かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市茅ヶ崎保育園(3回目)

対象事業所名 横浜市茅ヶ崎保育園(3回目)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0037
都筑区茅ヶ崎南1-12-1
tel:045-941-2172
設立年月日 1998(平成10)年07月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
横浜市茅ケ崎保育園は、横浜市営地下鉄のセンター南駅から徒歩12分の住宅地に位置し、茅ケ崎小学校と自然生態園のある茅ケ崎公園とに隣接しています。園舎は鉄筋コンクリート造り2階建てで、およそ2000uの園庭があります。平成10年4月に開園し、0歳児から5歳児まで、定員136名に対し現在143名が在籍し、ほかに一時保育で月〜金曜日に1日3名ほど受け入れています。令和3年4月に民間移管することが決まっています。

・園の特徴
 園目標として「こころもからだもいっぱい動かそう」を挙げ、「自分で考え自分で行動できるこども、豊かな感性で思いやり心を持てるこども、好きな遊びに夢中になるこども、楽しくおいしく食べるこども」の姿を目指しています。
 一時保育のほか、月〜金曜日の園庭開放は月に延べ100組ほどの利用があり、月1回のランチ交流やリズム交流,お話会、年2回の育児講座を開催して、地域の子育てを支援しています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの自由な発想を引き出す保育
子どもの興味・関心に応じて遊びを発展させ、イメージを広げています。4歳児は、好きなカッパの絵本をもとにして、「カッパが来たらどうしよう?」という職員の問いかけに対して、子どもたちがそれぞれ答える中から、「冬は寒いからおうちを作ってあげよう」という製作に発展し、カッパの踊りも考案しました。
5歳児が公園でカマキリの卵を見つけたときには、子どもたちの育てたいという思いに応えて、育て方を図書館へ行って調べることにしました。また、毎年蚕を飼って桑の葉を与えて世話をし、卒業式には繭玉のコサージュを作っています。子どもの発想でトイレットペーパーの芯で作った丸い家に蚕を1匹ずつ入れ、重ねてマンションのようにして「○号室の子」と名付けて飼っていました。

2.保護者との情報交換の工夫
以前は正規職員が早番、遅番勤務を行うときに入るクラスは、自分の担当クラスとは限りませんでした。担当クラスに入るシフトを調整することで、自分のクラスの保護者と直接会話ができる機会が増えました。
5歳児クラスの1月の懇談会に、隣接する茅ヶ崎小学校の児童指導専任職員と学校栄養職員を招き、学校の様子や給食を紹介する企画を取り入れ、保護者が参加したくなるようにするとともに、就学に向けての不安解消に努めています。

3.園内研修と自主勉強会の実施
 横浜市や都筑区の研修のほか、園内研修は、わらべうたやリズム、子どもの人権、救命救急法、コンプライアンス、個人情報などを実施しています。非常勤職員を含め全職員が参加できるように、1日に複数回行ったり、日を変えて行ったりしています。
園全体の研修のほかに、主任や経験のある職員による自主勉強会を随時行っています。わらべうた、リズムなどで、非常勤職員や近隣の小規模園職員の参加もあります。また、0歳児保育の研究会で職員が勉強してきたことを基に、乳児の遊びや「手作りおもちゃを作る会」などの自主勉強会を開いています。遊びが発達の後追いになっていないかを検証するようにしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.ヒヤリハット集の活用
ケガや事故、ヒヤリハットは、毎日のミーティングや職員会議で話し合い検討していますが、ヒヤリハットのほとんどが引継ぎノートにのみ記入され、ヒヤリハット集には1件のみしか記入されていません。ヒヤリハット集の現在の書式は、安全、人権、個人情報の取り扱いについてのヒヤリハットを、発生時刻、クラス、発生場所と周囲の状況、職員配置など、項目別に細かく記載するようになっています。使いやすい書式を工夫してヒヤリハット事例を収集し、定期的に検証して再発防止に生かすことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念「未来を担う子どもたちのすこやかな成長の為、周りの人から愛され、多くの体験を積み重ねながら人格形成への基礎を作っていく援助をします。」に基づき、子どもを尊重した保育を行っています。職員は、横浜市や都筑区の「人権啓発研修」「保育の中の人権研修」を受講し、非常勤職員には園長が園内研修し、子どもの人権を尊重し、威圧的な言葉遣いや無視を行わないことを再確認しています。

・プライバシーに配慮して、子どもや保護者と個別に話し合える場所として事務室とサロンがあります。職員は、子どもの様子から友だちの前で話したくない時は、空いている保育室やサロン、2階の絵本コーナー、ホールで、一対一で話し合っています。

・職員は、横浜市の個人情報取り扱いに関する研修を受講し、横浜市の職員としての守秘義務の意義や目的について学んでいます。子どもたちの身体測定カードや幼児の健康カードは、保護者が園内で閲覧し確認しています。

・順番やグループ分けは、性別に関係なく生年月日順にし、服や持ち物の色、柄、遊びや玩具の選び方は、性差に関係なく子どもの好みを優先し、子どもの意思で自ら選択しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育室、トイレ、園舎内外など担当や時間を決めて清掃しています。各保育室は、とも午睡後には換気をしています。空気清浄機や扇風機も使っています。

・職員は、誰に対しても公平で、温かい態度や言葉遣いをすることを意識して関わり、子どもの気持ちに寄り添い、話を十分聞きとることを心がけ、子どもとの信頼関係の構築に努めています。

・棚、ゴザ、マット、段ボールの手作り衝立や押入れの下などを利用してコーナーを作り、子どもが自分の好きな遊びに落ち着いて取り組めるようにしています。絵本コーナーにイスを設置したり、ままごとテーブルを設置したり、部屋を分けたり、サロンを使って少人数で楽しめる環境構成に配慮しています。

・園庭の花壇やプランターで、稲、キュウリ、ゴーヤ、ナス、枝豆、大根、ニンジンなどを栽培し、子どもが観察や水やりをしています。収穫後、調理に利用したり、制作に活用しています。蚕を飼育し、卒園式には繭玉をコサージュにしてつけています。

・3〜5歳児の、各年齢から1人ずつで構成する「なかよしグループ」で活動する「なかよしデー」や、リズム活動、散歩など、異年齢で活動する機会を作っています。園庭では、年齢に関係なく一緒に遊んだりして、日常的に異年齢の関わりがあります。

・園庭には、すべり台、ジャングルジム、鉄棒、タイヤやテーブルがあります。収納庫には、三輪車、手おし車、ボール、縄跳びやフラフープがあり、子どもたちが好きな物を取り出して遊んでいます。室内では、子どもの身長に合った棚におもちゃ、絵本、素材を置いています。おもちゃの収納箱には、写真やイラストを付けて片付けやすいようにしています。

・食器は、調理担当職員や職員が、破損が無いか確認しています。食材は、なるべく国産で品質の良いものを購入しています。管理栄養士の資格を持つ調理の責任者は、保育室に行き、日々の食事の様子やおやつの様子を見ています。

・乳幼児突然死症候群対策として、0歳児クラスは5分ごと、1歳児クラスは10分ごと、2歳児はほぼ10分ごとに、子どもの体に触れ、呼吸と顔色、姿勢などを確認し、「ブレスチェック表」に記録しています。

・トイレットトレーニングは、子どもの発達の状態を考慮し無理が無いよう、子どもの意欲を大切にして、家庭と連携して個別に進めています。

・連絡帳、クラスノート、クラス内掲示板を活用して、保護者に子どもの日中のエピソードを口頭でも伝えています。クラスだより、クラス懇談会でも子どもたちの様子を、写真を多く用いて視覚的に理解できるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は、保育所保育指針や「よこはまの保育」を基に、地域環境や家庭状況などを考慮して、全職員で領域ごとに検討した上で作成しています。

・全体的な計画に基づき、クラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。各指導計画の作成・評価・見直しについては、主任も入ったクラス会議で子どもの様子を話し合った上で行っています。

・0歳児保育では、子どもの反応をしっかり受け止め、子どもの欲求を理解して思いに寄り添い、安心して過ごせるように関わっています。一人一人の成長発達や生活リズムに合わせて、援助のしかたを変えて、子どもが心地よく過ごせるようにしています。

・1歳以上3歳未満児の保育では、自分で着替えたがる子どもには、さりげなくサポートをして、自分でできたという達成感を感じられるようにしています。

・3歳児の保育室には中央にコーナーを作り、子どもの興味関心に応じて遊びが展開できるような室内環境作りにしています。

・4歳児クラスでは、わらべうたやゲーム、カルタなど仲間と一緒に楽しめるような活動をしています。小さいブロックが得意な子どもがいて、友達同士競い合って作品を作っています。

・5歳児クラスでは、1年を通して冒険をテーマにして、夏祭り、発表会をやり遂げました。エサ当番を決めて飼っていたカメが死んだあとは、みんなで園庭の隅に埋めて、命の尊さを感じていました。

・3歳未満児については、毎月個別指導計画を作成しています。障がい児、特別支援児については3歳以上でも個別指導計画を作成しています。

・食物アレルギー、発達の遅れ、障がいなど特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。身体障がい児用の補助具や、車いす対応のトイレ、オストメイト(人工肛門保有者・人工膀胱保有者)用トイレなどがあります。横浜市北部地域療育センターの巡回相談で得られた知識や情報をもとに、個別指導計画をたてています。

・虐待が明白になった場合は、マニュアルに従って、園長より都筑区役所や北部児童相談所に通告・相談する体制があります。疑わしい場合や見守りが必要な場合は、職員間でも情報共有し、区役所や児童相談所と連携をとっています。

・食物アレルギーについて、かかりつけ医から提出された「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づいて、除去食を提供しています。

・年間避難訓練計画書を基に、毎月さまざまな設定で地域の避難場所への誘導訓練、消火訓練を実施しています。消防署職員立ち合い、指導による消火訓練、非常ベル使用訓練、通報訓練を行っています。

4 地域との交流・連携

・地域に向け、ランチ交流(月1回)、リズム交流(月1回)、お話し会(年10回)、育児講座(わらべうたと人形劇)、一時保育、毎週月曜日〜金曜日に園庭開放と絵本の貸出しを行っています。

・消防音楽隊による演奏会や運動会に、地域の方、近隣の親子や小規模保育園児を招待しています。老人福祉施設の方を、園に招待して、歌や手遊びで交流しています。

・都筑区子育て支援センター Popola(ポポラ)の子育て支援情報に、園の情報を掲載しています。

・5歳児が隣接する小学校を訪問し、1年生と交流しています。小学校6年生と4、5歳児が交流しています。

・交流事業としてのお話し会(年10回)は、地域のボランティアの人が担当し、職員と一緒に行っています。

・鴨池公園ログハウスを5歳児が、せせらぎ公園古民家園を4、5歳児が利用しています。都筑区図書館を5歳児が、利用しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・守るべき法・規範・倫理などは「保育士倫理綱領」「横浜市行動基準」に明文化し、正規職員は入庁時に、嘱託・アルバイト職員は採用時に説明を受けています。保育理念・保育姿勢については、嘱託職員、アルバイト職員にはオリエンテーションで園長・主任が説明し、職員会議やカリキュラム会議でも、折に触れ言及しています。

・横浜市のG30推進委員会のゴミGメンを決め、ごみ排出量を記録して委員会に報告しています。全職員が交替でゴミの計量・排出を行い、ゴミの減量化、リサイクル、グリーン購入法対象商品(環境負荷低減に資する製品)の購入を行っています。

・重要な情報は園長。主任、リーダー保育士で共有し、重点改善課題として園全体で取り組むようにしています。民間移管については現在の5歳児が入園する前に公表されており、入園説明会で移管することを説明しています。11月末には事業者決定のおたよりを配付し、1月に職員説明会と保護者説明会を実施します。

・主任は、クラス会議に時には出席してクラス運営の助言をし、自主勉強会を主催するなど職員の指導をしています。

6 職員の資質向上の促進

・経験・能力に応じた役割、期待水準は、横浜市保育士分野人材育成ビジョンやキャリア自己分析表に明文化されています。職員が年度初めに作成した「目標共有シート」に基づいて園長と面談して目標設定、振り返りと、年度末の自己評価を行い、職務に関する成果や貢献度などを評価する仕組みがあります。

・各職位に求められる技術や能力が記載された「横浜市保育士分野人材育成ビジョン」が策定され、それに従った体系的な研修があり、職員の希望に沿った研修に参加しています。都筑区の研修は、市立5園の園長が中心になって、民間園の希望も聞いて研修計画を策定しています。

・園内研修は、わらべうたやリズム、子どもの人権、救命救急法、コンプライアンス、個人情報などを実施しています。全職員が参加できるように、1日に複数回行ったり、日を変えて行ったりしています。

・保育日誌、年間指導計画、月間指導計画には自己評価欄があり、保育の実践の振り返りを記録することになっています。振り返りについてクラス内やミーティングで話し合い、保育の改善や指導計画の見直しに反映させています。

・職員の意見に基づき、来年度は「休憩1時間とろうプロジェクト」「年休しっかりとろうプロジェクト」を立ち上げて、働き方の改革を検討することになっています。

・実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れ担当は主任で、クラス担任が育成の担当者です。主任は、目的に応じて効果的に実習が行えるよう、事前オリエンテーションで実習内容とプログラムや注意事項を確認し、実習クラスを決めています。

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