かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

大和市立緑野保育園(3回目受審)

対象事業所名 大和市立緑野保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 大和市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 242 - 0008
大和市中央林間西4−27−12
tel:046-274-4769
設立年月日 1972(昭和47)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴
・大和市立緑野保育園は小田急線・東急田園都市線の中央林間駅から徒歩8分という利便性の良い閑静な住宅街の中に位置しています。周囲には公園や緑も多く、四季の移り変わりを感じさせられる環境の中にあります。
・1972年(昭和47年)4月1日に開設され、建物面積《保育所分》は620平方メートル、敷地面積は1778平方メートルです。園舎は鉄筋コンクリート造平屋建てで定員は100名、現在の入所児童数は100名です。平屋建ての良さを生かし、ゆったりとした雰囲気の中で同年齢や異年齢の友達と元気に遊び、さまざまな体験をしながら、心も体も健やかに育っていくことを大切にしています。
・『子どもの心とからだ(生きる力)の基礎を育む』を保育理念として掲げ、一人一人の人格や個性が尊重され、自己を十分に発揮できる豊かな人間性を持った子どもを育成することを日々の保育の場で実践しています。地域育児センターとして関係機関との連携を図り、地域の子育て支援を通して地域社会の発展に貢献しています。保護者と手を取り合い子育ての喜びや楽しさを共感しあえる保育を目指しています。日々のきめ細かな保育が奏功し、保護者からは今回実施した利用者アンケート調査でも高い評価を得ています。

特に優れていると思われる点
1.子ども本人を尊重した保育を実践しています。
・年度当初の懇談会で保育理念や保育方針を保護者に発信するとともに、事務所や各保育室などの目につく所に掲示し保護者・職員共々意識できるようにしています。今回の利用者アンケートでも基本理念や基本方針についての問いに、「よく知っている」「まあ知っている」と答えた保護者全員が保育目標や保育方針に「共感できる」「まあ共感できる」と肯定的に捉えています。
保育計画は年齢ごとに発達に合わせて立てています。保育内容は日々子どもたちの成長発達の姿を見ながら柔軟に考えて取り組んでいます。子どもの気持ちを受けとめながら一人一人の自主性を大切に保育しています。
・巡回相談や保育所等訪問事業を実施しており、支援が必要な子どもについて全職員で一貫した支援が行えるよう共通認識を図っています。個別配慮をしながらも集団の中で無理なく安心して生活が送れるように共に育ちあえる保育を実践しています。良いところを見つけ伸ばして行くことで、一人一人が居心地よく過ごせる集団作りに努めています。
・制作用に廃材ボックスを常時用意しておき、子どもが主体的に使って遊べるよう環境を設定しています。子どもが自由に遊びたいものが出せるような環境や落ち着いて遊べるコーナーを常時設定しておくことで、集団の中でも個々の意欲を大切にしています。
・平屋建てで保育室から園庭にすぐ出られる構造のため、0歳児から5歳児まで自然な異年齢交流ができる環境にあります。また4、5歳児は朝のコーナー遊びや散歩等、意識的に異年齢交流を行い、子ども同士の育ち合いを大切にしています。全年齢での体操時では5歳児が前でお手本を見せるなど、年長児が年下の子どもたちに思いやりやいたわりの気持ちを持ち、年下の子どもたちは年長者に憧れの気持ちを育み、年齢や発達段階に合わせた遊びの中で子ども同士の関わりを尊重し社会性が育つよう援助しています。

2.保護者との連携のもと、良好な信頼関係を図り保育の質の向上につなげています。
・保護者と連携して子どもの育ちを共に支えるという視点に立ち、子どもの成長を保護者と共に喜び合えることを全職員が大切にし、保護者の子育てに対する不安感を解消するようきめ細かく対応しています。保護者とのコミュニケーションを大切にし、登降時等で保護者と顔を合わせた時には日々の子どもの様子やエピソード等を丁寧に伝え、信頼関係を築き安心して預けていただけるよう心がけています。
・当園では毎年初の懇談会で、子どもの発達や姿を踏まえた上で1年間の保育目標や内容などを資料に基づき説明しています。年度末の懇談会ではスライド写真や文章で保育活動を通して子どもの成長した姿をわかりやすく伝え親子・職員共々共感しあっています。今回実施した利用者アンケートにおいても「子どもに寄り添い保育をしながら成長させてくれているのを実感しています」、「保育士のみなさんの熱心な保育で子どもの成長をささえていただいています」といった感謝の言葉が述べられています。
・保護者参加の行事毎にアンケートを取り、行事についての意見や要望を聴く仕組みがあります。改善点については検討し次年度に活かしています。保護者と保育園で一緒に考えていく姿勢を大切にしており、保護者とは良好な信頼関係が構築されています。こうした背景には、全職員が自分のクラスだけではなく保育所全体で保育にあたっているので、全クラスの子どもの顔が見えていることも保護者との絆を強化している要因になっています。

3.地域の支援機関として行政関係機関・施設と連携し、開かれた保育の実践に取り組んでいます。
・本園単独では、毎日「園庭開放」、月2回室内で遊べる「あそぼう会」を実施し、近隣の親子が安心して遊べる環境を提供しているほか、給食体験ができる「たべよう会」、遊び場の提供や相談を行う「育児講座」、市の管理栄養士による「離乳食講座」を企画して近隣の親子の子育て支援に取り組んでいます。
・地域育児センターとして、地域で育児支援を行っている様々な団体と「地域子育て連絡会」を開催し、情報交換を通じて育児負担を軽減するとともに虐待防止を狙いとする活動を行っています。また地区社協、主任児童委員主催の支援活動に保育士を派遣しており、4、5歳児が年2回程度参加して地域の親子と交流をしているほか、子育て支援担当者が、小規模保育園等に訪問して共に保育をする中で、保育の課題を考え合う機会を持っています。
・公立園としての役割として、地域の認可保育園へ特別支援児童確認のため訪問しています。積極的に、職員や子ども同士の交流を通し関係づくりを図るほか、支援の必要な子どもへの関わり方や環境等について一緒に考え合う機会を持つようにしています。
・市内認可保育園で行われている子育て支援情報をパネル展示する「やまと子育て応援フェスタ」に参加し、広く知っていただけるよう活動するとともに、公立保育士が「ほめる子育て講座」を開催し、地域の保護者が子どもへの効果的な伝え方や、ほめ方、落ち着ける方法を学んでもらうように取り組んでいます。
・このように、様々な行事や活動を通して老人会や自治会なども含めた地域との世代間交流も図っており、地域に根差して開かれた保育・育児の支援拠点として活動しています。

特に工夫する点・改善が望まれる点
1.保育内容の自己評価を通して一層の保育の質の向上を期待します。
・園の運営に当たっては、正規職員、非常勤職員、パート職員など様々な職種の職員が複雑なシフト制の下で勤務しています。延長保育の拡大も相まって、園の運営が益々厳しい状況にあります。こうした環境下、園は保育計画→計画の実行→反省・自己評価→改善というPDCAサイクルを回し保育の質の向上に積極的に取組んでいます。
・今後、PDCAサイクルを更に効果的なものにするためには、自己評価(C)→改善(A)のプロセスを充実させる事が挙げられます。保育の記録をもとに保育士による自己評価を踏まえ、保育所(組織)としての自己評価を通して全職員による共通理解の下で、保育の改善や充実、職員の専門性の向上等更なる質の向上に向けた取り組みを期待します。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもへの肯定的な関わりについて、定期的に職員同士で、会議等の中で確認しています。定期的に「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用した勉強会を開催し自己研鑽に努めています。また、平成30年度に市内認可保育園を対象に人権について学び、データ化することで日々の保育に役立てています。
・子どもの気持ちに寄り添い、自分の意志が表現できるような関わりを心がけています。保育士が子ども達に対し、呼び捨てやニックネームで呼ばないことを確認し、子ども同士でも呼び捨てをしないよう伝えています。排泄の失敗の片付けの際、シャワーカーテンを設置し周りに見られることのないよう配慮し、子どもの気持ちに添うようにしています。午睡後、濡れた布団は名前を伏せ目立たない場所に干し、周りに気付かれないようにしています。シャワーや着替えは、衝立やシャワーカーテンで目隠しをし、目立たないように行っています。プール時には、手作りの目隠し用衝立を使用し、プール用のタオルで体を包んで着替えるようにしています。特に4、5歳児は、水着の着脱時には男女別にカーテンで仕切り裸を見せ合わないよう工夫しています。
・守秘義務の遵守については、大和市立保育園リスクマネジメントに基づき会議等で全職員に周知徹底しています。ホームページや外部向けの掲載写真に関しては、その都度保護者に承諾を得ています。保護者への緊急連絡簿や児童票等個人情報は事務所の鍵付きのスチール棚に保管しています。
・劇の役決めでは、性別にこだわらず好きな役を子ども達が選べるようにしています。グループ分けや散歩の並び順などは性差に関係なく行っています。トイレのスリッパは、男子トイレ、女子トイレともに好きな色を使用できるようにしています。男児、女児で遊びを分けることなく、様々な遊びを一緒に行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育の理念や基本方針が子ども本人を尊重したものになっており、全職員が日々の実践を通し保護者と共感しています。保育の理念は、「子どもの最善の利益」や「一人一人の人格や個性の尊重」に基づいて作成しています。
・各指導計画に基づいて保育を進めています。子どもの状況や発達に合わせて週案、日案等の保育内容を柔軟に変更しています。月末もしくは期ごとに振り返りを行い、子どもたちの反応や成長を担任間で共有し次の計画に活かしています。特に幼児に対しては、保育士から一方的に話したり強制したりすることなく、子どもと共に考え納得して活動に参加できることを大切にしています。また、行事に取り組む際は、子どもたちの意見を聞き、子ども同士の話し合いによって、活動内容を決める等の工夫をしています。言葉でうまく言えない子どもに対しては、仕草や表情、態度から思いを代弁し、その子どもに寄り添いながら気持ちや意思を汲み取っています。
・毎年、個別支援児を積極的に受け入れています。受け入れる際は、事前、事後に職員会議で情報を共有し会議録に記録、回覧し全職員に周知を図っています。個別支援児の保育についてはクラス会議、職員会議等で必要に応じてケース検討として議題に挙げ、配慮点や関わり方が適切かどうかを職員間で話し合い、記録し以降の関わり方に活かしています。
・毎年保護者に向けて、園が独自に作成したアンケートを配布し、保育方針など園の運営、保育等について保護者に確認しています。頂いた意見は回答と共に掲示し、よりよい運営を目指しています。個別面談については、年間行事予定表や園だよりで事前に周知しています。保護者の都合の良い日に面談を実施し保護者と円滑なコミュニケーションを図っています。また、予定した面談日程以外に保護者が希望した場合にも面談を実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子ども一人一人の状況に応じて保育目標を設定し、それに応じた個別指導計画を作成しています。3歳児以上の個別支援児に対しても、個別支援計画及び発達経過記録を毎月作成し、個々に応じた支援を行っています。家庭状況や子どもの発達状況、健康面などで変化が見られた時は、その都度保育計画の見直しを行っています。
・進級時には申し送り事項を記入し、口頭での伝達とともに書面で次年度担任へ引き継ぎ、子ども達の不安が最小限になるように配慮しています。年長児の就学にあたっては、保育所児童保育要録を個別に記載し、入学する小学校に送付しています。併せて就学先の教員や児童クラブ職員と細やかに引継ぎを実施し、個々の子どもが安心して就学できるよう対応しています。個別支援児に対しては、大和市独自の「かけはし」という相談支援ファイルを活用し、就学後の支援が途切れることなく一貫性のある教育や支援を受けることができるよう対応しています。
・全保護者が閲覧できる玄関に苦情や要望の処理体制が明記された掲示物があり、意見箱も同場所に設置しています。自分で意見を表明するのが困難な保護者が意見箱を通じて意見を園に伝える等訴えやすい仕組みになっています。
・懇談会、個別面談等で保護者より要望や苦情があった場合は上司へ報告し、適宜対応しています。内容については全職員で情報を共有しています。解決策や改善策を職員間で協議の上適宜保護者に回答しています。各行事後や年度末に保護者にアンケートを取り、アンケート結果は回答を含め掲示すると同時に参考意見を次年度に反映しています。
・安心・安全な保育サービスを提供するためのリスク管理にも積極的に取組んでいます。緊急時の職員配置については事務所の目につきやすい場所に掲示し、職員全員に周知しています。毎月行う避難訓練の中で、通報や連絡、地域の避難場所への誘導などの訓練を実施しています。年に一度、誤食対応の訓練を行い対応の仕方を確認しています。AEDを設置し、職員に使い方を周知しています。全職員が大和市消防本部で開催される上級救命講習会を定期的に受講し心肺蘇生法とAEDの使用方法等を学んでいます。
4 地域との交流・連携 ・市立地域育児センター事業として、園庭開放、あそぼう会、たべよう会、おひさまサロン(出前保育)、派遣保育、離乳食講座、育児講座、ほめる子育て講座、子育て応援フェスタなどを実施し子育ての情報を提供しています。また育児に関する相談にも対応しています。電話での相談も随時受け付けていることをホームページで明示しています。実施後は、参加者にアンケートをとり、課題等を次回の事業に反映させています。市立保育園地域育児センター事業で、園庭開放は各園で実施していますが、土曜日まで実施している園は緑野保育園であることが特徴です。市内認可保育園で行われている子育て支援情報をパネル展示している「やまと子育て応援フェスタ」を開催し、市内の子育て中の親子に広く周知しています。
・当園は地域育児センターとして近隣の学習センターや子育て支援団体、保健師など関係機関と「地域子育て連絡会」を開催しています。会では主に、地域の子育て支援の情報交換や育児講座を開催しています。地域の親子の情報を共有することで、必要な支援を適宜提供出来、虐待防止にも役立っています。その際、支援団体の方々は保育士がいない場においても、支援の場で無理なく保育提供が出来るよう、手遊びや体操、シアターなど参加型の内容を意識的に取り入れています。覚えた遊びを提供できたとの報告を受けるなど、互いに向上し合える関係の下、子育て支援活動に取り組んでいます。当園には子育て支援担当保育士を配置し関係機関と地域育児センター機能の充実に努めています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・施設見学時や子育て支援事業で、子育て支援内容の案内や園のパンフレットを配布し、情報提供しています。ホームページを定期的に更新しています。市の広報誌では、市の保育園で共催している子育て支援事業の情報を提供しています。毎月、保育園の取り組みや活動予定を載せた園だよりを自治会の回覧板で地域に知らせています。園の掲示板で、地域の方や親子に向けて、子育て支援情報を掲示しています。
・保育の理念や保育方針は事務所や廊下、各部屋に掲示してあり保護者も目にしやすく、確認できるようになっています。保育の理念や保育方針は、保護者に対して入園説明会のほか、毎年4月の懇談会で説明し周知を図っています。
・保護者に向けて、行事後及び年度末に1年間の保育の取り組みについてアンケートをとり、意見の内容によっては職員間で精査した上で、来年度以降の内容を変更、改善することもあります。頂いたご意見は回答と共に一定期間掲示し、園の運営に反映させています。活動への取り組みについて変更した時は、文書や口頭で保護者に丁寧に説明を行っています。
・玄関にご意見箱を設置しており、保護者が自由に意見を発信できる仕組みがあります。改善できることは実施し、できないことについては丁寧に掲示等で説明し理解を求めています。
6 職員の資質向上の促進 ・自己評価を年に1回行い、自分自身の保育を振り返り改善に取り組んでいます。各クラス保育や担当業務について、前期、後期で振り返りをし、その都度職員会議で話し合いを行っています。定期的にクラス会議を行い、保育の反省や今後の保育について話し合いを行っています。保育所の自己評価は年度末に行い、結果や改善点等は、クラス懇談会で保護者に報告しています。公立4園で行っている保育研修では、毎年研修のテーマを決め、情報交換や、自分の保育を振り返る機会になっており、個々のスキルアップや、全体の資質向上に繋がっています。
・大和市の人事評価制度に基づき、人事評価、自己申告書等で面談を通して職員の要望や個々の能力・実績等を的確に把握し、職員個人の特性に合わせた人材育成を推進しています。更には評価を受けて適材適所の人事配置やメリハリのある給与処遇を行うことで、職員のモチベーションを高め自発的な能力開発や能力の発揮を促しています。
・大和市立保育所職員研修計画には「期待される水準」が明記されており、職務経験や職位に応じた役割を担うための様々な研修を行い資質向上に努めています。職員は、クラス運営や行事担当、各チームなどの役割を担い、主体的に取り組むとともに会議等で課題を出し合い、改善策を検討する等職員全体で共通認識し保育を実施しています。

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