かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園高田(2回目受審)

対象事業所名 パレット保育園高田(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0065
港北区高田東4-22-38
tel:045-544-1149
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】

パレット保育園・高田は横浜市営地下鉄グリーンラインの「高田」駅から2分という通勤にきわめて便利なところに位置しています。周辺は住宅地ですが、商店や飲食店、それに小工場も点在しており、散歩するのに適している公園も近くにあります。園の前は車の通行量の多い幹線道路ですが、車道に面したところに自転車置き場を配置し、園舎と道路の間の空間づくりに配慮するなど、子どもたちが落ち着いて静かに過ごせるよう環境整備をしています。園舎は重量鉄骨造り3階建てで、1階には0、1、2歳児の保育室と事務室、2階には3、4、5歳児の保育室と厨房があります。3階は屋上園庭となっており、夏季にはプールで遊ぶこともできます。
同園は神奈川県を中心に、東京都を含めて14園、渋谷区からの運営委託事業3室を運営する株式会社理究が平成26年に開設しました。定員は60人(0歳児〜5歳児)で、開園時間は平日7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
保育理念は『“ひとりひとりに生きる力を!” 1.ひとりひとりを「大きな家族」の一員として認め、役割を認識させ、愛情を持って育てます。 2.ひとりひとりの子どもを見極め、発達段階に応じ「感性・知性・体力を培う」三位一体のバランス保育・教育を信条として育てます。 3.ひとりひとりが意欲的な生命力を発揮できるよう「自立と自尊と自律」の精神を大切に育てます。』としています。

1.高く評価できる点  

●子どもたちは保育士の働きかけで豊かな感性や探求心が育っています
園では、発達段階に応じた感性・知性・体力を培うという保育理念で子どもの育ちを大切にしています。それには保育士が様々な面でのちょっとした働きかけが大切で、それにより子どもたちの自由な発想が広がり、子どもたちは豊かな感性や探求心が育まれています。
例えば、3歳児クラスの散歩では、収穫が終わった畑を見て「何が採れたんだろう」と保育士が関心を向けると、子どもたちが「大根」「キャベツ」「ニンジン」と口々に思ったままに意見を言います。他にも散歩道で見つけるいろいろなものについて、保育士がちょっとした投げかけをすることで、子どもたちの好奇心が広がり、いろいろな会話に膨らんでいきます。生活発表会の練習では、5歳児がカスタネット、タンバリン、トライアングルなど多様な打楽器チームの練習をしています。それぞれの役を果たすために各自が自分の楽器を一生懸命練習していますが、初めからはうまく合いません。子どもたちの前で保育士は指揮をしていますが、初めテンポが合わなかった子どもの目を見て指揮棒でたたくタイミングを伝えています。何回か繰り返すうちに、目覚ましく上達していきました。子どもたちも自信がついて笑顔が見えます。
自由時間の遊びでは、幼児クラスで4人の女児が保育士の見守る中、本来の使い方とは違う発想で、おもちゃの料理用の鍋、ボールを重ねて、その上にお皿を何枚も高く重ねて遊んでいます。不安定な状態にあるお皿の山を、4人揃って一斉にフッと息を吹きかけて崩そうとしていますがなかなか崩れなません。そのうち一人ずつ、お皿を上から倒れないように取り除いていくという新しいゲームに展開していきました。
このように保育士のちょっとした働きかけにより刺激を受け子どもたちは、豊かな感性と探求心が育っています。

●職員一人ひとりがより良い保育に取り組むための仕組みを作っています
運営法人では職員の経験年数別、職位職階別に必要とする能力・技術を明示して、それに応じて研修計画が作成されています。新入職員は育成担当職員がついて育成計画シートに基づいて基本的な育成計画が策定されます。運営法人はスキルアップのために初級研修、中級研修、上級研修と研修プログラムを用意しています。さらに、研修にも多様性を持たせており、視察研修といった他の保育園や、小学校の見学や視察を行う研修、調理部門職員に対して給食全体研修もあります。また、全園研修と言って系列園の全園の職員が一堂に会して講習を受けるといった研修も用意されています。
保育園内の研修では、年間9回の研修を用意しており、職員間のコミュニケーションの活性化、保育等の技術の向上が図られています。また、神奈川県のキャリア研修や横浜市の主催する研修など、職員は外部研修にも希望に応じて受講することができます。このように、キャリアパスが明確にされていて職員がそれぞれ自分の技術、知識の向上を図る機会が様々に与えられることで、職員のモチベーションを高め、よりよい保育に取り組むための仕組みが作られています。

2.独自に取り組んでいる点 
●職員も園も振り返りを大切にして、保育の質の向上に取り組んでいます
 職員は半期に1度「スタッフできたかな表」を記入し、「勤務考課」と「能力考課」の2つの側面から自分自身の能力を評価するチェックシートを作成しています。勤務考課では日常業務で協調性、身だしなみなど10数項目、能力考課では「言葉がけと笑顔」など8項目にわたるチェックリストで、自分がどの程度できたかを評価するものです。さらに、期初に自分の目標を自由に設定し、期末にはそれがどの程度達成できたかを施設長と確認する面談を行い、この結果に基づいて次の期の目標を設定しています。それが保育士の子どもへの働きかけなど、具体的に保育に直結した内容の技術向上につながっています。職員の自己評価に加えて、園全体として自己評価も行っています。「保育方針の共通理解と保育課程等の作成」「職場の人材育成」など、20分野前後について、小項目を設定して、園の達成度の自己評価を行います。その結果に基づいて改善点を明確にしています。このようにして職員も園も振り返りを大切にしてPDCAのサイクルに基づいて保育の質の向上に取り組んでいます。

3.工夫・改善が望まれる点 
●地域の子育てニーズを把握し、保育の専門性を地域で生かしていくことが期待されます
高田地区の園長会や幼保小連携ネットワーク会議などで、最新の情報を共有したり、地域の子育て支援ニーズについて話し合っています。また、高田地区主催の子育てイベントや近隣の保育園との交流に積極的に参加するなど地域との交流を図っています。
しかし、園庭や園舎の状況から一時保育、交流保育、園庭開放等の実施に至っていません。また地域イベントや公園では地域の方から相談を受けることもありますが、園で日にちを設定し実施している育児相談は、まだ実績がありません。
公園で出会う地域の親子との交流を一歩進め、園児の負担にならない範囲で、園児の遊びに参加を促したり、保育参加や給食体験の機会を設けるなど、保育の専門性を地域で活かしていくための情報の提供を工夫し実施につなげていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・日々の保育において、子どもたちのことを呼び捨てにしない、否定語を使わない、子どもたちの人格を尊重し気持ちを受け入れ、優しい言葉でわかりやすく伝える、など、毎月の運営要項で事例をあげながら、全職員で関わりについて学んでいます。言葉かけ研修や人権についての研修の振り返りを行い、意見交換をして意識を高めています。
・コーナーや絵本を読めるスペースなど、空いている空間を活かし、必要に応じて友だちや保育士の視線を意識せず、一人で本を読むなど落ち着いて過ごせる場所を確保できるようにしています。
・個人情報の取り扱いや守秘義務について、法人のガイドラインおよびマネジメントシステムを基に全職員へ研修を行い、職員に配布するハンドブックにも明記しています。ボランティアや実習生には、マニュアルに基づき、オリエンテーション等で説明しています。個人情報に関する書類は事務室の施錠できる棚で保管しています。専用アプリ利用に当たっては、個人IDやパスワード利用を徹底し、情報保護に努めています。
・性差への先入観による役割分業意識を植え付けないよう、持ち物を色別にしないなど、研修で事例を挙げて説明しています。出席簿は生年月日順にするなどの配慮を行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画に基づいて年齢ごとに指導計画を作成しています。作成の際は子どもの状態、月齢、興味関心等に応じた活動を組み込み、自主性や主体性が育つことを狙いとしています。乳児クラスでは日常の保育を通して、興味関心のあるものを把握するように努めています。また、幼児クラスでは子どもの意見を取り入れて、自主性や主体性を育てられるように指導計画を作成しています。
・入園時に保護者と面談し、入園までの子どもの生育歴や家庭での状況を個人カルテ及び児童健康台帳に記載してもらっています。面談時の子どもの様子を観察したことを新入園児面接チェック表に記録して職員間で情報を共有して保育に活かしています。
・能力開発のための、「感性・知性・体力」のバランスを意識したプログラムを基準に、子どもの状況や自由な発想を受け止め、興味関心を持って遊べるように工夫しています。ごっこ遊びやゲームを通して、友達関係など社会性が身につくように支援しています。一斉活動だけでなく、コーナー遊びなどでは、個々の子どもが落ち着いて遊び込めるようにしています。
・ベランダにプランターを置いたり、近隣の農家の協力を得て、野菜の栽培や芋掘りなどの体験の機会を設けるほか、乳児は園のプランターで疑似的芋ほりを実施しています。栽培した食物は給食や食育に取り入れ、子どもたちが食に興味関心を持つように促しています。
・園生活の中で、子どもたちが食事を豊かに楽しめるように、春キャベツをちぎったり、トウモロコシの皮むき、サツマイモのスタンプ作りなど、年齢の応じて四季折々の食育活動をとりいれています。食への意欲を大切にして、子どもたちの好きな果物を一緒に配膳し、好きなものから食べることも可能にしています。また幼児クラスの給食は、バイキング方式では自分の食べる量を知る機会を設けるなどの工夫をしています。
・月に一度、「物語メニュー」として、保育で取り上げる絵本と連動させ、ももたろうのきびだんごや大きなかぶの蕪に触れたり、絵本にちなんだ盛り付けを楽しんだり、郷土料理などを取り入れ、献立作りを工夫しています。
・子どもの食生活について、毎月食育カレンダーを保護者に配信し、当日の給食やおやつはディスプレイし、人気のあるメニューはレシピを保護者が持ち帰ることができるよう印刷して配布しています。0歳児クラスは離乳食の試食会を行い、保護者が家庭で参考にできるように配慮しています。
・一人一人の排泄のタイミングを把握し、保育士同士で状況を共有し、個人差を尊重し、子どもたちが自信をつけ、自分でできるように支援しています。トイレットトレーニングは、保護者の意向を聞きながら、家庭と連携して進めています。
・保育の基本方針は入園時の面談や進級説明会で、保育理念など明記された入園のしおりを保護者に配布し説明するほか、園だより、クラスだよりに保育活動の様子を掲載し、運営法人のHPでは「パレット学習タイム」のページを設け、各クラスの活動内容を紹介し、保護者の理解が深まるよう努めています。
・乳児クラスは連絡帳を使い日常的に情報交換を行い、幼児クラスでは専用アプリを活用し、個々の保護者と情報交換を行っています。毎日の登降園時や年2回の個人面談では、事前に保護者にアンケートを記入してもらい、面談の内容を濃いものに出来るよう工夫し保護者と意見交換しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・乳児については個別の指導計画を作成し日々の振り返りは複数職員で行っています。振り返りの反省を活かし、子どもの状況に合わせた柔軟な計画を作成しています。日頃の保護者とのコミュニケーションから得られる意見や意向を参考にしつつ、年2回の個人面談も活かして指導計画を作成しています。
・入園時に個人カルテにより家族構成や育児環境、健康カルテによって健康状態を把握しています。入園児の面談時に保護者の要望を記載しています。入園後は子どもの発達・成長に関しては成長発達記録及び健康台帳に記載して記録に残しています。これらの記録は、タブレット端末で職員はいつでも見ることができ、情報の共有ができています。年度初めには成長記録に基づいて引継ぎを丁寧に行っています。
・配慮を要する子どもを積極的に受け入れる用意があります。気になる子ども、配慮を要する子どもについてはクラス会議で話し合いを行っており共通認識を全職員が持てるようにしています。運営法人が依頼している臨床心理士による講習会を実施し、対応の方法を統一して共通理解を進めています。
・アレルギー対応マニュアルが作成されており、職員に周知されています。入園時の状況確認書・健康診断書等でアレルギーについて把握しており、アレルギーのある場合は医師のアレルギー疾患管理指導表を入手しています。除去食を提供するときは、アレルギー児献立確認を前日のミーティングで行い情報の共有を図っています。給食時には専用トレイや名札等にアレルギーのマークを付けたり、台布巾なども別にするなど、誤食事故を防いでいます。
・苦情受付窓口は副施設長が担当し、責任者は施設長となっています。園のしおりには第三者委員の名前と電話番号が記載されており、誰でも直接苦情を申し立て出来るようになっています。保護者には「苦情窓口」の設置について、という文書を配布しており、苦情解決の方法を記載し、解決までのフローチャートを示しています。自分の意思を表明できない子どもの場合、別の場所を用意して意見や要望等を聞くようにしています。保護者の園に対する要望・意見は行事ごとにアンケートを実施し結果は保護者に知らせています。
・感染症等への対応に関して「感染症予防・衛生管理マニュアル」があり、全職員が内容を共有しています。保護者にも「パレット保育園 会員用しおり」で情報を提供しています。感染症の流行や罹患などの最新情報は掲示するほか、速やかに専用アプリに情報を載せ、適切な対応について職員・家族へ徹底しています。
・日々の清掃は、マニュアルに従い、消毒や清掃に漏れがないように、清掃チェック表に日々の作業実施を確認し、清潔・適切な状態を保っています。
・事故やケガの発生時及び事後の対応について、毎日実施している昼礼ミーティングで確認し、保護者への伝達は遅番への伝達を連携し、小さなけがでも報告・説明を行い、対応・対策について話し合っています。ヒヤリハットや事故の振り返りシートは本部で集計分析し、毎月報告があり、事故防止に努めています。
4 地域との交流・連携 ・地域で取り組んでいる「たかたん子どもまつり」「子育て親子のみまもり」地域ケアプラザのパネル展示などに参加し、地域の方との交流を図っています。
・水曜日を育児相談日として設定しています。地域の保護者や子ども等への情報提供のために、地域ケアプラザに夏まつり開催のポスターでお知らせを掲示、近隣の方へチラシ配布しています。
・近隣の小学校や運動会に参加したり、区主催のわくわく広場やたかたん祭りなどの行事に参加し、ハロウィンには近隣の園と協力し互いに交流するなど、子どもと地域の交流に努めています。
・利用希望者が問い合わせをしやすいように、ホームページから質問や申し込みができるように工夫しています。見学希望者には、保育に支障をきたさない範囲で、曜日や時間の都合を聞きながら対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・運営法人のホームページで園の概要や開園時間、費用、学習カリキュラムや子どもたちの姿などを載せ、わかりやすく情報提供しています。問い合わせがあった場合には、園の基本方針や利用条件・保育内容等についてしおりに基づき説明しています。
・全職員に配付しているハンドブックや全国保育士会倫理綱領に守るべき規範・倫理綱領が記載されており、職員は周知しています。園の事業報告書が作成されており、財務諸表は保護者からの要請があれば見ることができるようにしています。他施設の不適切な事案については運営法人からも資料が提示されるだけなく、施設長会議でもインターネットを通じて動画で説明され、これらを基に職員に周知し未然に防ぐようにしています。
・主任クラスの育成は計画的に実施され、クラス担任を経験して主任クラスを育成しています。園では副施設長という名称の主任クラス職員を配置しています。副施設長は、クラスを持たず全クラスの業務状況を把握しています。日常的に現場で職員のサポートをしたり、職員の抱える問題を解決しています。職員が精神的・肉体的に良好な状態で仕事に取り組めるように配慮をしています。
・施設長は運営法人の施設長会議に参加しており、会議では意見交換をしたり研修を受けたりして、園の運営に影響のある情報を入手しています。重要な情報は職員会議などで提供し議論しています。重要な課題に関しては職員全員で議論し、園全体の取り組みとしています。
6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れでは、事前に希望を聞き、本人の意思を尊重し効果的な自習プログラムとなるように工夫しています。実習日誌の指導や振り返り・質疑応答の時間を毎日取るようにしています。
・法人研修、園内研修は年間計画をたて実施されており非常勤職員も参加することができるようになっています。外部研修にも積極的に参加しており、系列園に見学に行く視察研修も実施し、子どもの様子や環境設定・活動の様子等・保育士の気づきに繋げています。研修受講後は研修報告書を作成し、回覧をしたり、園内研修で共有しています。施設長は、こうした研修報告書などを基に、研修内容をチェックしています。
・月間指導計画、週案、日案とそれぞれのクラスで計画を作成し、必ず振り返りを行っています。振り返りは子ども一人一人について行い、乳児の場合は週ごとに、幼児の場合は月ごとに子どもの育ちや意欲などを評価し、記録に残しています。こうした振り返りの結果は、次期の計画に活かされています。
・運営法人では職員のキャリアパスを作成しています。キャリアパスに連動して能力開発・研修が設定されており、職員も周知しています。年に2回施設長との面談があり職員の専門性、職務遂行能力等について評価が行われており、双方で確認しながら実施していきます。スタッフ面接においては常勤・非常勤を問わず、前期面談内容の確認とその後について、前期できなかったことをどう取り組んだかの話し合いをしています。面談の時に要望・意向を聴取しており、改善策も検討しています。

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