かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーひよし保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーひよし保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0051
港北区箕輪町2-2-12 アリアソワンプレミアム日吉101
tel:045-560-1710
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
小学館アカデミーひよし保育園は、東急東横線、横浜市営地下鉄グリーンライン日吉駅から綱島方面へ向かい、徒歩10分ほどの幹線道路を少し入った場所にあります。園は、株式会社小学館集英社プロダクションを経営母体とし、平成24年4月1日に開園しました。
園舎として6階建てのマンションの1階部分を使用しています。生後57日〜就学前児童を受け入れ対象とし、定員は60名で現在61名が在籍しています。
園の特徴として、運営法人が大切に考えている「あそび・せいかつ」から「まなび」、子どもの得意を育てていくこと、安全で清潔な環境の中で、子ども一人一人が安心して生活し、日常の体験や遊びを通して、生活に必要な習慣、自主性、社会性を身につけていく保育プログラム「楽習保育?(本育あそび、ネイチャーあそび、リズミック・うんどうあそびなど)」を実践しています。また、園周辺には様々な特徴を備えた多くの公園があり、子どもの発達や体力に合わせて日常の散歩や屋外活動の場として活用しています。子どもたちが、日々自然に触れたり、体を動かして活動できる環境が整っています。


≪優れている点≫

1. 「あったかい心をもつ子どもに育てる」保育を実践しています

運営法人の保育理念「あったかい心をもつ子どもに育てる」に基づいた保育の実践について、園長は、開園から培ってきたものを再確認し、意識を高めるような働きかけのほか、職員が子どもの成長にとって何が大切かを念頭において保育を実践して欲しいことを会議、日常会話などで折にふれ伝えています。法人の保育プログラム「楽習保育?」に取り組みながら、遊びの中から興味・関心などを育て、個々の思いを尊重し、活動をしています。
保育所保育指針に示されている「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」と「楽習保育?」が重なる内容も多くあります。また、第三者評価の保護者アンケートで保育理念について85.2%と高い認知度があります。
「楽習保育?」の中で「本育?あそび」は、日常の保育のほか、玄関奥の一角のライブラリーで本の貸し出しをしています。ライブラリーのソファで帰宅までのひと時を過ごす子どもと保護者の様子がよく見られることに加え、本の貸し出しも毎日(多い時は数十冊)あることからも園の保育が伝わっていることが窺えます。


2.地域と交流して子どもの生活の幅を広めています

子どもたちが地域と関わり、園生活の幅を広げていく取り組みに、毎月、高齢者の介護施設との交流(4〜10月)があります。その他、地域の人形劇団や慶応大学のオーケストラが来園しています。今年度は、絵本そらまめくんシリーズの作者とのふれあいの機会がありました。ハロウィン行事では、商店、近隣の民家、介護施設の協力を得て、子どもたちが仮装をして訪れ楽しい時間を過ごしています。
食育の一環の、本物を体験する「ブリの解体」では料理屋の板前さんがボランティアで来てくれ、包丁さばきを披露してくれたほか、「いただきます」と挨拶することの意味を子どもたちは学んでいます。毎週、2〜5歳児にボランティアで英語を教えに来てくれる近隣の人もいます。
また、地域に開かれた園として連携を図っていくために、年3回の運営委員会は、保護者、自治会長、嘱託医、園長、主任、法人の施設担当者で構成されており、園運営に関するアドバイスをもらったり、意見交換をしたりしています。子どもたちは地域の人々に見守られながら育っています。


≪努力・工夫している点≫

1. 職員のスキルアップによる保育の技術向上に努めています

内部研修には、「楽習保育?」の理解やスキル向上のため、教育アドバイザーによるあそびの勉強会があります。園長は、法人が示す必須研修のほかにも、勤務体制の工夫等により職員が横浜市主催の研修やエキスパート研修など外部研修に参加しやすいよう配慮しています。
また、リスクマネジメント、アレルギー、帳票類の適切な記入の仕方、子どもとの関わりなど、毎月園内研修を実施しています。嘔吐処理はヨーグルトを使い、おう吐物に見立ててトレーニングを行ったり、心肺蘇生法や不審者侵入に備えるために消防署、警察署の協力を得るなど、研修内容によっては実演形式で学んでいます。
「楽習保育?」については年に2回研修を行い、全員で振り返りをしています。非常勤職員もスキルアップが図れるよう、園内研修に参加できる日時に設定しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.低年齢児クラスの環境構成

低年齢児クラスは、おもちゃや玩具など子どもの様子や興味関心を示したものを職員がその都度出しています。子どもが自由に取り出したり、探索活動を楽しんだり、より主体的に関われるような保育室の環境構成について、検討が期待されます。


2.意向、要望が些細なことでも記録に残す工夫

保護者とは密なコミュニケーションを心がけているほか、玄関に意見箱を設置し、また、保護者会や懇談会、行事後のアンケートなどで保護者の意向、要望を汲み取るように努めています。開園からこれまで大きな苦情・要望の事例はありませんが、些細なことであっても内容の傾向を知り、解決に生かしていくために、意向・要望として記録に残していくことも望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 「あったかい心をもつ子どもに育てる」とした法人理念や8項目の保育方針を掲げています。園独自の目標は「生きる力と優しい心を育てる」としており、それらはすべて子ども本人を尊重したものとなっています。

A 個人情報の取り扱いや守秘義務については「個人情報の取り扱いおよび写真などの取り扱い、写真販売について」のガイドラインがあり、全職員(実習生やボランティアも含む)に周知しています。保護者に対しては入園前に説明を行い承諾を得ています。個人が特定できる書類に関しては事務所の鍵のかかるロッカーで保管しています。

B 性差に関してはクラス名簿やグループ分け、遊びや行事の役割、子どもへの声掛け等性別による区別はしていません。性差への先入観による役割分業意識を植え付けないように配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 指導計画は、子どもの状況に合わせて追加や変更も柔軟に行っています。次のステップに進む計画を立てる、もう1ヶ月継続して様子を見ることもしています。楽習保育?に取り組みながら、遊びの中から興味・関心などを育て、個々の思いを尊重しながら活動をしています。幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿と楽習保育?と重なる内容も多くあります。アプローチカリキュラムもあり、卒園までに育って欲しい姿を念頭に置きながら保育を行っています。

A 保育内容の遊びでは楽習保育?教具をはじめ、ブロック、積み木、お絵かき、パズル、絵本などさまざまな遊びが楽しめるようにしています。近隣に様々な活動目的に合わせられる公園などがあり、積極的に戸外活動をしています。その際は、行き交う人々と挨拶を交わすなど地域を知る体験を取り入れています。外部講師による体育指導もあります。

B 食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、食材の安全性と安定提供にこだわり、献立は旬の食材を使用し、季節を感じられるように工夫しています。家庭では食べない食材も、保育園の献立では食べられる子どももいます。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 子どもの成長発達記録は、個人発達記録として全園児1ヶ月ごとに記録しています。その他、入園時に把握した生育歴(児童票、健康台帳など)を始め、子どもの記録をファイルしています。ファイルは事務所の鍵のかかるロッカーに保管してあり、必要に応じて職員はいつでも見ることができます。

A 保護者からの意見要望は、懇談会やアンケートのほか、園長以下保護者との普段のコミュニケーションを密にすることで把握するよう努めています。園単独での対応が難しい場合は、第三者委員や港北区のこども家庭支援課と連携を図っていく体制を整えています。

B 健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

@ 横浜市と港北区の園長会、港北区幼保小連携会議などの会合で、子育て環境の向上と地域ごとの連携や支援などについて意見交換を行っています。その他、区主催の「わくわく広場」「にこにこ広場」に参加し、近隣の保育園との協力で地域性を把握しています。

A 子育て支援事業を実施した月の職員会議で子育て支援ニーズについて話し合っています。具体的な子育て支援事業として、絵本の貸し出し、誕生日会、七夕、芋ほりなど園行事へのお誘い、離乳食講習会などを予約制(絵本貸し出し以外)で提供しています。

B 地域との交流として運動会は近くの高校の体育館を借りています。地域の人形劇団や近隣の大学のオーケストラの演奏での来園もあり計画的に交流をしています。高齢者の介護施設や、他の保育園とも年長児が交流をしています。年3回の運営委員会は、保護者、自治会長、嘱託医、園長、主任、法人の施設担当者で構成されています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 日常の保育が、保育理念、保育方針、目標、全体的な計画に沿って行われているかについて職員会議で話し合い、それらに沿って行われていることを確認しています。職員の自己評価のほか、保護者アンケートも参考にして園の自己評価をし、課題を明確にしています。園の自己評価は、ファイルをして、玄関に置いています。

A 職員が守るべき法・規範・倫理などは「就業規則」に示し、職員には配属前研修で説明しています。また、他施設で起きた不適切な事例や、新聞やニュース報道など職員会議で取り上げ、不正、不適切な行為を行わないよう啓発しています。

B 経営、運営状況に関しては、法人のホームページで公開しています。中期的事業計画とそれを踏まえた単年度計画を作成し、方向性を定め、円滑な園運営に努めています。毎年見直しをし、見通しを持って運営を行い、状況を踏まえて検討を重ねています。

6 職員の資質向上の促進

@ 法人の「求められる職員像」に基づき、必須研修計画(3年間)と4年目からのエキスパート研修(ベーシック、アドバンス)の人材育成計画が策定されています。職員は毎年個人別目標の設定、個人別能力シートの作成をしています。園長との個人面談で達成度の評価をしています。

A 指導計画作成時にねらいを記入し、その後保育実践を振り返り自己評価できる書式になっています。保育を振り返る際は、結果だけにとらわれず、子どもの思いを汲み取り、子ども主体の活動になるような環境を整えていくその過程を大切にしています。保育時の職員の配慮及び子どもの姿、職員の気づきなど丁寧に積み重ねています。その積み重ねに基づき子どもたちの成長に合わせて次の指導計画を立てています。

B 職員の総合的な人事管理は法人の施設担当者が中心に行っています。人事基準については、求められる職員像や給与規定を定め職員に周知しています。人事考課については園長から示されます。

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