かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

オルタスそらいろ(2回目受審)

対象事業所名 オルタスそらいろ(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人しののめ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0062
青葉区青葉台1−4 青葉台消防出張所複合施設5F
tel:045-507-3555
設立年月日 2011(平成23)年09月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 社会福祉法人しののめ会の運営するオルタスそらいろは平成23年9月1日に開園し、8年目を迎える園です。生後57日目以降から就学前児童を対象とし、定員は60名で現在65名が在籍しています。園は東急田園都市線青葉台駅から徒歩5分の所にあります。建物は国道246号線に面した6階建ての青葉台消防出張所複合施設の5階にあり、屋上は園の園庭として活用されています。6階には青葉区地域子育て支援拠点「ラフール」があります。設置法人は、保育園(5園)のほか、障害福祉サービス事業を運営しています。

・園の特徴
 保育目標に「愛すること・愛されることをたいせつにする子、思いやりのある子、ワクワク・ドキドキ!チャレンジする子、躍動感に溢れ のびのびと楽しむ子、自分で考えて 自分で行動する子」を掲げ、自分で考え、自分で決定できる、生きる力の土台を培う保育を行うとともに、異年齢児保育などを通して子どもたちがノーマライゼーション(障がいのある人が障がいのない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す考え方)の考えを身に着けることができるようにしています。食育計画に基づき、0〜5歳児は年齢に応じたクッキング保育、花や野菜の栽培、園外保育を通して自然との触れ合いを深め、好奇心や探求心を高め、生命を大切にする心を育んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.一人一人に個人別記録(個別指導計画)を作成し、個別に対応する丁寧な保育の実践
 全園児に「個人別記録」を作成しています。3歳未満児は毎月、3歳以上児は4期に分けて、ねらい、予想される子どもの姿、子どもへの配慮、評価・見直しを行っています。全職員は全園児の一人一人をよく知るように努め、子どもの様子をよく観察して、子どもに関する情報交換、共有を心がけています。担任は他の職員からの意見も参考にして、柔軟に変更、見直しを行っています。0歳児は月齢や発達過程に応じたきめ細かな配慮点を、1歳児は養護・生活・あそびの3項目の評価・反省、2歳児以上は健康・人間関係・環境・言葉・表現の5項目の評価・反省を行っており、子ども一人一人に対応する丁寧な保育を実践しています。

2.子どもが主体的に遊び込めるコーナーやおもちゃの環境設定
マット・机・棚などを使用し、マットの上や手作りの椅子やソファに座って自由に遊ぶスペースを作り、子どもがおもちゃや絵本、教材を自由に取り出して遊べるコーナー遊びの環境を整えています。子どもたちの興味や発達にふさわしい遊びなどを考慮しながらおもちゃの入れ替えをし、レイアウトを替えたり、家具を動かして臨機応変にコーナーの見直しも行っています。0、1歳児では人形やぬいぐるみ、手に持って音が出るおもちゃやころがして目で追うおもちゃ、2歳児以上では粘土を使ったり、大きいブロックから手先を使って遊ぶ小さいブロックやパズル、ままごとセット、楽器、絵本、図鑑など、発達に応じたおもちゃや教材を用意し、子どもが集中して遊びこんでいる時は活動時間を弾力的に変更しています。職員は子どものそばにつき、安心して遊べるようにしています。

3.事前資料の提出による職員会議での意見の活性化
職員会議前に、各クラスから事前資料を提出しています。内容はクラス全体の状況、各園児の状況、今後の計画、事故(事故報告書添付)、ヒヤリハット(ヒヤリハット報告書添付)、気づき、園全体に関わること、その他からなり、会議の中で職員から課題解決に向けて活発な意見交換が行われています。職員同士が意見を出し合い共有することで、全職員は同じ方向性で保育に向き合っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.必要な関係機関のリスト化
医療機関の連絡先はファイルして事務室に保管し、その他の関係機関は携帯電話に登録しています。医療機関や療育センターなどの専門機関・様々な社会資源に関する情報を収集・整理し、リスト化して職員間で共有することが期待されます。

2.次代の園運営に備えた中堅職員の計画的な育成
設置法人は次代の経営幹部を育てるために人材育成計画を策定し、主任が市の保健センターや横浜女子短期大学の主任研修に参加するなど、幹部職員の育成に努めていますが、計画的に育成されているとは言えません。次代の幹部職員を育成するために、候補となる職員に対して、OJT(実務での職業訓練)による育成や外部研修などを計画的に受講させる仕組み作りが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の基本方針は「人との関わり、支え合いを大切にし、お互いを認め合い、助け合う関係を育てて、人間関係の基礎を養う。四季を十分に感じ、自然を愛しみ、心身を鍛え、物事に感動し、美しい心を育てる」、園の保育理念は「生きる力の基礎を育む」とし、子ども本人を尊重したものになっています。

・子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視など不適切な保育が行われないよう、意識して保育を行っています。職員は、穏やかでゆったりとした言葉で子どもたちに話しかけており、子ども一人一人の気持ちに寄り添いながら子どもの思いを言葉にして共感し、気持ちを受け止めるように努めています。

・個人の感情で子どもを怒らないこと、子どもの自尊心やプライドを傷つけないような言葉がけをすること、ありのままの子どもを受容し、子どもの気持ちに寄り添うことを忘れず信頼関係を築いていけるよう職員会議などで話し合っています。

・他の子どもや職員の視線を意識せず過ごせる場所や子どもと一対一で話し合える場所があります。
 
・「個人情報の保護に関する規程」があり、職員は入職時に園長から「職員心得」に基づき、守秘義務について説明を受け誓約書にサインをしています。

・遊び、行事の役割、持ち物、服装などで性別による区別をしないように努めています。名簿の順番グループ分けも性別にしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画に基づき、各クラスの担任が年齢ごとに、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。作成にあたっては子どもの興味・発達状況をよく観察し、主体性や自主性を大切にしています。クラス代表と主任が毎週、週反省を行い、それらを指導計画の作成に反映させています。

・入園前に主任、担任、看護師、栄養士が面接を行い、子どもの生育歴や健康状態、食事・排泄などの生活の様子を細かく聞き取り記録しています。

・入園説明会で慣らし保育の必要性について十分に説明し、10日間を目途に園生活に慣れていけるようにしています。日々の保育の中で緩やかな担任制で関わり、その子どもが一番安心する職員から順次関係性を築いています。

・0〜2歳児には個別の「育児日誌」があり、その日の子どもの様子などを細かく記載して保護者と連携を密にしています。3歳以上は必要に応じて「お便りノート」に記入して、個別に情報を連絡し合うことができるようにしています。

・0歳児保育では、子どもの言葉に耳を傾け、その場に応じた分かりやすい言葉で優しく応答しています。一人一人の発達に合わせて、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、よちよち歩きができるように、簡単なアスレチックを取り入れるなど遊びの環境を工夫しています。

・1歳児以上3歳未満児の保育では、職員は子どものやりたい気持ちを受け止め、安全に配慮しながら見守っています。子どもが困難を感じた時にはさりげなく援助し、できた時には共に喜び、子どもが達成感や満足感を感じられるように心がけています。

・3歳児の保育では、友達と一緒にいることの喜びを感じ、「やってみよう」と言う期待と「こうしたい」というやる気を大切にして、意欲的に活動しています。4歳児保育では、友だちと過ごすために必要なルールや約束を伝え、基本的な生活習慣や態度を身に付けながら、楽しく遊べるような空間づくりをしています。5歳児の保育では、夏祭りに出す品物のアイデアをみんなで話し合って試作してから実際に製作し、友だちと協力する楽しさを味わっています。

・おもちゃは、年齢や発達にふさわしい環境構成になるように、子どもたちの興味のあるものを考慮して入れ替えをし、コーナーの見直しも行っています。

・ほぼ毎日近隣の公園に散歩に行っており、季節の移り変わりを感じたり、虫や植物などに触れる機会を設けています。散歩先の公園では、季節ごとの葉っぱやどんぐりなどの自然物を拾い、製作に使うなどしています。

・職員は、子どもの喫食状況を見ながら、励ましたり、ほめたり、声かけをし、食べやすいように、食材を集めたり、その場で小さく切ったりして、子どもが自分から食べようとする意欲や行動を大切にしながら援助しています。

・トイレットトレーニング中の子どもには、一人一人の発達状況に応じて、職員がトイレに促して個別に対応しています。

・職員は、子どもの送迎時には、積極的に保護者とコミュニケーションをとり、保護者にその日の子どもの様子を伝えるように努めています。クラス担任が不在でも、クラスノート・職員伝達ノートを活用して、遅番担当職員から保護者に子どもの様子を伝える仕組みが確立しています。

・年1回、クラス懇談会を実施し、園全体の様子、各クラスでの子どもやクラスの様子を伝え、質問や意見・要望を聞いています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・ 全園児に「個人別記録(個別指導計画)」を作成しています。保護者とは個人面談で、個別の保育方針について話し合い、必要に応じて柔軟に計画を見直し、子どもの心の育ち、意欲、取り組む過程に留意し、保育実践に繋げています。

・「苦情解決規程」が整備され、要望・苦情受付担当者は主任、解決責任者は園長で、第三者委員2名の氏名・連絡先を重要事項説明書に明記し、掲示しています。

・苦情・要望があった場合は「苦情解決記録用紙」「苦情解決結果報告書」に記録し、ファイルしています。保護者から寄せられた苦情について、「保護者からのご意見について」を園長名で園内に掲示し、解決に生かしています。

・感染症対応マニュアルがあり、疑いが生じた時の対応を記載しています。登園停止基準については入園時に「入園のしおり」に記載し、保護者に説明しています。

・子どもの体調の変化に早期に気付けるよう、職員は登園時の観察に留意しています。保育中に感染症などが発生したと疑われる場合は、子どもの状態を確認し、保護者へ連絡しています。お迎えまでは子どもを相談室や事務室で対応しています。

・衛生管理に関するマニュアルは事務室にあり、嘔吐処理の内部研修やプール対応の話し合いなどを行い、職員間で情報共有しています。

・睡眠中は、睡眠チェックのほか、子どもの顔色が見える明るさを保つなど、安全対策を講じています。プール活動は、監視専門の職員を配置し、子どもたちの監視に集中するため話しかけないようにしています。食事中は、子どもの表情を確認しながら顔を見て食べさせることなど、誤嚥による窒息に対し注意を払っています。

・消防訓練実施計画にもとづき、避難訓練、通報訓練、消火訓練などさまざまな状況下での訓練を毎月1〜2回実施しています。避難経路の図表は事務室前の廊下に掲示してあり、職員に周知しています。

・子どものケガは軽傷でも、お迎えの際に必ず保護者に報告しています。事故やケガについては「事故報告書」に記録し、職員会議で再発防止のための検討を行い、改善策を講じています。

4 地域との交流・連携

・園長は幼保小連絡会や青葉区園長会で話し合われた地域の子育て支援ニーズに関する事項について、職員会議などで話し合っています。一時保育や交流保育園庭開放など地域の子育て支援サービスを提供しています。

・1階の消防出張所との共催の行事(レンジャー体験や消防服を着たり、消防車に乗せてもらう)には、地域の保護者や子どもたちを招待しています。

・青葉台地域ケアプラザで開催される「なしかちゃん広場in青葉台」などでのイベントに園の保育士を派遣して地域の子育て支援を行っています。

・小学校との交流事業として近隣の榎が丘小学校と年長児の就学に向けて交流しています。また、毎年、町田市立の中学校の職業体験を受け入れています。

・毎月1回、地域のボランティアグループに絵本の読み聞かせをしてもらっています。夏休みの中学生職業体験ボランティアも受け入れています。

・実習生が特に重点を置きたい事項に、園として学んでもらいたい事項を加えたプログラムを組み立てています。実習生との意見交換では、職員も日々の保育を客観的に見たり、保育の見直しや改善点に気づく機会となっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・規範・倫理などは、就業規則や保育所職員心得及び禁止事項に明文化されており、採用時に配付し、園長が職員に説明しています。設置法人のホームページに、経営・運営状況を公表しています。

・園の事務・経理・取引の責任者は園長です。就業規則、経理規程、職務権限規程など、経理、取引、職務分掌に関する書類は事務室のパソコンに保管し、全職員は必要に応じて確認できるようになっています。決算理事会の前に内部監査を実施しています。毎月、税理士の外部監査を実施しています。

・環境への考え方、取り組みについて事業計画書に明記しています。

・主任は各クラスの状況を把握し、現場と関わりを持ちながら、職員とコミュニケーションを図り、健康状態や勤務状況を考慮しながら、良好な状態で仕事に取り組めるように配慮し、シフト表を作成しています。

・事業運営に影響のある情報の収集・分析は園長が行っています。園長は設置法人の理事長や提携している税理士などから情報を収集し、主任・副主任・事務長と共有した上で、職員会議で職員に伝えています。

・平成26〜31年度の中長期期計画を策定し、「運動遊び」「リトミック」「地域交流」「絵本の貸し出し」「植栽」「内部研修」「小学校との交流」などを掲げています。

6 職員の資質向上の促進

・職員の経験年数や職能に対する「期待される役割」「研修計画」などを定めた人材育成計画を作成しています。職員は年度初めに目標を立て、実績や達成度について年度末に自己評価を行い、園長と面談して目標に対する達成度を確認し、次期の計画に反映しています。

・年3回、非常勤職員も含めた「救急救命法」「嘔吐処理」「プール危機管理」の内部研修をしています。

・外部の研修受講後は研修報告を提出し、全職員はいつでも見ることができます。

・非常勤職員も職員会議録、研修報告書など自由に見ることができます。非常勤職員には主任クラスの常勤職員が指導にあたり、口頭やクラス伝達ノートで必要なことを伝え、他の職員とコミュニケーションが円滑になるように配慮しています。

・職員は年1回、自己評価票を基に自己評価を行う中で課題を導き出し、園長との個人面談でアドバイスや指導を受け、次年度の課題を明確にしています。職員の自己評価を基に園の自己評価を行い、ホームページで公表しています。

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