かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

保育園アリス馬絹

対象事業所名 保育園アリス馬絹
経営主体(法人等) 社会福祉法人アリス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0035
宮前区馬絹4-18-27
tel:044-872-7071
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および概要
 保育園アリス馬絹は東急田園都市線鷺沼駅より、東急バスに乗車し「宮前休日診療所」下車徒歩5分の
場所にあります。周辺は住宅地で保育園の二面は道路に面しており、残りの二面はマンション・一般住宅
に囲まれています。 
 平成30年4月に公立保育園を引き継ぎ開園し2年目を迎えています。鉄骨2階建ての園舎は古いですが、子どもたちが自由に遊べ沢山の遊具を備えた、広い園庭を有しています。
・特徴
 保育目標に「子どものやる気を育てよう」「想像力・創造力を育てよう」「いろいろな人との関わりを大切にしよう」「自然とたくさん触れ合おう」を掲げ、0歳児から5歳児までの8クラス(1歳児・2歳児はそれぞれ2クラス)120名(定員)の保育園です。
 「保育内容の充実」「地域交流」などに力を入れており、地域への園庭開放・絵本の貸し出しを行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもたちの意思を尊重した保育の実施
 乳児クラスはコーナーを取り入れ子どもたちが好きなことをして遊べるようにしており、幼児クラスの散歩の行き先は、子どもたちの意思を尊重し、子どもたちの行きたいところを選んでいます。また5歳児の生活発表会では、子どもたちが演題から筋書き・配役まで全てを考えており、子どもたちの意思を尊重したものとなっています。

2.保護者の職員体験(パパ・ママ先生)の実施
 日頃から送迎時のコミュニケーションを充実し、保護者の要望や意見を聞き取るよう努めていますが、より一層の充実を図るため5月から12月まで、1家庭1人が保育士体験(パパ・ママ先生)をできるようになっています。体験終了後には面談を行ったりアンケートに記入してもらい、保護者がこれまで気づかなかった子どもの様子や職員の仕事についての感想などが話し合われています。

3..地域社会に対し園庭を開放し「遊ぼう会」を開催
 保育園の周辺には公園が少ないので、園庭を開放し地域の子どもたちを対象にして「遊ぼう会」を開催しています。地域社会への定着を図るために地域の保育園と協力してパンフレットを作り配付し、8月には泥んこ遊び・水遊びを実施し参加者を増やしています。
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1. 保育士の期待水準の明文化と個人別の研修計画
職員は多くの研修を受講していますが、人材育成の観点から、経験年数に応じた保育士の期待水準と必要な経験・知識・研修項目の明文化が期待されます。また、これに沿った個人別の年間研修計画の作成・実行が期待されます。

2.送迎時の保護者対応の充実
 子どものケガなどの場合には担当職員が保護者に直接伝えるようにしていますが、日々の子どもの様子の伝達については時々伝達漏れがあるようです。保育園での子どもの様子を細かく知りたいと考える保護者が多いので、職員間の伝達が確実に行われるよう手順の確認と再検討をし、送迎時の保護者対応を充実することが期待されます。

3.保育の質の向上に向けた取り組みの実施
職員の自己評価は前期・後期に分けて実施しています。職員間で自己評価結果について意見交換して保育園としての課題を把握し、保育の質の向上に向けた具体的な改善計画をたてて実行することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・一斉保育が中心ではあるものの、乳児クラスはコーナーを取り入れ子どもたちが好きなことをして遊べるようになっています。

・幼児クラスの散歩の行き先は、子どもたちの意思を尊重し、子どもたちの行きたいところを選定しています。

・保育方針は「豊かな人間性を持った子どもを育てるとともに心と身体の自立を促し生きる力を身に付ける」となっており、子どもを尊重した福祉サービスの実施を明示しています。

・子どもの尊重や基本的人権への配慮については、3月の研修会で周知されています。また、全体会議で園長より周知されています。

・「児童虐待防止マニュアル」があり、早期発見対応マニュアルや虐待防止の取り組みについて職員に周知しています。職員は日々の着替えの際に子どもの身体を観察・チェックし、ケガ・アザがあった場合には写真に残すことにしています。

・3月に行われる研修では、子どもや保護者のプライバシー保護や社会福祉事業に携わる者としての姿勢・意識の徹底が図られています

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者説明会、懇談会、職員体験(パパ・ママ先生)夏祭り、運動会などの終了後、アンケートを取り保護者の感想を記載してもらっています。

・行事ごとに集められたアンケートは主任が集計し、園長、主任、事務職で改善策を話し合っています。話し合った結果は、全体会議で報告しています。

・重要事項説明書に「苦情・要望等に係る相談窓口」についての記載を行い、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員を紹介しています。

・苦情やその解決結果は、プライバシーに配慮し、玄関に掲示し園だよりに掲載をしています。

・乳児クラスの自分を表現する力が十分でない子どもが駄々をこねた時には、各クラスで話し合いながら関わり方を意見交換し個別対応をとるようにしています。

・ケンカが始まった場合、すぐに止めて引き離すこともありますが、両方の意見を聞いたり、少し離れた落ち着いた場所で話をするなど、子どもが落ち着いて考えることができるようにしています。

・子どもたち同士で協働して生活発表会の劇を作ったり、夏祭りの準備を行ったりするなど子どもたち同士で話し合ったり遊んだりする機会が提供されています。

・園庭にはジャングルジム、上り棒、鉄棒、大型プールなどの遊具、ベランダには乗用自動車、室内にはパズル、ブロック、ままごと道具、年齢にあった絵本などのおもちゃ、素材が揃えられています。

・コーナー遊びを中心に子どもが「〜したい」と言える環境を整え、子どもが主体性を発揮し遊べるようにしています。

・言葉や行動が気になる子どもがいる場合、保護者との信頼関係を積極的に築き、園の行事を見てもらうなどした上で、保護者の承諾の下、市の発達相談にかけたり、川崎市西部地域療育センターにつなげています。

・家庭と保育所の生活の連続性を意識するため、毎朝の受け入れ時には、子どもの体調を重視し、子どもの顔色、様子を確認しています。また、子どもの体の傷については登園時点で保護者に確認するようにしています。

・一人一人の発達状況に合わせて基本的な生活習慣が身につくよう支援をしています。食事についてはクラスだよりにスプーンの持ち方や箸の持ち方を記載し保護者に伝えています。

・子どもの年齢、家庭からの要望に応じて午睡時間を調整しています。眠れない子どもについては無理に寝かせようとせず静かに横になり身体を休めるようにしています。

・5歳児は就学に向けて年明けから、午睡の時間を調整していますが、眠りたい子どもは、眠れるようにしています。

・子どもの日の柏餅、お月見のお団子、クリスマス、ひなあられなど伝統行事の日には行事食を、誕生日会には特別なおやつを提供し献立が単調にならないようにしています。

・子どもたちをケガや病気から守るため、園長、看護師が中心となって、ヒヤリハットの集計を行っています。集計は年齢、時間、場所、ケガの種類に分けられています。結果は全体会議において、保育の工夫をすることになっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・「入園のしおり」や設置法人ホームページなどで保育園の情報を提供しています。園の概要、保育内容、行事、生活の様子などを写真入りでわかりやすく説明しています。

・入園説明会で「入園のしおり」「重要事項説明書」を配付し、サービス内容、延長保育料金、補食代などについて説明しています。

・入園説明会や保護者説明会で保育園の理念や保育の様子などをスライドで説明し、連絡帳や保育の記録で毎日の様子を伝えています。

・新入園児には1週間の慣れ保育を実施しており、子どもが愛着を持つタオル・人形などの持ち込みを認めています。

・入園後の心身の発達状況は個人記録として1歳2か月までは毎月、1歳8か月までは2か月ごと、3歳11か月までは3か月ごと、6歳卒園までは6か月ごとに児童票に記入し、日々の状況は保育日誌に記入しています。

・配慮が必要な園児については、園長・主任・担当職員・保健師・川崎市西部療育センター職員が参加し、必要の都度、ケース会議を開催しています。

・2歳児までは個別指導計画が作成されており、子ども一人一人の具体的なニーズが示されています。なお、配慮が必要な子どもについては3歳児以上も個別指導計画を作成しています。

・年間指導計画は4期に分けて作成されており、期末にはクラス担当職員が指導計画通りに保育が行われているかどうかを確認・自己評価し、園長が確認する仕組みになっています。

・年間指導計画・月案・週案の見直しについては、期間終了後振り返りを行い、自己評価欄に記入し、子どもの様子や意向を確認し次期計画に反映しています。

・実施されるサービスは、乳児・幼児とも「週案・保育日誌」に記入し、毎日評価反省欄に記入していますので、記録により確認できます。

・標準的な実施方法に基づいて保育が実施されているかどうかは、主任が保育現場を回り保育に入って保育の様子を確認し、その都度助言や指導をしています。

・子どもの状況等に関するケース会議は園長・主任・担当職員・保健師・川崎市西部療育センター職員参加のもと定期的に開催されており、毎月の全体会議の中で全職員に周知しています。
 
・子どもの安全確保については危機管理プロジェクトチームが担当し、安全な環境つくりに努めています。

・危機管理プロジェクトチームでは緊急災害発生時の備えをさらに進めることを目的に、プロジェクトチームで集まり、5月には散歩リュックの中身の確認整理・補充をし、10月以降には発電機を購入する予定です。

・職員は危機管理プロジェクトの年間計画を立てそれをもとに年4回の打ち合わせを実施し、不審者対応訓練(6月)・引き渡し訓練(9月)・消防署から水消火器を借りての消防訓練(11月)を実施しています。

・食料や備品類(防災頭巾)などの備蓄リストを作成し、災害備蓄品(食料・水)を3日分常備しています。備蓄の管理者は給食室のリーダーです。

4 地域との交流・連携

・園庭を開放し「遊ぼう会」を開催し8月には泥んこ遊び・水遊びを実施し参加者を増やす努力をしています。また、参加人数を増やすため子育て支援会議で近隣の保育園と協力しパンフレットを作成しています。

・定期的に(年4回程度)、2つの地区センター(宮前地区会館・野川地区センター)に職員が行き、地域の方に対し子育て相談を行っており、潜在的利用者に関する情報も把握しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・運営基本方針は「心身共健康な子どもを育て、保育園に関わる全ての人にとって安全・安心で信頼できる保育園を目指します」となっており、保育方針は「豊かな人間性を持った子どもを育てるとともに心と身体の自立を促し生きる力を身に着ける」となっています。

・「全体的な計画」は園長・主任が中心となって作成し、作成後は全体会議で全職員が審議しています。

・中長期計画を踏まえた年度単位の事業計画が策定されており、計画内容ごとに、担当者、目標(達成時期、回数など)、四半期ごとの実施計画・評価反省などが具体的に示されています。

・事業計画は四半期ごとに進捗状況を確認し、結果を確認し評価反省しています。

・園長は実施する保育サービスの現状について、日々の日報・週報や月報の反省欄を確認し、継続的に評価・分析しています。なお、園長・主任はクラス担当職員も兼ねているので、現場の状況や問題点を把握できる立場にあります。

・環境改善プロジェクトを設置し、職員の働きやすい環境整備、子どもにとって良い環境づくり(安全・遮光ネット設置など)の取り組みを進めています。

6 職員の資質向上の促進

・園長は、新年度に入る前(3月)に毎年全職員研修を行い、「業務規則」の読み合わせ・確認を行い共通理解に努めています。

・中長期計画の中には、「職員の質の向上」を目指して、「人材育成」「職員と保育所の自己評価と振り返り」「職員意識向上」の取り組む計画を持っています。

・園長は日常の業務を通して、職員の技術水準・知識・専門資格の必要性などを把握しています。職員の希望や能力に応じて研修を勧め、研修後の保育に習得してきた事柄が生かされているか見極めています。

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