かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

星川もえぎ保育園

対象事業所名 星川もえぎ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 育援会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0001
保土ヶ谷区川辺町3−1パークシティ横濱D−1
tel:045-744-7001
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 星川もえぎ保育園は、従来の横浜保育室から平成29年4月1日に横浜市認可保育園としてスタートした、0〜5歳児の定員47名(令和元年10月時点;43名)の小規模園です。設置法人はNPO法人育援会で、横浜市では、小規模保育事業B型;3園、認可保育園;1園、放課後等デイサービス;2事業所を経営する福祉事業法人です。
 園は相鉄星川駅より徒歩4分のパークシティ横濱マンションの1Fに立地し、仕事を持つ保護者にとっては仕事と生活のバランスに優れた園といえます。園の前身が横浜保育室であるため、本年度(令和元年度)に初めて小学校進学の卒園児を送り出すことになります。
・園の特徴
 本園は保育理念を「ひとりひとりの豊かな成長を促す為の落ち着いた雰囲気と保健的で安全な環境を提供する」とし、保育目標を「豊かな感受性を育み、人を大切にしようとする気持ちを持つ主体的に判断し行動できるこども」とし、小規模園の特徴を生かして、子どもと保育士の距離の短い、密着度の濃い保育生活を実践しています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもと職員との距離の近い、家庭的な保育の実践
 保育室が狭い特性を生かして、担任保育士を半円状に取り囲むように、子どもたちも保育士も床に座り、先日の芋ほり行事の印象などを子ども全員が、一人一人、生き生きと職員に伝えています。保育士も一人一人の言葉を真剣に受け止めて応答するなど、子どもと密度の濃い家庭的な関係性が生まれていました。

2.異年齢の交流機会が多く、人を大切にする気持ちが芽生える環境
 日常的に生活の中で異年齢が交じり合う時間が生まれています。そのような環境で、保育目標の「人を大切にしようとする気持ち」が芽生えているようです。午睡時には、年長児が年少児の寝入りを自然に手伝っています。近隣の公園に散歩する際にも、アスレチック遊具に登ろうとする近隣の子どもに手を差し伸べて、安全に支援しようとする5歳児もおり、その子の親からも感謝されていました。

3.職員手作りのパーテーションなどを活用した、子どもの生活環境の工夫
 手作りのパーテーションなど環境を変化させる保育具などを数多く作っており、狭い保育室を効率的に瞬時に仕切り、子どもの安全なコーナーや遊び場確保と、オムツ替えなどの作業スペースを手早く作り出す工夫をしています。
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子育て専門家集団として地域への貢献を
 園の職員は子育ての専門家であり、地域の子育て世代への相談事業を通じた貢献が期待されます。地域の実情や園の体制をふまえ、地域の保護者などに向けて、園の専門性を生かした子育てや保育に関する講習や研修会を開催することが望まれます。

2.ボランティア、実習生の受け入れ努力を
 ボランティアの受け入れは、保育園運営が閉鎖的になることを防ぐという役割と、子どもの生活の広がりに寄与するという役割が期待されます。また、実習生の受け入れは、保育園運営が閉鎖的になることを防ぐという役割と、保育専門家集団の園が、将来の保育士育成の手助けをするという役割があります。マニュアルを整備して、今後積極的なボランティア、実習生の受け入れ努力を期待いたします。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、「ひとりひとりの豊かな成長を促す為の落ち着いた雰囲気と保健的で安全な環境を提供する」とし、全職員がミーティングで確認し、指導計画を作り、実践しています。

・職員は、子どもの人格を尊重する気持ちを持って、子どもと目を合わせ、良く話を聞いています。

・年齢や発達、心情にあった言葉遣いを意識し、優しく、声のトーンに配慮し、笑顔で話し相手になっています。せかしたり、強制したりせずにおだやかに分かりやすい言葉で話しています。

・職員は、子どもの発言を受け止めやすいよう、否定したりせず、話を聞くよう意識しています。

・事務室と保育室の間に小さな机を置いたスペースがあります。子どもは、1人になりたい時、静かに過ごしたい時に少し暗くなっている机の下に入り込み気持ちを落ち着かせています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は保育所保育指針に則り作成し、理念・園目標に加えて保育方針を保護者に入園前の説明会、面接、入園後の懇談会などで説明しています

・各クラス担任はクラスに関係する職員も加えて全体的な計画に基づき、各年齢クラスの年間指導計画、月間指導計画、週案、日案を作成しています。0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。

・入園に際しては、@「児童個人票」A「児童健康台帳」B「入園までの生活状況」などの保護者記入様式の提出を受け、生育歴や家庭での状況を把握しています。面談により得られて情報は「入園前個人面談シート」に記録され、職員間で共有し、保育に生かしています。

・0、1歳児室、2、3歳児室、4、5歳児室の3室は、狭い保育室を手作りパーテーションなどで工夫し、必要なコーナーやスペースを作り子どもたちが落ち着いて遊べる空間を確保しています。    

・子ども同士のケンカは、個々の発達や年齢によって適切な対応をしています。乳児期は、引っ掻き、噛みつきなどの場合止めますが、職員は、興味のある遊びに誘うなど他に気持ちが行くよう仕向けています。幼児の場合は、必要に応じて声かけし、できるだけ子ども同士が解決できよう仲介に努めるようにしています。

・室内レイアウトや各クラス構成が少人数になっているため、2つのクラスが合同で活動することが多くあり、常に異年齢との交流を意識した活動になっています。子ども同士で学び合い、育ち合うなど異年齢の関わりを深めるため、10月からは、3〜5歳児を3つのグループに分けた縦割り保育を実施しています。現在は、公園での遊びをグループ別に行っています。

・食事の時、職員は、食べる意欲を持たせるよう、様子を見ながら言葉かけをしています。スプーンやフォークを上手く使えず、手をそえる幼児もいますが、自分で食べたいという気持ちを大切に言葉かけしています。

・保護者には、保育参加時に子どもと一緒に給食を食べてもらい、栄養、味付けについて感じたり、知ることができるようにしています。

・職員は、子ども一人一人の睡眠リズムを大切にして、自然に眠りつけるように援助しています。0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに呼吸チェックを行い、「ブレスチェック表」に記録しています。

・職員は、子ども一人一人の排泄のリズムを把握し、食事や午睡前などに排泄を促していますが、強制はしていません。トイレットトレーニングは、家庭での取り組みと並行して行っています。一人一人の排泄の状況を保護者と情報交換を行い、発達状況に応じて対応しています。

・保護者の自主組織として保護者会があります。生活発表会で園児に渡すおみやげやメダルを用意したり、運動会の準備や当日の手伝い、クリスマス会のサンタ役に扮したり、団地のお祭りに参加するなどの活動をしています。園では、保護者会と常に連携し、会議場所の提供や備品の預かり、職員の参加協力をしています。

・地域の図書館を利用し、地域の消防署の署内見学・出初式の見学などを取り入れています。地域の商店にクッキング保育用の野菜やスイカを買いに行くなど、交流を図っています。

・幼保小の活動の一環として小学校の生徒と年長児は、小学校見学時などに交流しています。また、近隣の保育園とは、園庭開放を利用したり、公園での合同保育などの交流を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・今年度より5歳児保育を開始しており、「保育所児童保育要録」の小学校送付は、今年度末に初めて行います。

・子どもの健康管理については、保健衛生マニュアルがあり、一人一人の健康状態を把握・管理しています。職員は、毎日の家庭での様子を朝の受け入れ時に聞き、日々の健康状態について把握し、職員間で情報を共有しています。

・一人一人の健康診断や歯科健診の結果は、連絡帳で保護者に伝えます。健康診断の前に保護者に声をかけて申し出があれば契約医へ内容を伝えています。

・感染症予防マニュアルにより、感染症に関する対策は、入園時の説明会で保護者
に説明し、重要事項説明書にも記載しています。保育中に発症した場合は、職員が状態を確認し、事前に提出されている保護者の勤務場所などに連絡します。保護者のお迎えは、事情を考慮して、すぐに来られない場合は、園は事務室で子どもの様子を見ながら預かり、必要な場合には病院に連れていくこともあります。感染者が出た場合は、園内への掲示と合わせ口頭でも保護者に説明しています。

・安全管理マニュアルにより、睡眠中に職員が留意すべきブレスチェックや仰向け寝、プールや水遊びでは監視者1人を別に配置する、食事中は誤嚥による窒息に注意するなど、それぞれの場面ごとの対策がとられています。

・保育園があるマンションの管理会社が警備会社と契約し、緊急通報システムを導入しています。園では、不審者が侵入した場合を想定して訓練を実施しています。

・認定された障がい児は現在在籍していませんが、配慮を要する子どもには担当の職員をつけ支援しており、関係する職員同士でこまめに関わり方を話し合い、保育に生かしています。

・今年度、園内研修にて「虐待の定義」「早期発見」「迅速な対応」について学び、全職員は、虐待の定義、予兆発見など十分な知識を持って保育に当たっています。

・食物アレルギー児へは医師から「保育園におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、担任、栄養士が保護者と面談の上、除去食材を定め、保護者と除去食提供の内容を文書で合意の上、除去食の提供を行っています。

・苦情受付窓口は園長、主任がこれに当たり、「重要事項説明書」「入園のしおり」などで保護者へ説明しています。保護者意見は意見箱や行事後のアンケート、保護者懇談会などで収集し、保育に生かしています。

・設置法人には第三者委員を交えて苦情処理に対応する「苦情処理マニュアル」があり、苦情受付部署や第三者委員の電話番号を玄関の壁に掲示し、また権利擁護機関のパンフレットも置いて案内しています。

4 地域との交流・連携

・園に対する要望は、園見学者や星川地区の子育て支援イベントの参加者などから質問や相談を受ける中で、把握に努めています。入園案内時の相談や電話などで個別相談を受けた際に、地域の子育てニーズの把握に努めています。

・地域の子育て支援サービスの提供については、年度の事業計画を作成する際に、職員間で話し合ったり、子育て支援に関する会議報告に関連して情報共有していますが、園主催の講習や研修会は開催していません。

・子育て支援拠点でのイベントや保土ヶ谷区主催のイベントに際し、園からのお知らせやチラシを地域の保護者に配付し情報提供しています。

・マンションのお祭りに、子どもたちと職員は自治会からの招待で参加しています。子どもたち手作りのカブトムシ神輿が団地の敷地内を練り歩いたり、自治会運営の出店を保護者と職員で手伝ったりしています。

・毎年勤労感謝の日にマンション管理組合の清掃員に児童が作成した感謝状を渡すなど、近隣との友好を結んでいます。

・園では写真入りのホームページを毎月更新しています。またパンフレットなどは保土ヶ谷区役所など、関連機関に置いて情報提供に努めています。

・保育室が狭いことと、認可開設間もないことで、ボランティア及び実習生の受け入れ実績はなく、受け入れマニュアル類も揃っていません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員の自己評価のまとめにより明らかとなった園の自己評価結果については、玄関に掲示しています。

・設置法人には就業規則、業務マニュアル、個人情報の保護など明文化したものがあり、入職時には研修で全職員は周知して保育にあたっています。

・設置法人が「特定非営利活動法人」であり、全ての経営、運営状況などの情報は行政に報告する義務があり、行政はこれを公表しています。

・保育所内の運営状況については、定期的に横浜市に「運営点検表」を提出し、また、契約の公認会計士により内部監査も実施しています。

・設置法人は、外部スーパーバイザーを招聘して園に常駐させており、園は助言を得ながら園運営を進めています。

6 職員の資質向上の促進

・職員一人一人は「横浜市方式保育士自己評価表」を利用して自己評価を行い、そ
の結果を園長、主任でまとめ、課題を抽出する仕組みがあります。

・保育業務マニュアルは各部屋に常備し、誰でも手に取って読むことができます。非常勤職員にも業務マニュアルを説明し、保育に当たっては常勤職員との組み合わせなど配慮しています。非常勤職員の指導担当は園長、主任があたり、必要な場合は研修受講を勧め、資質の向上に努めています。

・毎月の職員会議では、園長は出席職員からの提案発言を促しながら会議を進めています。常勤職員と理事長の個人面談は、最低年2回、非常勤職員との個人面談は最低年1回行い、職員から出された要望などは記録として残し、幹部職員間で話し合っています。

・年間研修計画については園長が作成していますが、職員個々人の受講計画については、年2回の理事長面接の際に話し合われ、辞令という形で各職員には示されています。

・行政の運営する「キャリアパス」に応じた「キャリアアップ研修」に職員を積極
的に受講させ、人材育成計画としています。

・「キャリアアップ研修」については職員個々人の「キャリアパス」に則って、関係職員の受講を園は後押ししています。研修受講者は必ず「研修報告書」を提出することになっており、内容は職員間で共有しています。

・園の運営規定には、各職務の職員の役割分担を明示しており、各職員は与えられた権限で保育を実践しています。園長不在時には主任が、また、主任も不在の時は特定のクラスリーダーがという具合に不在代行が決められています。


詳細評価(PDF902KB)へリンク