かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

總持寺本町通保育園

対象事業所名 總持寺本町通保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 諸岳会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0048
鶴見区本町通1-26
tel:045-511-1003
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

◆特に良いと思われる点
1.子ども達の個々の個性を受け入れられ、園生活を楽しんでいます
保育理念の「仏教精神に基づき、子どもたち一人一人を豊かな愛情の中で心身ともに健やかに育て、個々の可能性を引き出していく保育を行う」を実践しています。日頃から保育士は子どもの気持ちや考えを受け止め、常に子どもにとって最善の利益を考えて保育をするように努めています。外国籍など文化や生活習慣の違いを認め、子どもたちに分かりやすい言葉で説明し、理解できるように働きかけています。会話の不得手な子どもや自己表現が不得手な子どもが誤解を招く場面では、保育士がクラス全員の問題としてみんなで話し合っています。自分の意見や気持ちを自分の言葉で伝えられるように促すことで、子どもたちは自分たちの気持ちや表情、言葉を素直に表現しています。

2.子どもの育ちに欠かせない「食」を大切に考え、丁寧な取り組みをしています
園の畑でナス、プチトマト、オクラ、サツマイモなどを育てています。子ども達は年齢に応じて水やりをしたり、観察画を描いたりと関わり、野菜の成長や収穫の喜びを味わっています。収穫物は給食やクッキング活動、製作に活かしています。クッキングは年齢に合わせて栄養士と相談しながら、スイートパンプキン、もちもちパン、煮干しから出汁をとって味噌汁作りなど行っています。その他、栄養の話(パネルシアター、食事のマナーなど)を聞いたり、当番活動などを通し、食に関する興味関心を育んでいます。また、園の給食を保護者に知ってもらうため、給食試食会を年2回行っています。調理室の見学や子どもの偏食や小食など食に関する相談も受けています。その他、栄養士から献立、味付け、切り方のコツや工夫を聞けるので、家庭での参考になると保護者から好評を得ています。さらに、子どもの食を支える調理室が、食品衛生等の管理・指導が行き届いているという事で、「横浜市食品衛生秀級施設」に認定されており、より良い食事作りにつなげています。

3.子ども達は地域のさまざまな人たちと交流し、生活の幅を広げています
地域の中の保育園として、町内会に加入しており、普段から友好的な関係性の継続に努めています。商店街を散歩の時は、子ども達に気軽に声をかけてくれます。卒園をしても、園との関係が途切れないよう、毎年卒園児同窓会を行い、旧交を温めています。学校教育との連携として、中学校の体験学習の受け入れをしています。近隣の公園事務所からお誘いを受け、夏のスプリンクラー遊びや焼き芋など他保育園の子ども達と一緒に楽しんでいます。また、大学の歯科衛生科の実習生に、子ども達に向けて、歯の大切さを分かりやすく話してもらったり、歯みがき指導をしてもらったりしています。高齢者施設の訪問も定期的にあり、子ども達は、地域のさまざまな世代の人たちとの年代を超えたふれあいや交流のなかで、生活の幅を広げています。

◆今後の取り組みが期待される点
1.自己評価を活用した人材育成のためのさらなる工夫が望まれます
当園では、「自己チェック評価表」を使用し、人材育成に取り組んでいます。「自己チェック評価表」の「園の基本姿勢・保育に関する基本原則・養護に関する基本原則」等の計127の問に対して職員は自己評価を行った項目について、園長と個別面談を実施し、当期の振り返りと来期の個別目標を設定することで、人材育成とモチベーションの向上に繋げています。一方、今回の職員アンケートの結果においては、人材育成の計画や仕組みはあるが、うまく活用できていないと感じている意見がみられました。人材育成を目的とした園内研修を実施する、取り組みを振り返るための面談回数を増やすなど、人材育成のためのさらなる工夫が望まれます。

2.保護者との情報共有・コミュニケーションを深めるための工夫が期待されます
 登園時・降園時には、保育士が保護者とのコミュニケーションに努め、連絡帳やアンケートを通じて保護者の意見や要望を聞いています。また、園だよりや園の保護者アンケートを含めた自己評価の掲示等を通して、子どもの様子や保育士の取り組みが周知されるように努めています。ただし、今回の第三者評価の保護者アンケートの結果において、園での取り組みが保護者に伝わっていないと思われる意見が散見されます。園からの保護者向けの情報発信の方法やタイミングを検討する、保育士と保護者との接点を増やす等、保護者が納得できるような情報発信の方法やコミュニケーションを深めるためのさらなる工夫が期待されます。

3.園の理念・方針への理解を深め、保護者との信頼関係の構築が期待されます
今回の第三者評価の保護者アンケート調査の結果において、「この園の保育目標・保育方針はご存じですか」というに問いに対して「良く知っている」「まあ知っている」を合わせた回答が64.1%であり、ほかの項目と比べると低めの結果となっています。園の考え方を知ってもらうための年2回の保護者向けの給食試食会は大変好評で、園の方針に理解を得ている取り組みもあります。保育内容を充実するために、保護者に園の理念や方針について十分な説明を行い、理解を得ることが望まれます。保護者役員会や月1回発行しているクラスだよりを活用するなど、相互理解のもとで保護者との信頼関係の構築が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員会議や毎日の連絡会議などで、子どもへの接し方、関わり方について、自身の保育の振り返りを行っています。保育士が自分の保育に悩み、問題を抱え込まないよう園長や主任に相談できるような雰囲気作りに取り組んでいます。

・子どもの気持ちをゆっくり聞く場所や子どもが安心して過ごせる場所を確保しています。静養室やお話の部屋などの豊富な施設環境を活用しています。子どもの状況に合わせて、プライベートな空間をつくり保育士が付き添いながら、個々に関われる場所と時間を設けて保育に取り組んでいます。

・運営法人で定めた「個人情報保護規定」があり、個人情報の取り扱いや守秘義務に関して職員に周知しています。個人情報の取扱いについて、入園説明会や懇談会の際に保護者へ説明し了解を得ています。職員には入職時、ボランティアや実習生の受け入れの際には、オリエンテーションで説明しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育の全体的な計画は、保育理念や保育方針に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成しています。また、園全体の保育目標に加えて、子育て支援や特色のある保育など、地域の実態を考慮して作成しています。職員へは定期的な面談で計画についての理解を確認し、保護者に説明できるように取り組んでいます。

・入園時に保護者に「児童健康台帳」「食事についての調査」「食物アレルギーについてのお願い」に記入いただいています。入園説明会後に個別面談で確認し、入園までの成育歴や家庭での状況を把握しています。把握した情報は「個人ファイル」に保管し、クラス職員で情報共有しています。指導計画に反映し、日々の保育に活かしています。

・乳児は順番を守るという簡単なことから、遊びを通してルールに気づいていくように働きかけています。幼児はやって良い事、悪い事を自分で考え行動していくことなど年齢や発達に応じて一斉活動に取り入れています。遊びに参加したい子どもの気持ちのタイミングを見計らって声をかけたり、自分から進んで行動に移るまで待つなど職員は援助をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育の指導計画は、年度末にカリキュラムを職員会議で振り返り、園長・主任・副主任の意見を反映しながら作成しています。保育理念や方針に基づき、「生命の保持・情緒の安定・健康・人間関係・環境・ことば・表現・食育」の8項目について、年齢別に設定しています。また、要配慮児保育や長時間保育、研修や行事の年間計画等も保育のねらいとして「保育内容に関する全体な計画」に明記し、全職員へ周知しています。

・SIDSチェック、夏の水遊びやプール活動前の確認、食物アレルギー対応、保育室の棚の上には物を置かないようにする、両扉はロックがかかる構造のものなど、子どもの活動中の安全対策に努めています。2名の職員を担当とし、保育室内、トイレ、園庭の大型遊具など点検し、気づいた点は速やかに改善しています。

4 地域との交流・連携

・入園を考えている見学者からの子育てに関する様々な相談や質問を通じて、地域の子育て支援ニーズを把握しています。また、横浜市と鶴見区の園長会、幼保小中連絡協議会などの会合に園長が参加し、子育て環境の向上と地域ごとの連携や支援などについて情報交換や意見交換を行っています。

・地域での子育てを支援するため、法人内の總持寺保育園と共同開催で、年2回ほど「子育て広場」を開催しています。ペープサート(紙人形劇)・大型絵本・ふれあい遊びなど参加者と楽しんでいます。給食の試食もあり、栄養士が参加者からの質問や相談に応じています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・就業規則や個人情報管理規定、保育目標などについては明文化され職員に周知しています。非常勤を含む全職員には、守るべき法・規則・規定について採用時に園長や主任から説明をしています。園の経営情報は、法人のホームページで法人の決算情報とともに公表しています。

・施設での不正、不適切な事案を題材とした連絡会議を行い、不適切な行為については就業規則に明記しており、入職時に全職員へ伝えることでそれらの行為を行わないように啓発しています。就業規則を職員室に配置し、いつでも職員が確認できるようになっています。

・中長期計画が作成され、それを踏まえて園の単年度の事業計画を策定しています。後継者育成のため、計画的にキャリアアップ研修などを受講しています。修理や修繕は建設会社からの意見を取り入れながら、中期経営計画に反映しています。園としては人材の確保と育成が課題であると認識しており、系列園と協議しながら課題解決に向けた取り組みが期待されます。

6 職員の資質向上の促進

・業務にあたっては常勤職員と非常勤職員の組み合わせに配慮しています。経験豊富な保育士や子育て経験者の多い非常勤職員は、経験の浅い職員へのアドバイスしながら教育に関わっています。今回の職員アンケート調査では、「先輩職員が気兼ねなく相談を聞いてくださり、アドバイスをしてくれる方が多い」、「常勤職員と非常勤職員が一緒に組み合わさることで、様々なことを学べることにもつながっている」等の声が上がっており、常勤職員と非常勤職員を組み合わせて保育に取り組むことで、人材育成につながっています。

・「自己チェック評価表」という書式を活用し、振り返りや目標の設定を個人評価と園長評価の双方から面談で確認する仕組みがあります。「自己チェック評価表」には「園の基本姿勢・保育に関する基本原則・養護に関する基本原則、、」等の大きな15区分、計127の問に対して職員は自己評価を行っています。面談を通して目標や課題を明確にすることで、職員の技術の向上を図っています。

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