かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

大和市立草柳保育園(3回目受審)

対象事業所名 大和市立草柳保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 大和市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 242 - 0021
大和市中央6-8-27
tel:046-264-1919
設立年月日 1977(昭和52)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要・特徴
  大和市立草柳保育園は小田急線・相鉄線大和駅南口から徒歩13分、大和警察署と引地台公園の中間に位置し、住宅地の中にあり、近くに公園が点在していて自然に多く触れられる恵まれた環境にあります。1977年(昭和52年)4月1日に開設され、建物面積《保育所分》は544.92平方メートル、敷地面積は1730平方メートルです。園舎は鉄筋コンクリート造2階建てで定員は130名、現在の入所児童数は128名です。
保育理念として、『子どもの心と体(生きる力)の基礎を育む』を掲げ、「・健康な子ども ・みんなと楽しく遊べるこども ・心豊かな意欲的な子ども」を保育目標とし、基本方針としては、『・健康、安全な環境の中で、子どもの豊かな感性や健やかな心とからだが育つように愛情と誠意を持った保育 ・一人ひとりの成長の芽を大切にし、遊ぶ楽しさや、友達と一緒にいる喜びなどを感じられる保育 ・子どもと保護者のおかれた状況や意向を受け止めながら保護者と手を取り合い、子育ての喜びや楽しさを共感し合える保育 ・地域育児センターとして関係機関との連携を図り、地域の子育てを支援』を設定しています。
 子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊びの体験のなかで、周囲の人々や友だちとの関わりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、地域の基幹園として地域の親子が園児や保育士等と自然に交流しながら、気軽に子育ての相談にも応じてもらえる保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者や地域の皆様から非常に高い評価を得ています。
特に優れていると思われる点
1.自然環境に恵まれ、その特性を保育に活かして、子どもたちの成長に繋げています。
当保育園の立地は、閑静な住宅地にありますが、周辺に子どもでも歩いて行けるいくつかの公園が点在しています。当園のすぐ近くにも草柳4号公園や大和市公園があります。子どもの成育にとって大変恵まれた環境にあるといえます。多種多様な樹木、草花やそこに生息する昆虫などを直に眼にし、また直接触れる機会も多々あります。このような環境を保育にしっかり活かすため、外遊びは園庭のみならずこれらの公園も一体的に活用し、日々伸び伸びと身体を動かし、子どもたちの成長を後押ししています。散歩に出る機会もできるだけ多く作り、バラエティーに富み、かつ年齢に見合ったコースが用意されていると言えます。自然との触れ合いを通して子どもたちは感動的、印象的かつ興味深い体験を日々積み重ね、豊かな人間性や感性の育成に繋がっていると思われます。
2.保護者との相互信頼のもと、良好な協力関係が築かれ、保育の向上に寄与しています。
  保育の理念や基本方針は入園説明会や懇談会等で直接保護者に伝え、全体的な計画は、保育の基本方針や家庭の状況、地域の実態、周囲の環境を考慮して作成されており、当計画も入園説明会や懇談会で保護者に説明されています。また、保護者が記入した面談票をもとに、入園説明会にて主任等が子どもの発達状況や課題を把握するため保護者全員と個人面談を行っています。
  保護者への連絡は、0〜2歳児については連絡帳を、3歳以上児はクラスごとの掲示や連絡用紙により、あるいは個別に直接保護者とのやりとりを通して丁寧に行っています。更に、子どもの様子を保護者と情報共有するために必要に応じ面談を行っています。また、保護者が保育について要望や苦情を述べやすいように、玄関と2階に「ききみみボックス(意見箱)」を常設して無記名で意見を出せるようにしています。
  配慮が必要な子どもについては、特に丁寧に保護者と様子を伝えあい情報交換をするとともに、保護者の同意を得て医療機関や専門機関から助言や情報が得られる体制をとっています。
  更に、当園は一つひとつの事案に誠実に対応する姿勢を持つとともに、第三者委員に直接苦情を申し立てることができるように連絡先を園内掲示しています。
なお、今回のアンケート調査においても「園と保護者との連携・交流について」の項目では「満足」あるいは「どちらかというと満足」の肯定的な評価の割合が高く、また、総合評価については肯定的な評価が96.2%と極めて高い割合を示しています。これらは保護者の園に対する厚い信頼の証しであろうと考えます。
3.園における後輩に対する教育体制が充実しています。
  ベテラン保育士が多く、経験の浅い保育士にとっては、わからないことはよく指導してもらえるという意見が多いと感じました。ただし、常勤保育士の担当時間が長く、シフト制によりやりくりしているが、それでも対応が難しい面もあるとのこと。一方、非常勤保育士にとっては、勉強している先生がたくさんいて、教えられることが多く働きやすく、また、休日の取得も比較的調整しやすいと感じているとのことです。
4.職員は性差の先入観を持たないよう心掛けています。
当園は原則として男児女児の差別を全くしていません。職員が性差の先入観を持たないように確認しており、性差による固定観念で保育をしていないかなど、職員同士で話し合い、共通認識を持つよう心掛けています。遊びや行事の役割、持ち物、服装、グループ分けや並び順などで、性別による区別をせず、遊びたい活動に参加し、使いたい時に使いたい物で遊べるようにしています。
5.地域のニーズに応じた子育て支援サービスを提供しています。
園庭や施設を開放し、育児講座や交流保育等、地域の親子を受け入れて地域のニーズに応じた子育て支援サービスの提供を行っています。特に、一時預かり事業のなかで、当園独自の取り組みである非定型的保育を行っています。りんご組として一時あずかり室を設け、週1〜3日保育が必要な場合に1ヵ月単位で利用できるようにしています。建物外部から別階段でクラスに入れるようになっており、ベランダ園庭には直接出られるような配慮をしています。

特に工夫する点・更なる改善が期待される点
1.衛生面における施設の改善
  保護者のコメント(要望など自由記入)より、「本当によい保育園に入れてよかった」「いつも優しく丁寧に子どもに接して下さり感謝の気持ちでいっぱいです」という意見が多い一方で、一部の保護者からですが、園に対する要望・改善意見があります。建築後の経過年数が41年半と長く、その間、建替えはなされずにきていることから園舎が古い。老朽化のせいか、掃除されてキレイではあるがトイレの臭いが気になるので、予算面で改修も厳しいかもしれないが、早めに改修してもらえると子どもたちも先生も衛生面で安心して過ごせるとの意見が比較的多いようです。ただし、評価員の当方としては、施設は古いけれども清掃が行き届いており衛生面でもきちんと対応されていると感じました。
2.園内における職員どうしの連携の更なる深化
  各クラスの担当職員どうしでの保育の振り返りは定期的に行っているとのことですが、職員全体で話し合う機会が少ないようです。今後は保育内容について、クラスを超えて相互に話し合える機会をもう少し増やすよう工夫することを期待します。
  また、時差勤務が増え、担任保育士以外の職員がクラスを受け持つことが増えているようです。その必要性は理解できますが、それに伴うお互いの情報共有や連携を更に深めていくことを期待します。
 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・守秘義務や個人情報の扱いについて、全職員にマニュアルに沿って年初に説明し周知しています。年3回及び新期採用時に個別に園内研修を行い、人権について話し合っています。保育の課題がある時はお互いに伝え合い確認し、保育技術や保育内容の向上に努め、現場での保育を見つめなおす機会としています。市の人権研修に職員が参加し、他の職員は参加者から報告を受け周知しています。
・保育士は子どもの名前を呼び捨てにしたり、ニックネームで呼んだりしないように、職員間で徹底しています。
・子どもの発達や年齢に応じて、分かり易い言葉かけを全職員が意識しています。子どもの人格を尊重した言葉遣いや態度を、一人ひとりの職員が心掛けています。
・保育室内は、個人のスペースが確保できるよう、ロッカーやダンボールのついたてを使用して仕切りを作り、ゆったり過ごせる空間をつくっています。子どもの自尊心を傷つけないよう、場所を変えて1対1でゆったり話ができるようにしています。更に、幼児のトイレには、プライバシー確保の為の扉が付いています。幼児のシャワーには、カーテンをつけて、プライバシーが守られるようにしています。
・年度初めの懇談会では(途中入園児については、入園面接時に)、個人情報について保護者に説明し、了解を取っています。
・当園は原則として男児女児の差別を全くしていません。マニュアルに沿って、
職員が性差の先入観を持たないように確認しています。性差による固定観念で保育をしていないかなど、職員同士で人権について話し合い、共通認識を持つよう心掛けています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・新入園児については入園説明会にてあるいは個別に面談し、家庭での状況や生育歴を聞き取るとともに、子どもの様子や保護者との関わりの様子を観察し、児童票に記録します。記録をクラス内で共有するとともに、各指導計画の作成に反映させています。
・指導計画は、子どもの発達や状況に合わせて作成しています。更に、クラス会議等で発達を踏まえて振り返りをしたものを次の計画に反映させています。
・年間指導計画については、期ごとにクラスで振り返りをし、年度末に会議で全体の見直しを行っています。保護者アンケートや「ききみみボックス(ご意見箱)」で得られた保護者意見も参考にしています。また、個別の指導計画は、保護者とともに子どもの発達を促せるように、個々の発達を家庭と共有しながら作成しています。
・短縮保育(慣らし保育)については、初日は保護者と一緒に、2日目からは保護者は入らないが相談のうえ状況に応じて1週間ぐらいは預かり時間を決めて実施しています。
・0、1歳児については主に関わる保育士を決めて、安心感や信頼関係を築くことで情緒の安定を図るようにしています。情緒不安定なときには、子どもの心理的拠り所となるもの(例えば、タオルやおしゃぶりなど)の持ち込みを受け入れ、子どもが安心できるようにしています。
・乳児保育(0歳児)においては、子どもの表情、喃語、仕草から思いを汲み取り、言語化し、安定を図りながら応答的な関りをするよう配慮しています。
・1歳以上3歳未満児の保育においては、子どもの様子をよく把握し、個人の思いを尊重し、達成感や成功体験に繋がるよう応答的な対応をするよう配慮をしています。
・3歳児は集団の中で安定して遊びを中心とした興味関心のある活動を行っています。即ち、自分で選んだ遊びを楽しみながら友だちからの刺激を受け興味関心を広げています。
・4歳児は友だちと意見を出し合いながら同じ遊びを楽しんだり集団で遊ぼうとしたりするのを、保育士が必要に応じて仲立ちをして、お互いの思いを伝え合えるようにしています。
・5歳児は園内行事等で中心となって活動する中で、自分の思いを表現したり個性を引き出したりできるように保育士が働きかけています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・個別配慮や支援の必要なケースについては、クラスや関係機関との会議等で話し合うとともに、保育経過記録・特記事項記録として児童個別ファイルにとじてキャビネットに保管しています。保護者の同意のもと巡回相談(すくすく子育て課の心理士が園を訪問、アドバイスを受ける)を行っています。また、訪問事業の受け入れを行ったり、必要な場合は園医に相談を行ったりしています。
・子どもが保護者を通して思いや要望を表した場合には、担任や副園長が面談をして解決にあたっています。要望や苦情があった場合はミーティングや会議で報告・周知し、解決策を話し合うなど全職員が理解し、解決に向けた取り組みを行うようにしています。
・要配慮者への対応としてトイレや階段に手すりを設置し、必要な場合は玄関にスロープを出すなどの配慮を行っています。
・虐待等のケースについては、関係機関(すくすく子育て課家庭こども相談担当)とケースカンファレンスを実施し、記録を児童票にとじてキャビネットに保管しています。虐待が明白になった時は、園内では園長か副園長へ報告し、すぐに市の担当課や中央児童相談所へ連絡や確認がとれる体制を整えています。
・アレルギーや熱性けいれん等、配慮を要する児童の情報は、時間外担当者もすぐに見られるよう、ファイルに挟み、情報共有をしています。
・年度切り替え時、アレルギー児や要配慮児童の情報について見直し、会議で全職員に周知するとともに、更に詳細な事柄については、新旧担任間で引継ぎをしています。
・外国籍や帰国子女に対しては、文化(言語・表現・食事)や生活習慣、考え方の違いを認め適切な配慮をしています。
4 地域との交流・連携 ・カレー作り、七夕集会、クリスマス会、ひなまつり会に地域の方も参加していただくなど、計画的に交流の場を持つようにしています。園の行事で、不要になった衣料などのリサイクルをする「とりかエコ」に、あそぼう会に来ている地域の親子などが多数参加し大変好評です。また、地域の老人ホームとは、2〜5歳児が訪問し交流しています。
・年2回、地域の民生委員や育児サークル等の機関と協力し、育児講座を開催しています。地域の中学生の職場体験学習、小学校教諭の社会体験研修・公開保育の見学、フリースクールである「まほろば教室」などに、学生、教諭の受け入れを積極的に行っています。
・市立図書館のボランティアが年9回来園し、3〜5歳児向けにおはなし会をしています。また、団体図書貸し出し100冊を年4回利用しています。
・2月にボランティアが園内で行う人形劇に、近隣3〜4園の民間保育園をお誘いしています。
・「あつまれ!YAMATOっこ」を開催し、公園で地域の保育園の同年齢の子どもたちが交流できる機会を設けています。
・小学校との交流では、前年度の担任や園長、副園長等も学校見学をして、子どもの様子を継続して見守っています。近隣の幼稚園も参加するので交流ができます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園長は職員に対して、保育所の理念や基本方針をミーティング・会議などで、機会あるごとに周知し理解を促すための説明をしています。また、各クラスに保育理念・園目標・保育方針などのマニュアルが置かれ、いつでも見られるようになっています。園長・副園長が正規職員・嘱託職員・非正規職員に対して、採用時および定期的に、保育所の理念や基本方針の理解を確認し周知しています。
・園長・副園長は、懇談会などに参加し、園事業の説明を行うとともに、保護者の要望や意見を聞いています。
・園長は、人事評価では、全職員と面談し、業務状況について確認することで、個々の状況をつかみ、それぞれの職員がモチベーションを高められるよう確認し、助言や指導をしています。
・主任保育士が個々の職員の業務状況を把握し、能力や経験にあわせ的確な助言や指導を行っています。また、副園長と職員が園運営や働きやすい職場づくりについて話し合い、改善に向けて取り組んでいます。更に、主任保育士は、職員一人ひとりの体調を把握し配慮するとともに、緊急時には園長・副園長にその旨を系統立てて報告したりしています。
6 職員の資質向上の促進 ・人材の補充については、毎月の入所児童数に対して事前に確認してほいく課と対応し随時補充しています。保育所運営において必要な人材であるかを確認するとともに園の理念や方針、運営内容についても説明し、理解を得たうえで採用しています。
・研修については園長・副園長が、大和市の人材育成ビジョンに基づき研修計画を作成しています。年間で計画を立て、必要な園内研修を行える体制をとっています。
・人事考課制度により人材育成計画が策定されており、保育所の理念・方針を踏まえ、職員の資質向上に向けた目標を、年度初めに設定しています。
・年2回人事評価を実施しています。役割ごとに目標を定め、個々の職員の目標設定の目安にしています。園長・副園長が面談で途中経過を確認し、目標に達していない時は解決策などを相談してアドバイスできる体制ができています。また日々の振り返りを記録し次につなげるようにしています。
・人事評価では、個々の職員が自ら目標を立て、評価を行う仕組みになっています。自己評価後に副園長は個々の職員と面接を行い意向や意見を聞き、職員に評価を伝えています。副園長が評価を行った後に、園長が評価を行い、更に他の公立保育園副園長により複眼評価が行われています。
・年度当初、人事評価を作成する際は、目標について園長、副園長と面接し確認しています。また、年度途中でも面接し、達成状況や反省点を確認し次へ活かしています。

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