かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

おおくらやまえきまえのぞみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 おおくらやまえきまえのぞみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 春献美会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山3-5-16
tel:045-717-6660
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 運営主体は、社会福祉法人「春献美会」で、その系列園の一つです。開所は2013年4月1日で、7年目を迎えます。0〜5歳児を受け入れており、定員は70名、2019年11月現在70名(57世帯)が在籍しています。主な特別保育は、延長保育、障がい児保育、一時保育などです。
 場所は、東急東横線の大倉山駅から徒歩で1分の至近距離にあります。そのため、商店街や大型スーパーに隣接しています。ただ、少し離れますと住宅地で、近くにはさまざまな特徴の公園が多数あり、園児の成長、発達に合わせて、各年齢ともに公園遊びを楽しんでいます。
 商業地域と静かな住宅地もある環境のもと、子どもたちはのびのびと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○地域の親子のための子育て支援が充実しています
 港北区で実施している地域支援の「わくわく子育て広場」には開所当時より毎回参加しています。また、近隣の施設で行っている「にこにこ子育て広場」にも参加し、地域の親子のための集いなどを行っています。園で実施している地域向け子育て支援としては、栄養士や看護師が育児講座(離乳食と水分補給、感染症予防、乳幼児の手作りおやつなど)を実施しています。さらに、園で実施している移動動物園、ひな祭り、クリスマス会、もちつきなどの行事に地域の親子が参加して喜ばれています。このほか、園庭開放や育児相談などを実施し、これらの情報は、区やNPO法人の情報紙や門の外の掲示板でお知らせしています。なお、地域支援をより効果的に行うために、アンケートを実施してニーズを得るように工夫しています。このように、地域の親子の子育てをいろいろな角度から応援しています。

○各年齢ともに年間食育計画表を作成し、園全体で食育を行っています
 各クラス担任、主任、園長、栄養士、調理師のメンバーで食育について話し合ったことを、栄養士が「年間食育計画書」としてまとめ、園全体で食育に取り組んでいます。計画書の概要は、全体目標(空腹を感じ食事を楽しみにする、友だちといっしょに楽しみながら食べる、食べ物や料理に関心を持つ)を基に、各年齢とも4期に分けて、ねらいと内容、活動の記載があります。そのほか、保育者とのかかわり、地域とのかかわり、クッキング保育の計画もあります。5歳児を例にとれば、4期のねらいは食事のマナー、からだの仕組みと食事関係、内容は食事のマナーのおさらい、行事食を味わう、三色食品群の分類方法、活動は手づくり味噌でのクッキングなどです。このような食の取り組みを通して子どもが保護者と話し、家庭での食生活が豊かになることを園では願っています。


○外部講師による英語、リトミック、体育指導に、子どもたちは楽しみながら取り組んでいます
 外部講師による、英語、リトミック、体育指導を実施しています。英語は5歳児が週1回、リトミックは3〜5歳児がそれぞれ月1回、体育は4、5歳児がそれぞれ週1回ずつ行っています。英語は、歌や簡単な会話、単語などを取り入れ毎回実施し、講師のコメントを記録しています。リトミックや体育は年間指導案が作成され、その指導案を基に実施しています。リトミックは音、リズム、その他というジャンルで年間を4半期に区切り行っています。体育は月別、年齢別になっています。5歳児の2月の体育の計画を例にとれば、跳び箱(開脚跳び)、縄跳び(前跳び、後ろ跳び、交差跳び)となっていて、ねらいが瞬発力、柔軟性、持久力、巧緻性などとあります。これらの外部講師の指導は職員がアシストしていますので、職員は講師の技術を学び、それを保育に生かすようにしています。

《事業者が課題としている点》
 職員が長く継続勤務でき、保育に対するモチベーションが充実するような、より働きやすい職場環境づくりのために、園では余裕のある人員配置のための人材確保や職員の研修参加、休暇を取りやすい体制づくりに引き続き取り組んでいきたいと考えています。また、保育士の保育の質のさらなる向上に向けて、園内研修の充実、研修参加後の振り返りや職員間での情報共有を行い、園全体として質の向上を図っていきたい意向です。また、非常勤職員への業務や保育内容の共有をさらに進めていくために、非常勤職員の会議や研修への参加を促進し、共通理解を図るとともに保育の質の向上につなげていきたい考えです。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育理念、保育方針、園目標は、いずれも子ども一人一人を大切に考え、尊重した内容になっています。そして大倉山という地域の特性に合う保育を実施することが、地域に根差す保育専門の福祉施設としての役割と考えています。理念などはホームページやパンフレットに掲載し、保護者の目につきやすい玄関にも掲示し、さらに事務所にも掲示しています。保護者には4月の保育説明会で理念、方針などをわかりやすく説明をしています。そして、園便りでは、子どもの育ちの目標と、それに対する職員の取り組み方を載せています。職員は入職時の園内研修の時にパンフレットでこれらを確認し、全職員が保育理念や保育方針、園目標を理解したうえで保育にあたっています。
 保育業務マニュアルに「子どもの人権に配慮した保育」について記載があります。人間性を否定するような叱り方、注意する時には子どもの目を見て話す、などの15項目があります。また、登園時や集合時など、生活の中で子どもの人権を守るための言葉がけなどの対応についての記載もあります。職員は、子どもの人権について園内研修を行い、子ども一人一人を大切にして、思いやりをもった言葉使いや、かかわり方を実践する保育に努めています。職員は子どもの気持ちや発言をじっくり受け止め、ゆったりとわかりやすい言葉でかかわるように心がけています。子どもに対して否定的な言葉を使わず、非があった場合でもまず「〜したかったのね」と子どもの気持ちをいったん受け止めてから必要な話をしています。
 守秘義務については、新採用の職員には新採用研修で周知し、入職時に書面において同意書を取り交わしています。職員間では何か事例があった時には、全体会議の中で確認しています。実習生にも同様に説明、周知しています。個人情報取扱規則では、個人にかかわる情報が記載された書類(児童票、経過記録など)は、園外には持ち出さないよう規定しています。個人情報の管理方法については、保護者にホームページなどで外部に子どもの写真を出しても良いかなど、入園時に説明のうえ同意書を提出してもらいます。個人情報に関する記録は、施錠できる事務室に保管して管理しています。パソコンにはパスワードを設定して情報漏洩がないように努めています


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画に基づき、年齢ごとに子どもの主体性を大切にした指導計画を作成しています。保育士は子どもたちとの行動や会話から、どこに興味の先があるかを把握するようにして、指導案に盛り込んでいます。例えば0歳児の散歩については、職員が窓の外を見ながら「今日は天気がいいね」「ことりさんいるかな」「寒いかな」と言葉を発すると、子どもは言葉で伝えられなくても上着を持ってきて散歩の用意をするので、職員は「じゃあ、お散歩いこうか」と子どもたちと散歩に出かけています。このように、何をしたいか子どもが自分自身で考えることを大切にして、それらを認めて主体性をはぐくんでいます。そして、子どもの興味に沿って計画には柔軟性を持たせて実施しています。
  入園前に保護者と面接をしています。その際に、児童票、健康記録表など、入園までの家庭での子どもの状況について記入した書類を持ってきてもらいます。園での健康診断後に個別の面談を行い、子ども、保護者の様子も観察しています。必要に応じて看護師、栄養士による面接も行い、子どものアレルギーや既往症について情報を得ています。0歳児では3月に離乳食について保護者に説明を行い、入園後の食事の提供がスムーズに進められるように配慮しています。入園時に把握する子どもの生育歴や家庭の状況、子どもの特性などについては、職員会議などで共通認識を持つようにし、全職員が子どもについて理解したうえで保育にあたっています。
  各保育室には子どもの年齢や発達に応じた絵本やおもちゃなどが子どもの手の届く場所に用意されています。0〜2歳児の各保育室では手作りのパーテーションや棚を利用してコーナーを作り、子どもが落ち着いて遊べるよう工夫しています。食事、午睡、活動は同じ室内を使いますが、場所を区切って使用したり、その保育室の構造に合わせて工夫して場所を確保しています。午睡時はカーテンで明るさ調整をして空間を作っています。園では日常的に異年齢での交流は盛んです。朝夕の自由遊びの時間には、園庭と決められた保育室で子どもたちが一緒に遊んでいます。また、5歳児は就学に向けて午睡のない時期になると、0〜2歳児の着替えなどのお世話に行き、異年齢で交流しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

  就学に向けて5歳児の保育所児童保育要録を小学校に送付しています。子どもの在園中の記録は、児童票や面接による生活記録、さらに0歳児は毎月、1、2歳児は2か月ごと、3歳児は4か月ごと、4、5歳児は半年に1回、観察・個人記録に健康状況、発達の目安、生活状況などが記載されています。5歳児の保護者には11月に就学に向けて保護者会があり、その時に小学校に伝えたいことがあるか確認をしています。子どもたちの記録は個別のファイルにまとめられ、これらの情報は職員間で共有されています。進級時は半月をかけて新担任への引き継ぎが行われています。転園時も、保護者の同意のもとに子どもの在園中の記録を転園先に伝達しています。
  園内に多目的トイレ、エレベーターを設置しています。障がいのある子どもの受け入れにあたっては、障がいの特性を考慮した個別指導計画を作成しています。これらの情報はケース会議で職員に周知され、子どもが混乱しないように職員がみな同じ対応が取れるように努めています。さらに、保護者と密に連携し、保護者の同意を得たうえで横浜市総合リハビリテーションセンターなど専門機関と連携を取っています。障がいのある子どもが気持ちよく園生活を過ごせるように、ほかの子どもとのかかわりについてどのようにしたら良いか、巡回相談などのアドバイスも取り入れています。職員は障がい児保育などの研修を受講し、全ての子どもがともに育ちあえる統合保育を心がけています。
  食物アレルギーがある場合は、子どものかかりつけ医からアレルギー検査結果と生活管理指導表を提出してもらったうえで除去食を提供しています。食物アレルギーに関しては「食物アレルギー対応マニュアル」を作成し、職員に周知しています。除去食の提供にあたっては、毎月末に翌月分の個別献立を保護者に見てもらい事前に確認し合っています。職員は外部研修などに参加し、アレルギーに関する最新の知識と技術を習得し、全体会議で研修内容を共有しています。アレルギー対応食を提供する際には、専用トレイ、色の違う専用食器を使い、子どもの名前を表示して、除去食をはっきり区別できるようにして、誤食防止に努めています。


4 地域との交流・連携

 園は、区で行う公立・私立園合同の「わくわく子育て広場」や、わくわく子育て広場を縮小した近隣にいくつもある地域支援の「にこにこ子育て広場」の会合に毎回参加して活動をしています。その際は、実施した催し(食育や遊び、手作りおもちゃなど各ブースが設営されている)のアンケートをとり、その結果を園内会議で共有しています。また、育児相談のおりには地域の方の実情を把握するようにしています。当園は食の大切さを家庭に知らせることが大事と考え食育に力を入れており、食育のブースを作っています。園内で実施している地域の親向けの育児講座の際にもアンケートを実施し、得られた感想や意見・要望を次年度以降の講座に反映させるようにしています。そのほか、区の施設長会議や町内会(園長が出席)から地域の実情や地域の支援の在り方などを把握するようにしています。
 園の情報は、港北区独自の子育て情報アプリ「ココアプリ」(港北区と子育て支援拠点「どろっぷ」と情報科学専門学校が共同開発)というツールで地域へ向けて情報を発信しています。また、「どろっぷ」を運営するNPO法人発行の冊子「びーのびーの」に園の情報が掲載されています。そこには、保育方針、特色のほかに園児数・職員数、保育時間、主な年間行事、入園に際して、保護者の声など詳細な情報があります。保護者の中には「ココアプリ」による情報を活用している方が多くいます。定期的な育児相談は、0歳児を中心に毎週火曜日13時30分〜15時30分の時間帯で実施しています。園からの各種情報は園の外の掲示板にてお知らせしています。具体的には、園便り、絵本の図書館という催し、地域支援活動などへの参加の呼びかけなどです。
 全ての職員が、いつでも迅速に連絡をとれるようにしたい関係機関、役所、内科・外科などの各種病院、警察署、消防署などについては一覧表を作成し、事務所に掲示しています。ただ、虐待のおそれのある子どもや発達が気になる子どもなどにかかわる機関や団体(横浜市総合リハビリテーションセンター、児童相談所、港北区こども家庭支援センターなど)は、個人的な案件となりきめ細やかな対応が必要であるということ、園長が直接の担当者であるということもあり、掲示ではなく一覧をファイルして事務所に保存しています。また、横浜市総合リハビリテーションセンターとの連携は、直接かかわっている担当者といつでも連携を取れる体制にあります。


5 運営上の透明性の確保と継続性

 職員の自己評価の様式は職種別、経年別になっています。保育士のものは基本的に、規律性、責任制、協調性、積極性、待遇性などの柱で立てられ、それぞれ数項目ずつあり、5段階で評価します。看護師では基本理念や業務内容、健康・安全管理などの柱で、栄養士では基本理念や業務内容のほかに人間関係などがあります。これらを基に保育園としての自己評価を作成しています。そこには、保育目標、保育について、行事について、経営・組織、研修などを4段階評価で園長がまとめ、それを法人本部に提出しています。本部は理事長の承認後、文書で園内に掲示して保護者に見てもらっています。さらに、ホームページ上でも公表しています。
 「職務分担表」があり、園長は保育全般の総括、職員の人事管理及び指揮管理・財務管理、運営管理全般の掌握・責任・職員の指揮監督など、主任は保育全般の掌握と指導、園長の補佐、保育士を代表する保育業務全般、保育計画の立案、保護者からの育児相談、地域子育て支援活動など、が職務として記載されています。そして「役割分担表」には、保育士や栄養士、看護師、事務員が自分の担当業務のほかに受け持つ係分担が記載されています。園長は、それぞれの役割の中で責任を持って遂行できるよう各職員に対して権限を委譲しています。当園の経理関係は事務員が実務を行っていますが、毎月本部で会計処理を系列園の事務員が互いにチェックし合うシステムをとっています。なお、社労士には就労に関する指導を受けています。
 横浜市から、不正な金の使用や職員の定数不足など不適切な事例の情報が送られてきますので、職員会議で園長がそのような不適切な行為をしないように周知徹底を図るようにしています。同様に、市の施設長会議でも市の不適切な案件があれば市の職員から情報を伝えてくれます。また、就業規則の服務規定や保育マニュアルなどで職員の規範意識を高めるようにしています。経営に関しては、法人系列各園の運営状況をホームページで公開しています。職員の法、規範、倫理などについては保育マニュアルの中に、「男女共同参画社会」「プライバシーの保護について」「差別用語の使用禁止」「人権に配慮した保育」などの文書があり、職員はこのマニュアルでそれらを学んでいます。


6 職員の資質向上の促進  研修担当は主任で、研修が重ならないようにシフト調整をして行っています。研修は、初任者(3年未満)、中堅(4年以上〜)、主任、指導者・管理者、それぞれの枠で研修を受講するとともに、個人別の研修計画も立てています。職員はおおむね年に3回以上の外部研修を受講するようになっています。このほか、園内研修が実施されています。今年度は、「保育の基本理念・方針・園の保育目標」「虐待対応・人権に配慮した保育」「みんなで感じたこと・感想などでの話し合い」といったテーマのほかに嘔吐処理の仕方やAEDの使用、写真を用いたカンファレンスなども行いました。これらの研修は非常勤職員も参加しています。研修後は研修報告書を作成するとともに、日を設けて研修報告会も行っています。
 3年以下、4年以上、主任などの経年別の「自己評価」及び全保育士共通の「自己評価」や「目標及び評価反省」などのシートで、置かれた立場の望ましい能力などは個々の職員に周知しています。また、係活動や役職などで、職員がその業務に対する責任を持てるように、園長は権限委譲を行っています。職員からの意見や提案に関しては、職員が職員会議の中で自由に発言をしていますので、それらの意見や提案を改善につなげるようにしています。園長との個別の面談を実施する際にも、自由に発言をしてもらうようにしています。
 実習生については、実習に入る1か月前くらいに主任がオリエンテーションを行います。そこで「保育実習について」という文書で11項目ほど、挨拶、登園に際して、実習ノートのこと、持ち物、服装などについて説明しています。また、守秘義務や無断撮影の禁止、感染症について、やむなく欠席する場合などについて誓約書を得ています。保護者には、実習生が入ることや実習期間などを文書の形で掲示してお知らせをしています。実習期間は2週間で、期間中はクラスの担任が指導をしています。その際に実習ノートを毎日提出してもらいます。最終日には全員で反省会を行い、実習生から感想を聞くとともに、意見交換をして、園の参考にもしています。

詳細評価(PDF689KB)へリンク