かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市茅ケ崎南保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市茅ケ崎南保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0037
都筑区茅ケ崎南5-11-3
tel:045-943-0981
設立年月日 1998(平成10)年07月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
  横浜市立茅ケ崎南保育園は、横浜市営地下鉄ブルーラインおよびグリーンラインのセンター南駅から徒歩約8分。港北ニュータウンの一角の、かきのき公園の隣にあります。駅から住宅街に向けて、街路樹のある広い遊歩道が整備されており、自然豊かで大小様々な公園につながっています。
  園舎は鉄筋コンクリート造り2階建てで、約2288uの園庭には、サツマイモなどが育てられる畑も備えています。平成10年7月に開園し、現在0歳児から5歳児まで150名(定員138名)が在籍しています。

・園の特徴
都筑区の子育て支援センター園の一つとして、子育て広場を常設しているほか、ネットワーク事務局園の指定を受け、ネットワーク専任保育士が配置され、民間保育園とも連携しながら、地域の子育て支援、地域の保育の質の向上に取り組んでいます。「おひさま文庫」として地域にも絵本の貸し出しをしており、持ち運び用の専用袋も用意しています。休日に近隣民間園に保育室やホールを貸し出したり、月1回地域の方が2階の保育室を自治会館として利用するなど、地域とのつながりが多くあります。
リズム運動、和太鼓、縦割りクラスによる異年齢交流、他園との年長交流、地域のボランティアによる「おはなし会」などの特色ある保育・教育を取り入れています。職員手作りのおもちゃのほか、意見箱や園目標のタペストリーなど、園内には布製の手作りの品がいくつも置かれ、家庭的で温かい雰囲気がつくり出されています。非常勤職員も含め、約80名の職員が関わる大規模園ですが、連携を重視して、全職員がすべての子どもに関わる姿勢を大切にしています。

【特に優れていると思われる点】
1.子ども一人一人の思いや生活のペースを尊重した、ゆったりした保育
0歳児は保育室を2つくらいに区切り、1歳児は低月齢と高月齢、2歳児はおよそ2グループ、3歳児は2クラスに分け、小集団で保育をしています。生活や活動の中で、子どもの様子を見ながら、同じくらいのペースで行動している子ども達を緩やかなグループとして捉え、職員間で連携し、柔軟に分担しながら対応しています。遊びから食事へと移るときはゆとりを持って子どもに接し、特に年齢の低いクラスでは、子どもにより給食の開始時間に差を設け、子どもが自分のペースで食事ができるよう配慮しています。1日のプログラムに余裕を持たせ、毎日、子どもたちが園庭で自由に遊んだり、給食後に自分の好きな遊びができる時間を十分に設け、子どもたちはたっぷりと遊んでいます。職員は子どもに温かく接し、子ども一人一人の思いにしっかり向き合い、子どもが自信を持って安心して、自分の気持ちや考えを表現できるよう援助しています。園では、日々の活動の積み重ねが行事にもつながっていくように、子どもの考えやイメージを大切にして、計画的に保育を進め、夏まつりのお神輿づくりや運動会のクラス競技、おたのしみ会の演目などでは、子どもの発想や意見を取り入れて保育を展開させています。

2.保育の可視化への取り組み
  平成30年度の自己評価で次年度の課題とした、保育の可視化に取り組んでいます。職員は常に保育所保育指針を念頭に援助を行っており、子どもが遊んでいる姿の写真を使って、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と照らし、何が読み取れるかを、職員間で話し合うなどしています。保護者に対しても、懇談会や園だよりで、子どものエピソードを取り上げ、10項目のうち何の育ちが現れているのか、クイズ形式で話題にしたり、この1年で我が子に育ってほしい10の姿を考えてもらい、保育所保育指針の説明を通して、日常の保育の大切さをアピールしています。写真の掲示や保育参加、クラスだより、クラスノートなどは従来から行っていましたが、今年度は、保護者にそれらの見方を伝えることを重視し、写真にコメントをつけたり、クラスだよりの文章を精査したりすることで、何を伝えたいかが明らかになるように努めました。各クラスの掲示方法を統一化し、クラスだよりには、運動会やおたのしみ会などに向けた活動の様子や意図、給食の様子などをエピソードや子どものつぶやき、写真も載せてわかりやすく伝える工夫をしています。

3.カリキュラム会議やミーティングの充実による約80名の職員の連携の実現
  月末にカリキュラム会議を行い(正規職員、嘱託職員、ネットワーク専任職員、育児支援担当保育士、調理員、福祉員1名が参加)、日常の保育が大切であるという考えの下に、環境設定や保育士の配慮等について全職員で検討しています。
また、毎日、夕方の終業前に調理員やアルバイト・非常勤職員も出席して、15分間のミーティングを実施しています。翌日以降の週案と日案の変更・その日にあったヒヤリハット・小さなケガ・保護者からの要望・喫食状況・その日1日のおよその流れや気づき・翌日の行事や園長の予定・研修の案内・アレルギー児の情報や、その他の様々な連絡事項が伝えられ、共有されています。さらに、引き続いて実施される、正規職員のみが参加する15分間のミーティングを有効に活用し、特に配慮を要する子どもについての対応を話し合ったり、研修参加者からの報告を受けるなど、他の会議の開催を待たずに迅速な情報共有をしています。
  職員は、大規模園で、非常勤職員も含め約80名もの職員が情報共有することの難しさを常に意識して連携に努めています。職員が臨機応変に声をかけ合って見守ることで、3〜5歳児では日常的に、異年齢児年間活動計画以外でも、設定保育や食事、午睡の時間以外は、子どもが遊びたい部屋に移動して自由に遊ぶことができたり、他職種との協力により、調理職員から提案があった行事食の提供が実現されたりしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園の防犯対策等について保護者が安心できる説明を
  登園時間に当たる7:00〜9:20の間は、門を施錠していません。利用者家族アンケートでは外部からの侵入を防ぐ対策について、17%の保護者が「どちらかといえば不満、不満」と答えています。登園が集中する時間帯の門の開錠は、出勤前の保護者の忙しさに配慮しての対応で、順次出勤する職員や、門の近くで環境整備をする福祉員が登園の様子を見守ることで安全の確保をしていますが、園の考え方が保護者に十分伝わっていないように見受けられます。園の取り組みを、保護者に継続して分かりやすく説明していくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念および保育方針は横浜市立保育園として共通のものとなっており、児童憲章を基に作成され、子どもたちの健やかな成長を願い、利用者本人を尊重した内容となっています。

・子どもを一人の人として関わることを具体的に明記した新人向けマニュアル「ようこそ茅ケ崎南保育園へ」が作成され、年1回、人権をテーマとした20〜30分程度の園内研修を、具体的な保育の場面に当てはめながら行っています。職員間で、子どもへの不適切な対応が気になったときはお互いに伝えています。

・職員は必ず年1回、人権研修、コンプライアンス研修、個人情報保護に関する区の研修、不祥事防止の研修等を受講しています。非常勤職員は、園内研修で外部講師や園長から話を聞いたり、職員から伝達研修を受けたりしています。

・押入れ風のスペース、ホールの片隅など、友だちや保育士の視線を意識せずに過ごせる場所が多くあります。

・遊びの中での役割や劇の配役、並ぶ順番やグループ分けは、子どもの希望を聞いて決めており、名簿や卒園証書番号は入所順とし、持ち物や服装も性別では区別をしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、「よこはまの保育」を基に作成し、子どもの最善の利益を第一義としたものになっています。

・各保育室にカーペットを敷き、年齢により棚の位置や向きを工夫して、落ち着いて遊べるコーナーづくりをしています。

・1日のプログラムに余裕があり、子どもたちは、毎日園庭で自由に遊んだり、給食後も自分の好きな遊びができる時間を設け、子どもたちはたっぷりと遊んでいます。

・園では、日々の活動の積み重ねが運動会やおたのしみ会などの行事につながっていくよう、子どもの考えやイメージを大切にして、計画的に保育を進めています。

・園庭にあるプランターで、年間を通して様々な野菜や花を栽培して、収穫後に製作活動や調理体験、運動会の親子競技などの保育活動につなげています。

・近隣には遊歩道が続き、公園も多く、公園や遊歩道で落ち葉やどんぐりを拾ったり、虫探しをするなど子どもたちは季節の変化を感じ、自然に触れて遊んでいます。

・職員は、子ども一人一人に温かく接し、子どもが安心して自分の気持ちや考えを表現し、自己肯定感を育くみ、自分に自信を持てるよう援助しています。

・年間食育計画があり、栽培・収穫、マナー、見る、調理、食文化など計画的に食育に取り組んでいます。

・0歳児は5分おき、1歳児は10分おき、2歳児は15分おきに行い、「SIDS(乳幼児突然死症候群)チェック表」に記録し、記録者の名前も記入しています。

・その日の子どもの様子は、個別の連絡帳や口頭で送迎時に伝えるよう努めており、早番や遅番のときは担当クラスに入り、保護者に声をかけるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画を基に、年齢ごとに、年間指導計画、月間指導計画(0〜2歳児については個別)、週案を作成しています。月末に、カリキュラム会議を行い、環境設定や保育士の配慮などについて全職員で検討しています。

・1歳児は低月齢と高月齢、2歳児はおよそ2グループ、3歳児は2クラスに分け、小集団で保育をすることで、子ども一人一人の思いにしっかり向き合えるようにしています。

・毎夕のミーティングを有効に活用し、特に配慮を要する子どもについての対応を話し合ったり、研修参加者からの報告を受けるなど、他の会議の開催を待たずに迅速な情報共有をしています。

・毎夕のミーティングで、翌日の食物アレルギー児対応の情報を確認し、除去食提供に当たっては、トレイを使用し、皿や布巾の色を変え、ブルーのラップをし、提供時に調理職員と担任および配膳時に複数の職員で確認するルールを決めています。

・小さなケガであっても、毎日のミーティングで職員間で共有し、保護者に伝えるよう努めています。担任から直接伝えられない場合は、クラスの生活一覧表や引継ぎノートに記録しています。

・感染症が発生した場合は、育児支援室の外側にある打刻機の傍の感染症情報のボードに掲示し、感染症名、クラス名、り患者数を伝えています。

・安全管理に関するマニュアルや感染症マニュアル、衛生管理マニュアルなど各種マニュアルを事務室内と各保育室内にも常備し、いつでも確認できるようにしています。

4 地域との交流・連携

・一時保育、交流保育、ランチ交流、園庭開放(月〜金)、育児講座、ニューフェイス(区外から転入の未就園児とその親の支援)、絵本の貸し出しを実施しています。また、出張保育を実施したり、区役所主催の赤ちゃん会を園のホールで実施したりしています。

・育児相談はいつでも対応していますが、園庭開放でも毎日実施しています。緊急性の高い場合は、区役所の育児相談の連絡先を紹介しています。

・横浜市こども青少年局のホームページで、保育園の情報を提供しているほか、おひさま通信、ぽかぽかだよりなどにより園庭開放、交流保育、ランチ交流、育児講座、一時保育登録説明会などの育児支援の情報を提供しています。

・運動会、みなみっこまつり(7月に行われる夏まつり)などの行事に地域の保護者や子どもを招待しています。

・夏まつりに婦人会を招いて盆踊りを一緒に踊ったり、毎月おはなし会ボランティアが来園し、園児や地域の子どもに向けて「おはなし会」を定期的に行っています。

・5歳児は近隣の保育園とゲームをしたり、公園で集団遊びをしたり、公立5園でドッジボール大会をするなどの交流を図っています。

・「見学会」をほぼ毎月(9月から11月は月に2回)開催しています。1日10組ぐらいで行い、園のパンフレットを配布し、園内を案内し、保育目標、保育方針、園生活、職員配置などを説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・玄関ホール、職員室、保育室内に、児童憲章、児童権利宣言、全国保育士会倫理綱領などを掲示しています。

・職員は、理念、基本方針、園目標、保育姿勢が書かれたものを、手元に携帯しています。

・保護者会組織はありませんが、面談や送迎時の会話の中で、継続的に疑問や質問に答えながら意見交換をしています。運動会、お楽しみ会、卒園を祝う会など大きな行事については、開催時期などについてアンケートをとり、保護者の意見を聞いています。

・主食提供の開始、保育の無償化、11時間保育の開始など制度の変更、保育指針の変更に伴う全体的な計画の作成、日々の保育についての変更事項、行事の実施方法の変更などについては、文書の配布や掲示、懇談会を通じて、理由や経過を丁寧に説明するように努めています。

・園長は、横浜市の園長研修、こども青少年局保育所責任職園長会、都筑区認可園長会、区内5園の公立園園長会に出席して情報収集し、事故、災害、感染症など保育所運営に影響ある情報については、ミーティングや各会議で共有しています。

6 職員の資質向上の促進

・横浜市の保育士のキャリアラダー(キャリア自己分析表)、人材育成ビジョン、人材育成計画(新人、新昇格者用)があり、各職位に求められる要件が明確化されています。キャリアラダーは職員各自で管理し、それを基に個別の研修計画を立てています。

・横浜市の人材育成支援システムがあり、職員は、年度初めに、キャリア自己分析表を基に自己分析し、各自の今年度の目標を定め、目標共有シートを作成しています。年3回の園長との面談により、目標や達成度を確認し、年度を通しての振り返りを実施し、担当業務に関する自己評価を行うとともに、横浜市の人事考課制度により業務実績評価が実施されています。

・人権、個人情報、救急法、AEDの研修は、毎年実施しています。勤務形態を考慮した多様な時間帯で実施することで、すべての職員が園内研修を受講できています。今年度は、人材育成ビジョンに定められた、職員の職位(職T、職U、職V)に分かれ、求められる職務内容に沿ったテーマでの園内研修も行いました。

・職員は、計画および記録を通して実践を振り返るとともに、他の職員とも話し合いながらカリキュラムを検討する過程で、自己評価を行い、子どもや保護者との関わり方の改善につなげ、その後の計画作成にいかしています。

・実習の振り返りは実習クラス担任と毎日行い、実習最終日前後に実習反省会を行い、意見交換や助言をしています。

詳細評価(PDF822KB)へリンク