、保護者から提出してもらう児童票や入園時の面談表で、既往症、アレルギー疾患、家庭状況等を把握しています。食物アレルギー対応食や離乳食などで希望があれば、調理員が加わっています。

・クラス別月間指導計画を作成するほか、個別の指導計画については、0〜2歳児
は毎月、配慮が必要な子どもについては期ごとに作成し、毎月のカリキュラム会議で報告して職員間で共有しています。

・アレルギーマニュアルがあり、除去食を提供する場合は、専用のテーブルに専用トレイ・専用の食器に名札を使用し、調理員・職員間で声出し確認を行い、さらに職員間で確認しています。

・インクルーシブな保育(障がいのある子どもも、障がいのない子どもも共に育ちあう保育)を目指しており、配慮が必要な場合は、障がいのある子どもの特性を理解し合っています。外国籍の子どもや保護者に対しては、文化や生活習慣、食生活の違いを認めあい、対応しています。

・苦情申し立て先ポスターを1階の玄関近くに貼り、苦情受付担当者(園長)について記載しています。「園のしおり」に第三者委員2名の氏名と連絡先、申し出を行うことができる旨、記載しています。

・健康管理に関するマニュアルがあり、子どもの健康状態を把握しています。年2回、健康診断と歯科健診を実施し、健康診断表は健康台帳に、歯科健診記録表は健康管理ファイルに綴じています。

・感染症対応に関するマニュアルがあり、「保育園のご案内」に乳幼児がかかりやすい主な感染症や登園届が必要な感染症等を明記し、園長が説明をしています。

・衛生管理マニュアルがあり、嘔吐の処理の仕方など、新しい情報や変化があった時は、その都度見直しています。また、トイレ掃除の手順表等を各トイレに掲示し、清掃後清掃記録表でチェックし、清潔な状態を保っています。

・安全管理に関するマニュアルがあり、安全対策を実施しています。防災マニュアルを基に避難計画を作成し、避難訓練、総合防災訓練を実施しています。不審者対応マニュアルを作成し、毎月1回、不審者対応訓練を行っています。

4 地域との交流・連携

・地域向け子育て支援サービスとして、一時保育、園庭開放(毎週水曜日午前中)を行っています。園庭開放時に、絵本の貸し出もしています。

・交流保育の一環として、赤ちゃんサロン、リズム交流を行うほか、年3回、園行事に合わせ、「いろみず遊び」や「運動会ごっこ」「豆まき交流」を園児と一緒に実施しています。また、育児講座を年4回開催しています。園の行事(ほしまつり、運動会、豆まき)に、地域の子どもと保護者を招待しています。

・港北区公私立保育園合同育児講座「わくわく子育て広場」に保育士が参加し、区内の保育所と協働して、地域の未就学の子どもや保護者を対象とした子育て支援イベントで、一緒に歌ったり踊ったりしています。日吉宮前地区の保育園と協働で、地区の子育て支援イベント「にこにこ広場」を運営しています。

・港北区の幼保小教育交流事業で、園長校長交流会や子育てに関する講演会、合同
研修、公開保育に、園長・副園長、担当職員が参加しています。年長児が近隣保育園の年長児と、公園でリレーやドッジボールなどで交流しています。

・「実習生、ボランティア受け入れマニュアル」があり、夏休み期間中に中学・高校生のボランティアを受け入ています。ボランティアの活動後の感想文は職員に回覧し、意見・感想については保育に生かしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・横浜市の「職員服務規程」で、職員が不正・不適切な行為を行ってはならないことを明文化しています。正規職員向けに「横浜市職員行動基準」カードを配付するほか、「人材育成ビジョン」に職員に求められる職員像を明記しています。

・理念・園目標を玄関、休憩室、各クラスに掲示し、職員がいつでも確認できるよう、「保育理念・保育姿勢・保育目標・保育方針」を明記した、園独自の名札フォルダーに収められる「カード」を配付しています。

・園長は、港北区の園長会や施設長会議に出席して、園運営に影響ある情報の収集にあたっています。重要な情報は、ミーティングやリーダー会議で報告し、園としての対応を話し合っています。

・保育所としての自己評価は、園の保育方針・園目標に沿って行い、当年度の取
り組み状況や、保護者アンケート結果を加味して、次年度の課題・改善点を取りまとめ、年度末に、「保育所の自己評価結果」として園玄関及び各保育室に掲示し、保護者に公表しています。

6 職員の資質向上の促進

・「横浜市人材育成ビジョン」に、人事異動・人事評価・研修を効果的に連携させた取り組みが明示されています。昇進・昇格については、市の「人事評価制度要綱」に示されており、ミーティングや人材育成研修で職員に周知されています。

・職員は年度初めに制定の「目標共有シート」に、業務目標、能力開発などに関す
る目標を定め、年度末に振り返りを行い、園長との人事面接を経て、職員の目標に対する達成度の評価を行っています。

・港北区保育所職員研修計画があり、職員のキャリアパスや希望を取り入れた研修計画が作成されています。横浜市や港北区、横浜市総合リハビリテーションセンター、保育センター主催の研修などについて希望者を募り、積極的に参加しています。アルバイト職員はアルバイト会議やクラス会議に出席するほか、クラス担任から職員会議の内容の報告を受けています。

・年間指導計画、月間指導計画、個別支援計画、日誌の自己評価欄に計画に対する振り返りができるように、書式が定型化されています。保育士は自己評価を通して、自らの取り組み実践を振り返り、次期の計画作成に反映させています。

・実習生を受け入れ、実習期間中は実習した日に担当クラスで振り返りをし、最終日には、園長・副園長・受け入れ担当を交え、全体の振り返りを行い、意見交換をしています。

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