かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市桂台保育園(3回目受審)

対象事業所名 横浜市桂台保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 247 - 0034
栄区桂台中4-15
tel:045-894-1335
設立年月日 1979(昭和54)年06月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
横浜市桂台保育園はJR根岸線港南台駅からバスで30分、バス停桂山公園から徒歩3分にあります。栄区桂台地区の中心部で小・中学校、地域ケアプラザや大型商業施設があり、閑静な住宅街に囲まれています。広い園庭や公園など緑の多い自然環境に恵まれ、体を動かし存分に遊ぶことが出来ます。
運営主体は横浜市で1979年6月に開園し、定員86名、現在0〜5歳までの園児96名が在籍しています。
区の地域子育て支援センターとして区内の他園と連携し、地域の子育て支援に向けた事業を積極的に展開しています。また、区の基幹園として保育の質及び専門性の向上を目指して「区保育資源ネットワーク構築事業」を推進しています。園の保育姿勢は「子どものありのままの姿を受け止め、居心地の良い保育園生活を送れるようにします」とし、子どもの自主性を見守り、集団活動の中から育つ力や思いやりの心を育んでいます。


≪優れている点≫

1. 組織的運営でチーム力を向上させ、サービスの質を高めています

職種、職位、係分担を整え、仕事を進める手順や方法を明確にして組織的な運営を行っています。行事や係に担当役割を明確にしています。施設間交流、地域の方との交流、栽培関係など約15種類の係があります。掃除・整理整頓も分担で行い各保育室、トイレ、倉庫など13か所に分かれて担当しています。部門担当制では育児支援担当や園内研修など7部門に分かれ、グループで活動しています。会議は職員会議、中間会議、カリキュラム会議、ミーティングの他、5つの会議があり、意見を述べあう場が多数用意されています。職種や職位に応じた体制やチームを組み、各職員がプランを立て実施しています。
各種マニュアルが整備され職員一人一人が役割を果たし、職務を遂行しています。困った時には気軽に相談できる環境を有し、互いに力を出し合い、支え合っています。共通の目的をもって全体が一定の秩序をもって活動しておりサービスの質を高めています。


2.活動と活動の間を結ぶ動きの中などで、子どもの気持ちを尊重しています

保育士の温かい歌声で子どもの感動や言葉を自然に巧みに引き出す取り組みが見られます。園庭遊びから室内に入る際に、一人一人に丁寧に汚れた衣類を取り換える様子や次の活動に行くまでの遊びを一人一人が選択できるようにしています。子どもの気持ちを大切にした排せつへの誘導など、保育士の配慮する姿が見られます。一人一人の子どものありのままの姿を受け止め、次の行動へ導く保育の質の高さをあらわしています。
園では給食の食物残の削減に取り組むなど生ごみの削減にも取り組んでいます。土の中の微生物が生ごみを分解して土に返す「キエ―ロ」活動を子どもと一緒に取り組んでいます。生ごみが分解して黒土に帰るのを子どもも体験しています。黒土に帰った生ごみは肥料として保育園の畑やプランターで使用する環境問題に子どもとともに学んでいます。


3. 保育の質の向上を目指した職員の人材育成システムが構築されています

職員は、正規職員、嘱託職員及びアルバイト職員で構成されています。横浜市は、職位T・U・Vのそれぞれの職位に求められている果たすべき役割や能力を明確に示し、「横浜市人材育成ビジョン」及び「横浜市保育士人材育成ビジョン」に沿って人材育成を進めています。人材育成システムが構築され、各種研修が実施されています。保育園の理念、基本方針に基づき、人事育成計画が示されています。
園長は、年度初めに職員と面談し、職員一人一人が保育の質の向上を目指して行動するように、「目標共有シート」を作成し、年度の中間と年度末に再度面談を実施し、進捗状況や成果の確認を行っています。園長はこの面談を通じて、職員と意思疎通を図り、目標の達成に向けたアドバイスをしています。新人職員及び2年目職員には、トレーナー制度があり、先輩トレーナーと育成計画を立てて取り組んでいます。


4.地域と連携した多彩な活動を推進し、子どもの生活を豊かにしています

園の運動会や夏祭りに地域の子育て中の親子、高齢者、障害者を招待しています。地域の高齢者と散歩交流を行い、高齢者が企画する桂山クラブ文化祭に参加しています。また、日常的にお世話になっている地域の方を招待する「地域の皆さんありがとう会」を開催し感謝の気持ちを伝えています。
障害者通所施設で園の職員の演奏による音楽コンサートを開催し、障害者と園児が交流しています。区地域子育てセンター園として他園と連携を図りながら育児講座や交流保育など各種の子育て支援事業を展開しています。小学校1年生との交流、中学生の職業体験を受け入れ、絵本の貸し出しなど多彩な取り組みを行っており、地域の園に対する理解や信頼を深めると共に子どもの生活を豊かにしています。


≪努力・工夫している点≫

1.各種マニュアルや活動計画を整備して、保育内容が明確に把握できています

安心・安全に保育するための各種マニュアルを整備しています。市が作成したマニュアルの他に園が独自に検討や工夫をしてマニュアルを作成しています。「育児支援マニュアル」「健康管理マニュアル」「衛生管理マニュアル」「事故対応マニュアル」など広範囲に渡り、職員が保育サービスを提供する上での道標となっています。
各マニュアルに担当者を決め、定期的に内容の見直しや検討をしています。また、各種の保育活動計画を作成しています。食育年間計画を始め異年齢保育計画、リズム運動年間計画、ムーブメント計画、アプローチカリキュラム、歌年間計画等があり職員間で共有しています。これによりそれぞれの活動の方向性や全体像が把握でき評価や見直しを図りながら保育の質を高めています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.正規職員と非正規職員の連携強化による保育サービスの提供

正規職員が参加する職員会議や非正規職員が参加する中間会議があります。重要な情報は、会議録の回覧、毎日の申し送りや連絡のノートなどで連携はしています。しかし、会議録を閲覧したことの確認や、職員会議と中間会議の間に時間差があり、必要な情報が必ずしも迅速かつ的確に伝達されているとはいえません。
会議録の閲覧状況が一目で確認できる一覧表を作成するなど、職員会議や中間会議の改善などで、正規職員と非正規職員が可能な限り情報を迅速かつ的確に伝達して連携を強化し、より良い保育サービスを提供することが期待されます。


2.保護者とのコミュニケーションを深めること

園の運営は健全になされ、職員間の連携もよく質の高い保育が実践されていますが、今回のアンケートからは保護者の園に対する充分な理解が進んでいないように思われます。一方、園は就労する保護者の立場に立つ理解や配慮が必要と思われます。互いの立場の理解がやや不足気味に思われ、更にコミュニケーションを深められることを期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @ 保育理念や保育目標は子どもの尊厳や自主性を尊重しています。各保育室に掲示するとともに、職員は保育理念、保育方針、園目標、保育姿勢などを記載した「ミニカード」を携帯し、必要に応じて確認することができます。職員の理解度は、面談や年間の振り返り、新人教育により確認を行っています。保育理念は、「保育のしおり」や「懇談会資料」にも掲載し、保護者にも周知徹底を図っています。
A 職員間で話し合い、子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視はしないようにしています。せかすことや強制もせず、穏やかに肯定的な言葉で話しかけています。子どもに注意を促す時も、子どもの気持ちを受け入れ、叱るのではなく、納得がいくように目線を合わせて優しく説明するように心がけています。職員は、子どもの人格を尊重し、自尊心を傷つけないよう複数担任制のメリットを生かして、相互チェックを行っています。
B 守秘義務遵守の重要性は職員だけではなく、ボランティアや実習生にもオリエンテーションを通じて周知徹底しています。個人情報の取り扱いについても、ガイドラインに基づき周知し、個人情報の受け渡しにチェックリストを活用しています。子どもの写真の利用については、予め保護者の許可を得ています。個人情報に関する記録は、事務室の施錠できるキャビネットで保管管理しています。連絡帳には名前の他に個人マークを付けて、間違えて手渡さないように工夫をしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @ 全体的な計画は、園の理念や基本方針、保育目標を達成するために園の保育内容を網羅し策定しています。各年齢を通じて一貫性のある保育内容とし、年に数回職員に回覧し、確認しています。指導計画は、全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月案及び週案を作成しています。作成にあたっては、子ども一人一人の意見や意思の把握に努めています。また、公開保育、他園交流の交換研修及び保育園内でのクラス交換研修などを通じて指導計画の見直しに生かし、子どもの自主性、主体性を大切にして計画には柔軟性を持たせています。
A 5歳児は春頃からパプリカの歌に興味を持ち、よく踊る様子が見られたので夏になりパプリカの栽培を行い、収穫を楽しみ食育に生かしました。小学生の交流がきっかけで運動会の出し物についてクラスで話し合い、自作の旗を用いてパプリカの踊りを演じようということになり、運動会で披露しました。子どもの自由な発想を受け止め引き出し、集団活動へ保育を展開しています。2歳児の砂場遊びでは遊びを見つけられない子どもに職員はさりげなく、声をかけたり、どんぐりをお椀に入れて興味を引き出すよう適切な援助をしていました。
B 乳児クラスの子どもは、「個別連絡帳」で登園時に家庭での子どもの健康状態や生活の様子の連絡を受け、降園時には園での様子を連絡し、情報を共有しています。幼児クラスの子どもの降園時には、「クラス引継ぎ連絡帳」に基づき、保護者への連絡事項を伝えています。その日のクラスの子どもの活動の様子を保育室に掲示するとともに、口頭でも伝えています。保護者との年1回の個人面談は、保護者が参加しやすいように、昼間の時間帯だけでなく、朝夕の時間帯まで面談の時間帯を拡げています。クラス懇談会を年2回開催し、子どもの日常の様子をビデオ上映しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @ 保育園内はテラスの屋根に採光部が設置されるなど、陽光が十分取り入れられる構造です。保育室内は冷暖房機や加湿器付きの空気清浄機を設置し、温度、湿度共に適正に管理しています。清掃はマニュアルに基づき職員が交代で実施し、清掃チェック表で確認し清潔を保っています。匂いがこもりがちなトイレも保育士がこまめに確認し、換気を適正に行っています。子どもの声の大きさは4段階の動物の絵入りポスターを保育室内に掲示し気を付けています。子どもが制作した季節感のある作品を掲示するなど、快適に過ごせるように環境を整えています。
A 配慮を要する子どもの受け入れは積極的に行っています。個別ケースについては、カリキュラム会議などで話し合い、職員間で情報を共有しています。障害児、アレルギー症状の子どもなど配慮を要する子どもを適切に保育するために、関連する各種の研修を受講して最新の情報の習得に努めています。研修記録や報告は職員間で共有し、保育に反映させています。「個人情報確認チェックリスト」で確認するなど個人情報の取り扱いにも十分に留意しています。
B 環境及び衛生管理、下痢・嘔吐、掃除関連等について記載した「衛生マニュアル」を備えています。マニュアルの研修については、入職時に新入職員研修が行われており、採用後は年1回の研修を実施しています。マニュアルの更新について担当者を決め、年1回見直しを行っています。玩具・寝具清掃・消毒、施設設備の清掃、園庭・砂場の管理、最新の薬品情報などの確認を行っています。嘔吐処理研修については看護師巡回時に指導を受けています。
4 地域との交流・連携 @ 区子育て支援センター園として全職員が様々な支援に関わり、保育園の専門性を生かしたサービスを提供しています。子育て支援専任保育士や担当職員7名を中心に地域の子育て支援ニーズについて検討し、交流保育や育児講座を企画・実施しています。例えば、泥んこ遊び、リズム遊び、手形・足型ぺったんこ、パパママあそぼう等の親子で楽しむ活動をしています。また、ホールを開放しお母さん同士の交流や保育士への相談、身長・体重測定を行う子育てサロン、絵本の貸し出しなど地域に向けた活動を展開しています。
A 公園、子どもログハウス、障害者施設、おもちゃ文庫、小学校体育館など地域の社会資源を活用しています。散歩では地域の人との交流があり、公園では他の保育園とのドッジボールやリレー交流をしています。幼・保・小連携事業として就学に向けた近隣の複数小学校との交流があります。就学に向けたアプローチカリキュラムの一環として学校行事の秋祭りや交流を図っています。地域の高齢者が企画する桂山クラブ文化祭に参加しています。隣接の障害者施設との交流を図るなど地域への多彩な活動を通して子どもの生活を豊かにしています。
B 実習生・ボランティアの受け入れることは次世代の育成や園の透明性を図るということを職員及び保護者は理解しています。実習生やボランティアには、実習生のしおり及びボランティアマニュアルを用いて園の基本方針、利用者への配慮、守秘義務について説明しています。保育実習者指導者研修を受けた主任及びベテラン職員が実習生・ボランティアの担当をしています。毎年保育関係大学の実習生10人弱を受け入れ、実習生自身が指導案の作成や挨拶を試みるなど大学側と園との調整で実施されています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @ 横浜市はごみゼロ推進「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」に取り組んでいます。保育室では子どもに分かりやすい表示でゴミの分別をしています。区の活動として生ごみ処理器:キエーロを使用し、残食を利用した土づくりを実践しています。キエーロの仕組みを子ども達に教え、菜園づくりを行い食育活動の一環としています。eラーニングシステムで総合環境研修「横浜市の環境マネジメントシステム」を受けています。多くの環境問題への取り組みがありますが、運営計画や保育計画には環境配慮への考え方を明文化したものは見られませんでした。
A 主任に対して区内の市立園の研修として主任保育士研修(代行保育士研修)があります。副園長・主任は職員のシフト・調整、休暇の調整や取得状況の把握をしています。また、カリキュラム内容及びクラス保育状況の確認をしています。主任は責任職とともにフリー保育士やベテラン保育士と連携し、各職員の人材育成を行っています。職員と園長とのパイプ役になっています。職員・非常勤職員の相談に応じ、良好な関係で業務に取り組めるよう配慮しています。業務以外でも趣味や休憩時間などでコミュニケーションを図っています。
B 市こども青少年局により市全体の代表園長会が毎月開催され、保育所運営に関わる課題や改善などについては報告・検討されています。月2回開催する区の市立園園長会に参加しています。区保育施設連携会議が年4回開催されています。この会議において、区からの情報提供や情報共有を行っています。ニュースなどから運営上必要と考えられる重要な情報は職員で共有し、職員会議で検討しています。例えば、散歩マップの危険個所の見直しを行い区と協議して、改善を図ったケースもあります。
6 職員の資質向上の促進 @ 職員は正規職員、嘱託職員及びアルバイト職員で構成され、延長保育などに対応するためにシフト勤務体制です。人材育成は「横浜市人材育成ビジョン」及び「横浜市保育士人材育成ビジョン」に則り進められています。園長は年度初めに職員と面談し、資質向上に向けた目標を話し合い「目標共有シート」を作成しています。年度の中間と年度末に再度面談を実施し進捗状況や成果の確認を行っています。目標の達成には、職員の連携が必要であり、職員会議で目標を共有しています。横浜市保育士人材育成計画に基づき研修制度が確立しています。
A 「横浜市保育園保育士の自己評価」や「キャリアラダー」に基づき、「目標シート」や「キャリア自己分析表」により一人一人が自己評価をしています。自己評価を踏まえて、保育の質の向上を目指した取り組みや計画的な研修を実施しています。また、園として「横浜市保育所の自己評価」に基づき、毎年年度末に職員全体で自己評価を行うとともに、保護者アンケートも実施しています。いずれも集計結果を掲示し、保護者に周知しています。自己評価やアンケートから、今年度の課題、取り組み状況、次年度の課題や改善点などを汲み取っています。
B 園長は「目標共有シート」を基に職員と年3回の面談を通して目標設定、進捗状況や成果の確認を行っています。この面談を通じて、職員と意思疎通を図り、目標の達成に向けたアドバイスをしています。「横浜市人事考課制度」を利用して職員は保育の質の向上を目指しそれぞれに目標を持って行動しています。自分で考えて行動することを基本に担当業務や役割分担を決めています。年1回人材育成研修会を全員が受講しています。人材育成計画を周知することで、職員自ら短期的及び長期的ビジョンが持てるようになっています。

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