かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市原宿保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市原宿保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0063
戸塚区原宿4-22-2
tel:045-852-1141
設立年月日 1974(昭和49)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要・特徴
  横浜市原宿保育園は、JR戸塚駅の戸塚バスセンターより俣野公園・横浜薬大行きのバスで横浜医療センター前にて下車し徒歩7分のところに位置しています。周辺は住宅地で、乳児でも散歩に行ける距離に自然保護公園の森があり、園の隣には園児がすぐに遊びに行ける三角広場があります。また、近隣に国立病院機構の大病院があります。交通の便を除けば比較的恵まれた環境にあります。
 1974年(昭和49年)4月1日に開所(平成25年3月に耐震補強・改装)し、建物面積(保育所分)は412.91平方メートル、園庭の面積は351.16平方メートルです。園舎は軽量鉄骨プレハブ造1階建てで、定員は66名、現在の入所児童数は63名です。
保育理念として、『・すべての子どもたちが、自分を「かけがえのない存在」と感じ、自信を持っていきていかれるような保育を目指します』を掲げ、「・自分も仲間も大切にできる子ども ・自分で考えられる子ども ・豊かなこころを持つ子ども」を保育目標とし、基本方針としては、『・ひとりひとりが健やかに心地よく生活し、生き生きと活動を楽しみ豊かな心を育む保育を実践する』を設定しています。
 比較的小規模な園であることもあり、家庭的な雰囲気のなかで子どもたちの安心感の醸成に努めています。幼児クラスは、他クラスとの交流により大きな集団としての経験もできるようにしています。また、職員どうしが連携をとり合い、保護者と担任が直接ことばを交わせる機会をもち易いことも特徴といえます。

特に優れていると思われる点
1.周辺環境の特性を保育に活かして、子どもたちの成長に繋げています。
当保育園の立地は閑静な住宅地にありますが、周辺には散歩できる距離に大正公園や自然保護公園ウィトリッヒの森があります。また、園のすぐ隣には園児が遊びに行ける三角広場があります。更に、国立病院機構の横浜医療センターもあり、子どもの成育にとっては大変恵まれた環境にあるといえます。多種多様な樹木、草花やそこに生息する昆虫などを直に眼にし、また直接触れる機会も多々あります。
このような環境を保育にしっかり活かすため、外遊びは園庭のみならずこれらの公園も活用し、日々伸び伸びと身体を動かし、子どもたちの成長を後押ししているといえます。
今後も散歩に出る機会をできるだけ多く作り、自然との触れ合いを通して子どもたちが感動的、印象的かつ興味深い体験を日々積み重ね、豊かな人間性や感性の育成に繋げることを期待します。

2.保護者との相互信頼のもと、良好な協力関係が築かれ、保育の向上に寄与しています。
  保育の理念や基本方針は入園説明会や懇談会等で直接保護者に伝え、全体的な計画は、保育の基本方針や家庭の状況、地域の実態、周囲の環境を考慮して作成されており、当計画も入園説明会や懇談会で保護者に説明されています。また、保護者が記入した面接票に沿って、入園説明会にて子どもの発達状況や課題を把握するため保護者全員と個別に面談を行っています。
  保護者への連絡は、連絡帳やクラスごとの掲示、あるいは送迎時に個別に直接保護者とやりとりを行うなど丁寧に対応しています。更に、子どもの様子を保護者と情報共有するために必要に応じ面談を行っています。また、保護者が保育について要望や苦情を述べやすいように、意見箱を常設して無記名で意見を出せるようにしています。
  配慮が必要な子どもについては、特に丁寧に保護者と様子を伝えあい情報交換をするとともに、保護者の同意を得て医療機関や専門機関から助言や情報が得られる体制をとっています。
  更に、当園は一つひとつの事案に誠実に対応する姿勢を持つとともに、第三者委員に直接苦情を申し立てることができるようにもなっています。
  当園は小規模であることを活かして、あたたかい家庭的な雰囲気のなかできめ細やかな保育を行っていると感じます。
今回のアンケート調査の自由記入欄にも、当園はアットホームな雰囲気で、「施設に預けているというより自分の身内に預けているような安心感と信頼があり大変満足しています」との記述が多くあります。
更に、「園と保護者との連携・交流について」の項目では「満足」あるいは「どちらかというと満足」の肯定的な評価の割合が高く、また、総合評価については肯定的な評価が97.4%と極めて高い割合を示しています。これらは保護者の園に対する厚い信頼の証しであろうと考えます。

3.職員の対する教育体制の充実に努め、保育の質の向上に着実に繋げています。
  年度初めに園長が職員ひとりひとりと面談を行い、各自の目標共有シートを作成し、それをもとに職員の資質向上に取り組んでいます。園長のリーダシップの発揮、主任保育士の的確(密接)な補佐、職員全員が連携・協力などにより、人材育成プログラムは効果的に推進されています。小規模な園であることもあり、新人職員をはじめ後輩職員が誰でも経験豊富な先輩職員に気軽に相談できる体制となっています。また、業務にあたって職員と非常勤職員の組み合わせや担当クラスなどにも配慮し、これらが相俟って保育の質の向上に繋がっています。職員に対するヒアリングや利用者アンケートにおいてもこのことを裏付ける意見が多く見受けられました。
 今後ともこの体制を維持・充実され、保育の質の向上がさらに推進されることが期待されます。

特に工夫する点・更なる改善が期待される点
1.衛生面・安全面における施設の維持。
  園の開所年月が1974年4月と既に45年を経過し、その間、建物の建て替えはなされずにきているものの、子どものことを考えて7年前に室内・設備の改装を行い、室内はきれいに維持されています。 
評価員としても、開所から年数は経過していますが、清掃が行き届いており衛生面でも安全面でもきちんと対応されていると感じます。今後とも、子どもたちが安心して過ごせるように、更に現状を維持されるよう期待します。

2.送迎時の駐車・駐輪スペースの確保。
園の立地の関係で、園への交通の便が多少不便なこともあり、自動車や自転車で送迎される方も比較的多くおられます。一方、駐車場・駐輪場のスペースが狭いこともあり、利用者が不便を感じているようです。
なお、自由意見にも「送迎のルールを破って道路への自転車駐輪をしている保護者の方がいるので注意してほしい」との意見もあります。 
既に5台の駐車スペースが確保されていますが、特に朝のピーク時には混雑が認められるのが実情です。しかしながら、保護者との協力のもと、更に円滑な駐車場の有効活用が望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの呼び方については、あだ名や呼び捨てなどはせず、きちんと名前で呼ぶようにしています。
・子どもの年齢や発達に応じ、分かりやすい言葉使い、話し方に努め、テンポにも配慮しています。
・子ども同士のトラブル等に対しては、双方に状況を説明した後に、自分で考え、行動するように導いています。
・人権研修を受けたり、会議などで子どもの対応について話し合ったり、園内研修やカリキュラム会議で、対応に関して検討できるようにしています。
・子どものプライバシーについて様々な工夫がなされています。
・ダンボールで簡単なついたてを作り、一人で過ごせる場、他からの視線を意識せずに過ごせる場所が確保されています。
・幼児は3部屋がオープンなので、全体が見え、職員が連携して見守る体制ができています。
・友だちに知られたくないことを話すときなどは、必要に応じて、保育室以外の部屋に行き、1対1で話せるようにしています。着替えやシャワー時に裸のまま移動しないなどの配慮をするとともに、幼児トイレ、テラスのシャワーにシャワーカーテンがあります。
・個人情報の取り扱いに関するガイドラインがあり、守秘義務の遵守の重要性について、全員に徹底するように努めています。取り扱いについてあらかじめ保護者に説明し、了解を得ています。
・個人情報の保管場所には必ず施錠し、パソコンはセキュリティーのカギを付け、個人情報のファイルにはパスワードを付けています。
・性差への配慮については、日常的な生活や遊びの場面で、性別による区別を出来るだけ排除し、行事や風習について、伝える中で性別による区別がないように努めています。
・保育の中で、色や玩具などを性別に分けず、自由に選べるようにしたり、父、母問わず、「保護者の皆様」「おうちの方」などの文章にしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・新入園児については保護者が記入した児童票に沿って個別に面接し、家庭での状況や生育歴を聞き取るとともに、健康面・アレルギー・保育時間など保育に最低必要なことは把握しています。
・短縮保育は家庭の事情を考慮するとともに、登園初日は保護者と一緒に保育を受け、2日目からは保護者は入りません。子どもが慣れるまでは、心の拠り所となるタオルとかぬいぐるみなどの持ち込みを受け入れ、無理強いせず自然に持ち込みを終わらせるようにしています。更に、保護者との情報交換をきちんと行い家庭との連携を大切にして子どもの安心感につなげています。また、在園児への配慮として信頼できる保育士ができるだけそばにいることや、好きな玩具や馴染みのある遊びを用意し安心して過ごせるようにしています。
・指導計画は、子どもの発達や状況に合わせて作成しています。
保護者からの要望は会議やミーティングで取り上げ話し合っています。また、年度末や大きな行事のあとに保護者アンケートを行い、その結果を公表するとともに改善にもつなげています。更に、保護者の要望や意見を聞くための意見箱を玄関の廊下に設置しています。
・1歳以上3歳未満児の保育においては、集団の中でも個々の子どもの様子に合わせて対応できるように意識して保育するとともに、季節や気候・体調などを考慮しながら室内外で個々の子どもに向き合ったきめ細やかな保育を行っています。発達に応じた運動を楽しめるように、リズムや巧技台での遊びを計画的に取り入れています。更に、園外を散歩するなど園内で経験しにくい活動を計画し実施しています。
 子どもの状況に応じて友だちとの関わりを楽しめるように保育士等が仲立ちをしています。また、他クラスとも相談し、自分のクラス以外の部屋でも遊ぶ時間を設けています。
・3歳以上児の保育においては、年齢に応じたルールを設定した集団遊びを楽しんでいます。集団遊び、ひとりひとりの遊びがバランスよく楽しめるような時間設定を行っています。散歩や園庭遊びなどの戸外での遊びをはじめ、室内でも身体を動かして楽しめる活動を計画的に行っています。また、子どもが主体的に活動できるように、遊びの準備や片づけも一緒に行う機会を作っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・配慮を要する子どもについては、会議などで話し合いその対応を考えています。また、療育センター巡回相談の報告を行い、最新の情報を保育士間で共有しています。
・療育センター巡回相談を利用し、障害児や要支援児ひとりひとりについて保育技術援助を受け指導計画に反映させています。また、必要に応じて保護者と相談のうえ療育センター等のアドバイスをもらえるよう働きかけています。
・虐待が疑わしい場合は関連機関(児童相談所、区役所)との連携がとれています。担当の保健師にもすぐに連絡できるようになっています。
・アレルギー児の食事の除去のため、かかりつけ医に指示書を書いてもらい、除去食材を明確にしています。対応を徹底し事故防止に努めています。
・外国籍や帰国子女などについては、保護者の考えを理解し生活習慣についても尊重するとともに、できるだけ簡単なことばを使用するなどの配慮をしています。 
・苦情解決については懇談会や個人面談で保護者の意見を汲み取るようにするほか、日頃より保護者とコミュニケーションを図り意見を出しやすい関係を築いています。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援ニーズに対し、地域の親子を対象に絵本を貸し出し、園庭開放、ランチ交流、プール開放、育児相談、交流保育などを行っています。・年2回自園で育児講座を開き、戸塚区公立5園で合同育児講座を年3回開催しています。
・保育所に対する理解促進のための取り組みの一環として、敬老の日等をきっかけに近隣の老人サークルの方々と交流を行い、特別老人ホーム「なごみの園」に訪問し、交流を行っています。
・運動会など、地域の方を招き、一緒に楽しめるようにしています。
・保育園周辺の清掃を行ったり、園庭開放やおはなし会、絵本の貸し出しを行い、地域と方々との良好な関係作りに努めています。
・他の保育所や幼稚園、学校、障害児施設等と相互理解のため、積極的に交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育理念や保育方針が事務所に掲示されていて常時目にすることができるようになっているとともに、年度末の会議において全員で見直しや確認を行っています。
・重要な意思決定時には、職員の意見を集約するとともに、保護者説明会を開いています。園長は重要な意思決定について保護者説明会を開き説明しています。また、園長は保護者会総会にも出席しています。
保護者アンケートをもとに保護者の意見や気持ちを受け止め園の運営に反映させています。なお、保護者会とは必要に応じて話し合いをして、行事への参加を呼び掛けています。
・主任クラスの職員は、リーダー研修などや外部講師により学び、スーパーバイザーとしての力量を高める取り組みをしています。
主任は戸塚区の主任研修に参加し、スキルアップを目指し学び合う機会があります。
園長と主任は常日ごろから運営上の話し合いをして、職員への意向を伝え、園運営がスムーズに進むようにしています。
・外部環境の変化等に対応し、横浜市立保育園として、運営、改善点など、市から周知されたことは迅速に職員に伝わるようにしています。
制度や法の改正についても園長から職員に情報提供できる仕組みがあります。
運営上必要な新聞記事やマスメディアなどの情報はミーティングなどで職員に伝えられています。
6 職員の資質向上の促進 ・保育所の理念や方針に沿った保育を具現化するためには、必要な人材がバランスよく育成・配置することを狙いとしています。そのため、年度初めに職員ひとりひとりと園長主任が面接を行い、各自の目標共有シートを作成しています。
・園長はひとりひとりと面談をし、目標共有シートをもとに職員の資質向上に取り組んでいます。
・キャリアラダーを参考に、経験年数や能力に応じた研修を受講しています。
・新人職員にはトレーナー制度があり、育成者の園長とトレーナーで育成計画を立てて取り組んでいます。
・研修は研修計画に基づき、計画的に行われています。
・研修に参加した職員は、研修報告書に要点をまとめ回覧しています。園内研修を通して、情報を共有できるようにしています。
・非常勤職員に対する資質向上のため、会議や園内研修に参加できるようにし
ています。
・職員の技術の向上を計画的に図るため、会議やミーティングの時間の一部を充て研究会、勉強会等を実施しています。
・人事考課で、目標を立て、各自の資質向上を図り、園長と面談し、職員は人事考課の評価表を受け取り、各自が振り返りができるシステムになっています。
・戸塚療育センター、臨床心理士、小学校職員などが来園し意見交換をしたり、公開保育を実施し、外部からのアドバイスを受ける機会なども作っています。
・個々の職員について、保育の見直しや自己評価を実施する仕組みができています。
・人事考課や保育士の自己評価があり、次期の計画に反映するように努めてい
ます。

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